ツンデレにこれって間接キスだよなっていったら0.8 [転載禁止]©2ch.net
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0001ほんわか名無しさん
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2014/12/31(水) 17:37:27.350
◆このスレは何?
ツンデレの妄想でひたすら萌え続ける場です。どんな形でもいいのでアナタのツンデレ妄想を垂れ流してください。
◆前スレ
ツンデレにこれって間接キスだよなっていったら0.6
http://nozomi.2ch.net/test/read.cgi/honobono/1384561770/
◆過去ログ置き場
http://www.tndr.info/
◆Wiki(過去ログ置き場以前の過去ログ・更新停止中のまとめ等もwiki参照)
http://www45.atwiki.jp/viptndr/pages/1.html
◆ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら 専用掲示板
http://jbbs.livedoor.jp/computer/21510/
◆うpろだ
http://tunder.ktkr.net/up/
http://www.pic.to/ (携帯用)
◆お題作成機
http://masa.s23.xrea.com/
http://maboshi.yh.land.to/tundere/
◆規制中の人向け、レス代行依頼スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/21510/1275069975/
0191ほんわか名無しさん
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2015/05/25(月) 08:19:12.95O
お題
つ・ツンデレの大切な写真データを保存していたパソコンが壊れてしまったら
 ・ツンデレの黒歴史
0193ほんわか名無しさん
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2015/06/04(木) 15:08:44.770
お題

・今年のエイプリルフールに嘘をついてなかった事に気づいたタカシ

・2ヶ月遅れのエイプリルフールを行うことにしました

・メイドツンデレに「親の会社が倒産しそうでヤバイから従業員を減らす」
 「申し訳ないけど今日中に出て行ってくれ」

・と言ってみることにしたタカシ

・勿論ツンデレ以外の従業員は仕掛け人として協力してくれました

・両家の親もノリノリです

・早速決行

・タカシのイタズラだと思い相手にしないツンデレ

・しかし周りの協力のおかげでツンデレに信じさせることに成功

・なんやかんやあった後、「お給料も入りません、貯金もお渡しします、外に働きにも出ますから、そばに置いてください!」と言い放つツンデレ

・これにはタカシは勿論、モニタリングしている本家の従業員と親達もビックリです

・数日後、顔をボコボコに腫らしたタカシを連れたツンデレが本家に乗り込んで来て、関わった人全員に説教するのでした
01941/6
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2015/06/07(日) 11:45:17.430
・ツンデレのことを雨女だってからかったら

『やっぱ、映画とか? それともアウトレットで買い物するか……』
『ディズニーランド行こうよ。最近行ってないじゃん』
『ダメ。こないだ、家族で行こうとしたらさ。9時で入場制限掛かって入れないんだもん。
平日ならともかく、休みなんてムリムリ』
『えーっ。ほら。早朝から並べば――』
『夏休みとかならともかく、ただの日曜日にそんな体力使うこと出来るか。しかも、月曜
古文の小テストじゃん。諦めれ』
『むー……』
 今度の日曜日。どこに遊びに行くかという話であたしたちは膝を突き合わせて相談して
いた。何といっても遊びたい盛りの16歳。休みの日に家にこもっているなんてあり得ない。
『かなみは? アンタ、さっきから黙ってるけど何か無いの?』
 何となくあたしたちの面子ではリーダー格になっている友子から聞かれて、あたしは顔
を上げた。ちなみに彼女とは、中学3年間もずっと同じクラスで親友である。
『いやー。なんかさ、こう久しぶりに体とか動かしたくない? アスレチックとか……なんて』
『でた。体育会系。これだから陸上部は』
 仲間内の一人であるつむぎちゃんに言われて、あたしは内心ため息をつく。絶対反対さ
れると思ったから、口に出さなかったのに。
『かなみだったら、夜中からディズニー並んでも、一日体力持ちそうだよね。ムダに元気だし』
 今度は結菜ちゃんだ。二人は中学も文系で運動はからっきしという点で共通している。
『ムダにとか言うな。むしろ二人が引きこもりすぎなのよ。あたしらいない時とか、二人
でずーっとマックでスマホゲームとかやっててさ。不健康だよ』
『不健康言うな。別にバカみたいに体動かしてりゃ健康ってわけでもないじゃん。あたし、
風邪も引かないし』
『それはつむぎがバカだからだよ』
『裏切りかよ、結菜!!』
 つい二月ほど前の入学式で知り合ったとは思えない息の合った漫才を見せる二人の会話
に、友子が割って入る。
01952/6
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2015/06/07(日) 11:46:32.540
『ま、それはともかくとしても、かなみとアウトドアで遊ぶってのはちょっと、私は遠慮かな』
『何よ。その意味ありげな言い方は』
 妙に引っ掛かる言い方を問い質すと、友子はわざとあたしを無視して二人に耳打ちする
ように話しかけた。
『あのさ。かなみと出掛けると高確率で雨が降るのよ。だからさ。遊ぶなら、最低限屋根
があって逃げ込めるところにしておかないと。あと、雨具必須ね』
『ちょっと!! 勝手な言いがかりつけないでよね。人を雨女みたく言わないでよ』
 さすがにちょっとイラッと来て語気を荒げるが、友子は全く意に介さず、シレッとした
口調でとぼけた。
『あれ? ゴメンゴメン。聞こえちゃった?』
『わざと聞こえるように言ったくせに。嫌味ったらしい』
 憎々しげに睨み付けるあたしの脇で、つむぎちゃんが興味津々な顔で友子の方を向いた。
『ね、ね? そういうからにはさ。かなみんの雨降りエピソードっていっぱいあるんでしょ?
 何か面白いの聞かせてよ』
『んー……そうねぇ…… 私も持ってるっちゃ持ってるけどアイツの方がもっと面白い話
が……って、ちょうど良かった。別府君別府君。ちょっと来てよ』
 あたしが制止する間もなく、たまたまその時教室に戻って来た男子を友子が呼びつけた。
別府タカシ。やっぱり中学の、というかあたしとは小学校5年からの腐れ縁だ。
「何だよ? 変にニヤついた顔して。変なイタズラとかするんじゃねーだろうな?」
 警戒心を露わに近づいてきた別府に、友子は指を振って否定した。
『いやいや。かなみと一緒の行動を取ると雨に降られやすいって話。別府君の方が色々と
被害に遭ってるんじゃないかなって』
『そんなことないわよ!! 否定してよね、別府。そんなことないって』
「いや。確かに椎水が絡むと、大抵雨降るんだよな。運動会も大体、一回は順延になってたし」
『おいいいいいっ!!』
 人の制止を無視して話し出す別府に憤って掴みかかろうとするも、あっという間につむ
ぎちゃんと結菜ちゃんに止められてしまった。
『ま、ま。かなみちゃん。ここは落ち着いて話聞こうよ。ね?』
『あたしは聞きたくない!!』
01963/6
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2015/06/07(日) 11:47:05.070
 つむぎちゃんに当り散らすも、別府はあたしの叫びなんてまるで無視して話を続けた。
「小6の林間学校も、キャンプだったんだけど夕方に雷雨になって大変だったし。修学旅
行も小学校は一日目と二日目雨だったろ? で、中学の時は自由行動の最中に雨に降られ
てさ。しかも奈良行ったグループだけが。椎水と同じ時間に学校出ると急に天気悪くなる
ってしょっちゅうだったし、後は文化祭の時に準備で椎水が買いだしに出掛けたら雨降っ
てきて、帰ると同時に晴れ間が戻って、一人だけジャージでキレてたってこともあったな」
『そんなのたまたまでしょ? 大体、みんなで一緒に行動してんのにあたしのせいってお
かしくない? アンタが雨男かも知れないじゃない』
「椎水と帰る時間違う時は、ほとんど降られた記憶ないんだよな。高校入ってからはまだ
一度もないし。むしろ部活終わる時間とかになると曇ったりしてね?」
『あー…… それ、あるかも。てか、かなみってここぞって時に雨降らせるのよね。イベ
ントのある時とか、ウケ取れる時とか。ある意味空気読みすぎってくらいに』
『あたしが雨降らしてるわけじゃない!! それ、言い方おかしいし。大体、いつも雨降っ
てるわけじゃないでしょ? こないだの球技大会だって晴れだったじゃない』
「あの時は椎水、バレーボールで屋内だったろ? お前が外の競技じゃなきゃ大丈夫なん
だよ。中学の体育祭って、確か二年の時は晴れたよな? 椎水が部活で怪我して出れなかった時」
『あ、そうそう。みんなで密かに言ってたのよね。妖怪アメフラシの呪いが掛からなかったって』
『人を妖怪扱いするなっ!! 大体、雨女だ雨男だって科学的根拠も何もないじゃない。
単なる確率の問題でこれまでたまたまあたしが外に出掛けるイベントの時に雨の日に当たっ
たって印象が強いだけの話じゃない。思い込みよ。そんなの』
 別府と友子が仲良さそうにうなずき合うのも癪に障り、あたしはいきり立った。すると
友子が得たりとばかりに意味ありげな笑みを浮かべてうなずいた。
『そう思うんだったらさ。実証してみればいいんじゃない?』
『実証って、何をよ?』
『だからさ。実際にかなみがアスレチックに行って、その日に雨が降るかどうかを、よ』
01974/6
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2015/06/07(日) 11:47:37.960
 その不敵な態度に、てっきりあたしは友子が挑戦状を叩きつけているのかと思った。感
情が昂ぶっていたこともあり、あたしは友子の机にドン、と手を突いて彼女をにらみ付けた。
『いいわよ。行くわよ。絶対晴れるって日に行って、それでも雨に降られたら雨女の称号
だろうがアメフラシだろうが、好きなように呼ばせてあげる。だけど降らなかったら、二
度と雨女だなんて言わせないんだから』
 すると友子はスッと視線を逸らすと、別府の方を見上げた。
『というわけだから、よろしくね。別府君』
『「は?」』
 あたしと別府の間の抜けた声が同時に響いた。そしてあたしと別府は互いに顔を見合わ
せて、その瞬間、あたしは友子から何を突きつけられたかを唐突に理解した。
『ちょっ…… ちょっと待ちなさいよ友子ぉっ!! 何で何であたしがこいつと……べっ、
別府と二人でなのよ!! こいつが来るのはともかくとして何でアンタが来ないのよ。意
味わかんない。何で丸投げしてんのよ!!』
「いや。そっ……そうだって。何で俺が巻き込まれてんだよ!! お前らが行くんじゃねー
のかよ?」
『いや。だって私、雨降るって分かってんのに行きたくないし』
 さも当然のように受け流すと、あんた達はどうするのと言わんばかりの視線をつむぎちゃ
んと結菜ちゃんに送る。
『あ。あたしアスレチックとか超苦手だからパス。雨降るとか以前の問題で、高いところ
も苦手だし』
『私も。つむぎよりはやれると思うけど、埃やら土で服とか汚して無駄に疲れるようなこ
として楽しいとか思えないし。で、おまけに雨に濡れるとかあり得ないかな』
『当たり前のように雨降る前提でしゃべんなお前ら!!』
 乱暴な言葉で怒鳴りつけても、みんなシレッとした顔で受け流している。友子はあたし
を無視してもう一度別府を見上げた。
『別府君は、当然オッケーよね? 男子として、まさか女子とデート出来るなんてラッキー
な展開をみすみす逃すとか、あり得ないわよね。しかも、かなみってなかなか可愛いと思
うけどな。どう?』
「デッ……デート!? っておま――」
『ちょっと待ちなさいよ友子っ!! デートってどういうことよ? 何でそんな展開になって
んのよ。いいい……意味わかんないわよ!!』
01985/6
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2015/06/07(日) 11:48:07.260
 友子の言葉に動揺してあたしは別府の言葉を遮って友子に噛み付いた。それから横目で
チラリと別府の顔を見つめる。すると急に心臓が高鳴るのを自覚して、あたしは慌てて視
線を友子に戻した。
『だって、かなみは雨女じゃないって事を証明したいんでしょ? だったら同行する人数
は少ない方がいいじゃない。それを確認する相手に別府君って最適だなーって。でも、理
由はどうあれ、男女が二人で遊びに行くのなら、それはデートじゃない?』
『だってあたしはコイツと付き合っているわけでもなんでも――』
『別にデートって、恋人同士や夫婦じゃなきゃいけないって決まりはないでしょ』
 友子の論理にあたしは言葉を失う。逃げ道を探してメンバーを見渡すも、こいつらは全
員敵だ。残っているのはただ一人。事態に巻き込まれた別府しかいなかった。
『べっ……別府はどうなのよ? その……急にあたしと一緒にアスレチック行けだなんて
言われて、その……嫌……じゃないの?』
 もっとスラスラと聞くはずだったのに、どういうわけか言葉がつっかえつっかえにしか
出て来なかった。あたし自身予期もしていなかった漠然とした不安がしこりのように胸に
溜まる。別府が口を開くまでのほんの一拍程度がすごく長く感じられた。
「俺は、その……別にその、嫌じゃねー……つか、まあその、今まで女子と二人っきりで
遊び行くとかした時ねーから……っつか、まあその、急に今週とか言われたら困るけど、
椎水が都合のいい日を指定してくれたら空けるから……」
 その口調から、別府があたしのことを女子として意識してくれているのを感じて、不安
が消えるのと同時に、今度はすごく気恥ずかしくなってしまった。こんなことで自分を好
いてくれていたんじゃないかとかそんな勘違いはしないけれど、それでも何か嬉しい。
『さあ? あとはかなみん次第よ? 雨女の称号を返上するラストチャンスだと思いなさ
い。不戦敗なら、明日から雨子ちゃんとか呼んであげよっかな? ぬふふ』
 友子の明らかな挑発に、あたしは後には引けないことを悟った。こうなったら意地でも
雨の絶対降らない休みを選んで、別府の目の前であたしと二人きりでも雨が降るわけじゃ
ないことを証明するしかない。
01996/6
垢版 |
2015/06/07(日) 11:49:39.440
『分かったわよ。別に、別府とデートしたいわけじゃないけど、そんな変なあだ名付けら
れるくらいだったら、アスレチックデートでも何でもするわよ。別府のそれでいいのよね?』
 まるで挑戦状を叩きつけたかのような視線で二人をにらみ付けると、友子はいかにも上
機嫌に、別府は困惑を隠しきれない表情でうなずいた。
「あ、ああ。椎水さえ良ければ俺は……それでいいよ」
 別府の答えに、友子とつむぎちゃんが囃し立てる。
『やったねかなみん。あんたも人生初デートじゃん』
『おーっ!!もしかしたら、これをキッカケに二人に恋が芽生えるなんてことも――』
『それはないっ!!』
 とっさにあたしは、別府のことも省みずに全否定してしまった。ちょっと後悔の念が頭
を掠めたが、ここで変に曖昧な態度を取れば、彼女達の前じゃ絶対気があると思われてし
まう。むしろ、正直を言えば、ちょっと気になる存在ではあるのだが、まだ好きかどうか
の判別にまで至っていないのに既成事実化されるのは困るし、別府だって困るだろう。
『ま、まあ、その……そういうわけだから、その……よろしく。でもその、あくまで、雨
女じゃないってことを証明するため、だけなんだからね。そうじゃなかったらこんなこと……
あり得ないんだから』
 恥ずかしくってつい分かりきった断りを入れてしまう。
「分かってるよ。でもさ。どうせ行くなら楽しもうぜ。ま、俺も体動かすのは好きだし」
 別府の前向きな言葉に救われる思いであたしはうなずいた。
『うん…… まあ、せっかく行くなら……そうよね。楽しまないとね……』
『初々しいすなあ。もう……見てるこっちが痒くなっちゃう』
 無理矢理見合いさせられたようなあたし達を、つむぎちゃんがそっと茶化したが、その
声はあたしには届いていなかった。


もしかしたらデート編に続くかもしれないという
0200ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/06/11(木) 02:03:52.340
お題

・ゆんぼだんぷの 『まるで鏡のような水面に雨の雫が一滴落ちる音』を、お嬢とメイドのおっぱいで実行したいタカシ
02021/3
垢版 |
2015/06/14(日) 00:54:38.980
>>200
・ゆんぼだんぷの 『まるで鏡のような水面に雨の雫が一滴落ちる音』を、お嬢とメイドのおっぱいで実行したいタカシ

「おーい二人とも、ちょっと待ってくれ」
『あら、タカシですか』ドタプ〜ン
[何か御用ですか?]センベ〜イ
「………ムリダナ」
『タカシ、今私たちに対してすごく失礼なこと考えませんでしたか』
[いえ、お嬢様、私にだけ失礼なことを考えていました、きっとそうです間違いありません]
「いや、今更Gガンを見てキングオブハートになりたくなっただけだ、変な事じゃない」
『じーがん?何の事ですのそれ?』
[だからお前はアホなのだぁ]ボソッ
『あなたも急に何ですの!?』
[ところでタカシさん、用事がないなら私たちはこれで、]
「ああ、二人とも呼びとめて悪かったな、そんじゃぁまた明日」
『二人して無視しないでください、じーがんって何なんですのぉぉぉぉ』
02032/3
垢版 |
2015/06/14(日) 00:56:02.250
数日後

『(大丈夫、大丈夫ですわ、行きますわよ!)』
「手紙で呼び出されて、すわ告白かと浮かれてきたら誰もいない、泣くよ泣いちゃうよ俺」
『こ、答えよ!タカシ!』
「うわっ!お嬢か、もしかしてこの手紙ってお嬢が」
『流派東方不敗は!』
「え…」
『りゅ、流派東方不敗は?』
「ごめん、何やってんの?」
『タ、タカシのアホォォォォォォォォォ』
「えー、いや、情報量多すぎて処理できないんだけど、何なのこれ?」
[タカシさん]
「芽衣さん!何なんですかこれは?」
[驚くのも無理はなかろう。信じられぬのも無理はなかろう。だが、これは真実だ!]
「そもそも何が起こっているのかも理解できていません」
[闘う意志のある者だけがついてこい!]
「はあ、じゃあ付いて行きます」
[]チョイチョイ
「」ノゾキコミ
『やっぱり大丈夫じゃなかったー!ほーらやっぱり!知ってました、私初めから知ってました!
 上手くいかないなんて知ってましたわよぉぉぉ、アホ、バカ、朴念仁、えーと、バカ!』
「」…
[]ポン
「」ハッ
「[]」コクリ
02043/3
垢版 |
2015/06/14(日) 00:57:13.350
「お嬢」
『きゃあ!タカシ、いつの間に…』
「流派東方不敗は!」
『え…何をして、』ハッ
『お、おうじゃの[王者の風よ!]あれ?』
「全新系裂!」
[天覇侠乱!]
「[見よ東方は!赤く燃えている]」
「お嬢、すまなかったな。お嬢もシャッフル同盟に入りたかっただけだったのに
 芽衣さんに言われるまで、その気持ちに気付けなくって、ほんとにゴメン」
[さあ、お嬢様も一緒に遊びましょう、石破天驚拳ごっこしましょう。私師匠やります]
『……確認しときますけど、タカシは芽衣に言われてこんな事をしているんですのよね?』
「うん?そうだけど、お嬢は何やる?シュバルツ兄さん?」
『芽衣、わかってやってますわよね』
[ええ、勿論]
『うふふふふふふふふ、うふふふふふふふ。人の恋路を邪魔するヤツはァ!!馬に蹴られて
 地獄に堕ちろォッ!!』
[見えた!水の一滴がぅふぇ]
「芽衣さぁぁぁん!」
『タカシ!』
「はいぃ!」
『帰りなさい!そしてすべて忘れなさい!』
「はい!失礼しました!」
[マスターアジア暁に死す]ボソッ

〜終われ〜
0208ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/06/14(日) 23:55:02.790
お題

・メイドツンデレの誕生日に、立場を逆転(プレゼント付き)しようと思いつくタカシ

・お断りするも、ションボリするタカシを見て、結局受け入れるツンデレ

・受け入れたものの、タカシが家事をキチンと出来るか不安で、何度も確認に行くツンデレ

・ツンデレを不安を吹き飛ばすほど完璧に家事をこなしているタカシ

・料理もとても美味しく、彩りも綺麗で非の打ち所が有りませんでした

・ふと、自分はタカシには必要無いのではないか…と思ってしまうツンデレ

・そして洗い物をしているタカシに「私はあなたにとって必要あるのでしょうか…」と聞いてしまうツンデレ

・自分は愛想が無いこと、態度もメイドに有ってはならないもので有ること、家事炊事もタカシ1人で出来る事を挙げて、ついには涙を流すツンデレ

・そんなツンデレを優しく抱きしめて、料理は本家のメイド達に習い、ツンデレの好物も聞いた事
家事は本家メイドに習ったのもあるが、いつもツンデレの事を見ていて覚えた事
ツンデレの家事をしている真剣な姿から、態度には表さない思いやりを感じている事をツンデレに伝えるタカシ

・そして何よりも、好きな人に喜んでもらいたい一心だったと照れくさそうに言うタカシ

・結婚
02091/3
垢版 |
2015/06/18(木) 02:34:49.950
【ツンデレと歯医者に行ったら】

 気のせいだと思うが、なんか歯が痛い。まさか、まさかね。……いやいや、いやいやいや。ない。ないよ。
「だってほらアレだよアレアレ今どき歯痛とか流行らないしそれにほら案外気のせいかもしれないし実はただの口内炎で放っときゃ治るかもしんないし」ブツブツブツ
「……何やらタカシが挙動不審。だがそれはいつものことなので、結果として不服」ムー
 人が必死で自己暗示してるってのに、例のちっこい娘さんがちょこちょこっと俺の席までやってきて俺を馬鹿にする。
「勝手なことを言うない。あ、そうだ。こんにちは」
「……こんにちは」ペコリン
 きちんとお辞儀して挨拶を返すちなみは偉いなあと思ったので、頭をなでてみる。
「…………」ムー
 不満そうな顔をされたが、言葉にまではしていないので、まあ良しとしたのだろう。これ幸いとなでまくる。
「……やめれ」
「はい」
 言葉が出たのでやめる。まあでも満足。
「……で。……虫歯と聞きましたが」
「ひっ。き、気のせいじゃないカナ? そ、そんな放送禁止用語言った覚えはないよ?」
「……放っておくと手の施しようがなくなるが、よろしいか」
「ひぃ。い、いや、まだ慌てるような時間じゃない。大丈夫、しっかり歯磨きすれば治る。たぶん」
「……昔。……遠い昔。……まだ歯医者という職業がなかった時代。……虫歯が原因で、死んだ人もいたとか」
「ひぃぃ!」
「……あまりの痛みに、全身がひきつり鬼と見まごう顔つきだったとか、そんな」
「う、嘘ですよね?」ブルブル
「……はい」
「…………」
「……えいぷりるふーる」ジャーン
 ちげえ。
「……でも、虫歯が原因で死んだ人がいたのは、本当。……なので、タカシも放置して、その轍を踏むといい。……ちなみの、オススメ」ニッコリ
「俺の知り合いが素敵な笑顔で俺に死ねと言ってくる」
「……だいじょぶ。……葬式には顔出す」
「そんな心配はしてねえ! ええい畜生、そこまで言われたら怖くなってきたじゃねえか……」
「……虫歯で死ぬか、麻酔なしドリルの痛みで死ぬか。……どっちにしても、楽しみ」ワクワク
「勝手に麻酔の使用を禁止しないで!」
02102/3
垢版 |
2015/06/18(木) 02:35:40.680
「……わがまま」ムー
「女じゃなかったら殴ってる」
「…………」ムフー
 満足気な顔が大変にムカつきます。つむじ押してやれ。
「……やめれ」(不満げ)
「嫌です」グイグイ
「…………」ムー

「そんなわけちなみのでつむじを押したら嫌がらせとばかりに学校にいる間中怖い話(虫歯限定)をされ続けガリガリSAN値を削られたので、帰宅後歯医者に来た」
「……来たー」バーン
「そしてなぜいる、ちなみ」ウニウニ
「……ほっぺをうにうにするな」
「嫌です」ウニウニ
「…………」(迷惑げ)
「ああ楽しい」ウニウニ
「……まあ、どれだけ現実逃避しても、歯医者からは逃れられないのだけど」
「ぐぬぬ」
「……ふふ。……ああ、そしてここにいる理由はと言うと。……高校生が歯医者に怯え、泣き叫ぶ様を間近で見たかったから、としか言い様がない」
「なんていい趣味してやがる。あと怯えてはいますが、泣き叫びはしませんよ?」
「えー」(不服)
「この野郎」
 などとちなみと話したりほっぺを引っ張ったりしてると、俺の名が呼ばれた。来た。ついに来た。
「……骨は回収した後、ちゃんと焼却炉に入れておく」
「やめて。ていうか骨は燃えねえ」
「……じゃあ犬にやる。……食中毒になる可能性が9割を超えているので、今のうちに慰謝料よこせ」
「悪魔か」
 ニヤニヤ笑ってるちなみを待合室に置いて、医師の待つ部屋へ。……ん、なんかちなみと話してたら緊張がほぐれたな。まさか、あいつわざと……?

「で」
「……どだった。……ちゃんと歯を削られたか。……歯髄までえぐられたか。……歯にフッ酸を塗布されて狂乱死したか」ワクワク
 歯医者からの帰り、ちなみと一緒にてぽてぽ歩いてるのだが、楽しげな同行者から尋ねられっぱなしで少々困っている。
「ねーよ。どんな拷問だ。ただ、来週も来てくださいねーって」
02113/4
垢版 |
2015/06/18(木) 02:38:12.080
 ちなみの顔が見る見る輝いていく。いや表情は依然無表情のままだが、雰囲気がね。付き合い長いからなんとなく分かるの。
「……それはつまり、来週こそお楽しみが……?」ワクワク
「おまいはどうしても俺に拷問を受けてもらいたいようだね」ギリギリ
「……びっくり。……タカシのくせに聡いなんて生意気だ」
「この野郎」ムニー
 ちなみのほっぺを引っ張って溜飲を下げる。……まあ本当はそんな怒ってないけど。
「……それで、何時から?」
「ん?」
「来週。……歯医者」
「え、今回のと同じだけど……え? 来週もお前来るのか?」
「……幼女が応援するのだ、喜びこそすれどうして嫌がろうか」
「自分で幼女言うな。いやまあ概ねその通りですけど! ただその幼女の性格がなかなかに毒を含んでましてねェ」
「……ふふん?」
 なんで誇らしげなんだ。よく分からん奴。
02124/4
垢版 |
2015/06/18(木) 02:40:01.070
「いやまあ来てくれるのは待ち時間に話ができて単純に嬉しいけど、俺の治療中、待ってる間ヒマじゃないか?」
「……い、今か今かとタカシの悲鳴を待ってる。これほど楽しい時間はない」
「拷問確定かよ……。ま、俺はお前と話してたらリラックスできるからいいけどな」
「っ! ……な、何を言ってるのか。わ、私は単にタカシをからかって楽しんでるだけにすぎない。や、やれやれ、これだから童貞はすぐに勘違いして困る」
「いや、別に童貞は関係ないかと」
「な、何を冷静に否定しているのか。まったく、これだからタカシは。まったく、まったく」プイッ
「いやはや。んじゃま、来週も頼むな、ちなみ」ポン
「……ふ、ふん。特別に頼まれてやる。か、勘違いするな、優しい私だから一緒に行ってあげるだからな?」
「へーへー」ナデナデ
「……ふん」
 顔はそっぽを向いたままだったが、頭をなでても嫌がらず、語調も柔らかくなったので、たぶんちなみも俺とそう変わらない気持ちでいるのだろう、と勝手な想像をした。
「……手が止まってるが」ムスーッ
「あ、はい」ナデナデ
「……別になでなでしてほしいとかじゃないから。指摘しただけだから」
「何も言ってねえ」ナデナデ
「……貧乳の乳を揉んでも詮ないから頭をなでる方がマシだ、とタカシが言う」
「マジで言ってねえ!」
「…………」ジトーッ
「冤罪だ! 違う、そんなこと言ってねえ!」
 ちょっと前まで俺の優勢だったのに、あっという間に逆転される俺の日常でした。
0213ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/06/18(木) 02:54:04.190
ちなみん!!!ちなみん!!!ちなみぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃん!!!!!!
0216ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/06/18(木) 22:04:29.550
拾い物だから詳細は分からん
名前もちなみなのかちなつなのかちなえなのか
0217ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/06/18(木) 22:46:50.520
「しゅーしゅくしゅ!」 滑空 ヒット出版社

画像検索したら出て来たお(^ω^)



つか、ツンデレスレにエロ漫画の画像って10年ぶりくらいだな
初期はよくあったが……
0219ほんわか名無しさん
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2015/06/19(金) 00:05:44.180
その時代は知らんけどよくあることだったのか
ヒロインのロリがちなってだけで貼ってもーたがツンデレ分はなかったな
0220ほんわか名無しさん
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2015/06/19(金) 01:45:02.070
VIPが出来てまだ1年くらいで、ホントに何でもありな空気の中でこのスレも出来たからねえ
ツンデレ分どころか、レイザーラモンHGやらウォーズマンやら、今にして思えば訳の分からんもので溢れてたwwww
0221ほんわか名無しさん
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2015/06/19(金) 03:53:17.710
100あたりからの人間だけどそれでも50とかの過去ログ読むと今と全然ちげえ!?ってびっくりしたわ
0222ほんわか名無しさん
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2015/06/19(金) 21:40:52.010
ち「(ガチャ)入る」
俺「どわぉ!! ノックも無しに人の部屋に入ってくるな! そも、玄関の鍵はどうした!」
ち「合鍵」
俺「どどど、どっから?」
ち「ご家族」
俺「もぉ〜〜〜!! もぉ〜〜〜〜!!」
ち「あ、牛……」
俺「ちげぇよ! そうじゃなくて……」
ち「えらい慌てよう……。何を見ていたのか……」(ちらり)
俺「ままま、待てって!!」
>>214
ち「ちなで、ちんち……」
俺「いや、違くてね? これはね?」
ち「……キモい」
俺「ぐへぇぁっ!?」(グサァッ!!)
ち「……こんな小さな子どもの破廉恥な画像で喜ぶのもキモければ……、私と同じ名前というのも……また、キモい」
俺「うぐぐ……」
ち「気持ちが悪い」
俺「むぬぬぬ……!!」
ち「気色が悪い。気分が悪い」
俺「ああもう!! 何なんだよもう!!」
ち「あ、牛……」
俺「うるせえ!!」
ち「まぁ、何より気分が悪い点は……」
俺「なんだってのよ」
ち「……」
ち「……やっぱり、内緒。許してやるから……お菓子を、買ってこい」
俺「……はぁ〜っ。ポテチ買ってきます……」
ち「ん……」
ち(……私がいるのに、そんなエッチな画像を見ること……だよ)
0224ほんわか名無しさん
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2015/06/20(土) 00:11:02.530
違うんだよあれはエロ目的で保存したんじゃないんだよ
ちなという名前の女の子だから保存せずにはいられなかったんだよと
土下座して頭を下げつつも、いかにちなみんに愛情を注いでいるかを命かけて説明したいなと
心の底から思った
02271/5
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2015/06/21(日) 10:49:16.970
・ツンデレのことを雨女だってからかったら〜その2〜

 そして二週間ほどが経った。
 あたしは待ち合わせ場所のターミナル駅の改札を出たところで、そわそわしながら別府
を待ち受けていた。地元の駅で待ち合わせなかったのは、万が一にも中学の時の友達と鉢
合わせたりしたら、変な噂が広まってしまうかも知れない。というより、説明のしようが
なかったからだ。
『……遅い』
 あたしは左手首にはめたファッションウォッチを見る。もっとも待ち合わせ時間までま
だ10分弱あるのだが、30分も前に着いてしまったあたしは、延々と待たされている気分だった。
『あー、もう。イライラする…… こういう時って男子は普通10分前に来るもんじゃないの?』
 勝手な不満を振りかざしていると、コンコースの混雑が急に激しくなる。どうやら電車
が到着したようだ。
『これで来なかったら…… 今日のデート、全部あいつ持ちにしてやろうかな……』
 別府が彼氏だったら甘えてもいいけど、成り行きで決まったデートであたしの分まで払
わせるのは失礼だと思ったから、基本あたしは自分の分は全部自分で払うつもりでいた。
人が流れて徐々に少なくなって来ても別府は来ない。次の電車だと多分ギリギリだろう。
何て文句を言ってやろうかと頭の中で算段を始めた時、改札を出たところでキョロキョロ
と頭を巡らせている男がいるのに気付いた。別府だ。
『やっと来た…… 良かった……』
 ようやくこの緊張感から解放されると知って、あたしは小さく安堵の吐息をつく。始ま
れば始まったでまた別の緊張が襲うのだろうけど、少なくとも、一歩前に進んだ気がする。
「椎水!!」
 ようやくあたしを見つけたのだろう。別府があたしを呼びつつ駆け寄ってきた。
『遅い!! どんだけ待たせんのよ!!』
 こんだけ長いことドキドキさせた恨みも込めて文句をぶつけると、別府は駅の時計を確認する。
「あれ? 9時半集合じゃなかったっけ? 俺、時間間違えたかな?」
 別府がスマホを取り出してスケジュール確認しようとするのに先んじてあたしはそれを
正す。
『ううん。それで合ってるけど……でも、普通こういう時って男なら早く来るもんじゃないの?』
02282/5
垢版 |
2015/06/21(日) 10:49:53.790
 自分でも勝手な理屈だと思いつつもそうやって自分を正当化しようとすると、別府はちょっ
とごまかすように笑った。
「いやあ。そうしようと思ったんだけどさ。家出てからスマホ忘れたのに気付いて。つか、
椎水さ。どのくらい待ってたんだ?」
 その質問に、あたしは自ら地雷を踏んだことに気が付いた。
『う…… そ、その……じゅ……15分くらいよ。何か、中途半端に時間が余っちゃってさ。
いっそ早く行く分にはいいかなって…… だ、だからってその、楽しみにしてたとか、そー
いうんじゃないんだからね!!』
 この言い訳がまた、メチャクチャ恥ずかしくてあたしは顔を火照らせてうつむいてしまっ
た。しかもホントは30分待ってたのにウソついたことが余計に気分を助長させる。ああ。
もう何だってこんなこと言わなくちゃならないんだろう。死にたい。
「そりゃゴメン。俺もてっきり10分前には着いてりゃ大丈夫だろとか思ってたけど……
もう少し早く家出れば良かったな」
 素直に頭を下げられるのが、またちょっと腹立たしい。遅刻したわけじゃないのに言い
訳もしないなんて、まるで自分の悪いところを見せつけられてるみたいだ。
『もういいわよ。それより切符買いに行きましょ。時間、もったいないし』
「ああ。椎水、ちょっと待って」
 不毛な会話を打ち切って券売機に行こうとしたあたしを別府が止める。そして手に持っ
ていたリュックのポケットからパスケースを取り出した。
「今日の電車賃、これ使ってくれよ。往復分くらいはチャージしてあるからさ」
『は? い、いいわよそんなの。お金出してくれるってことでしょ? そんなことして貰
う理由ないし……』
 まさか向こうから言われるとか思ってなかったあたしは、慌ててその申し出を拒絶した。
しかし別府は照れ臭そうに首を振る。
「いや、そのさ。どんな理由であれ、女子と二人でデートするわけだし……古いとは思う
んだけどさ。何か女の子に金出させるのカッコ悪いなって…… だからさ。ここは俺の好
きにさせてくれよ」
 お金を出すって言うのに拝み倒してお願いするっておかしいだろ。そう思いつつも、そ
こまで言われて断る理由もあたしは思いつかなかった。
02293/5
垢版 |
2015/06/21(日) 10:50:35.760
『う……まあ、別府がそうしたいって言うなら、好きにすればいいじゃない。その代わり、
あたしはそんなことで感謝したりとかしないからね』
 差し出された交通ICカード入りのパスケースをひったくる様に受け取ると、別府はホッ
としたように笑った。
「まあ、それはいいよ。俺が気の済むようにやってるだけだし。それじゃ行こうぜ。まだ
次の電車まで5分以上あるけどさ。始発だから多分電車、来てるだろうし」
『あ、うん』
 別府に促されて、あたしは小さく頷くと先に立って歩き出した別府の後を追って改札を
抜ける。その背中を見ながら、別府との初デートはどんなことになるのだろうかと、あた
しは内心、緊張しつつちょっとワクワクもしていたのだった。


『こっち、座ろうよ』
 ちょうど前の電車が行ってそんなに時間が経っていないこともあり、電車はガラガラと
言っていいくらいに空いていた。あたしは車両の端っこの席を選び、先に立ってさっさと
歩いていくと、ポン、と座った。固い席の多い最近の電車にあって、こういうふかふかの
席は珍しい。別府がリュックを網棚に置いてあたしの前に立ったので、あたしは首をかしげた。
『どうしたのよ? 空いてるんだから座ればいいじゃない』
 隣の席をポンポンと手で叩いて勧めると、別府は戸惑った様子を見せた。
「へ? い、いいのか?」
『いいも何も、空いてるのに座らないほうが不自然でしょうが』
「じゃあ、失礼して、その……座らせてもらうぞ」
『何それ? 変なの?』
 首をかしげるあたしの前で、別府はシートの半分だけを空けて座った。その微妙な距離
があたしは気に掛かった。
『あのさ』
「な、何だよ」
『背もたれに座る位置を示す四角いのが付いてるじゃん。その真ん中に座るのって、マナー
違反じゃないの?』
 あたしの指摘に、別府は動揺したように抵抗する。
02304/5
垢版 |
2015/06/21(日) 10:51:37.350
「い、いいだろ? 混んできたら詰めればさ。まだ全然席空いてるんだし」
 その答えがちょっとイラッと来て、あたしは別府をにらみ付けた。
『そういう座り方されると、後から来た人がこの座席に座りづらくなるでしょうが。あた
しの隣が嫌だったら、いっそ一つ丸々空ければ?』
「そ、そういうわけじゃねーよ」
 あたしのひがみっぽい言い方に、別府は慌てて席を詰めてあたしに近づく。まだ全然納
得が行ってなくて、あたしは別府を更に追及する。
『そういうわけじゃなかったら、どうしてわざわざ中途半端に席空けんのよ。理由言いな
さいよね。でなきゃもう口利かないから』
 別府にしては珍しく、困ったような顔で下を向いている。こんな曖昧な態度を取るなん
て、正直珍しくて徐々に苛立ちより興味が先に立ってきた。
「理由言ったら、多分ドン引きすると思うけど。それでも聞きたいのかよ?」
 別府が脅すような言い方をして来たけど、それだけにあたしの好奇心は余計にかき立て
られた。聞いたら恥ずかしいことになる予感はしたけど、何かもう引くわけには行かない
気分だった。
『つまり、よく分かんないけどキモイこと考えてたってこと? もうその時点で言ったも
同じじゃない。男らしく言いなさいよ。それはそれで引くかも知れないけど、でもこのま
んまでもどうせ評価下がるだけよ』
 別府の舌打ちする音が聞こえた。あたしはキモイことってなんだろうと思う。もしかし
て、胸元開いてて傍によるとブラが見えるとか? それとも髪の毛の匂いが気になると
か? ちゃんと制汗スプレーはしたし、変な臭いとかじゃないだろうと思いつつもついつ
いチェックしていると、周りが気になるのか、別府が小さな声で答えを返して来た。
「その……さ。何か、電車の座席って、結構距離が近いじゃん。傍に寄っていいのかなっ
て、何か悪いような気がしてさ。いや。普段ならそうは思わないけど、その……椎水の私
服姿なんて滅多に見ることもないから、何かこう、いつもと違うってか……」
『それって、意識してくれてるって……こと?』
02315/5
垢版 |
2015/06/21(日) 10:52:26.010
 恥ずかしいとか思う前に、とっさに口が動いた。別府はちょっとためらって、そして頷
く代わりに顔を正反対に背ける。
「いや、まあその……そういうこと……つーか、可愛いなって……」
 その答えを聞いた途端、あたしは自分の質問を後悔した。全身が熱でのぼせ上がり、体
が硬直して言葉が出なかった。
――うわうわうわ…… 可愛いって言われた!! 別府に……別府に!!
 興奮と緊張でガチガチになっていたあたしは、いつの間にか電車が走り出したことにも
しばらく気付かなかった。


続く
0233ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/06/26(金) 08:56:30.90O
まあ、仮に復旧したとしても、専用ロダが複数あって悪いことはないと思う
0234ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/06/27(土) 01:01:33.540
お題

・メイドツンデレに、Tシャツとジーンズ姿で仕事するように言ったら

・水泳部のツンデレに、居残り練習に付き合う代わりにビキニを着て欲しいと言ったら

・ツンデレに、自分の好きなキャラクターのコスプレをして欲しいと衣装を渡したら
02361/3
垢版 |
2015/06/28(日) 12:34:12.630
・ツンデレのことを雨女だってからかったら〜その3〜

「悪い。変なこと言っちまって。やっぱ、その……引いたろ?」
 呪縛が解けたのは、別府の謝罪でだった。あたしは半ば呆然と彼を見て、次の瞬間照れ
くさくなってうつむく。
『いや……まあその……引くってことは…… ていうか、女の子なら可愛いって言われれ
ばとりあえずは嬉しいし……誰に言われても、だけど…… でも、あたし今日、別に特別
オシャレとかしてないし……』
 照れくさくなって否定するようなことを口にするが、実はウソである。こないだの教室
での話の後、結局週末はショッピングになったのだ。あたしの、デート衣装をみんなでコー
ディネートしよう、という。つまるところおもちゃにされたわけだが。
「そ、そりゃこれからアスレチックで運動するんだから、着飾ってくるのは逆に変だろう
けどさ。でも、こういう活動的な格好は椎水らしいなって思うし……良く似合ってるなって」
『……そ、そお? まあ……褒め言葉だったら、ありがたく受け取っとくけど……』
 こんな風に男子から褒められる経験なんてなかったあたしは、柄にも無く結構動揺して
いた。しかもその相手が別府だったからなおさらだ。他の男子なら照れ臭くはあっても、
素直にお礼くらい返せたのだろうけど。
「……良かったよ。喜んで欲しいなんてうぬぼれちゃいないけどさ。マジ、しょっぱなか
ら引かれたらどうしようかって思ったから。向こう行けとか言われたらさ」
『言わないわよ。あたしだって、まあ……女の子だし。可愛いって言われて悪い気はしな
いし。うん……』
 周りにクラスメートでもいれば、からかわれるのが恥ずかしいから多分怒って当り散ら
すだろうけれど、今日は二人きりだ。だからなのだろう。ちょびっとだけど、素直なのは。
「……は、話変わるけどさ。椎水、今日は部活良かったのか? その……休んだりしたと
かじゃないよな?」
 微妙な空気を修正しようとしたのだろう。別府が当たり障りの無い話題を持ち出してきた。
『今日は休み。うちの学校。祝日とか記念日は基本は休みにするって方針らしいよ。別府
は部活やってないから知らなかったんだろうけど』
02372/3
垢版 |
2015/06/28(日) 12:34:40.020
「へえ。だからあんまり強い部活とかないのかな?」
『逆じゃない? そもそも強くないから、そこまで部活に必死になる必要がないっていう。
もちろん大会前とかは別だけど。陸上部もゴールデンウィーク明けに県の大会あったから、
休み一日しかなかったもん』
「椎水たちも出たのか? それじゃ全然遊べなかったろ?」
『でも、あたし走るの好きだし。変に休み長いと逆にキツくなるから、多分自主錬してる
し。それに、時間は午前中だけとかだから、午後から遊べるし』
「そっか。ストレスないならいいよな。逆に言えば、それだけ打ち込めることがあるって
ことだし」
 あたしが変なこと聞いたせいで微妙になった空気も大分修正されて、あたしたちはいい
感じで会話が出来てきた。ちょうど部活の話題でもあることだし、あたしはこの機会に、
高校に入ってからずっと気にしていたことを聞くことにした。
『……別府はさ。何でサッカー部入らなかったの? 中学の時は結構熱心にやってたじゃん』
 何気に見ていたから、別府が帰宅部だっていうのは聞かなくても分かっている。けれど、
中学だけじゃなくて、ついこの間の球技大会でも別府は楽しそうにサッカーをやっていた。
だから何となく高校でもサッカー部なんだろうなと思っていただけに、特に部活にも入ら
ずにさっさと帰ってしまうのが意外に思っていた。
「ん? ああ。俺さ。中学ん時の部活仲間とフットサル始めたんだよ。アマチュアの大会
も結構あってさ。何か部活でゴリゴリやらされるより、楽しく出来た方がいいかなって。
プロとか目指せるならどっかのユースチームとか入るけど、俺そこまで上手くねーし」
 あたしから見ると別府ってサッカー上手に見えるけど、やってる側からすればそうでは
ないのだろうか? もっともサッカーも競技人数なんてものすごい多いし、中学の市大会
で優勝出来る程度の学校のレギュラー程度なら掃いて捨てるほどいるのだろう。
『ふーん。そっちだったら、レギュラーで活躍出来るの?』
「へ? あ。まあ、フットサルだったら交代人数も多いし。先輩もいるから絶対スタメン
で出れるって訳じゃないけど、でも絶対試合には出れるかな。つーか、やってて楽しいっ
てのが一番かなって……」
02383/3
垢版 |
2015/06/28(日) 12:35:47.200
 あたしの素朴な疑問に、別府はちょっと後ろめたそうな感じの答え方をした。サッカー
に早々に見切りをつけたことを自分でも必ずしも気にしていなかった訳じゃないのだろう。
『今度さ。見に行ってみようかな?』
「へ?」
 別府が驚いてあたしを見つめた。
「じょ、冗談言うなよな。お、応援とかいらねーし…… 女子に見に来られると他の連中
にからかわれたりするから嫌なんだってば」
『誰が応援しに行くなんて言ったのよ? あたしは見に行こうかなとは言ったけど、別府
の応援をするなんて一言も言ってないけど?』
「は? いや、その…… じゃあ、何しに来るつもりなんだよ?」
 別府がややけんか腰にあたしをにらみ付ける。自分が早とちりしたことが恥ずかしくて、
それをごまかしたいというのもあるのだろう。
『決まってるじゃない。別府がミスとかしたら思いっきりヤジ飛ばしてあげる。面白プレ
イに大笑いとかしたりさ。友子とかも誘って、みんなでバカにしに行くから。あ。相手チー
ム応援しようかな』
 ホントは別府が楽しそうにしてる姿が見たいのだけど、そんなこと恥ずかしくてまとも
に言えないのでそうやってごまかすと、別府はムキになって拒絶した。
「ぜってーくんなよ。バカにされるだけとか、マジいらねーから。むしろ迷惑だし」
『迷惑なんだ。じゃ、絶対いこっと』
「ふざけんな。マジ勘弁だから。来ても知らない奴扱いするし」
 完全に緊張のほぐれたあたしたちは、最寄り駅に到着するまでずっと、話題は変えつつ
もくだらない言い合いに終始したのだった。


続く。
02391/6
垢版 |
2015/07/05(日) 01:46:34.390
リナ「あら、ちなみさん落し物ですわよ。って何ですのコレ?」

ちなみ「ありがとう…これは恐ろしい物…処分もできず…置いておくのも不安…」

リナ「何なんですの、その物騒極まりない前置きは」

かなみ「おはよー二人とも。何話してんの?」

リナ「おはようございます、かなみさん。ええと…ちなみさんが」

ちなみ「世界を揺るがしかねない…そんな代物…」

いずみ「おはよーさん、どしたん。って何やこれスイッチ?」

ちなみ「そう…冗談抜きに…くれ悪なスイッチ…」

いずみ「何や、光彦君が爆発四散でもすんのか」

ちなみ「そんなことよりも…はるかに恐ろしいスイッチ…」

かなみ「人の生き死にを”そんなこと”って」

リナ「それで結局それは何のスイッチなんですの?」

ちなみ「科学と魔術の融合によって生まれた…御都合主義になるスイッチ…」

いずみ「は?」

ちなみ「このスイッチを押すと…誰かにとって都合のいいように世界が改変される…」
02402/6
垢版 |
2015/07/05(日) 01:47:49.480
「「「な、なんだってー!」」」

かなみ「(そのスイッチを押しさえすれば!)」

リナ「(私とタカシさんとの!)」

いずみ「(都合のいい未来が!………ん?)」

いずみ「ちなみちゃん、そんな凄いもん何で押さへんの?めっちゃ便利やん」

ちなみ「うん…実はこのスイッチ…誰を起点にするかが…完全にランダム…」

リナ「どう言うことですの?」

ちなみ「私が押しても…私に都合がいい世界にはならない…わたしが押して…
    アルゼンチンの人に都合がいい世界になるかもしれない…」

かなみ「とんでもない犯罪者にとって都合がいい世界になるかもしれないってこと?」

ちなみ「そう…危険だから改良したけど…範囲はこの学校全体程度に絞るのが限界だった…」

リナ「十分すぎる気もしますが」

いずみ「星一つから学校一つってどんだけ凄いねん」

かなみ「話を総合すると、スイッチを押すと学校のだれかに都合のいい世界になる。ってことね」
02413/6
垢版 |
2015/07/05(日) 01:49:04.400
かなみ「(押してぇ!)」

リナ「(確立はぐっと上がりましたわ!)」

いずみ「(せやけど中間なんてない、1か0、優勝か最下位かの二択!)」

「「「………」」」

ちなみ「すまない…すべては私が…私が悪いのに…皆にも迷惑を…」

委員長「皆さーん、そろそろホームルームですから自分の席についてください。なんですかコレ?」

かなみ「ああ委員長、それは」

委員長「スイッチ?ウイングガンダムが自爆するんですか?」

いずみ「そのネタ全体に通用すると本気で思ってんのか?」

リナ「ちなみさん、ガンダムって何ですの、全部でいくつありますの?」

ちなみ「その話をするには…まず百式がガンダムなのかを…」

かなみ「ええい!やめなさい、とにかくこの話はひとまず…」

委員長「投降はするがガンダムは渡さない…えい!なーんて」カチッ

「「「「あああああああああ!!!!!!」」」」
02424/6
垢版 |
2015/07/05(日) 01:50:04.440
委員長「うわぁ!急に大きな声出さないでください。あ、このスイッチ押したの不味かったですか…」

かなみ「それは、(誰だ!)」

リナ「ええと、(誰ですの!)」

いずみ「なんちゅうか(一体誰が!)」

ちなみ「た…ただの…ジョークグッズ…心配ない…(世界の中心に!)」

委員長「あ、そうですか。よかったです……何で皆涙目なんですか?」

タカシ「あっぶねー!ギリギリセーフ!!」

委員長「別府君、遅刻ギリギリですよ、もっと時間に余裕を持って行動してください」

タカシ「ごめんごめん、まぁ間に合ったんだし大目に見てくれよ」

委員長「そんなこと言って、いつもギリギリなんですから」

タカシ「あはは、ところで委員長、なんで皆は俺を凝視してるのか知ってる?スゲー怖いんだけど」

いずみ「ナニイッテンネン(うちに告白しろうちに告白しろうちに告白しろ)」ジー

かなみ「アンタヲミテイルナンテ(結婚したい結婚したい結婚したい)」ジー

リナ「ジイシキカジョウデスワヨ(肉体関係肉体関係肉体関係)」ジー

ちなみ「おはよう…(頭をなでてほしい)」ジー
02435/6
垢版 |
2015/07/05(日) 01:51:02.320
委員長「いえ、ちょっと…………そ、そろそろ先生来ますし」

タカシ「ああ、自分の席いくよ」

『よーし席つけー、号令よろしくー』ガラガラ

〜放課後〜

かなみ「結局、誰が世界の中心だったのかしら」

リナ「クラスの誰かではなかったようですわね」

いずみ「まぁ、関わりない人間が当たるのが、うちらに都合ええんやけど」

ちなみ「はやく解除スイッチを…作らないと…」

かなみ「(でもやっぱり)」

リナ「(スイッチなんかに頼らず)」

いずみ「(自分自身でやってかんとあかんことやし)」

ちなみ「(とりあえず)」

「「「「よかったよかった」」」」
02446/6
垢版 |
2015/07/05(日) 02:02:55.660
〜午前中〜

校長「ばんざーい!」

教頭「うわっ、どうしたんですか大きな声で」

校長「病気で倒れていた妻の意識がもどって回復に向かっているとの報せがあってね」

教頭「そうだったんですか、おめでとうございます!」

校長「うん、ありがとう。いやぁ本当によかった、おっと失礼」〜♪〜♪

校長「うん、うん、おお!よく頑張ったね、おめでとう。それと母さんの意識がもどったと連絡があってね。
   うん、そうだね一緒に行こう、母さんもきっと喜んでくれる。うん、それじゃあ、また後で」

教頭「今度はどうされたんですか?」

校長「娘に子供が生まれたよ!奇跡だよ!こんなにもいいことが続くなんて!」

教頭「ええぇ!いや、何て言うか、奇跡ですね!」

「「ばんざーい!」」

〜終われ〜
0246ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/06(月) 00:42:07.720
お題
・書いた名前の人物を絶対にデレさせる『デレノート』があったら
0249ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/10(金) 11:38:13.11O
お題
つ・ツンデレに久しぶりに晴れたしどっか行こうかって言ったら
0251ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/10(金) 18:00:04.190
納豆の日か・・・


・ツンデレとネバネバしたもので、くっついてしまったタカシ

・ツンデレに「おいおい、もうこんなに糸を引いてるじゃないか」と言ったら

・納豆ちなみん
0253ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/14(火) 22:56:43.800
>>252
じゃあ俺はかつみんのワガママバストが作る谷間の汗をペロペロする!
0254ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/15(水) 22:40:18.800
なら僕は部活後にシャワーを浴びる前のみこちんの腋をクンカクンカペロペロするぜ!
0255ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/16(木) 00:30:27.890
みんな変態だなあ
俺はかなみさんの汗で透けたYシャツを眺められればそれで十分だぜ


まあ、そんな訳で>>238の続き投下します
02561/5
垢版 |
2015/07/16(木) 00:31:09.240
・ツンデレのことを雨女だってからかったら〜その4〜

「うわっ!? ととと……おわあっ!!」
 バシャアン!!
『あーっははははは!! ヤダ。超おもしろい。写真撮れたらよかったのに』
「くっそー…… お前が横で変な掛け声掛けるから踏み切りのタイミングずれたんだろうが」
『人のせいにしないでよね。ヘタクソ』
 あたしたちがまず最初に選んだコースは、池の上にいろんなアスレチックの器具が設置
されていて、別府は最初の難関とも言えるロープで反対側のネットに掴まるところでもの
の見事に失敗したのだった。
「くっそー。もう一回やらせろよ。ホントならこんなの楽勝だし」
 腰の辺りまでずぶぬれになった別府が悔しそうにリベンジを要求する。
『そうよねー。このまま負け犬君じゃ帰れないもんね。どうぞどうぞ。出来るまで何回で
もやっていいわよ。ま、次も失敗したらあたしは先行くけど』
 嫌味たっぷりのあたしの挑発に、別府も挑戦的ににらみ返す。
「ぜってー成功してやる。で、今度椎水が失敗した時は思いっきりバカにしてやっからな」
『やれるもんならやってみなさいよ。ま、あたしは落ちないけどね』
 ちなみに、このターザンは余裕でクリアしている。
「よし。じゃ、行くぞ。俺の華麗な飛びっぷりをしっかりと見てろよ」
『あー。はいはい』
 やたらと気合の入る別府を、あたしは軽く受け流した。
「よしっ!! おおおおおおお!!」
『あっ!! 別府あぶなーーーーい!!』
 踏み切りの直前にあたしは大声を上げた。それに動揺して別府の足がたたらを踏む。
「なにっ!? って、おわっ!!」
 勢いをつけていたため、ジャンプ出来ずに前のめりになり、別府はそのまま池に落ちそ
うになる。必死でロープにしがみつくも、体がグリンと反転し、足が木の台から離れ、別
府はそのまま垂直に水に落下した。
02572/5
垢版 |
2015/07/16(木) 00:31:36.580
『きゃははははは!! ヤダもう。カッコいい。あーははは!! てかおなかいた……』
 あまりの面白さに腹筋を痙攣させながら笑っていると、髪まで水に濡らした別府が恨み
がましい顔であたしを睨んだ。
「今の、なしな。飛んでねーし。てか、変な声出すなって言わなかったか? 何があぶなー
い、だよ。何もねーだろが」
『そんなの聞いてないし。自分のメンタルが弱いのよ。そんな程度、妨害のうちに入んないって』
 さらっと受け流しつつ、あたしは別府を置いてさっさと先に進む。すると慌てた別府が
後ろから大声を出した。
「おい!! 何、先に行こうとしてんだよ。あと一回は見るって話だったろ?」
『次失敗したら置いてくって言ったじゃん。悔しかったらさっさと成功して後追っかけて
来なさいよね』
 ひらひらと手を振るあたしの背後から、別府が負け犬の遠吠えみたいなことを叫んだ。
「待ってろよクソ。この先全部速攻でクリアして追いついてやるからな!!」

 正直、男女二人でアスレチックを楽しむなら、あたしは二つの選択しかないと思ってい
た。一つは、苦労している女子を男子がカッコ良くフォローしてあげるパターン。もう一
つは、男子のちょっと情けないところを笑って楽しむパターンだ。とはいえあたしはアス
レチックは得意だし、ここも小さい時から何度も遊びに来ているので、今更演技までして
別府を立てたくもない。ならば、可哀想だけど別府には犠牲になって貰うしかないのだ。

「追いついたぞ。クソー」
 肩の高さで平行に渡された丸太を手すりにした丸太の一本橋を渡り切ったところで、別
府が追いついて来た。
『あれ? 意外と早かったじゃん。もっと苦戦するかと思ってたのに』
 つまらなさそうな態度を見せるあたしを、別府は苦々しげに睨み付ける。
「椎水の邪魔さえ入んなきゃ、楽勝で行けるんだよ。つか、先に行かせろよな。お前が先
にクリアすると、また変なことしようとするだろうし」
『どうそどうそ。そんなに自信あるなら、先にやってみるといいわ』
「よっしゃ。見てろよ。つか、今度変なことしやがったら、そん時はキッチリ仕返しすっ
からな。覚悟しろよ」
02583/5
垢版 |
2015/07/16(木) 00:32:07.610
 口で言うだけのことはあって、別府は次に続く器具を軽々とクリアしていく。サッカー
やってるせいで体幹も鍛えられているのだろう。後ろから見てるとバランスも良い。
『まあ……カッコ良い、かな?』
 小さく思いを口に出してみて、自分の言葉にちょっとだけ胸が高鳴ってしまう。
「椎水も早く来いよ。でないと、今度は俺が置いてくぞ」
 振り返り、ちょっと得意げな態度を取る別府に、あたしはちょっとガッカリした気分になる。
『ああやって調子に乗らなきゃ、もっといいんだろうけど』
 しかしまあ、ああいう三枚目なところがあるから、面白いのかも知れない。ここで変に
気遣われて、手を引いてあげようかなどと言われたら、逆にこっちの気持ちが引きそうだし。
「さて。この丸太渡りが終わればほぼゴールだよな。サクッとクリアして飯にすっか。腹
も減ったし」
 ロープに釣られた太い木の幹を途中何本かのロープにつかまりながら渡り切るコースを
前に、別府が気合を入れる。ここを超えると確かにあとは水に落ちそうな箇所は無かった。
『何、調子乗ってんだか。ちょっとこれまで上手くクリア出来てたからって油断してると
また水に落ちるわよ』
 あたしは別府の後ろからそっと近寄ると、ワザとらしく釘を刺した。別府は肩越しにチ
ラリとあたしをウザそうに振り返る。
「何だよ、お前。また変なことするんじゃねーだろうな?」
『またって何よ。さっきのこと言ってるなら、ちょっと大声で声掛けただけでしょ? そ
の程度でバランス崩すのはアンタの実力ってことじゃないの?』
 警戒する別府にちょっと距離を置きつつ、あたしはシレッとした態度でごまかす。どう
もここでまたあたしが何か企んでいるとでも思っているようだ。全く、こういう時にだけ
勘の良さを働かせないで欲しい。
「チェッ。自分の行動棚に上げてよく言うよ」
 悪態をつきつつ、別府は丸太に片足を掛け、ロープを掴む。その後ろからちょっと距離
を離してあたしも続いた。少し足を速めて別府に追いつこうとする。
『きゃっ!? やばっ!! ちょっ……ミスッた……』
02594/5
垢版 |
2015/07/16(木) 00:32:33.520
 バランスを崩してロープにぶら下がりつつ、かろうじて足を残してる姿勢であたしは叫
んだ。しかし、別府は無視して前に進んで行こうとする。
『ちょっと。女の子のピンチなのにスルーする気? 少しは男気見せなさいよ!!』
「はぁ? 何だよ? 助けて欲しいのか?」
 呆れ顔の別府に、あたしはプイ、とそっぽを向く。それを悔しさのあまりの態度だと受
け止めたのだろう。別府は渋々といった体で丸太の上を戻ってくる。
「しょうがねーな。偉そうなことばかり言って、自分が落ちそうになったら助けるのが当
然、みたいな態度取ってさ。助けて欲しけりゃ、素直にお願いしろよ」
『な、なに言ってんのよ…… こっちはそんなこと言ってる場合じゃ……キャッ!!』
 あたしは小さく悲鳴を上げてロープにしがみつく。それを見て別府がため息をつく。
「どうなんだよ? 助けて欲しいのか? 欲しけりゃ素直にそう言えって」
 あたしは憮然とした顔で視線を逸らしていたが、少し時間を置いてから、小さく頷く。
『……た……助けて……』
「やれやれ。ホント、こういう時椎水ってめんどくさいよな」
『うるさいな。もう……』
 別府が手を伸ばすが、あたしはロープから手を離そうとはしなかった。
『遠い。もうちょっと伸ばしてよ』
「そっちも手を伸ばせば届くだろうが。ほら」
 しかしあたしは首を振った。
『もうちょっとだけ。手、離すの怖いから』
「ほら。こんなもんか」
 別府の差し出した手の方に、あたしは片手をロープから離して別府の方に手を伸ばすが、
ほんの僅かだけ届かない。
「もうちょっとだな。ほら、よっと」
 別府があたしの手を掴もうと、こっちにより前のめりになった途端、あたしはさっと手
を引っ込めた。
「えっ!? とっ……どわっ!! し、椎水?」
 別府がバランスを崩したのを確かめて、あたしは姿勢を戻すためのもう一本のロープを
しっかり掴んで丸太橋の上に立つ。
『フフフ。かかったわね。別府』
02605/5
垢版 |
2015/07/16(木) 00:33:19.390
 さっきのあたしよりもより危険な姿勢で、辛うじてロープにぶら下がり、足を伸ばして
丸太に掛けているものの、落下は時間の問題になった別府を見てあたしは不敵な笑いを浮かべた。
「ちょっと待て。椎水。あれってもしかして全部演技……」
『あたしがこんなところで落ちるわけ無いじゃん。無駄にカッコ良いとこみせようと頑張
るからよ。ご愁傷様』
 そしてあたしは、別府の最後の抵抗を排除すべく、無防備のわき腹をつついてくすぐった。
「うわっ!? てめ、椎水……やめろって――うわっ!!」
 手から力が抜け、ずるりとロープから滑り落ちると、別府はもはや堪えることは出来ず
に前から池に転落した。
『あはっ!! あはははは!! あーっはははは!! ヤダもう。今の落ち方、超面白い。
あーっはっはははは!!』
「ふっざけんなよ、椎水!!」
 立ち上がった別府が、両手を跳ね上げて、あたしの方に水を掛けようとしてくる。あた
しは慌てて少し先に進むと、挑発するように舌を出してみせる。
『罠に掛かったのは自分でしょ? バーカバーカ。逆ギレみっともなーい』
「ふぐぐぐぐ……」
 悔しさに憤りを隠せない別府に、あたしはまたひとしきり笑い声を上げるのだった。


続く
0261ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/20(月) 19:47:40.610
お題

・もしもツンデレの頭の上に、謎の数字が見えるようになったら

・もしもタカシに少子化対策として、子作り許可証が与えられたら

・もしもツンデレのスマホに、人を操れるアプリが知らぬ間にインストールされていたら
0262ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/21(火) 02:34:48.580
お題

・ツンデレに今日は何の日だって聞いたら

・ツンデレとオナニー
0263ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/22(水) 15:12:24.790
 椎水千奈美は自室のベッドに何するともなく転がっていた。初夏の熱気は扇風機のそよ風でかき消すも、火照った体の気だるさはそうも行かない。
 ブルル、と枕元のスマートフォンが震えた。……友子かな? 友人からのメールかと当たりをつけるも、そうではなかった。
『人心操作App』 ――ダウンロードを終了しました。
 そこには覚えの無いダウンロード通知が表示されており、千奈美を混乱させた。
(なんだろ……。胡散臭い名前……)
 ゲームの類だろうか。何の気なしに、千奈美はアプリを起動してみた。
 『人心操作App』というタイトルがファンシーなフォントで表示され、ホワホワとしたBGMが流れる。千奈美は促されるまま画面にタッチをした。
『この”人心操作アプリケーション”(以下、当アプリと表記)は、他人の心を自由に操ることのできるアプリです。』
(……ば、馬鹿馬鹿しい)
 タイトルとは対照的に、シンプルな説明書きがつらつらと流れる。その内容の突拍子のなさに早々と白けてしまう千奈美であったが、とりあえず読み進めていった。
『当アプリの使用方法は簡単! 当アプリを起動させたスマホ上部を操りたい相手に向けて、貴方の声で命令を下すだけです』
『初回起動時に貴方の声をアプリに認識させて下さい。以下、画面タッチで認識画面に移行します。認識完了後は、再度画面をタッチして下さい。』
(……怪しい。でもまぁ、友子と話す時にネタにはなるかな……?)
 そう思い、再び画面にタッチ。表示された『音声認識中』の文字を確認すると軽く息を吸う。そして声を出そうと思った矢先にふと思う。
(……なんて言えばいいんだろ?)
 もちろん何を言ってもいいはずだし、そもそもこんな詐欺まがいのアプリに真面目になる必要もないのだが、彼女自身の性格が出てしまっていた。
「…………し……椎水千奈美」
 言葉に詰まったまま息もつけず、ようやく出たのは自身の名前だった。
(しまった……。自分の名前を知らないアプリに……)
 後の祭り
0266ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/23(木) 13:55:37.300
今日は7月23日か・・・


お題

・オナ兄さんの日

・妹ツンデレが兄の自家発電を見てしまったら
0267ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/25(土) 15:52:34.800
お題

・嫁感がすごいツンデレ

・奥様感がすごいツンデレ

・未亡人感がすごいツンデレ

・歩くセ〇クスと男達の間で話題のツンデレ
0268ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/26(日) 15:25:01.660
お題

・27時間ツンデレと一緒にいることになったタカシ
0269ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/26(日) 18:21:33.970
台湾の超人気グラビアモデル、アリエル・チャンの元カレが撮影した
プライベートセックス動画が流出で、台湾全土の男性が騒然としてホクロ等から本人確認、
どうも間違いなく本人の猥褻ビデオだったようえす。
(無修正なので閲覧注意)
http://www.idolnyuus.tk/ariel00.html
0270ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/29(水) 14:41:19.13O
お題
つ・タンクトップのツンデレが、男の方に身を乗り出して来たら
0271唐突に湧いて出たので投下
垢版 |
2015/08/03(月) 01:06:56.320
・突然従姉妹がやってきたら


大学生といえば、人生の夏休みと言っても過言ではない。
しかし、大学生の夏休みは遅い。
普通の高校生以下が7月下旬には既に夏休みに入っているのに対し、大学生はその頃になってようやく試験期間が始まる。
私立大学にもなれば更に遅く、7月末日まで試験をした後、8月の一週目は補講で埋め尽くされる。

「そもそも、補講の日にレポート提出させんなっての……」

大学からの帰り道に教授への不満をひとりごちながら、流れ続ける汗をハンドタオルで拭うが、ジメジメとした外気の不快感は変わらない。
早く家に帰って、出力を最大にしたクーラーの風を浴びて涼みたい。
その一心で下宿先までの坂道を歩く。
下宿先は何の変哲もないアパートであり、広くもなく狭くもなく、一人暮らしをするには丁度良い物件だった。
不動産屋では学校から徒歩1kmと紹介されたこともあって、すぐに入居を決めた。
しかし、こうして大学からアパートまでの道を歩いてみると、なるほど住んでいる学生が少ないのも頷ける。
目の前に伸びるのは、結構な勾配のある坂道。
1kmは1kmでも、平坦な1kmとキツい坂の1kmでは雲泥の差だ。
引越しも考えたが、近場のアパートは埋まっているし、そうなると引越しの費用もバカにならないため、貧乏大学生としては堪えるしかない。
おかげで自転車も使えないため、こうしてヒーコラドッコイと今日も坂を上っている。
ようやくアパートにたどり着いてエントランスに入ると、篭った空気に辟易しながらポストの中身を確認する。
大家のおばちゃんは、夏はバカンスだからと言って現在ハワイにいるため、エントランスの空調は切りっぱなしなのだ。
チラシが詰め込まれたポストを漁る気にもなれず、チラシ用のゴミ箱に中身を適当に放り込んでいく。
公共料金やらの封筒類だけを確保し、ポケットにねじ込んでエレベーターに乗り込む。
0272・突然従姉妹がやってきたら
垢版 |
2015/08/03(月) 01:08:01.800
身体の弱い人間なら確実に熱中症になるであろう灼熱の箱から抜け出し、自分の部屋のドアへと進むんだところで、思わず首をかしげた。

「……ん?」

部屋の前に、ドデカい荷物が置いてある。
特に何かを通販した記憶もないし、実家からそういう連絡も来ていない。
そもそも、それは段ボールなどではなかった。
それは、ビッグサイズのリュックサックだ。
大学の登山サークルの連中が背負っているような、そんなサイズだ。
しかし、なぜリュックサックだけがここに……?
不審に思いながら、慎重に近づいていく。
見た所リュックサックはドアを全体的に塞いでおり、避けて中に入ることは難しそうだ。
大きさ的に誰かが落としたとも考えにくい。
さて、どうしたものか……と考えていると、動きがあった。
リュックサックではなくその向こう側から、何かが倒れるような音。
その後、リュックサックの陰から、麦わら帽子がふわりと出てきた。
その光景を見て、慌ててリュックサックの反対側に回る。
そこには、真っ赤な顔をしたワンピース姿の女の子が倒れていた。


〜〜
0273・突然従姉妹がやってきたら
垢版 |
2015/08/03(月) 01:08:28.760
〜〜


「…………ん……」

ベッドの上でもぞもぞと動く気配に気づき、本を読むのを中断して顔を上げる。
薄っすらと開いた瞳が、ぼんやりと天井を見上げているのが見て取れた。

「大丈夫ですか?」

警戒されないように、できるだけ優しい声音で声をかける。
天井を見つめていた少女は仰向けのまま首だけを動かし、こちらを見遣る。
どうやら、まだ意識がハッキリしないらしい。
部屋の前で倒れていた見ず知らずの少女は、素人目に見ても熱中症の状態で、緊急事態ということで部屋に上げたのだった。
一応、部屋に入れる際には二、三言応答したのだが、フラフラとベッドまで歩くなりそのまま眠ってしまったのだった。
念のため救急相談センターに電話をかけて確認したが、自分の足で立って応答ができれば、涼しい場所で安静にすれば取り敢えず大丈夫とのこと。
冷蔵庫で冷やしておいたスポーツドリンクを取り出し、少女に手渡す。

「軽い熱中症みたいです。取り敢えず飲んでください」

キャップを外してコップに注ぐ。
少女は案外すんなりと起き上がり、コップを受け取ると一気に飲み干した。
この様子なら救急車を呼ぶ必要はなさそうだ。
軽く胸をなでおろすと、少女が口を開いた。

「……ここは?」

「俺ん家です。覚えてないですか?」
0274・突然従姉妹がやってきたら
垢版 |
2015/08/03(月) 01:09:53.890
「……なんとなく」

ぼそぼそと喋るが、発音はハッキリしている。
視線も虚ろなわけではなく、どうやらこのぼんやりとした状態がデフォルトのようだ。

「それで、なんでウチの前に座り込んでたんですか? ていうか、どこから来たんですか?」

「……?」

小首を傾げる女の子。
……アホの子なのかな。
それとも迷子? 警察に電話したほうが良いのか、しかし、そんな年齢でもないような気もする。

「……なんで、敬語……なの?」

こちらの瞳を見つめながらの質問に、なんとなくたじろいでしまう。
なんで、と聞かれても、初対面の人間には(たとえ相手が歳下だろうと)そうなってしまうだろう。
そう答えようとして、一瞬思考が停止する。
……もしかして、初対面じゃないのか?
いやしかし、進学に合わせて一人暮らしを始めてからこっち、女の子の知り合いなど同じゼミの子以外では皆無だし、バイトも金が必要な時に日雇いの工事現場などをこなしているから、大学の外というのもあり得ない。

「あ」

そしてようやく、思考が追いつく。
一人暮らしを始めてから知り合ったのでなければ、それよりも前から知っている相手なのだ。
そうだ、この子は――

「……お兄ちゃん、ちなのこと……忘れた、の……?」

――従姉妹の、ちなみちゃんだ。
0275・突然従姉妹がやってきたら
垢版 |
2015/08/03(月) 01:10:18.270
〜〜


ちなみちゃんがベッドを占拠して既に2時間強。
彼女は未だに不貞腐れていた。
なぜ不貞腐れているのかといえば、当然、自分のことを忘れられていかたからだ。
この子は母方の伯父の娘で、小さい頃は母親の実家に行くたびによく遊んでいた。
ちなみちゃんは一人っ子で、歳が近いこともあって兄妹のような存在だった。
小さい頃はお兄ちゃん、お兄ちゃん、と後ろをくっついて歩き、悪い気もしなかったのでよく可愛がっていた覚えがある。
しかし、中学に上がってからは部活や学校の友人との遊びが優先で、母の実家からは徐々に遠ざかっていった。
だから、会うのは実に8年ぶりのことだった。

「ちなみちゃん、そろそろ機嫌直してよ〜」

「…………」

タオルケットにくるまり、無視を決め込むちなみちゃん。
先ほどのやり取りの後、正直に忘れていた旨を伝えると、ぶつくさと文句を言われた後、アイスを買いに行かされ、食べ終わったかと思えばこの状態である。
いやしかし、8年ぶりの再会で覚えていろというのも無理な話だ。
そもそも記憶の中のちなみちゃんは8年前の姿なわけで、こんなふうに成長した彼女を当時のちびっ子と即座に結びつけるのは不可能と言っていい。
謝罪も含めてこういったことを散々説明しているのだが、ちなみちゃんは一向に許してくれない。
昔も機嫌を損ねるとこんなふうに何かにくるまってたなあ、などと思い出に浸っていると、いつもの眠たそうな双眸がこちらを睨めつけていた。

「ごめんって」

「…………ゆるさぬ」

「武士なの?」

またもやそっぽを向かれてしまった。
0276・突然従姉妹がやってきたら
垢版 |
2015/08/03(月) 01:11:15.640
どうやったらこの機嫌は直るのか……。
昔はどうだったかな、と記憶の中を探る。
ふと、涙目のちなみちゃんを抱きしめながら頭を撫でる光景が頭の隅に浮かんだ。
ちなみちゃんの方を伺ってみると、頭までタオルケットを被って強固な籠城の姿勢を見せていたが、右脚の膝から先だけがはみ出ていた。
昔からインドアなちなみちゃんらしい、白くて細い脚。
だが、それは8年前よりもずっと長く、若い果実のような瑞々しさを感じさせた。
変な思考に陥りそうになり、慌ててその脚から目を背ける。
8年前なら子供同士のことで許されるとしても、お互いに成長した現在では通報されかねない。
しかし、それ以外の解決策も思い出せない。
どうにもしようがない現状に、思わず溜息が出る。
そして溜息と同時に、新たな疑問が湧いて出た。

「そういえばちなみちゃん、なんでウチにいるの?」

伯父の家はここからかなり遠く離れた田舎にあり、そうそう簡単に来れるような距離ではない。
余程の事情で、しかも一人で来ている様子だし、何か意思があってここまで来たのだろう。
ちなみちゃんは質問に対し、タオルケットから目元だけを覗かせて答える。

「……? ……お手紙、読んで……ない、の?」

「お手紙?」

はて、そんなもの来ていただろうか。
机の上に放り投げてあった封筒たちを漁ると、確かに、消印が1週間前になっている茶封筒が入っていた。
……てっきり、公共料金か水道代の請求かと思って放置していた。
0277・突然従姉妹がやってきたら
垢版 |
2015/08/03(月) 01:12:21.880
便箋らしくないその茶封筒の裏には確かに、椎水ちなみ、の名前。
開けて見ると、そこには簡潔な文が三行だけ。

お兄ちゃんへ
進学のため、お兄ちゃんのところでしばらく厄介になります、あしからず。
ちなみより

「…………」

「……やれやれ、ダメだよ……お兄ちゃん……お手紙はすぐに、読まないと……手遅れに、なっても知らない……よ?」

「…………」

「……おかげでちなは……この猛暑の、中で……待ちぼうけ、だし……ぷんぷん」

……確かに、読んでなかったためにちなみちゃんの来訪を事前に知ることができなかったのはこちらの落ち度だ。
しかし、しかし……。

「ちなみちゃん」

「……なに」

「この手紙じゃあ例え読んでても、いつから来るのかわかんないよ……」

「…………マジか」

表情から察するに、本気で驚いているらしい。
……どうやら、天然ぶりは昔から成長していないようだ……。


〜〜
0278・突然従姉妹がやってきたら
垢版 |
2015/08/03(月) 01:12:53.470
つづく
ツンが無いって?気にするな
0280ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/08/03(月) 23:26:49.290
お題

・泣き真似をしながらツンデレに抱きついて、おっぱいに顔を埋めようとしたら
 1人くらいは拒絶しないで、そのままおっぱいを堪能させてくれると考えて
 実行したらツンデレ達全員が抱き締めてくれて、こんなことをした自分が恥ずかしくなるタカシ

・いつも明るいタカシが泣きながら抱きついて来たので戸惑うも
 日頃の自分の態度が、タカシを傷つけてしまったのだと思い
 タカシを優しく抱き締めて、今までの自分の態度をもの凄く反省するツンデレ達

・無口なツンデレは頑張って話すようになり、無表情なツンデレはぎこちないものの微笑むようになるなど、ツンデレ達の態度が柔らかくなりました

・自分のイタズラのせいでツンデレ達に気を使わせていると思い、全てうちあけるタカシ

・凄く怒られると思いきや、優しく注意されるだけで済んだタカシ

・しかし、その場に紛れていた友子の「それで?誰の胸が一番だった?」の一言で空気が変わりました
0284ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/08/05(水) 00:23:33.600
つ・猿夢ちなみん
0285・従姉妹が突然やって来たら
垢版 |
2015/08/05(水) 21:50:08.200
>>271-278のつづき

〜〜


「なるほど、オープンキャンパスねえ」

「……ん」

短い返事とともに頷くちなみちゃん。
その小さな頭にはバスタオルが巻かれ、長い髪から水滴が落ちないようにしてある。
駅からここまで辿り着くのにも迷った挙句、いろいろな手違いから炎天下の下で待ちぼうけを食らったせいで全身汗だくということで、取り敢えずシャワーを浴びてもらった。
さっきアイスを買いに行っている間に浴びてくれていたら良かったのに、と思いながら、従姉妹とはいえ自分の部屋で女の子がシャワーを浴びている事実にソワソワしていたのは内緒だ。

「……こっちに、住んでるの……お兄ちゃんしかいなかった、し……日帰りは、大変だから」

確かに、あのド田舎からここまで来るにはかなり時間がかかる。
飛行機ならまだマシだが、お金の都合で夜行バスを使ったようだし、仕方ないか。
伯父の家ほど遠くはないが、実家からこちらに引っ越して来たときも相当大変だったし。
当時の苦労を思い出してしみじみとしていると、いつの間に取り出したのか、本日既に2つ目となるクーリ○シュを両手でモニモニと融かしているちなみちゃん。

「ちなみちゃん、さっき自分の分食べたよね……?」

「…………ちょーだい?」
0286・従姉妹が突然やって来たら
垢版 |
2015/08/05(水) 21:50:58.280
こてん、と小首を傾げてこちらを見つめるちなみちゃん。

「……いいよ」

くっ、負けた!
この子絶対わかってやってる!
自分の仕草が可愛いってことを承知でおねだりしてやがる!
いつの間にそんな女子っぽいスキルを身につけたんだちなみちゃん……お兄ちゃん悲しいよ。
そして、そんな可愛さに負けたことが悔しくて、それを誤魔化すために適当な質問を投げかける。

「そ、それで、ちなみちゃんはどこの大学を見に行くの? こっからだと、丹井都大学とか……電車使えば、別府大とかも結構近いけど」

「……お兄ちゃんの大学」

「えっ」

「……お兄ちゃんの大学」

思わず聞き返すも、どうやら空耳ではないらしい。
しかしどうしても信じられず、おそるおそる確認してみる。

「ち、ちなみちゃん、もしかして、ウチの大学が第一志望なの……?」
0287・従姉妹が突然やって来たら
垢版 |
2015/08/05(水) 21:51:55.340
「…………ん」

そっぽを向きながら頷くちなみちゃん。
照れているのか、それともさっきのシャワーの熱が冷めきっていないのか、ちなみちゃんのほっぺたは少しだけ赤くなっていた。


〜〜


10回ほどのコールの後、受話器を取る音。

『もしもし、椎水でございます』

「あ、伯父さん? お久しぶりです」

『んん? おじさん? あ、もしかしてマサコんとこの……』

「あはは、覚えててくれたんだ。流石だね」

『やっぱりそうか! すっかり男前な声になってたもんだから、一瞬わからなかったよ』

がっはっは、という独特な伯父さんの笑い声に懐かしさが込み上げてきて、自然に笑みがこぼれる。
仕事で忙しい父親の代わりに、伯父さんがよく遊びに連れ出してくれていたことを思い出す。
伯父さんは自営業だからそんなにお金は無かったけど、大自然の中での楽しみ方ならなんでも知っている人だった。

『そいで、どうしたんだい。そういや今一人暮らしだろう、スイカや米なら好きなだけ送ってやるぞ?』

伯父さんの問いかけで、現実に引き戻される。
0288・従姉妹が突然やって来たら
垢版 |
2015/08/05(水) 21:54:30.490
そういえば、思い出に浸っている場合ではなかった。

「伯父さん、ちなみちゃんのことなんだけど……」

『ちなみ? 悪いなあ、あいつは今家出中でよお』

「家出……っ痛だ!?」

頭が唐突に後ろに引っ張られ、首が嫌な音をたてる。
後ろを見ると、口を強く引き結んだちなみちゃんが、ぶんぶんと首を勢いよく横に振っていた。
……さては、伯父さん達たちに黙ってここまで来たな、ちなみちゃん。

『最近反抗期ってやつでよお、しょっちゅう家出すんだよなあ、ちなみのやつ。まあどうせ今回も友達ん家にでも行ってんだろうからよ。今日か明日には帰ってくんだろ』

「ちなみちゃん、今ウチにいるよ」

「ん゛ん゛ーーーっ……!!?」

口を引き結んだまま、抗議の唸り声を上げるちなみちゃん。
ついでに服の裾をグイグイと引っ張られるが、無視して伯父さんとの会話を続ける。

『……な、なんだって?』

「ちなみちゃん、今こっちに来てるんだよ。オープンキャンパスとか言ってたけど、家出だったんだね」

『ちょっ、ちょちょちょちょっと待ってくれ……ちなみのやつ、今そこにいんのか?』
0289・従姉妹が突然やって来たら
垢版 |
2015/08/05(水) 21:55:06.980
「うん。代わる?」

『……頼むわ』

振り返り、ちなみちゃんに携帯を差し出す。
ちなみちゃんは膨れっ面でそっぽを向いており、抵抗の姿勢を見せていた。
実に可愛らしいが、そんなことよりも優先するべきことがある。

「ちなみちゃん、怒ってる?」

「…………お兄ちゃんの、いじわる」

「先に嘘ついたのはどっちかなー」

膨れたほっぺたをつつくと一度空気が抜けて、しかし再び膨らんで指を跳ね返す。

「……嘘ついてないもん……言ってなかった、だけ」

「同じでしょ、まったく。ほら、ちゃんと伯父さんと話しなさい」

手を引いてムリヤリ携帯を握らせると、渋々といった様子で通話を始めるちなみちゃん。
スピーカーからはこちらまで漏れ聞こえるぐらいに大きな伯父さんの怒声が響き、ちなみちゃんは拗ねたまま、ごめん、とか、でも、とかなんとかやっていた。
……結構時間がかかりそうだし、終わるまで、晩御飯の準備でもしようかな。


〜〜
0290・従姉妹が突然やって来たら
垢版 |
2015/08/05(水) 21:55:31.850
結局ちなみちゃんと伯父さんの電話が終わったのは、それから1時間以上経った後だった。
ちなみちゃんの、ん、という短い言葉とともに手渡された携帯は、まだ通話中になっていた。

「もしもし、伯父さん?」

『おお。まったく困った娘だよ……』

伯父さんの言葉に苦笑いしつつちなみちゃんの方を見遣ると、再びタオルケットにくるまって不貞腐れていた。
……昔は、もっと素直だったかな?
しかし、反抗期というのは子供が自立するための成長の過程に必須とも聞くし、そう思えばなんとなく嬉くも感じる。
タオルケット饅頭を微笑ましく眺めているのとは裏腹に、伯父さんが溜息を吐く。

『まったく反抗期ってのは面倒だよ。男ならぶっ叩けばいいが、女の子だからなあ……』

「はは、そうかもね。こっちは見てて楽しいけど」

『他人事だぜ……』

「いやいや、成長の証だからさ。嬉しいなって。それに久々に会えたしね」

『うぐっ』

思い当たる節があるのか、伯父さんは言葉を詰まらせる。
伯父さんは昔から子供みたいなヒトだったけど、こういう面が、やっぱり父親なんだな、と感じさせる。
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