択一式問題のパズル化で試験は難度が上がった。
文章並べ替え問題、穴埋め問題、学説列挙型の論理問題(学説と根拠、批判を組み合わせるのが一般)、「 」の見解問題など。外交官試験の合格者(憲法必須)から司法試験も受けてみるかと相談を受けたことがあるが、憲法の択一を解いてみてから決めれば良いと助言したら、彼は受けなかった。問題が論理的に解けるものであれば、模試の受験者4千人は8割の正解率を叩き出した。正解率が高すぎるので出題者側が考えたのは、たとえば文章並べ替えと穴埋め問題を複合して出題するという方式だった。個別に出されれば8割の正解率なのに、複合されると正解率が1割〜2割ほど下がる。人の脳は基本同じ性質のシングルタスクしか処理出来ないから、複合されると1割ほどの人が思考停止に陥ったりミスが増えるのだ。だが、そういうものだと認識し、処理する順番を決めてさえいれば、従来通りの正解率まで持っていける、と気づいた人はすぐにコツを掴んでいた。