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ツンデレにこれって間接キスだよなっていったら0.8 [転載禁止]©2ch.net
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0001ほんわか名無しさん
垢版 |
2014/12/31(水) 17:37:27.350
◆このスレは何?
ツンデレの妄想でひたすら萌え続ける場です。どんな形でもいいのでアナタのツンデレ妄想を垂れ流してください。
◆前スレ
ツンデレにこれって間接キスだよなっていったら0.6
http://nozomi.2ch.net/test/read.cgi/honobono/1384561770/
◆過去ログ置き場
http://www.tndr.info/
◆Wiki(過去ログ置き場以前の過去ログ・更新停止中のまとめ等もwiki参照)
http://www45.atwiki.jp/viptndr/pages/1.html
◆ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら 専用掲示板
http://jbbs.livedoor.jp/computer/21510/
◆うpろだ
http://tunder.ktkr.net/up/
http://www.pic.to/ (携帯用)
◆お題作成機
http://masa.s23.xrea.com/
http://maboshi.yh.land.to/tundere/
◆規制中の人向け、レス代行依頼スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/21510/1275069975/
0002ほんわか名無しさん
垢版 |
2014/12/31(水) 17:37:53.930
◆ツンデレって何?
「普段はツンツン、二人っきりの時は急にしおらしくなってデレデレといちゃつく」ようなタイプのキャラクターのこと。
◆このスレでよく使われる人物設定
男:デフォルトネームは別府タカシ。ツンデレに色々したりされたりする。
アッパー:デフォルトネームは椎水かなみ。感情表現豊かな基本形。
ダウナー:デフォルトネームはちなみ。ローテンションで「……」を多用して喋る。
お嬢:デフォルトネームは神野りな。お嬢様口調。というかお嬢様。
老成:デフォはまつり。「纏」と書く。わしは?じゃのう等、古風かつジジ臭い言い回しをする。
尊大:デフォはみこと。「尊」と書く。自信に満ちあふれたような、偉ぶった言い回しをする。
関西:デフォはいずみ。関西弁で喋る。
ボクっ娘:ボクっ娘ツンデレ。一人称「ボク」。デフォルトネームは決まっていない。
勝気:気の強い男勝りツンデレ。デフォルトネームは決まってい(ry
無表情:無表情ツンデレ。デフォルトネームは決まっ(ry
中華:中華系ツンデレ。「??アル」といった言い回しをする。デフォルトネームは決(ry
幽霊:幽霊ツンデレ。憑依したりする。アッパーだったりダウナーだったりする。デフォルトネームは(ry

山田:クラスメイトとして使われることが多い。いわゆる友人A。なぜかVIPPER口調で描かれがち。
友子:クラスメイトとして使われる事が多い友人B。好奇心が強かったり世話好きだったりいろいろ。

※名前の由来などについてはまとめサイト参照

・上記の名前や設定はあくまでデフォルト。
・投下許可は求めなくていいですが、長編SSについては、投下前に宣言をしていただけると他のSSとのごちゃ混ぜ防止になるのでスレに優しいです。
・書き上がってから一斉投下してね。 書きながら投下はイクナイ。
・感想レスは励みになるので大歓迎。
・投下のタイミングは自分で見計らおう。投下直前にはリロードを心がけよう。
・もしスルーされても泣かないこと。
・投下後に殊更に感想を求めたり、レスが付かないからって自虐したりすると、ツンデレに嫌われます。
・みんなも多少のことは大目に見てスルーしよう
0005ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/01/01(木) 00:38:53.470
つ・ツンデレと年越し
つ・ツンデレと年越し蕎麦
つ・ツンデレと初詣
つ・ツンデレと初詣と煩悩
0006ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/01/01(木) 00:40:37.620
つ・ツンデレと年越し
つ・ツンデレと年越し蕎麦
つ・ツンデレと初詣
つ・ツンデレと初詣と煩悩
つ・ツンデレと初詣とお神酒
0009ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/01/02(金) 21:27:05.580
お題

・絶対にデレてはいけない高校24時間

・デレるとタカシ直々にお尻を棒で叩かれる罰ゲームがあるようです

・タカシの休む暇が無く、タカシが倒れて途中で終了しました
0010ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/01/02(金) 21:37:39.650
年賀状に何を書いたら良いのかわからなくて悩むツンデレさん可愛い
0011ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/01/03(土) 00:59:47.980
正月に集まった親戚を見て、自分の厄介な性格は一族特有のモノなんだと確信したツンデレ
0012ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/01/07(水) 15:11:48.760
ツンデレと初詣に行って

「ちょっとトイレ行ってくる」といって

こっそり恋愛成就の御守りを買いに行ったら

少し離れた所からツンデレの声が聞こえて

そっちの方を見ると

ツンデレが何かを下さいと巫女さんに言っていて

何を頼んだのだろうと気になり

ついつい見つめていたら

ツンデレと目が合ってしまい気まずい雰囲気
0013ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/01/07(水) 15:54:28.500
そこに巫女さんが

「実は恋愛成就を御守りが後一つしかなくて…


「同じタイミングに注文された方と話し合って決め手貰えませんでしょうか…?」

と申し訳無さそうに言うものだから

「こっちは大丈夫なんで、その人に御守りをあげてください」

と言って、ふとツンデレの方を見ると

ツンデレも巫女さんに

「私は大丈夫ですから、その方に御守りをあげてください」

と断っているではないか

(あれっ?もしかしてツンデレが買おうとした御守りって…)

と思ってボケッとツンデレを見ていると

なんやらを察した巫女さんが

「あらあら?もしかしてお知り合いですか?」

と言ったそばから

「それならお二人で話し合って決めましょう!」
0014ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/01/07(水) 16:19:27.450
と言い売り場から出てタカシの腕を掴んで

まだ「申し訳有りません」「いえいえ大丈夫ですよ」

とお互いにペコペコしあう2人の元に連れて行き

「さあ!どちらが恋愛成就の御守りを手に入れるか話し合いましょう!」フンス

と大きな声で言うものだから

ツンデレと2人で恥ずかしくて真っ赤になっていたら

また、なんやらを察した巫女さんが

「あらあら?もしかしてもう恋愛成就しちゃいました?」

と聞いてくる物だから

2人してワタワタしてしまい

その状況を周りの人にニヤニヤしながら見られて

死ぬほど恥ずかしい思いを過ごした後

巫女さんの厚意で一つの御守りと

2枚の甘酒無料券を貰い

ツンデレと甘酒を飲みながら帰りました

甘酒のせいか、帰り道は2人とも顔が赤かったです。
00181/4
垢版 |
2015/01/14(水) 00:33:29.800
・大晦日なのにツンデレが風邪を引いて寝込んでしまったら

『ねえ、孝史。前々からそうじゃないかとは思っていたけど、もしかして貴方って、もの
すごくバカなのかしら』
「のっけからバカとはちょっと言葉が過ぎると思うけど、少なくとも学力は静乃さんより
上だと思うよ」
『そっ…… そういう余計なことは言わなくていいわよ!! 私が言いたいのは……もっ
とこう、常識的な面でよ』
「少なくとも、人並みには常識も持ち合わせてると思うけどね。一体何をもって、静乃さ
んは俺のことをバカだと言いたいわけ?」
『だってバカじゃない。バカもバカ。大バカよ。だってあなた……今日が何日だか知って
いるの?』
「12月31日だろ? 大晦日とも言うね」
『そうよ。普通だったら、大晦日の夜ともなれば家族でテレビを見ながらご飯食べたり、
連れ立って初詣に行ったりするものじゃない?』
「普通だったら、という言葉はそういう過ごし方をしない人に失礼だから俺は同意しない
けど、でもそうする家庭が多いのは確かだろうけど」
『貴方の家だって、大晦日くらいおば様がご馳走作って、家族で新年を祝うんでしょう?
お酒もたくさん飲んで』
「まあ、そうだね。兄貴も帰ってくるし、妹が楽しみにしてるよ。口には出さないけど」
『貴方のところの妹も、大概素直じゃないわよね。じゃなくて!! そういう夜に、なん
だって貴方はこんなところにいるのよ!!』
「そりゃ、静乃さんが大晦日にもかかわらず風邪を引いて寝込んだからだろ? で、おじ
さんおばさんは抽選で当たった初日の出ツアーに出かけて、明里姉さんは年越しスキーだっ
て話じゃない。で、静乃さんを一人にさせとくのも心配だからって、おばさんから様子だ
けでも見といてくれって頼まれて来たわけだけど」
『様子見るだけならすぐ帰りなさいよ!! なんだって病人の世話する気満々の準備して
来てるのよ!!』
00192/4
垢版 |
2015/01/14(水) 00:38:13.200
「そりゃ、ほっといたら静乃さん。下手したら死んじゃうかもしれないし。美人でクール
で、一見知的に見えて何でも出来そうだけど、家事スキル0。おまけに不器用でうっかり
者の静乃さんだけに、何やらかすか分からないからね」
『貴方ね。幼馴染だからってよくもそこまで人の悪口を並べ立てられるわね? 私の体調
が万全だったら即殺してるわよ』
「悪口じゃなくて事実の羅列だよ。あと静乃さん。高熱で喉も腫れてるのにさっきからしゃ
べりっぱなしで大丈夫なのか? あとで余計に酷くなるんじゃない?」
『貴方がそうやって話しかけてくるから、答えざるをえなくなるんじゃない。心配するん
だったら、むしろ黙ってなさいよ。そうすれば私も静かに出来るから』
「そりゃ、申し訳なかった。確かに静乃さんは俺の顔を見ると口を開いて文句を言わずに
はいられないようだからね。とりあえず喉を潤そうか。何飲む? レモンティーにしよう
か。はちみつ入れて」
『レモンティーって言ったってどうせティーバックのでしょ? 大体うちにちゃんとした
お茶葉なんてないし』
「ただ何飲むか聞いただけで、そこまで文句言わなくたっていいんじゃない? それに、
その言い方じゃ逆に静乃さんが自分の家を卑下してるみたいだよ」
『そこまでは言ってないわよ。あなたの言い方がちょっと得意げに聞こえたからイラッと
来ただけ。それだけよ』
「そういうつもりはなかったけどね。で、どうするの? 文句があるなら他のでもいいけ
ど。なんだったらしょうが湯とかにする?」
『冗談言わないで。貴方がブレンドしたしょうが湯なんて飲める訳ないじゃない。ティー
バックの紅茶でいいわよ』
「了解。じゃあちょっとキッチン借りるから。静乃さん、大人しく寝ているんだよ」
『子供扱いしないでくれる? 貴方、去年私と成人式で顔を合わせたでしょう? もう一
人前の女性なんだから』
「それは失礼。何か病人相手にしてるとついそういう言い方になっちゃうんだよね。それ
じゃ、すぐいれてくるから――と、その前に」
『な……何よ? 人の顔をジロジロ見て。失礼じゃない』
「いや。静乃さん。ちょっと、おでこ出して」
00203/4
垢版 |
2015/01/14(水) 00:39:07.640
『おでこって…… な、何で貴方におでこ広げて見せなくちゃいけないのよ。もしかして
孝史。あなたって若い女性のおでこに欲情するとか、変な性癖でもあるの?』
「まさか。そうじゃなくて静乃さん。そのおでこの冷えピタ。朝からずっとつけっぱなし
で一回も取り替えてないでしょ? もう全く効果ないと思うよ」
『……仕方ないでしょ。ダルくて何にもする気力なかったんだから。ちゃんと起きたら貼
り変えようと思ってたわよ』
「なら、今交換しちゃおうか。おばさんが部屋に薬とか必要なものを一式、箱に入れて置
いといてくれてたからね。冷えピタもちゃんとあるし」
『……で、何でおでこ出さなくちゃいけないのよ。まさか、貴方が貼り変えるとか言うん
じゃないでしょうね?』
「しようと思ってたけど。その方が看病してるっぽいし」
『いらないわよ!! それくらい自分で出来るもの。貴方の手を借りる必要なんて一ミリ
グラムもないわ』
「でも、効果の切れた冷えピタをはがすことさえしてなかったじゃない。自分からおでこ
出すのがイヤだったら、ちょっとじっとしてて。とりあえず、古いのはがしちゃうから」
『だから自分でするからって言ってるじゃないの。人の言うこと聞いているわけ?』
「むしろ病人こそ、ちゃんと人の言うことは聞くものだって。はい。動かないで」
『キャッ……!!』
 ペリリリリ。
「おでこ触ってみたけど、まだ熱高いね。もう少し冷やしておかないと。はい。今度は自
分で髪を上げて。両手の方が上手に貼れるから」
『頑として自分の意見を押し通すつもりなのね。いいわ。病人だから素直に従ってあげる
けど、元気になったら覚えてなさいよ』
「うん。元気になったら、ね。じゃ、そのままジッとしてて」
『んっ…………』
 ピタッ…… ゴシゴシ
「はい、おしまい。でも何でそんなにギュッと目をつぶって緊張してるわけ? 何も痛い
こととかするわけじゃないのに」
『うるさいわね。貴方の顔が間近にあると思ったら――っと、その、えーっと……き、気
持ち悪くて我慢してただけよ。緊張してたわけじゃないわ』
00214/4
垢版 |
2015/01/14(水) 00:41:13.900
「そりゃ悪かった。ま、近くに寄ったところで害があるわけじゃないしね。むしろ俺の方
が静乃さんから風邪を貰わないよう注意しないと」
『その発言には、優しさが足りないわ。風邪は人にうつすと治りが早いって言うじゃない。
いっそ近くに寄ったんならついでに私の風邪菌を全部持って行くくらいの心意気を見せな
さいよ。ホント、男気がないんだから』
「静乃さんが優しく看病してくれるっていうならそれもありだけどね。でも、静乃さんの
看病だと、三日後には総合病院の看護師さんの看病に変わってそうだけど」
『悪化するって言いたいのね。よく分かったわ。仮に貴方が風邪を引いたら、お返しに私
が傍に付き添ってちゃんと看取ってあげるから。総合病院なんかにお世話にならなくても
いいように』
「それはもしかして、呼ぶのは救急車じゃなくて霊柩車……とか?」
『さあ? ご想像にお任せするわ。そうね。冷えピタの代わりに濡れたタオルでも置いて
あげようかしら。間違って鼻と口を塞いじゃうかもしれないけど』
「そりゃ怖いな。やっぱり今後、風邪は引かないよう注意しよう」
『死ねばいいのよ。いっそ。ところで、いつまで病人にペラペラとしゃべらせてるつもり
なのよ。咳が出てないからって喉が腫れてることには変わりないのよ。さっさとドリンク
持ってきなさいよね』
「はいはい。人使いが荒い病人さんだよ。全く」

『……フン。バカ……』


続く
鯖が重くてJaneから書き込めない……
0023ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/01/15(木) 17:54:45.550
ツンデレサークルのタカシはどうなるの?
00241/4
垢版 |
2015/01/16(金) 00:56:17.260
「眠い…走るの疲れた…」

『そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!夜更かしばっかりして!
 起こす身にもなりなさい!』

「別に頼んでないだろ、お前だけでも先行けよ」

『あんたと少しでも一緒にいたいのよ』
『(こっちだってやりたくてやってないわよ!)』

「え?」

『へ?』

『何で!何で思ったことが口にでるの!?』
『(違う!今のは空耳よ、寝不足で耳がおかしくなったんじゃない)』

「えーと…」

『ダメダメダメ!このままだとタカシへの気持ちがばれちゃう』
『(違うって言ってるでしょ!!ほら、学校行くわよ!)』

『ばああああああああああああああああああ!!!!』
『(だああああああああああああああああ!)』

「おい、かなみ!おーい!すごい速さで行っちまいやがった。しかし一
 体全体何が起こったんだ。」
00252/4
垢版 |
2015/01/16(金) 00:57:44.590
「そんなこんなで、今日一日かなみが口利いてくれなったんだよ。しか
 も目も合わせてくれなかった。ちなみ助けてくれないか」

『ふむ…学校でかなみちゃんの様子がおかしかったのには…そんな話が
 あったのか…わかった原因を調べてみよう…』

〜少女調査中〜

『わかったぞタカシ…科学と魔術の融合によって得た秘技によってな…』

「おぉ!流石ちなみ、スレ内で何かよくわからん事をさせるのに、これ
 ほど都合のいいキャラはいないな」

『ふっふっふ…一応は褒め言葉として受け取ってやるが…メタ発言はその
 辺にしておけ…』

「それで、一体どういうことだってばよ?」

『ふむ…タカシよ…神とは二面性を持つものだという…』

「えーと、何?急にどしたの」

『信じる者には加護を…蔑ろにする者には罰を…それが神…』

「はぁ、まぁ、分かり易いっちゃ分かり易いな」

『タカシにはその罰が下った…つまりは…天罰…』

「天罰って、俺が何したって言うんだよ。罰当たりな事なんてしてないし
 何より影響がでてるのはかなみだぞ。」
00263/4
垢版 |
2015/01/16(金) 00:59:05.460
『聞け…どうやら神はタカシ自身の愚かさを自覚させる為に…本人ではな
 く…周りの人間に影響が出るようにしたみたい…』

「傍迷惑な神様だな、なんて名前の神様だよ。直接本人に罰を与えればい
 いのに、酷い神様だな」

『神の名は…真頭詞千霊都留蔕比売(マヅシチチツルペタヒメ)…』

「は?」

『だから…真頭詞千霊都留蔕比売(マヅシチチツルペタヒメ)って名前…』

「はぁ、なんつーか、ファンキーな名前の神様だな。で、そのツルペタ様は
 俺じゃなくて周りに何をしたんだ」

『どうやら真頭詞千霊都留蔕比売は…タカシの所持しているエロゲーに出て
 くるキャラクターが…巨乳ばかりなのに腹を立て…貧乳の良さを知らしめ
 る為に…タカシの周りの貧乳が本音をしゃべる様になったみたい…』

「色々とすごい神様だな。しかし本音か、かなみは俺のことを大事に思って
 てくれてたんだな」

『原因を調べてみれば、ライバルを助けることになるとは。損な役回りだ』
『(わっかたら…少しはかなみちゃんを大事にしろ…)』

「ん?」

『しまった、私も貧乳だった!まずい、本音が!』
『(どうした…変な顔をして…あぁ…いつも通りか…)』
00274/4
垢版 |
2015/01/16(金) 01:00:17.980
『あぅああぅあぁぁ、タカシ、好き、かなみちゃんじゃなくて、私を…』
『(すまない…用事を思い出した…私は帰る…)』

「ええ!?あ、ええ!?何、何なの今日は、何なの。ちなみも爆弾発言したと
 思ったら、帰っちゃうし色々ありすぎて訳が分からないよ。」

「しかし、ツルペタ様の天罰が本当なら二人は俺の事が………一回しっかり考
 えないといけないな、本当に。」
「(けどやっぱり、周りじゃなくて本人に下せばいいじゃん、天罰)」



〜おまけ・かなみが走り去ってから、ちなみに調べてもらうまでにあったこと〜

『ちょっと別府さん、あなた椎水さんに何かしましたの?したんでしょう?し
 たに決まっていますわ。正直に白状しなさい』

「いやいや、知らないよ、俺だって知りたいよ。」

『ふん、デリカシーのないあなたのことです、一度自分の胸に聞いてみなさい
 きっと心無い言葉でも言ってしまったのでしょう』
『(チャンス!!!椎水さんには申し訳ありませんが恋とは戦争!この隙に私
 の存在を別府さんの心の深い所にまで刻み付けますわ!ふふふ、人間弱って
 いる時に優しくされれば簡単に堕ちるもの、行くわよ!神野リナ!!)』

お嬢は真頭詞千霊都留蔕比売のサポート対象外でした

〜終われ〜
0028ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/01/16(金) 02:09:14.340
お嬢には神からガチの天罰が下るんじゃないかと本気で心配しないでもない
00301/4
垢版 |
2015/01/17(土) 17:39:13.670
・大晦日なのにツンデレが風邪を引いて寝込んでしまったら 〜その2〜

「静乃さん。そろそろお腹空かない? なんだったらご飯の用意するけど」
『貴方が? 孝史が料理出来るなんて聞いたことないけど、ちゃんと出来るわけ? 食中
毒で死ぬのだけはゴメンよ』
「まさか。静乃さんの手料理じゃあるまいし。といっても、俺が作れる料理なんて炒め物
ばかりでとても病人に食べさせられるものじゃないからね。安心して。おばさんがちゃん
とおじやの準備して行ったから。俺がやるのは具材とご飯を入れて煮込むだけ」
『ちょっと待ちなさいよ。貴方、また余計なことを言ったわね。口は災いの元って言葉、
知ってるわよね。貴方絶対、早死にするわよ。それもロクでもない死に方で』
「ホントだね。確かに、静乃さんが全く料理出来ないなんて情報はいちいち口に出す必要
もなかったか。そのくせ、食べる側となると舌だけは肥えていて一人前のグルメ批評家ば
りにあれこれ注文つけるってことも必要ないよね」
『だったら口に出して言わないでよ!! 二人だけだからまだしも、誰かが聞いていたら
貴方、今頃既に命がないわよ』
「うわ。そりゃ危なかった。俺の将来は2ちゃんねるの既男板にある嫁の飯がマズいスレッ
ドの住人になることが夢なんだから」
『……ちょっと待ちなさい。それって、どういう意味よ?』
「さあ。あくまで夢だしね。さて、と。じゃあ、ご飯用意してくるか。すぐ出来るからちゃ
んと寝て待ってるんだよ」
『はぐらかさないでよ。逃げるなんて卑怯だわ。ちゃんと答えなさい!!』

『……もう…… 絶対、そんな夢叶えさせないわ。ええ。叶えさせないわよ』
00312/4
垢版 |
2015/01/17(土) 17:39:44.840
「お待たせ。おじや、出来たよ」
『本当に美味しく出来たんでしょうね? 不味かったらひっくり返すわよ』
「おばさんのメモどおりに作ったから、大丈夫だと思うけど。注意するのも煮込む時間だ
けだし」
『それだけじゃ保証なんて何もないわよ。その時間が問題なの。煮込みすぎて水分が飛ん
で美味しくなくなったり底を焦がしすぎて食べられなくなったりするんだから』
「つまり静乃さんはそれで失敗したと。火の前に立つのに飽きてマンガでも読んでた?
それとも、ちょっと焦がしたほうが美味しいとか余計な情報に影響されて焦がし過ぎちゃっ
たとか?」
『私が失敗したなんて一言も言ってないじゃない。何で貴方は推測でこう勝手に私が失敗
したことにするのよ。貴方の話を鵜呑みにしたら、私ってどれだけダメな人間なのよ』
「静乃さんって、正直だよね」
『は? な……何がよ?』
「もし違っていたら、絶対に否定するものね。違うわよっ!!って。そう言わないってこ
とは経験があるんだろうなって。少なくとも当たらずとも遠からずってところかな?」
『や…… やかましいわね。貴方のそのしれっとした分かってますって顔が本当にムカつ
くのよ…… 私が失敗しようがなんだろうが、貴方には何の関係もないでしょう? 大嫌
いだわ』
「今くらいは感謝されたいものだけどね。ま、それよりもせっかく作ったんだから食べて
よ。まだ熱いうちに」
『……熱いうちって…… それ、私に対するいじわるのつもりで言ってるの?』
「え? いや。そんなことはないけど。何で?」
『だって知ってるでしょ? 私が……その……熱いの、苦手だってこと』
「ああ。それなら大丈夫。土鍋のフタ、開けてみて」
『……本当でしょうね?』
 ホワッ……
「どう? 美味しそうな匂いじゃない?」
『貴方が味付けしたわけじゃないでしょう? 自慢げに言わないでよ』
00323/4
垢版 |
2015/01/17(土) 17:40:14.21ID:M5K6HE+k0
「確かにその通りだし、別に自慢げなつもりもなかったけどね。それより、熱さの方はどう?」
『……こういうのって、普通もっとブチュブチュブチュって煮えたぎった音がしてるもの
じゃない? 泡もボコボコ立って』
「さすがにそういうのはお店に行かないと。家じゃ火から上げてすぐだったら多少は沸騰
してるけど、すぐにおさまっちゃうし」
『でも、それにしても煮えたぎり感がないっていうか…… 貴方これ、ちゃんと煮たの?』
「大丈夫だって。火を消した最初はちゃんとボコボコいってたから。静乃さんでも食べや
すいように、少し冷ましてから持ってきたんだよ」
『……それでちょっと時間がかかったのね。一応聞いとくけど、冷ますのってどうやった
の? まさか口でフーフーとかしてないわよね?』
「してないって。基本は置いといただけだよ。最初ちょっと軽くうちわで扇いだけどね」
『……あと、もう一つ確認しておくけど、私にちょうどいい温度って、どうやって調べた
の? まさか味見したりとかしてないでしょうね?』
「してないよ。フタを開けて、手をかざして湯気の温度で確かめただけだから。最初のア
ツアツの状態から判断して、まあこの程度かなって」
『ああ、そう。そうなの。それならいいわ』
「あれ? いいって言うわりには静乃さん。何かちょっと不満そうに見えるんだけど」
『――――っ!? そ、そんなわけないでしょ。気のせいよ気のせい』
 パクッ!!
『~〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっっっ!!!!!』
「ちょっ…… だ、だめだって。いくら冷ましてあるからっていったって、口で冷ましも
しないでいきなり食べたりしたらそりゃ熱いよ」
『んーっ!! んーっ!! んんーっ!! ハフッ!! ハフハフハフ!!』
「とりあえず冷やさないと。ほら、水飲んで」
 ゴギュ……ゴクッ……ゴキュ……
『ハァッ……ハア…… あっつ…… 口の中火傷したわ……』
「そんないきなり口に入れたら熱いに決まってるって。ただでさえ猫舌なんだから、ちゃ
んと口で拭いて冷まさないと」
『うるさいわね。偉そうに説教しないでよね。そうならそうでこういう時は貴方が――』
00334/4
垢版 |
2015/01/17(土) 17:40:45.530
「ん? 俺がなに?」
『……いいわ。別に何でもないわよ。どうせ私が粗忽なんでしょ。それでいいわよ』
「いいわよって言いながら顔は納得してないんだけど。もしかして、俺の冷まし方が足り
なかったからとか? 一応おじやなんだし、口で冷ませて食べる程度の熱さはあった方が
いいかなって思ってそのくらいにしたつもりなんだけど」
『そんなこと言ってないじゃない。いいでしょ? 私が自分のせいにしてるんだから、そ
れ以上詮索しないでよね。フーッ!! フーッ!! ほら、これでいいんでしょう? フン』
「まあそこまで言われたらこれ以上は聞けないけど…… 時々よく分からないな。静乃さんは」


『(全く……こんなバカみたいなこと知られるわけに行かないじゃない。孝史にフーフーし
て冷ましてもらって、ついでにアーンって食べさせてもらうところまでずーっと妄想して
たなんて…… 人の欠点はすぐ気付くクセに、肝心なところは鈍いんだから……)』


あと1回くらい続く
00351/7
垢版 |
2015/01/20(火) 01:41:15.980
【ツンデレと遅い初詣に行ったら】

「初詣に行こう」
「1月も半ばを過ぎて何言ってんのこの人!?」
 冒頭からボクっ娘が人のことを馬鹿にした風なので大変不愉快です。ぷんぷん!
「まあ待て、俺の話を聞いてからでも遅くはないだろう」
「うわー……死ぬほど興味ないのに離してくれないパターンだー……」
 ボクっ娘の野郎がうんざりした顔で俺を見やがる。ちくしょう。
「実は今年俺は初詣に行ってないんだ」
「そなんだ。ボクは行ったよ」エッヘン
「ヤだ、圧倒的普通なことなのに堂々と胸を張れるボクっ娘に思わず胸キュン」キュン
「馬鹿にすんなぁ! あと胸キュンとか古いよっ! 古すぎて逆に新鮮だよっ!」
「古すぎて逆に新鮮……? どういうことだ? 古いが新鮮な感覚……? 漬物か何かか?」
「だーっ! もう、いいから初詣の話しろよなぁ! どーせ最後まで話すまでボクを離さないつもりだろ!?」
「漬物の話題を出したら漬物の話がしたくなった」
「初詣の話をするのっ!」
「ボクっ娘はわがままだなあ」
「ボクが!? 明らかにタカシがわがままだろっ! あとボクっ娘ってゆーなっ!」
「まだその設定残ってたのかよ……」
「人の嗜好を設定とな!?」
「まあいいや。えーと、初詣行ってないので行きたいんだ。しかし今更行ったら初詣じゃなくただの詣でと勘違いされて『ヤだ、詣でよ詣で』とロリ巫女さんたちにひそひそと揶揄されないだろうか。
しかしロリ巫女さんに蔑んだ目で見られるのは結構な確率で興奮すると思うので……あっ! いいじゃん!」
「いくないっ!」ガーッ
「わぁ」
「まず! 詣でってなんだよ! 変な言葉作んなよぉ! つぎ! なんで巫女さんがロリって決めつけてんだよ! あと、こんな時期に行っても巫女さんいないよ! あーゆーのは正月だけバイトで学生がやってるの!」
「最後の言葉で勇気がくじけた。もうこの世界に純正な巫女さんはいないのか」
「いるだろーけど、タカシが期待してるよーな巫女さんはいないと思うよ」
「いやいや、梓は勘違いしている。俺が期待している巫女さんなんて、ごくごく普通の巫女さんだぞ」
「……もー既にフラグ臭いけど、いちおー聞いとくよ。どんなの?」
00362/7
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2015/01/20(火) 01:43:08.620
「丈が非常に短くてチラチラおっぱいが見えそうな装束に身を包んだ小学生と見まごう如き肢体の巫女さん。具体例で言うと咲の薄墨初美。俺にだけお兄ちゃんとなつけば尚Good!」
「思ってた以上にタカシの頭がおかしい!」
「ええっ!? セーブしたのだが……」
「それで!?」
「むぅ……一般人と俺様との溝は深まるばかりだ」
「うう……タカシを侮ってたよ。想像以上に業が深かったよ……。あと何が俺様だよ、ばーか」グリグリ
「ちぃぃ、頭痛がする。偏頭痛に違いない」
「あははっ、ボクが頭ぐりぐりしてるからだよ」グリグリ
「ぐぬぬ。まあ残念ながらロリ巫女は諦めるとして、初詣ぐらいは行っておきたいんだよ。でもひとりで行ったらロリ巫女さんに『今更詣でとかありえないですよー。しかも賽銭が五円とか今時ないですー。ほらほら、いいから有り金置いてってくださいねー?』
とカツアゲに遭う可能性も否めないので、一人より二人の方が安心できるんだ」
「無駄な危機回避能力だね……。しかも、ロリ巫女さんいないっていいながらまた登場してるし……」
「最悪の場合梓をロリ巫女に仕立てあげるから安心しろ」
「人を勝手に巫女にすんなっ! そもそも、ボクはロリじゃないからロリ巫女にはなんないもんっ!」
「…………。いや、大丈夫。なれる!」
「ボクの胸を見て言った!? タカシすっごくしつれーだよっ!」プンプン
「待て、落ち着け梓! 胸と背と顔と精神年齢を見て『いける!』と踏んだんだ!」
「もーっ! もーっ! もーっ!」ポカポカ
「悪化した。解せぬ」ブベラハベラ

「はーっ、はーっ……もー、ボクが相手だから許したげるけど、ふつーの人なら許してないよ? ぜっこーされててもおかしくないよ?」
「普通の人はそもそもロリくないから、ロリ巫女にさせられる恐れがないので大丈夫だ」
「やっと怒りが治まった人を即座に怒らせるかな、ふつー……?」プルプル
「ふむ。……ゴメンネ☆」キャハ
「わっ、世界一キモい!」
 満面の笑みとアイドルを思わせるKawaii所作で謝罪を試みると、なかなかの言葉が返ってきた。だが、そんなものは想定内。
「よし。キモさで怒りの矛先を失わせる俺の優れた技が成功した。ふひゅー」
「なんで全部言っちゃうかなぁ……?」
00373/7
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2015/01/20(火) 01:44:45.780
「梓の怒りも鎮まったし、改めて。一緒に初詣行きませんか? ひとりじゃ寂しいんです」
「最初っからそーやって素直に誘ったらいーのに……ん、いーよ。ボクもついたったげる」ニコッ
「……ふっ。簡単なもんだ」ニヤッ
「悪い顔した!? また何かたくらんでるだろ!?」
「…………」スタスタスタ
「あっ、こらっ! 何も言わずに行くなよ、ばかっ!」

「……さて!」
「ひゃっ!」ビクッ
「やってきました近所の神社! 神の社とはうまいこと言うね! 近くの犬も俺たちを歓迎しているよ!」ワンワンワン!
「タカシが急におっきな声出したから威嚇してんだよっ! ここに来るまでずーっと黙ってスタスタしてたからボクもびっくりしたよ!」ドキドキ
「吊り橋効果!」ジャーン
「全然違うよっ!」
「難しいな。まあいいや。さて、手水舎で身を清めるか」
「タカシは身だけじゃなく心を清めたほうがいいよ。あっ、でも清めても全身これ邪悪だから消えちゃうね」キシシシ
「なめくじみたいだな。あ、でも全身から粘液出ないんだけど、なめくじとして今後立派にやれるかな?」
「なんでなめくじとしての今後を考えてんだよっ! ちょっとは言い返せっ!」
「なんか怒られた」
 神聖な境内でしばらく探したのだが、それらしきものが見当たらない。代わりと言っては何だが、水道がひとつある。
「まさかとは思うけど……これ?」
 怪訝な様子で梓が水道を指さす。正直別の神社に行きたいが、もうよそに行くの面倒だ。
「しないよりはマシ、かなぁ……。まあいいや。俺は一応やっとくよ」
「あっ、待って待って。ボクもいちおーやるよ」
 両手と口をすすぎ、梓も俺に倣う。……あんま意味ないような気もするが、こういうのは気の持ちようだ。
「ふー……神様ぱわーが注入されたよ!」
「このように、思い込みが強い奴はただの水道でも得体のしれないエネルギーが注入されるので危ないと思われる」
「得体のしれないってなんだよ! 神様ぱわーだよ、神様ぱわー! は〜っ!」
 はーと言いながら梓がこちらに手を差し向けた。おそらく梓の脳内では、手からエネルギー波か何かが出て俺を粉砕していることだろう。
「さらに言うなら、手水舎は身を清めるためにあるもので、別に何かのご利益があるとかはないと思うのだが」
00384/7
垢版 |
2015/01/20(火) 01:46:12.120
「うっ……タカシは細かいの! いーの、こーゆーのは気分なの、気分!」
「水道で気分を出せるのもひとつの才能だよな」
「また馬鹿にしたなあ!? もー! タカシなんて嫌い嫌い!」
「いやはや。んじゃそろそろ詣でるか」
「むーっ」
 むーっと言いながらむーっとした顔をした梓が俺についてくる。怒りながらもちょこちょこついてくる梓はかわいいなあ。
「あっ!」
「ん?」
 鳥居を潜る時、梓が急に声をあげた。何ごとかと梓の方を振り返る。
「んふーっ。あのね、タカシ知ってる? ボクは知ってるけどね!」エッヘン
「そうか。梓は全知全能だなあ」クルッ
「待って待って最後まで聞いて!」ギューッ
「めんどくせえなあ……なんだ?」
「あのね? 鳥居は真ん中通っちゃダメなんだよ? なぜなら! そこは神様の通り道だから!」ズビシーッ
「ああ。だから端を通ってる」
「あ……」
 俺が立っている場所は鳥居の右端で、神様(と思われるもの)が歩く通り道は踏んでいない。
「しっ、知ってたんだ。ま、まあ、これくらいの知識、あってふつーだけどねっ!」フンッ
「最近知ったのか……」
「ぐーぐるで知った」
「そうか……」
「お菓子のレシピも教えてくれる。昨日はアップルパイの作り方知った。ぐーぐるはいだい」
「なんか金でももらってんのか。あと口調がおかしい。壊れたか」グニーッ
「あぅーっ! ほっへひっはふはーっ!」(訳:ほっぺひっぱるな)
「ん、大丈夫。よかったよかった」ナデナデ
「うー……タカシってすぐボクをなでるよね。……別にいーケド」
「冬場は寒くてよくくしゃみするからな」
「手についたツバをなすりつけられてる!? もーなでんなっ!」
「わはは。さて、着きましたよ梓さん」
 梓とじゃれてる間に拝殿に着いた。奥行きは木々に邪魔されてよく分からんが、一階建ての極々普通の、いや少々みすぼらしい拝殿だ。年季が入っていると言えば聞こえはいいが、
実際は何の手入れもされないまま長年放置され、全てが薄汚れて見える。少しくらい掃除したらいいと思うが……ま、それは他人だから言えることか。
「わー……ちょっと、その、アレだね」
0039続き代行
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2015/01/20(火) 02:59:44.100
「言葉を濁しつつ、梓の表情は明らかに『ドブみたいな臭いがする』と雄弁に語っていた」
「言ってないよっ! ちょっと汚いなーって思っただけだよっ! ……あっ」
「あーあ、言っちゃったー。神様に聞かれたー」
「あっ、あっ、今のナシ! ナシだかんね、神様!」
 拝殿に向かって必死に訴えてる梓。なんというか、もし俺が神様なら許すどころか全身全霊で一生守護する程度には必死さが伝わってくる。
「……ふー。これくらい言えばだいじょぶかな?」
「神様ってくらいだから懐は広いだろ」
「あっ、そだね。あーよかった」ホッ
「ただ、古事記とか読むと良くも悪くも人間臭いから心が狭い神様がいてもおかしくはないな」
「ボクを安心させたいのか不安にさせたいのかどっちなんだよっ!?」
「わはは。大丈夫大丈夫。んーと……あれ? 梓、お前5円玉ある?」ゴソゴソ
 財布を探ったが、残念ながら5円玉が見つからない。……というか、500円玉がひとつしかない。これは、使いたくない……使いたくないんだ!
「はぁ……お参り行くならそれくらい用意しとけよなー。はい、どーせ用意してないと思ってたから、こっちで用意しといたよ」
「おおっ、サンキュ梓。気が利くなあ」
「付き合い長いからねー」
 梓から賽銭を受け取り、賽銭箱に入れる。鈴を鳴らし、……しまった、作法を知らない!
 えーとえーとえーと……そうだ、梓を真似よう! ちらりと横を見る。ばっつり目が合った。
「てめえ! 人の真似をしようだなんていい度胸だ! すなわちグッド度胸!」
「完全完璧にこっちの台詞だよっ! 明らかにボクのマネしよーとしてたろっ! いーからちゃんとした作法教えろっ!」
「ふふん。俺をアカシックレコードか何かと勘違いしているようだが、こちとらただの高校生! 知らないことだって山とあるわ、たわけっ!」
「はぁ……しょーがない。適当にお願いしよ。きちんと心を込めたらちょっとくらいやり方を間違えても神様は聞いてくれるよ。ね?」
「心か。任せろ、得意だ」
「……いちおー言っとくけど、えっちな心を込めたらダメだかんね」
「人間の三大欲求の一つを封印されただと!? くそぅ、もうこうなっては寝ながら大根をかじる夢を願うしか!」
「どんな夢だよっ!」
0040続き代行
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2015/01/20(火) 03:00:14.240
「三大欲求とか大上段に構えたために、他の欲求に気をとられた結果です。うーん……よく考えたら願い事考えて来なかった」
「ほらほら、もーお賽銭入れたんだから今更うにゃうにゃ考えても仕方ないよ。目つぶったら何か浮かぶよ。それがタカシのお願いごとだよ」
「そういうもんか……?」
「そーゆーものだよっ。ほらほらっ、早くするのっ」
 梓に促され、手を叩いて目をつむる。俺の願い……?
 うーんうーんうーん。浮かばん。
 仕方ないので薄く目を開けて隣を見る。ちっこいのが一生懸命口元で何かつぶやいてた。ずいぶん一生懸命だな。なんだろ。
 ……うん。特に浮かばないし、これでいいか。
 しばらく願い事をして、目を開ける。ほぼ同じタイミングで梓も目を開けた。
「……ふぅ。お願いごと、できた?」
「たぶん」
「たぶん、って……まあいいや。んじゃ帰ろ?」
「あー、そだな」
 踵を返し、拝殿を後にする。……と思ったが、梓が何か拾っていた。
「あっ、えへへ。せっかく来たんだし、あんまり汚れてるからちょこっとだけお掃除ってね。簡単にね」
「はぁ……お前は、なんつーか」
「え、えへへ」
 困ったように笑う梓の元まで戻り、近くの木切れやお菓子のビニールなんかを拾う。
「わっ、いいよいいよ! ボクが勝手にしてることだからタカシまでやんなくても!」
「俺もお前に触発されて勝手にやってるだけだ。両手で持てる程度しかやらんから気にするな」
「……もー」
 小さく笑う梓と一緒に、数分だけゴミ拾いをする。
「……ん、これくらいでいっかな。じゃ、これ捨てよ?」
「そだな」
 近くのゴミ箱にゴミを捨てる。数分のことだが、結構な量になった。
「はー……いいことすると気持ちいいね!」
「ご利益たんまりだな!」
「うわ、そういう気持ちでしたら逆にご利益なさそうだけどね」
「しまった! 今のはごりやく、ゴリ薬、すなわちゴリラ薬がたんまりという危険ドラッグをしてると間違われても仕方ない酩酊した俺の精神が発した謎台詞なのでなかったことに!」
「あははっ。ほらほら、手洗って帰ろ?」
 ゴリ薬ってなんだろうと思いながら手水舎モドキで手を洗う。ちべたい。
「そーいえばさ、タカシは何をお願いしたの?」
0041続き代行
垢版 |
2015/01/20(火) 03:00:51.180
 梓から借りたハンカチで手を拭いてると、不意にそんなことを聞かれた。
「梓のおっぱいが成長しますようにって」
「ちょー失礼拳!」パンチパンチパンチ
 なぞの拳法が炸裂した。ただ、謎の拳法伝承者はちびっこだったので全く痛くない。
「むー……そりゃ成長してないけどさ。むー」
「冗談だよ。これがちっとも浮かばなかったんで、なんとなく横見たら必死そうな顔した奴がいたんでな。そいつの願い事が叶うような願い事をしたような、してないような」
「えっ? ……ええっ!?」
「そんな嘘をついたような」
「嘘!? えっ、ホントはどーなの? ねー、ねー!」グイグイ
「まあまあ、俺のはどうでもいいじゃあないですか。梓は何をお願いしたんだ?」
「えっ、ボク!? ……えっ、えっと……」チラチラ
「?」
「……ぼ、ボクのことはどーでもいいじゃん。ねー?」
「なんか顔が赤いが、どうかしましたか」
「どっ、どうかしません。……あっ」
「ん?」
「……さっき、タカシはボクのお願いごとが叶うように願ったって言ったよね? え、じゃあ……?」
「加速度的に顔の赤みが増してますが、本当に大丈夫ですか」ナデナデ
「はぅ」
「梓?」ナデナデ
「……はっ! えっ、えへへ、えへへへ。……あっ、あのねっ!」
 何やら意を決した様子で、梓が声を上げた。
0042続き代行おわり
垢版 |
2015/01/20(火) 03:01:20.930
「こ、これからさ。……ぼ、ボクの家に来ない? あのね、アップルパイの作り方知ったから、その。……た、食べてほしいんだ。タカシに」
「ほう、なんたる奉仕精神。将来はナイチンゲールに違いない!」
「そ、そゆんじゃないんだけどね? ……えへへ、でも今はそれでいーや。それで、その。来てくれ……る?」クリッ
 梓は軽く首をかしげた。俺は心を撃ち抜かれた。
「女性の誘いをどうして断れようか!」
「わっ、紳士!」
 ──というのをおどけて誤魔化す。なんたる破壊力だコンチクショウ。
「つーかお菓子大好きだし大喜びで行きます」
「あははっ、そだったね」
「梓の作る菓子はなんでもんまいからな。毎日でも食いたいよ」
「っ!? ……い、いーよ。毎日でも」
「マジかっ!? これは俺が肥え太り将来的に魔女と化した梓に食われるフラグが今立ったか?」
「また適当なこと言ってぇ……」
「ていうかいうかていうかですね、そこまでされるのは気を使うからいいよ。たまに気が向いた時に作ってくれたらそれで十分嬉しいよ」
「別にいいのにぃ……」ムー
「いくねぇ」ナデナデ
「がんこ」ムー
「こっちの台詞だ」ナデナデ
「絶対にタカシががんこだもん。ボクはがんこじゃないもん」ムー
 その後、むーむー鳴る変なのと一緒に帰ってアップルパイをごちそうしてもらいました。

「ねータカシ、おいしー?」
「超おいしい」モグモグ
「えへへ、よかったー♪」ニコニコ
 その頃はもうむーむー鳴らずにニコニコ鳴る生物になってました。たぶん俺は俺でニヤニヤ鳴る奇怪な生物になってたと思う。
0044ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/01/20(火) 06:36:36.910
ボクッ娘久々だなwww

ちなみに日本の神様たちは結構しちめんどくさいのでツンデレに通ずるものがあると感じる昨今
0045ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/01/20(火) 23:47:40.330
ほの板は6レス以上連投は規制が掛かるけど、IP固定じゃなければ回線切ってつなぎ直せばまた投下できるよという念のための豆知識を一応書いておく
00491/7
垢版 |
2015/01/24(土) 18:31:47.810
・大晦日なのにツンデレが風邪を引いて寝込んでしまったら 〜その3〜

「静乃さん。薬はちゃんと飲んだ? 子供の頃のようにごまかして捨てたりしてないよね?」
『いつの話をしているのよ。ちゃんと飲んだわよ。おかげでまだ喉につかえてるような気
がして気分悪いけど』
「それならいいけど。静乃さんって昔から薬、苦手だからね。粉は苦いし、オブラートや
カプセルは飲み込みづらいって」
『薬が好きな人なんていやしないわよ。いたらむしろ危険だわ。そんな人』
「そりゃごもっとも。確かに薬を飲むってことは体調面での見返りを求めるからで、飲む
こと自体好きな人はいないだろうからね。常用してる人でも」
『そうでしょ? だから私は常識人の代表なの。分かった?』
「はいはい。じゃ、後はあったかくして寝るんだよ。何よりも体を休めることが一番なん
だから」
『分かってるわよ。そんなこと。そうやって子ども扱いするの、止めてくれない? 私、
貴方のそういうところが一番嫌いなのよ』
「ゴメン。静乃さんって、見た目と比べて薬が苦手だったり猫舌だったり、子供みたいな
ところが多くてさ。ついそういう言い方になっちゃうんだよな。反省するよ」
『そう言いながら、また同じような扱いするんでしょう? いつも口ばかりなんだから』
「今回はちゃんと有言実行するよ。そういうわけで、俺は食器を片付けたらそのまま帰るから」
『え……?』
「もう9時近いしね。それに、俺がいると静乃さん。ずっとおしゃべりしてて寝ようとし
ないでしょ? それじゃあかえって体調に悪いからね。あとはテレビとか見てないで大人
しく寝てるんだよ」
『だから、またそうやってすぐ子ども扱いする!! 今注意したばかりなのに。貴方って
私の何なわけ? 保護者気取りもいい加減にしなさいよ』
「だって静乃さん。普段こんな時間に寝ないし、寝付けないと飽きてテレビ見たりマンガ
読んだりしちゃうでしょ? 風邪引いてる時はそういうのでも体力使うんだから、無理し
てでも寝ておかないと」
『ちゃんと寝るわよ。私だって正月三が日を丸々寝て潰すつもりなんてないもの。そんな
忠告、必要ないわ』
00502/7
垢版 |
2015/01/24(土) 18:32:26.960
「それならそれで問題ないね。むしろ俺がいると邪魔だろうし」
『……え、ええ。そうよ。貴方の存在なんて邪魔よ。邪魔でしかないわ。むしろこの宇宙
から存在ごと消えちゃえばいいのにって思うくらい』
「それはそれでひどい言い草だと思うけど。ご飯の準備だってちゃんとしてあげたのに」
『その程度なら、ここに来た以上当然の義務じゃない。でなきゃとうの昔に叩き出してるわよ』
「病人の言葉とは思えないなあ、それ。じゃ、まあもはや俺は役立たずだろうし、叩き出
されるより前に大人しく帰るとしようかな」
『ちょ、ちょっと待ちなさいよ』
「えっと……なに? やって欲しいことがあるなら、今のうちに言っといてくれると助かるけど」
『…………ちょっと、傍まで来てくれないかしら』
「傍まで? 何で?」
『理由は聞かないで。そこだと、手が届かないのよ』
「……意味が全く分からないけど。とにかく、傍に立てばいいのか?」
『ええ。そうね、その辺でいいわ。そしたら手を出して』
「は? 静乃さんが何したいのか全く分からないけど……こう?」
『それでいいわ。そうしたら、そのまま動かないで』
 ガシッ!!
「し、静乃さ――わわっ!!」
 グイッ!!
 ドサッ!!
「し、静乃さん。何するんだよ。いきなり腕を引っ張り込んで。ちょっと痛いし」
『うるさいわね。静かにしなさい。大声出されると頭に響くのよ。私、病人なんだから余
計な体力使わせないで』
「こんなことしてる方が体力使ってると思うけど…… って、一体なんでこんなことする
んだよ。手首をつかんだと思ったらいきなり引っ張ってさ。こんな風に俺の腕を体で抱え
込んで、どういうつもりなんだよ」
『そうね。嫌がらせ、かしら』
「嫌がらせ? って、何で?」
『だって貴方、この後家に帰ってご飯食べるんでしょ? 家族のみんなと。それでテレビ
見て談笑しながら年越しを迎えるのよね?』
00513/7
垢版 |
2015/01/24(土) 18:32:55.820
「うん。まあ俺はまだ飯も食ってないし。多分家族のみんなは食い終わってるとは思うか
ら、食事は一人になると思うけど。まあ、酒くらいは付き合ってくれるかな。うちは家族
みんな飲めるし。あ、妹は高校生だからまだ無理だけど」
『その程度の情報ならいちいち言わなくたって知ってるわよ。そうやって貴方はお正月気
分を満喫するのよね。私が一人で苦しんでる最中に』
「苦しんでるって…… まあ、確かに年越しを風邪引いて迎えるなんてご愁傷様だとは思
うけど、こればかりは仕方ないしね。不運だと思って諦めるしかないと思ってよ。で、こ
れは一体どういうわけで?」
『だから、貴方にもせめてそういう楽しみを味わわせないように、腕をホールドさせても
らったわ。これで貴方は家にも帰れないし、美味しいご飯もお酒も飲めず、年越しもこの
部屋で私と二人、侘しく過ごすことになるのよ』
「それはつまり、翻訳するとこうなるわけ? 風邪引いたまま一人ぼっちで取り残される
のは寂しいから、今晩ここに泊まって行ってくれない?って」
『ひとっこともそんなこと言ってないわ。別に貴方がいなくたって寂しくないし、どうせ
寝るだけなんだから目が覚めたらお正月の朝だもの。そうしたら多分熱も下がってるし』
「ならいいじゃないか。なんだってこんな無理矢理俺を引き止めておこうとしてるんだよ」
『だから言ったじゃない。単なる嫌がらせだって。世間がみんな楽しんでる時に私だけ風
邪で寝込むなんてこんな不条理に腹が立つから、せめて目の前の貴方だけでも巻き添えに
しないと気が済まないのよ』
「素直じゃないな。静乃さんは。甘えた声で、孝史……ここにいて。目が覚めたとき、一
人じゃ寂しいから……って言えば、俺も仕方ないなってなるのに。中身は残念でも静乃さ
んは美人だからね。ちょっと技を使えば、幼馴染の俺だっていいようにできると思うよ。
でもまあ出来ないのが静乃さんか」
『出来ないんじゃなくて、気持ち悪くてしたくないのよ!! 貴方のそのラノベ的な発想
に染まった脳みそを今すぐ火炎放射器で燃してあげたい気分よ』
「で、そんな気持ち悪い男の腕を静乃さんは離さないように力いっぱい抱きしめてると。
その形のいい胸を押し付けて」
『嫌がってる素振りしながらちゃんと意識はしてるのね。この変態』
00524/7
垢版 |
2015/01/24(土) 18:33:31.700
「男ってそこらへん、分離して出来てるから。で、静乃さんは嫌じゃないの? パジャマ
みたいな薄着で、俺の腕に胸を押し付けちゃってさ。帰れないから離して欲しいけど、こ
の感触はちょっと捨てがたいものもあるってのも事実なんだけど」
『ここで力を緩めたら、貴方逃げちゃうもの。多少の不快感は我慢するわ。けど、余計な
ことしたら叩くからね』
「やれやれ。どうせ抱きしめられるならもうちょっとロマンチックな展開がいいんだけど
なあ。そんな物騒な言葉を浴びせられるんじゃなくて」
『貴方相手にそんな展開、ありえないわよ。冗談言わないで。想像するだけで鳥肌が立つ
じゃない』
「これだからなあ。いっそ鳥肌が立つなら離して部屋から追い出してくれてもいいのに」
『フン。そんなこと言って、体よく帰ろうとしてるだけでしょ? 貴方一人にお正月気分
を満喫させないわよ。この腕は絶対に離さないんだから』
「絶対に? 何があっても離さないってことでいいのかな?」
『そう言ってるでしょ? 言っとくけど、私は寝てるときは物に抱きつくクセがあるの。
私が寝入ったら腕が抜けるだろうって考えてるかもしれないけど、甘い期待だからね』
「仕方ないな。そういうことなら……よいしょっと」
『ちょっ……!! ちょっと待ちなさいよ。何で貴方がベッドに上ってくるのよ』
「だって寒いし。静乃さんが寝ると思ったから暖房切っちゃったからね。このままじゃ俺、
静乃さんにうつされなくても風邪引いちゃうよ」
『だからって普通、女のベッドに入ってくる? 犯罪者よ貴方。変態だわ』
「でも、静乃さんはどうしても腕を離さないって言うし。それに、このままじゃ静乃さん
だって布団が少しはだけたままだからあったかくならないだろうし。もうちょっと向こう
行ってくれる? このままじゃ上手く入れない」
『入らなくていいわよ!! 嫌だ。体くっつけないで』
「そうそう。ありがとう。これで乗っかれるな……と」
『何考えてるのよ、貴方。こんなことして。おかしいわ』
「いくら俺がのほほんと正月を楽しむのがムカつくにしても、腕を抱きこんで離さない静
乃さんも大概だと思うけどね。それならほら。毒食らわば皿までって言うじゃない」
00535/7
垢版 |
2015/01/24(土) 18:36:14.130
『貴方も自分が毒だってことは自覚してるわけね。でも私は皿まで食べるつもりはないわよ』
「よし。でも何か体勢が良くないな。ここで静乃さん。提案があるんだけど」
『何よ? 変な提案だったら容赦なく貴方の腕をへし折るわよ』
「いや。むしろ俺がこれ以上変なことをしないようにするには良いと思うんだけど。とり
あえず聞いてみる?」
『……そうするわ。どんな変な提案であれ、聞かないことには先に話も進まないし』
「それじゃ、言うけど。どうせこんなことになっちゃったんだし、いっそ静乃さんさ。腕
じゃなくて俺の体をホールドするってのは、どう?」
『それって貴方を抱きしめろってこと? 冗談じゃないわよ。何で私がそんなことしなく
ちゃならないのよ』
「何気に今の体勢だとちょっと腕が痛くてね。で、俺が空いてる腕を静乃さんの体に下か
ら回して抱きしめたら楽になるかなって思ったんだけど、それは静乃さんもさすがに本気
で嫌がるかなって思って」
『あ……当たり前じゃない。そんなことしたら貴方の両親に報告するわよ。風邪で弱って
るのをいいことに私のベッドに入り込んで抱きしめたって。そうしたら貴方、家庭で居場
所を失くすわよ』
「それって自分から引き込む原因を作ったことは言わないんだね。まあ、確かに俺がそれ
を主張しても信じてもらえるかは微妙だけど」
『でしょう? だったらバカなことを考えるのは止めなさい』
「いいや。それならそれで、どうせ家で居場所を失くすなら、この機会に静乃さんの体を
存分に堪能するってのもありだと思うけど」
『んなっ――――!!!!』
「という事態になるのは静乃さんも嫌でしょ? だったら、静乃さんが俺を抱きしめちゃ
えば、俺は身動き取れないし、寝るときに何か抱きついたものがあった方が落ち着くなら、
俺を抱きしめておけば変に布団とかを抱きしめて体冷やすこともなくない?」
『なんか上手いこと言って体よく私を丸め込もうとしていない? 正直、すごくだまされ
ている気がするんだけど』
「どのみち静乃さんには選択肢は二つしかないんだよ。俺に抱きしめられるか、自分から
俺を抱きしめるか。あ、あと解放して俺を家に帰すっていう選択肢もあったな」
00546/7
垢版 |
2015/01/24(土) 18:36:54.750
『その3番目の選択肢は絶対にないわ。1番目も……ないわね。貴方に抱きつかせたら、他
に何されるかも分からないし』
「じゃあ、俺の提案を呑むってことでいいんだね? ほら。やっぱりいい提案だったでしょ?」
『何かおかしいわよ。絶対だまされてる気がするんだけど……でも確かに、貴方をベッド
からたたき出したら帰っちゃうし、かといって自由にさせたら抱きついて変なことをするっ
ていう変態を野放しになんて出来ないもの』
「なら、OKっていうことで。あと一つ確認しておくけど、前から抱きしめるのと後ろから
と、どっちがいい?」
『う……後ろからに決まってるでしょ? 前からなんてそんな……む、無理よ。恥ずかし……
じゃなくて、その……気持ち悪いもの』
「じゃあ、とりあえず。腕を離してくれないかな? このままじゃ、後ろ向けないから」
『……離したら、逃げたりしないでしょうね?』
「大丈夫だって。静乃さんから抱きついてもらえるなんて、そんな好機を逃すわけないじゃん」
『じゃあ……離すわよ』
 パッ!!
「ハァ…… やっと解放された。じゃ、静乃さん。そういうことで」
『ズルい!! ダメ。帰っちゃ!!』
 ギュッ!!
「……随分、情熱的な抱きしめ方するんだね。静乃さんは」
『情熱的だなんて…… そんなんじゃないわよ。だって、貴方が約束破って逃げようとするから』
「本気で逃げるつもりなら、もっと素早く動くって。静乃さんが抱きつきやすく出来るよ
うに、一芝居打っただけだよ」
『なっ……!! か、からかったのね。酷いわ』
「からかったわけじゃないよ。助けたんじゃない。実際、無我夢中にさせなかったらかな
りの勇気が必要だったんじゃない?」
『勇気じゃなくて覚悟よ。貴方を抱きしめるなんて……本当は、したくなんてないもの。
これは貴方を逃がさないようにするために、仕方なくだわ』
「分かってるよ。でも、役得だな。背中にしっかり、静乃さんの柔らかな体の感触が伝わっ
てくるし」
『私は役損よ。こんな硬い抱き枕なんていらないわ』
「嫌だ、損だって言ってるわりには、随分としっかり抱きついてるように感じるんだけど。
足まで絡めちゃってるし」
00557/7
垢版 |
2015/01/24(土) 18:37:22.260
『……寝るときはこの姿勢が一番落ち着くのよ。それに、貴方が足で変なことするかもし
れないし。その予防も兼ねてよ』
「足はさすがに無理だって。まあ、静乃さんのしたいようにすればいいよ。俺は胸とか太
ももが堪能出来てるだけで十分得した気分だし」
『そういうこと言わないでよ。意識しちゃうじゃない。この変態』
「今は変態って罵られても全然堪えないな。悪態突かれてもおつりが来るくらいだ」
『……もう付き合ってられないわよ。疲れたし、寝るわ』
「うん。お休み、静乃さん。安心して。この姿勢なら絶対逃げられないから朝までちゃん
といるからね」
『……うる……さい…… そんなの……当然……なんだから……』


『(孝史の体……匂いとかに包まれてると……安心する…… これからも……ずっと……
こうなら……熟睡出来るのに…………)』


終わり
0057ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/01/29(木) 23:14:11.54O
お題
つ・ツンデレあるある
 ・ツンデレのしくじり体験を聞いてみたら
0058ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/01/30(金) 15:51:58.19O
渡部
0059ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/02/01(日) 00:26:45.580
老成さんで前後編ものの前編6レス投下します

季節は冬の始まり頃で
00601/6
垢版 |
2015/02/01(日) 00:27:15.340
・デジカメを買った老成さん

「うー…… さむっ。何かここ数日でめっきり冷え込んだよなあ。こんな日に纏の奴、一
体何の用なんだか……」
 ピンポーン……
「あれ? 返事が無いな。呼び付けといて留守とかあり得ないと思うんだが……」
 ピンポピンポーン……
「おかしいな? 部屋間違えてるとか……いや。合ってるよな。もしかして寝てるとか?
アイツ、昼寝好きだし……」
 チャララララッチャッチャチャーン!!
「お? メールだ。……纏から? なになに。玄関は開いてるから勝手に入って来いって……
無用心だなあ。若い娘が。まあいいか。とりあえず入ろう」
 ガチャッ。
「お邪魔しまーす」
『やっと来おったか。遅いぞ。この痴れ者めが』
「一応これでも呼ばれてすぐ来たつもりなんだけど…… しかもこの寒い中を」
『ごちゃごちゃ文句を言うておらぬと、早う部屋に来ぬか。ドアを開け放しておるから、
ちっとも温まらぬではないか』
「へいへい。それじゃあ失礼して――よお、纏。って、何で出迎えにも来ないかと思った
らこれか……」
『何じゃ? 何ぞ文句でもあるのかえ?』
「いや。そのぬくぬくとした姿を見たら、文句言う気も失せるわ。もうこたつ出したのか
よ。ちょっと早くね?」
『何を言うておる。もう12月じゃぞ? 全然早くもなかろうが。それに今日は冷えるから
のう。ちょうど良いこたつ日和じゃと思うての』
「こたつ日和なんて言葉、初めて聞いたぞ。一体どんな日だよ」
『やかましいわ。お主にケチと付けられると腹が立ってしょうがないわ。別に儂自身が勝
手に造語を作ろうが良いではないか』
00612/6
垢版 |
2015/02/01(日) 00:27:41.620
「うーん……まあ、言わんとしてる事は分からないでもないけどさ。確かに今日は結構寒
いし、風が強いせいで晴れてる割には空気も冷えている感じだけどさ。でも、家の中にい
ればそこまで寒いってほどじゃないだろ」
『お主みたいな鈍感と一緒にするでない。儂は冷え性じゃからの。こうも寒いと手足がか
じかんでまともに動かんのじゃから、こうして暖めてやらんと何も出来ぬのじゃ』
「そういや、冬場は外出の時もコートに手袋、マフラーに靴下は二重履きの完全防寒体制
だったな。しかも絶対スカートは履かないし」
『下半身を冷やすのが最も良くないのじゃ。DNAに鈍感と刻まれておるお主にはどうせ分
かりようもないじゃろうがな』
「いや。さすがに今日は今年一番の寒波が到来してるだけにかなり寒いぞ。纏の家まで歩
いて来たからかなり体も冷えたしな。まあこたつあるならせっかくだし、暖まらせて貰う
とするか」
『ダメじゃ』
「えー? 何でだよ。こちとら、横暴な我がまま娘の呼び出しに従ってこの寒い中をやっ
て来たんだぜ? 減るもんでもないし、ちょっとくらい暖まらせてくれよ」
『お主が入ると、儂のくつろぐスペースが減るじゃろうが。何もワシはお主をこたつに入
れる為に呼んだ訳じゃないぞ』
「話ならゆっくりこたつに入ってから聞くよ。どうせ温かいお茶の一杯もご馳走してくれ
ないんだろ? だったらせめてこたつくらいいいじゃん」
『ダメじゃと言ったらダメじゃ。お主と来たら一度こたつに入ったら途端に怠け癖が顔を
出してロクに体を動かそうとせぬからのう。儂の頼んだ用事を全部済ませたら、特別に入
れてやっても良いがの。じゃが、今はまだダメじゃ』
「そうは言ってもさ。目の前にご馳走があって、俺の分け前も十分にあるのにお預け食ら
うのって厳しくね? そういうのイジメじゃないかと思うんだけど」
『何を言うておる。儂が悪いみたいな言い方しおって。そもそもお主が先に儂の言葉を馬
鹿にしたではないか。それにお主が入るとそこの隙間から暖かい空気が逃げる。だからダ
メじゃ。どうじゃ。論理的じゃろう』
「じゃあ、用事を済ませたら入れさせてくれるんだな? だったらその用事をサクッと済
ませちまおうぜ」
00623/6
垢版 |
2015/02/01(日) 00:28:08.700
『ふむ。やる気があるのは良い事じゃな。もっとも、用を済ませるだけじゃ約束は出来ん
の。ちゃんと儂の役に立ったのなら、褒美にこたつと熱いお茶を馳走してやろう』
「よし。その条件飲んだ。で、用事ってのは一体何なんだ? 寒いから庭の落ち葉掃きで
もやれとか?」
『たわけめが。いくらお主相手とて、他所の人間を家の用事に使うほど横暴ではないわ。
用というのはこれの事じゃ』
 コトッ。
「何これ? デジカメか」
『うむ。ネットで安売りのメールが来ての。前々から欲しい欲しいとは思っておったので、
これは神が与えた機会と思うてついポチッてしもうた』
「纏って、口調や服装の割には電化製品好きなんだよな。もっとも、扱い方はいっつも人
任せだけど」
『やかましい。人を見た目で判断するでないわ。で、お主を呼んだのは他でもない。お主
ならこういうのの扱いも詳しいじゃろう。ちと、儂に手ほどきしてたもれ』
「オマケに説明書はワザと分かりにくく書いてあるとか言って、一向に読もうとしないんだよな」
『あれは不親切に過ぎるからの。メーカーを訴えてやりたいほどじゃ。じゃが、まあこう
して説明書の代わりにお主がおる訳じゃし、特にまあ問題はなかろうて』
「纏に頼りにされるのは嬉しいけどさ。俺がいなくなったらどうするつもりなんだよ。買っ
たはいいが、使えない家電で溢れ返るぞ」
『その時は教えてグーとやらで聞くから良いのじゃ。無駄口叩かんとほれ。とっとと扱い
方を教えてたもれ』
「デジカメねえ…… しかもコンデジじゃなくてしっかりと一眼レフかよ。こういうのは
友子に聞いた方が早くね?」
『アイツはダメじゃ。カメラオタク過ぎて、儂の買ったデジカメにあれこれ文句を付けお
るから喧しくて敵わぬ。前の携帯の時に失敗したからの』
「なるほどねえ。でも、俺もこんなカメラ扱ったことないぞ。ちょっと本体と説明書貸し
てみ? バッテリーは充電してあるんだろうな?」
『そのくらいは最初にやってあるわい。いくら何でもそれくらいは一人で出来る』
00634/6
垢版 |
2015/02/01(日) 00:28:34.270
「ならよし。えーっと、まず基本の撮影方法は……これでピントを合わせて。まあ基本的
にはそんなに変わらないな。よし、纏。ちょっとポーズ取ってみろ」
『ちょ……ちょっと待て!! お主、儂を取るのか?』
「試し取りだよ。どうせなら可愛い女の子撮った方が気分も乗るし。はい、チーズ」
『か、可愛いじゃなんて……って、ま、待て!! 待たぬ――』
 カシャッ!!
『かっと言おうとしたのに!! 何故勝手に撮りおるのじゃ!!』
「どれどれ。取った画像の確認は……このボタンか。ちょっと待て。距離を変えて、色々
試してみるから」
『止めよと言うておろうが!! 儂を被写体に使うの禁止じゃ!!』
「といっても纏はこたつから動けないんだろ? どうせ撮られるなら可愛く撮られた方が
いいぜ。まあさっきの慌て顔もなかなかだったけど」
『お主に撮られてると思うとくすぐったいような気分になって不快なのじゃ!! じゃか
らこれ以上は――』
 カシャアッ!!
「今のもなかなかいい表情だったな。だけど次はそろそろ笑顔が欲しいところかも」
『笑えるわけなかろうっ!! このような辱めを受けてどうして笑えるのじゃっ!!』
「自分のカメラで撮られてるだけじゃん。纏って、自分で写真はやりたいのに被写体にな
るのはダメなのか」
『お主は特別じゃ!! もう扱いは分かったろう。早くこっち来て教えぬか!!』
「あと2枚。一枚は笑顔で、もう一枚は憂いを含んだ横顔で。でないとどんどん枚数だけ
が増えてくぞ」
『止めよ!! メモリーがもったいないわ。え……笑顔というのは……これで良いか?』
「お? やっとやる気になったか。でも全然表情が硬いな。もうちょっと柔らかく、穏や
かな感じで」
『言われても分からぬわ。そもそも楽しくも無いのに無理に笑顔を作ることなど出来ぬ』
「何か違うこと想像してみ? カメラを意識しないで、例えばこの間見てた猫の可愛らし
い動画とか」
『ぬ……? あの変なダンスをする猫の事か……ふむ……』
「よし。いい顔になって来た。そのままこっち見て。はい、チーズ」
00645/6
垢版 |
2015/02/01(日) 00:29:13.100
 カシャッ!!
「じゃあラスト。今度は机に肘をついて、悩みのあるような顔をして」
『む……まあそれはさして問題なかろうが……(何じゃか、タカシの撮影のモデルにされ
ているようで、恥ずかしいの……)』
「うん、いいぞ。そのままな」
 カシャッ!!
「お疲れ。大体分かったわ」
『全く……お主のせいでどっと疲れが出たわ。説明の前にこっちに来て肩でも揉め。体が
緊張して強張ってしもうた』
「はいはい。全く、人使いの荒いお嬢様で」
『文句を言うでないわ。お主の茶だけ番茶にするぞ』
「むしろこれほど奉仕してるんだから、高級抹茶にしてくれていいと思うんだけどな。あ
と、肩揉みはオプションだからご褒美に膝枕耳掻きとか」
『何で儂がそこまでサービスしてやらねばならぬのじゃ。お主の場合はどうせ邪まな欲望
を満たしたいだけじゃろうからダメじゃ』
「ケチだなあ。たまには俺の奉仕に見返りを与えてくれてもいいのに」
『その程度、そもそも儂に相手をして貰っておるだけでありがたいと思わぬか。全く、無
駄口よりも早う手を動かせ』
「はいはい。それじゃあ始めるぞ」
 グッ……グッ……
『うむ。首筋の上の方から肩甲骨の隙間まで、丁寧にやるのじゃぞ。時間を掛けての』
「纏ってば、肩ガチガチだからな。二十歳になったばかりでこれじゃ先が思い遣られるぞ」
『仕方ないのじゃ。女子ゆえに色々と事情が――って、お主もしや、儂の胸元を見てはお
るまいな?』
「いや。纏はなかなか立派な物をお持ちだし、やっぱりそれも原因なのかなって――いたっ!!」
『スケベたらしい目で見るな。この犯罪者が』
「あいててて……何でそんな分かったようなこと言えるんだよ。後ろに目がついてる訳じゃ
ないだろ」
00656/6
垢版 |
2015/02/01(日) 00:29:42.990
『お主のスケベな視線なぞ、気配で感じ取れるわ。儂の体を穢しおって、このふしだら者め』
「むしろ男子としては健康な証なんだけどなぁ……」
『やかましいわ。あと、そこはもうちょっと強く押さぬとツボに届かぬ』
「そんなふしだらな男に体を預けて肩揉みをさせてる纏も、えらく無防備だなあと思う訳
ですが」
『視線はどうしようもないが、もし僅かでも変なところに触ろうとしてみよ。お主の腕の
一本や二本、へし折るのは造作も無いことぞ?』
「大丈夫だよ。纏が例え何の抵抗も出来ないか弱い女子だったとしても、手を出さないだ
けの理性は持ち合わせてるから」
『フン。カッコつけおって。お主の言など信用ならぬわ。あと、例え武道を嗜んでいよう
が、儂はか弱い女子である事には変わりないぞ? 失礼をぬかすな』
「そうでした。ゴメンゴメン」
『(全く…… 儂がこうして無防備にお主に体を預けておる理由くらい考えぬか…… こ
の朴念仁めが……)』


後編に続きます
00681/4
垢版 |
2015/02/06(金) 01:27:34.830
・デジカメを買った老成さん 〜後編〜

『よし。もう良いぞ。大分凝りは取れた』
「ハァ…… 指が疲れた。こんなの続けてたら腱鞘炎になるぞ」
『情け無い事を言うでないわ。たかが女子一人の肩を揉んだくらいで。しっかりせぬか。
だらしない』
「肩の硬さに男も女もあるかっての。ちょっと待ってろよ。俺も手を揉みほぐさないと、
カメラが上手く扱えないから」
『早くせぬか。時間がもったいない』
「はいはい。じゃあ、カメラ持って。このボタンで電源が入るから、まずは押してみ?」
『ふむ……これか。まあこの程度は儂でも見れば分かるわ。で、撮るのはどうすれば良い
のじゃ? シャッターはこれかえ?』
「ああ。それでいい。半押しすると赤い枠がファインダーの中に見えるだろ? それで自
動的にピントが合うから、赤く光ったらシャッターを押す。とりあえず一枚撮ってみ?」
『ふむ。ならお主、適当にそこらに立て』
「へ? 何で?」
『たわけめが。さっきお主は散々試し撮りの為に儂を被写体にしたであろうが。ならば儂
も、お主を被写体にして撮らねば割りに合わぬ』
「分かったよ。さすがにそろそろこたつに入れるかと思ったのに……」
『甘いわ。儂が納得行くまで操作方法に習熟出来たら、その時は考えぬでもないがの』
「それでやっと考えるってレベルなんだ…… 俺は寒い中、纏のわがままな呼び出しにこ
うして応じてやっているって言うのにさ」
『当たり前じゃ。お主が真っ当な仕事もせぬうちに神聖なこたつの温もりを得ようなぞ百
億年早いわ』
「神聖な……ねえ。ま、いいや。それじゃあさっさと撮って、終わりにしちまおうぜ」
『うぬ。働き次第では、こたつだけではのうて茶も進ぜようぞ。じゃから真面目にやるのじゃぞ』
「オーケー。纏ってお茶の入れ方も上手だからな。よし。じゃ、この辺でいいか」
『別にポーズなど決めんでも良いぞ。普通にしておれ。普通に』
「じゃ、まあ……こんな感じで…… 何かちょっと照れるな」
00692/4
垢版 |
2015/02/06(金) 01:28:04.610
『一人前に恥ずかしがるでないわ。よし……ピントは……こうじゃな? おお。画面の中
が光る、光る』
「当たり前の事に感心すんな。さっさと撮れ」
『分かっておるわ!! 儂はデジカメも初めてじゃからの。ちょっと感動しただけじゃ』
 カシャッ!!
「よし。これで撮り方分かったな?」
『まだじゃ。あと2、3枚は撮らせい』
「はあ? もうこれで十分分かったろ? 基本さえ分かってれば、あとは応用だから纏一
人でも分かるって」
『お主がいるうちに十分慣れておきたいのじゃ。ほれ、今度は横向きじゃ。同じ姿勢ばか
りじゃ飽きるでの』
「ちぇっ。何だかんだいってポーズも取らせるんじゃん」
『格好付ける必要は無いと言っておるだけじゃ!! ほれ。はようせい』
「はいはい。じゃ、まあこんな感じで」
『うむ。撮るぞ』
『(タカシが儂のカメラのファインダーの中に……何か、タカシを取り込んだようでドキド
キするのう……)』
「なあ、まだか? 別に困る事なんてないと思うんだけど」
『い、今取るわ!! 急かすでない。このバカ者めが』
 カシャッ!!
「はいはい。じゃあ、次は座ったポーズでも取りますかね」
『うむ。良い心がけじゃ。儂はせっかちじゃからの。サクサクと進めようぞ』
「その割にはグズグズしてなかなか撮らないし……」
『何ぞ言うたかえ? 文句を言うのならこたつも茶も無しじゃぞ』
「何でも無いよ。サクサク進めるんじゃなかったのか?」
『わ、分かっておるわ!!』
00703/4
垢版 |
2015/02/06(金) 01:28:33.110
『で? 取り込んだお主を見ようと思ったらどうすれば良いのじゃ』
「ああ。それはこのボタンを押せば……ほら。液晶に画像が出るからさ。で、この矢印の
ボタンで順送りに出来るし。あと、削除はこれでメニューを出して、削除ってやれば――」
『あああああ!! け、消すでない!!』
「へ……? 何、慌ててんだ? 纏」
『た……たわけた事を申すでない!! 別に儂は慌ててなぞおらぬわ。後で自分でやるか
らお主に勝手にやられては困ると思っただけじゃ!!』
「ふうん。つか、何ムキになってんだ? まあいいけど……」
『やかましい!! いちいち儂の態度に構うでないわ。気持ち悪い。順送りは……これじゃな?』
「ああ。そうそう」
『ふむ……』
『(タカシが儂のカメラの中に……)』
『――――っ!?』
「ん? どうした、纏。驚いた顔して」
『な、何でもない。構うなと申したであろうに。儂の言う事を聞いておらぬのか、お主は』
「いや。そんな驚くような写真でもあったかと思って」
『別に驚いてなどおらぬ。お主の勘違いじゃ』
「そうかなあ。いや。まあいいや。そういう事にしとこう」
『(タカシの写真に見惚れておったら、いきなり儂の写真が出てきたから驚いたなど、口が
裂けても言えぬわ。それにしても……タカシから見ると、儂はこうして見えるのか……可
愛く見えておるのかのう……)』
「で、もういいか。一応一通り説明は終わったけど」
『何を言うておる。まだいろいろと残っておるじゃろう。望遠レンズの使い方も学ばねば
ならぬし、動いているものの写真の撮り方じゃとか、背景をぼかしたりとか。こたつと茶
を馳走して欲しくば、まだまだ働いてもらわねばならぬぞ』
「望遠レンズったって……この部屋で使いようがないじゃん。外、出るのか?」
『ふむ。儂はここから動きたくないが……そうじゃな。お主が外に出よ。さすれば、少し
は効果も出よう。走り回るのも、外の方が都合良かろうしの』
「げ。部屋の中だって結構寒いのに、外にまで出るのかよ。勘弁してくれ」
00714/4
垢版 |
2015/02/06(金) 01:29:37.440
『ふむ。ならばこたつと茶はいらぬと申すのじゃな? そういや、お主の好きな羊羹も冷
蔵庫に入っておったはずじゃが……それも馳走してやろうかと思ったがのう。やれやれ。
残念な事じゃな』
「ぐっ……分かったよ。やればいいんだろ? やれば。クソ。自分は一歩もこたつから動
かないくせに」
『幸いにして儂の部屋は1階じゃからの。このままでも外を撮るに不便はない。ほれ、さっ
さと表に回らんか。と、その前に使い方を教えてもらわねばの』
「ハァ…… 一体いつになったら温かいこたつに入れるんだよ……」
『(フン…… お主を撮りたい放題撮るために呼んだのじゃからな。そう簡単には解放せぬぞ。フフッ……)』


結局撮影会は二時間近くも続けられたのであった。


終わりです
00731/2
垢版 |
2015/02/14(土) 19:47:42.860
バレンタインでさ

俺は例年通りツンデレがチョコ持ってくるの待ってたの

ツンデレは毎年凝ったチョコくれるから期待してるところがあったんだよ

そしたら今年は買った奴じゃなくて手作り渡されてさ

これには流石の俺もびっくりしたの

しかも食べてみたら少し塩味効かして美味しくてさ

やっぱり舌が肥えてる人は料理も上手なんだよ

だけどそんな美味しいのツンデレ全然食べようとしなくてね

俺達の間柄、今更食べたいの我慢することないのにさ

チョコ食べるように促したんだけどツンデレも意地張って固く口むすぶし

でも、無理矢理ねじこんでやれ、って唇に押しつけてたら少しベロ出して舐め始めるの

して少しチョコ離してみたらベロ伸ばしてもっと頂戴言ってさ

伸ばしきって震えてるベロにチョコ置いたらカメレオンみたいに舌引っ込めて幸せそうに食べるの

そんで最後は恒例になった、ツンデレの手から食べさせてもらってさ

ツンデレのチョコ、あましょっぱくて凄く美味しかった、って話
00742/2
垢版 |
2015/02/14(土) 19:48:59.310
バレンタインでさ

私は例年通りアイツにチョコ持っていったの

私アイツの驚いた顔が好きで、毎年風変わりなチョコ渡すのね

それで今年は自分で作って用意したの

そしたらアイツ極上のびっくり顔見せてくれてさ

オマエ食べる専門じゃなかったのかよ、って興奮気味にチョコつまみます

ならアイツ美味しい言ってくれて、緊張の糸が切れちゃいます

すればアイツ私の口元にチョコ寄こしてさ、口開けろ、って

あのさ、私も女だから体重とか気になるの、作ってる時つまみ食いしまくったからさ

なのにアイツも意固地だからチョコで唇プニプニしてきてね

今年こそは食べないぞって意気込んでたのに結局口開けちゃってアイツも満足気でさ

このままじゃ残り全部食わされそうだったから先に食べさしたったの

そしたらアイツ私の指ごとチョコくわえやがってさ

一通りモグモグされた後、指引き抜いたらアイツのつばがベットリでね

興味本位でそれ舐め取ってみたら体中に電気走ってさ、ちょっと焦った、って話
0079ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/02/21(土) 19:46:00.610
バレンタインデーより一週間遅れでネタ投下です。

・男が他の子からチョコを貰うらしいと聞いて焦るツンデレ
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun2886.txt
0082ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/03/03(火) 02:10:49.530
テス
0083ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その16
垢版 |
2015/03/05(木) 00:39:33.130
半年以上間を空けてしまったけど、会長さんとデートしてる話の続きを投下しようかと

前回まではこちらで
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun2887.txt
0084ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その16 1/7
垢版 |
2015/03/05(木) 00:41:01.830
「さて。お待たせしました、会長」
 休憩を終えた私達が、次のコーナー「淡水に棲む生き物たち」の入り口に差し掛かる
と、別府君がやや大仰な態度で出迎えるような仕草をした。何故彼がそういう態度を取
るのかは、無論分かっているが、それが少し気に入らないので私は不機嫌にため息をつ
いてみせる。
『あのね。ずっと私がここばかり楽しみにしていたように言わないでくれる? 確かに
軟体動物とか両生類とか奇妙な昆虫とか好きだけど、そもそも私が望んで水族館に来た
がった訳でも無いし、貴方が勝手に私の好みを推し量ってるだけなんだからね』
 恐らくは一般的な淡水魚とか、ちょっと珍しい色のカエルとかそんな展示が主なのだ
ろう。自分の好みが特殊なのはよく分かっているので、大きな期待はしない方が懸命である。
「いや。でもさ。ここなら会長のお気に召す生き物もいるんじゃないかなって。やっぱ
りこれまでのコーナーだと、そこまで夢中になって見てたのっていなかったからさ」
 別府君がちょっとムキになったように主張するのを聞いていると、何か私は違和感を
感じてしまう。私の好みを汲んでくれるのはありがたいけど、今日のデートは私の為じゃ
ないのにと思ってしまう。だから私は、こう答える。
『そもそも、私がどうかより、貴方自身が楽しめているかどうかが問題でしょう? カ
ラオケ特訓のお礼っていう名目で今日のデートに付き合ってあげているんだから、別府
君が楽しめればいいって、何回も言ってるような気がするけど』
 すると別府君は、何かちょっと言いたそうな顔で私を見たが、それもほんの僅かです
ぐに視線を前に向ける。
「まあいいや。どのみち順路ではあるんだからさ。とりあえず行ってみようぜ。珍しい
生き物とかいれば俺も興味あるからさ」
 そうとまで言われては、私には拒否するだけの理由はなくなってしまった。確かに順
路の通りに行けば次に行くのは川の魚や両生類や昆虫のコーナーである。しかしどうし
ても私は釈然としないものを感じてしまっていた。
――やっぱり……どうしても、私がおもてなしされているようにしか思えないわ。別府
君へのお礼のはずなのに……
0085ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その16 2/7
垢版 |
2015/03/05(木) 00:41:28.040
 彼について順路を進みながら私は考えた。そもそも、最初から間違っていたのだ。デー
トがしたいというのなら、私が計画をして彼をエスコートするべきだったのだ。男の子
の気持ちを考えれば、エスコートしたくなるのは当然かもしれないけれど、それでは私
ばかりがいい目を見てしまう。
「会長」
『な、何? 別府君』
 先を歩いていたはずの別府君の声が後ろから聞こえて私は慌てて振り返った。
「どうしたんだよ。この辺はあまり興味ないとか?」
『え……?』
 気がつくと私は、まっすぐに出口の方に向かって歩きかけていた。慌てて彼の方へと
引き返す。
『ちょ、ちょっと他の事を考えていただけよ。そういうわけじゃないわ』
「そっか。ならいいけど」
 しかし、別府君の表情を見ていると、どうも納得の行っていない様子が窺える。どこ
か期待外れのような、そんな雰囲気だ。
『どうかしたの?』
 つい気になって聞いてしまうと、逆に別府君が少し驚いた顔で聞き返す。
「へ……? 何が?」
 私は彼の態度を問い質そうとしかけて、その気持ちを抑えた。多分何が不満なのか聞
いても別府君は答えてくれないだろう。こんな場所で変に気まずい空気になるのは私も
望んではいなかった。
『ごめんなさい。やっぱりいいわ。それより展示を見ましょう』
 私は向きを変えて入口の展示の方へと戻る。別府君は何も言わなかった。恐らく渡し
の態度を何か変に感じはしたのだろうけれど、追求されないのは助かる。ここで何か言
われたら、きっと私も言い返さずにはいられなかっただろうから。
 順路に戻ると、最初の展示はオオサンショウウオだった。黒に近いこげ茶の大きなト
カゲのような両生類だ。水槽の中でジッとして、まるで動く気配を見せていない。のっ
ぺりとした顔には愛嬌すら覚えてしまう。
0086ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その16 3/7
垢版 |
2015/03/05(木) 00:41:54.660
「でかいよな、コイツ。こんなの、道端とかで出会ったらマジビビるって」
『静かにして。見てるんだから』
 横でくだらない感想を言う別府君に、一瞥も与えずに注意する。この子はいつ動くん
だろうか? えさはどのようにして食べるんだろうか? 寝るときもこんな感じなのだ
ろうか? 見ていると本当に興味が次から次へと湧いて出て来る。
 その時、オオサンショウウオが僅かに首を巡らせた。何か気になる気配でも感じたの
だろうか? そう思ったとき、横で小さな男の子の声がした。
「あーっ!! 動いたぁ」
 それで我に返った私はいつのまにが自分が水槽の一番前に陣取っているのに気がつい
た。無意識のうちに見やすい場所を選んでいるうちに移動してしまったらしい。別府君
に場所を移動しようと言おうと思って彼の方を向こうとするが、周りのどこにもいない。
一瞬先に行かれたのではないかとあせったが、ほんの少し外れた場所から私を待ってい
るのに気がついた。私は慌てて彼の方に近寄る。
『何よ。見終わったのなら、声を掛けてくれればいいのに』
「いや。何か熱心に見てるみたいだったからさ。楽しんでるのを邪魔しちゃ申し訳ない
し、それに急いで回る必要もないわけだから」
 そう答える彼の表情や口調からは特に不満そうな印象は受けなかった。むしろ何故か
別府君自身が少し嬉しそうにすら見える。完全に忘れ去られていたというのに、それで
いいのだろうか?
『べ、別に少し見入ってはいたけど、そこまで夢中だったわけでもないし…… 声を掛
けられたから邪魔だなんて思ったりしないわよ』
 少し気恥ずかしさもあって言い訳すると、別府君は頷いて先を促した。
「まあ、満足出来たんなら次、行こうか」
 ゆっくりと順路を歩きながら、別府君の気持ちが推し量れずにその横顔を見つめる。
すると、その視線に気付いたのか彼が私の方を向いた。
「うん? どうかした?」
『な、何でもないわよ』
0087ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その16 4/7
垢版 |
2015/03/05(木) 00:42:20.620
 咄嗟にそう答えてから、私は思い直した。このどうにも釈然としない気持ちのままで
デートを続けるのなら、いっそ何を思っているのか聞いた方がいいのではないかと。こ
のままだと私はまた、対応を誤ってしまう可能性もある。そう決めると、私はそれとな
く付け足した。
『……ただ、何となく貴方が機嫌良さそうに見えたから。何かあったのかしらってちょっ
と不思議だっただけよ』
 すると別府君は少しキョトンとして自分を指した。
「俺が? 機嫌良さそうだって?」
『ええ。自分で気付いてないの? 別に気持ち悪くニヤニヤ笑ってるとかじゃなけれど、
どことなく雰囲気で』
 無意識にしたって、自分の感情くらいは分かるだろうにと少し呆れたように聞くと、
別府君はちょっと考えてから頷いた。
「ああ。確かに機嫌いいといえばそうなのかも。会長が楽しそうにオオサンショウウオ
見てたからさ」
『ちょっと待って。私がオオサンショウウオ見ていたのと別府君の機嫌とが何の関係が
あるの? 意味が分からないわ?』
 そこまでは何となく想像がついていたが、その理由こそが一番私の知りたいところだっ
た。すると彼は、コクリと頷く。
「そりゃ、会長が喜ぶだろうと思って誘った水族館でさ。中でも一番メインの展示場所
でつまらなさそうにされたらこっちも立つ瀬ないもの。最初何だか乗り気でないっぽい
感じだったし、だから夢中になって見てるなって思ったらこっちもホッとしたというか。うん」
 彼の言ってることは何となく分かる。例えばプレゼントをあげたのに貰った側が嬉し
くなさそうなら、あげた側もがっかりするというのと同じだろう。しかし、理解は出来
ても、私はどうにも納得が行かなかった。
『……何か、根本的に間違っている気がするわ』
「え? 何が間違ってるって?」
 私の呟きを聞き、別府君が不思議そうに問い返してくる。しかし、それに答えたとこ
ろで私の疑問が解決するとは思えなかった。
0088ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その16 5/7
垢版 |
2015/03/05(木) 00:44:12.280
『いいわ。何でもない。とにかく別府君からすれば、私は心置きなく楽しんでくれた方
がいいってことよね?』
 結論からすれば、今私が出来る事といえばこれしかない。そう思って聞いたのに別府
君は微妙な顔をした。
「うーん…… そう言われるとなあ。楽しくないのに無理して楽しいフリをされるのは
嬉しくないし」
『何なのよ、もう。私が楽しんだ方がいいの? それとも遠慮して楽しまない方がいい
の? どっちにすればいいのよ』
 煮え切らない態度の彼に憤慨すると、別府君は慌てて首を振った。
「い、いやその…… もちろん楽しんでくれた方がいいに決まってるって。ただその、
もし楽しくないんだったら、無理に演技する必要ないよって思っただけで…… ゴメン。
余計なこと言った」
 素直に頭を下げる彼に、私は苛立ちを静めるために一つため息をつく。
『安心して。両生類とか甲殻類とか、そういう変なの見て楽しめないって事ないから』
 そしてそうと決まった以上、これ以上こんな話を続ける気は私にはなかった。また別
府君が何か言わないようにと、私は咄嗟に彼の手首を掴むと先を促す。
『行きましょう。楽しんで欲しいんなら遠慮なくそうするから。ほら、早く』
「え? あ……ああ……」
 別府君の明らかに戸惑った様子に、私は最初その理由が分からなかった。
『どうしたのよ? 楽しもうにも先に行かなきゃ展示も見れないじゃない』
 軽く握った手首を引っ張りもう一度歩くよう促してみる。
「ああ。そうだよな。いや、それは分かってるんだけどさ」
 私は首をひねる。一体別府君は何をそんなに困惑しているんだろう? そう思いつつ
彼の様子を窺うと、その視線がチラリと下に落ちるのに気付いた。そのまま視線の先に
何があるのか見つめて、私は自分が別府君の手首をギュッと握っている事を意識する。
――ああ。これね。
 自分でもそこまで意識していなかったわけじゃないが、あらためて気付くと何だか気
恥ずかしくなる。しかしここで離せばそれはそれで動揺してしまったかのように見られ
ればみっともないし、何より私は本来なら彼をもっと喜ばせないといけない立場なのだ
から、彼が意識してくれているというのなら、それは以ての外というしかない。
0089ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その16 6/7
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2015/03/05(木) 00:44:47.350
『何? もしかして……手首握られるの、嫌だったかしら?』
 彼の気持ちを確かめる為に敢えて逆の事を聞くと、別府君は慌てて首を振る。
「いいやあ。その、嫌じゃないんだけどさ。つーかむしろその、何ていうか……」
 分かっていた事とはいえ、拒否されなかった事にホッとしつつ、しどろもどろな感じ
の別府君が可愛いなとすら思ってしまう。しかし私はわざと、ちょっと呆れたような態
度を取って見せた。
『何よ。ハッキリしないわね。嫌じゃないのなら別にいいでしょう? 他に何かあるわけ?』
「ああ、いや、うん。大丈夫。ていうか、嫌なわけないし」
 別府君は握られた手首をちょっと見つめて、ややはにかんだ顔をする。彼のその表情
を見て、私はもうちょっと勇気を出してみようと決めた。
『それとも、こっちの方が良かったかしら?』
 私は手首を握った手を離し、すぐにその手を握る。そして指を、彼の指の間に絡ませた。
「えっ?」
 今度は本当に驚いた顔のまま、別府君はそのまま固まった。私はワザとらしく不機嫌
そうな顔を作ってみせる。
『何よ。お礼のデートなんだから、ちょっとはそれっぽい事をしてみようと思っただけ
よ。そんな驚いた顔しないでくれる? こっちが恥ずかしくなるじゃない』
 私の言葉に、呪縛が解けたかのように彼は私の顔を見つめた。それから咄嗟に、ごま
かすような照れ笑いを浮かべる。
「ああ、いや。ゴメン。まさか会長がここまでしてくれるなんて思わなかったからさ。
いや。マジでドキドキしちゃって…… うん」
 そう弁解しつつ、別府君は軽く私の手を握り返してきた。私はちょっとだけ、彼の言
葉を考える。してくれる、と言うからには別府君にとっては私に手を握られるのは特別
な事と思ってくれているのだろうか? だったらいいのだけれど。
『行きましょう。この部屋、まだ見るものはたくさんあるわ』
「ああ」
 私は彼の手を引き、エスコートするように先に立ってゆっくりと歩き出す。やっと別
府君にお返しらしいお返しが出来たと、私は安堵と喜びを覚えていた。この瞬間だけは。
ただ、これは長くは続かなかったが。
0090ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その16 7/7
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2015/03/05(木) 00:45:38.650
「会長。まだ次の水槽に行かないのか?」
『もうちょっと待ちなさいよ。せっかちは嫌われるわよ』
 私が陣取っているのは、とあるカエルの一種の前である。ちょうど私たちが見ようと
した時に、係の女性が水槽の中に餌の昆虫を入れたのだ。最初、全く興味なさそうな素
振りをしていたと思ったカエルは、しかし次の瞬間長い舌を伸ばして虫を絡め取り、食
べてしまった。ほんの一瞬の出来事に、最初は私だけでなく別府君も興奮してしまっていた。
「今の見たか? 会長。食うの、めっちゃ早かったぞ。つーか、虫消えたし」
『うるさいわね。ちゃんと見ていたわよ。といっても見えてなかったけど』
 こんな感じで楽しんでいたのだが、カエルの動きや形そのものから楽しんでいる私と、
虫を食べる瞬間だけを楽しみにしていた別府君の間にはやがてズレが生じ、三匹目を食
べ終わった頃には、彼はもう飽きて水槽の前を離れてしまっていた。
「……三匹も食うの見れば、もう十分だと思うけどな。つか、もうカエルも満足しちゃっ
てんじゃねーかと」
 その言葉は辛うじて私の耳に届くくらいで、恐らくは独り言だったのだろう。しかし
聞こえてしまった以上は言い返さずにはいられなかった。
『何か文句でもあるの? 思う存分楽しめって言ったのは貴方でしょう? 飽きたのな
ら、別に先に行ってもいいのよ』
 水槽から目を離さずに背後の別府君にそう問い質すと、彼は慌てて返事をよこした。
「いや。まあいいんだけどさ。あんまり夢中になり過ぎると、閉館時間に間に合わなく
なってこの部屋の生き物全部見れないんじゃないかって思っただけで」
『ここって何時まで?』
 念のため確認すると、別府君はちょっと考えてから答えた。
「えーと…… 確か五時までだったな。うん」
 私は時間を確認する。
『まだ3時半回ったところじゃない。さすがに一時間もこの水槽だけで引っ張らないわ
よ。大体、好きなように楽しめって言ったの貴方じゃない』
「分かった。悪かった。もう言わないからさ」
 降参する別府君を尻目に、私はもうしばらくカエルの食事風景を堪能したのだった。


続く
0092ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/03/10(火) 08:15:13.35O
もうすぐホワイトデーか
ツンデレさんにどんなお返しをしようか悩むぜ
00931/5
垢版 |
2015/03/16(月) 06:45:04.600
・やたらと注文がうるさいツンデレ

「美琴さ。ホワイトデーのお返しって、どんなのがいいと思う?」
『……何故、私にそれを聞く。バカなのかお前は』
「なんでって、欲しくもないものを貰っても嬉しくないだろ。だったら、あげる本人に直
接聞いたほうがいいかなって」
『一体、私との付き合いが何年になると思っているんだ。お前が幼稚園の頃に近所に越し
てきてからなんだぞ。不本意ながら幼馴染といっても間違いはないのに、未だに私の好み
一つ分からないのか』
「ある意味、だからだよ。美琴相手にサプライズなんてしても、まあまず喜ばれないから
な。お前にしては考えた方だって言われればまだマシで、大抵ダメ出しが出るじゃん。そ
もそもホワイトデーなんてお返しをあげて当たり前なんだろ? だったら、最初から聞い
ちゃった方が早いと思って」
『つまらない男だな。お前という奴は。確かに貰って迷惑なものを渡されるよりはマシだ
が、もう少し人を喜ばせようという気持ちはないのか』
「だって、美琴ってこれまでの人生で一度も素直に喜んでくれたことないじゃん。誕生日
も、クリスマスでも。それに、俺が聞いたのは大体の方向性だから。食べるものがいいと
か、着るものがいいとか、アクセサリーとか、インテリアグッズとかの」
『方向性と言ってもだな。いくら貰えると分かってはいても、ある程度開ける楽しみがあ
る方が、やはり女性としては嬉しいと思うぞ。まあこれは一般論での話だが』
「一般論じゃ困るんだよ。俺は美琴を相手に考えているんだから。それにもちろん、方向
性さえ分かれば美琴の予想を超えてみせるような努力はするさ」
『それはまあ、無駄な努力だろうな。何故なら私はお前からのプレゼントに何の期待もし
ていないからだ。良くてせいぜい文句が無い程度だろう』
「その場ではね。でも、美琴が本当は喜んでいる時はこっちにも伝わってくるものだよ。
親同士の会話だったり、美琴がさりげなく身につけてたりとかで」
『そんなもの、どうせ親が大げさに話をしているだけだろう。アクセサリーは一応貰った
以上、きまぐれで着けてみようと思うこともあるがそんな程度だ。その程度で私が満足し
ていると思ったのなら、大きな間違いだからな』
00942/5
垢版 |
2015/03/16(月) 06:45:38.190
「小学校3年の時にあげたうさぎのぬいぐるみは今でも大切にしてるみたいじゃん。あれ
は当たりじゃなかったのか?」
『う…… あ、あれは最初はそんなに嬉しくなかったんだ。だけど私はそもそもそんなに
ぬいぐるみとかは買わないし、妙に人懐っこい顔をしているから離れがたくなっただけだ』
「俺としてはそういうヒットが欲しいんだよな。形には残らないものでも、後々思い出と
して残るようなものだったりとかさ。だけど、サプライズだけじゃどうにも上手く行かな
いようで、だから最初にある程度リサーチしておきたいんだよ」
『そうは言われても困る。そもそも私はお前からのプレゼントに何の期待もしていなかっ
たし、今の自分が何を貰えれば喜ぶかなんて、急に聞かれて答えられるものでもないぞ』
「だったら、逆でいいよ。美琴がこれはない。こういうのは貰っても困るって言うのを挙
げてもらえれば、ある程度は絞り込めるからさ」
『困るものか。なるほど。それなら確かに答えられないこともないが、それでお前の足り
ない想像力が補完出来るかどうかの保証はないぞ』
「それでも構わないって。少しでもダメなものが潰せれば、それだけ美琴が欲しいものに
近づけるから」
『では、私がいらないと思うものを挙げていけばいいのだな? 全く、めんどうくさい奴
だ。そのくらい、私の性格を考えればある程度は分かるだろうに』
「そりゃ、分かることもあるけどさ。誕生日プレゼントならともかく、手の込んだバレン
タインチョコのお返しは失敗したくないから」
『バレンタインチョコが手の込んだ、だと? バカを言うな。あれは単にコストの割りに
大量に作れるからというだけで、別にさして手間を掛けたりなどしていないぞ』
「柿の種チョコってのは、一見大したことなさそうに見えるけどさ。でも、あれだけカラ
フルに詰め合わせるってのは何種類ものチョコを溶かさなきゃいけないわけじゃん。かな
り大変だったろ? 腕も疲れたんじゃないか?」
『鍛えているから別にたいした事じゃない。それに、ある意味お前はついでだ。だからあ
まり気張って高いものを買おうとかしなくてもいいぞ。むしろ恋人でもないのにそれは引くしな』
「あれ? なんか女子にはゴディバとか人気らしいけど、そういうのは美琴の好みじゃな
いのか?」
00953/5
垢版 |
2015/03/16(月) 06:46:30.750
『嫌いじゃないが、どうせお前の財力じゃ小さいのしか買えないだろう。それはそれで味
も素っ気もなさすぎる』
「なるほどね。高くて少ししか入ってないお菓子よりは、むしろ食べ応えがある方がいいのかな?」
『必ずしもそういうわけではないがな。ああ。あと和菓子は止めろ。どうも私のイメージ
は和が強いらしく、友達からもそういうのが好みだと思われているらしく、バレンタイン
にもむしろチョコ大福だの抹茶チョコたい焼きだのを貰ったからな。嫌いではないが、正
直お前からもかと思うとうんざりする』
「美琴って、女子からもモテるからな。まあ、剣道部の部長で同時に華道もたしなんでい
るとなればそう思われても仕方ないか」
『どうしてこう人は見た目のイメージで判断しやすいのか…… まさかお前までがそうい
う目で私を見ているわけではないだろうがな』
「正直、お正月の晴れ着とか見るとやっぱり似合ってるなーとは思うけど、別に美琴が実
は朝はパン派だとか、鍛えられてはいるけど実は正座が苦手だとか、そういうことを知っ
ていても、まあ確かに意外とは思わないな。美琴のファンは驚くだろうけど」
『フン。私だって女子高生だ。ケーキやカフェラテだって大好きだし、普通に可愛いもの
も好きなんだ。何も江戸時代に生まれついたわけじゃない』
「分かってるよ。で、他には?」
『そうだな。貰って困るものといえば花もだな。ただでさえ母様が花好きでベランダや庭
がフラワーガーデンと化しているのにこれ以上増えるのは敵わん。それに世話をするとな
るとやたらうるさく口を出して来るし』
「確かにそうだったな。今出たのは、高級菓子や和菓子、花がNGと」
『そうだな。それと、ディナーなんてのも止めろ。大人が雰囲気のあるレストランで普段
食べたことのないコース料理とか出してくるならともかく、高校生じゃサイゼリヤが関の
山だろう。かといって無理をして高い店に連れて行かれてもお前ではどうせロクなエスコー
トも出来ず自滅するだけだ』
「ディナーもダメ、と。まあ、さすがにこれは美琴の言うとおり俺じゃ無理だな」
00964/5
垢版 |
2015/03/16(月) 06:47:30.920
「ディナーもダメ、と。まあ、さすがにこれは美琴の言うとおり俺じゃ無理だな」
『そうだろう。分をわきまえないようなプレゼントは、結局恥をかくだけだ。それをいう
なら指輪もだな。アクセサリーなら日常着けられる物のほうがいい。ただし、お前の好み
ではなく、ちゃんと私がどういうものを好むか考えないとダメだ』
「アクセサリーなら指輪のような大仰なものじゃなくて、もっとさりげなく着けられるも
の、と。ただし俺のセンスで選んじゃダメ。だんだんメモ用紙が埋まってきたな」
『お前の字が大きすぎるんだろう。まだそんなには言っていないはずだが。あと、そうだ
な。服は止めておけ。お前の財力じゃあプレゼントになるような服は買えまい。帽子とか
マフラーあたりなら、ちょっと頑張ればそこそこいいブランド物かそうでなくともオシャ
レなものが買えるだろう。とにかくお前は背伸びをするな。どうせ大した男ではないのだ
から、無理して金を掛けてもどうせ底が知れるからな。私の欲しそうなものが浮かばなか
ったら、いっそ物でなくてもいいんだぞ。例えば映画やテーマパークのチケットとかだな。
もちろんただチケットだけ渡してそれで終わりではなく、ちゃんとエスコートもつけて、
だな。対等のデートではないのだから、我を通さず相手の言うことを出来る限り聞いてあ
げれば、お前でも満足させることが出来るかもしれない。あとは、そうだな』
「ああ、いい。大体分かった。ありがとう」
『本当に分かったのか? お前はバカだからな。自分で分かった気になって勘違いして変
なものを渡されたりしたら、困るのは私なんだぞ。処分に困るプレゼントなんて邪魔なだ
けだからな』
「具体的なものはともかく、コンセプト的には理解したよ。つまりは美琴のことを一生懸
命考えた上で、俺の分をわきまえたプレゼントにしろってことだろ? あまり高いものや
似合わないことは逆に引くだけだし、勝手に理想を求められても迷惑なだけだからって」
『それはその通りだが、それで分かったつもりなのか? そもそも私のことが理解出来て
いないから聞いたんじゃないのか?』
00975/5
垢版 |
2015/03/16(月) 06:48:42.240
「どちらかといえば、俺の考えてる美琴と現実の美琴にギャップがないか、そのすり合わ
せのためだけどね。幼馴染だからって分かった気になってプレゼントを準備したら、それ
こそ独りよがりなんて結果になりかねないし」
『確かにお前ならあり得ることだからな。ただ、人に聞くだけ聞いておいてズレたプレゼ
ントなんて用意したら、それこそ突き返すからな』
「多分それは大丈夫だと思うよ。いずれにせよ、美琴はホワイトデーを楽しみにしてるみ
たいだし、チョコの努力に報いるためにも頑張らないとな」
『はあ? なっ……何を言ってるのだ。何で私がお前からのプレゼントを楽しみにしてる
などと、一体今の会話でどこをどうしたらそんな妄想を抱けるのだ。散々言ってきたが、
やはりバカなんだなお前は』
「でも、あれはダメ。その方向ならこういうのがいいって、結構夢中になってしゃべって
たじゃん。しかも途中から結構具体的になって来ているし」
『それは単に会話の流れで思い付きを口にしただけだ。私がそれを欲しがっているとか、
そういう話じゃない』
「そうか? 目がキラキラしてたし、なんか興奮してるようにも見えたが」
『そんなことはない。お前が勝手に自分の都合のいいように私を見ていただけだ。別に私
は……そこらへんにあるコンビニで適当に包まれた菓子だって……』
「菓子だって、で、なに?」
『ああ。いや。ダメだダメだ。やはりそんな適当な選び方のお返しなんて許さないからな。
私が欲しいからじゃない。チョコを送った女性への最低限の礼儀として当たり前のことを
言ってるだけだからな。いいな。心して用意しろよ。でないと絶対許さないからな』
「分かったよ。全く、期待してるならしてるって素直に言ってくれた方がこっちも力入る
のに。別に卑しいとか思わないからさ」
『そんな風に思われるのが嫌だからとかじゃない!! お前からのプレゼントで内心心を
浮つかせているなんてそんなことが……って、違う!! そんなことあるはずない!!
楽しみになんてしてないんだからな!! 絶対だぞ!!』
「分かってるよ。でもむしろ少しは楽しみにしててくれよ。頑張るからさ」
『じゃあ、まあ……そこまで言うなら、ちょっとだけは楽しみにしていてやる。その代わ
り、絶対に私が喜ぶものにしろよ。分かったな』
0098ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/03/16(月) 06:49:32.890
終わりです

で、ホワイトデーの日。某ネズミの国でご満悦な美琴さんがいたとかいないとか
0102ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/03/18(水) 07:13:50.180
>>99
かわゆいのう


もう10年ですよ。ツンデレさん
0103ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/03/18(水) 13:23:21.100
十年か……最盛期より人は減ったけどまだまだイケるな!
俺もなんか書かないとなぁー
0105ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/03/18(水) 20:18:09.470
何年ぶりかで思い出してスレタイで検索して辿り着いた
まだ続いてたんだなこのシリーズ

電車の中なのに思わず涙腺緩んじゃったじゃないか
01091/4
垢版 |
2015/03/22(日) 13:08:54.380
・ホワイトデーのお返しがしょぼいと文句を言うツンデレ

『ちょっとタカシ!! アンタね。どういうことよ!!』
「は? 何だよ。出会いがしらに怒鳴りつけてさ。朝から勘弁してくれよな」
『何だよじゃないわよ。土曜日の件よ。土曜日の』
「土曜日? って、何かあったっけ? 別にかなみに怒鳴られるようなことした覚えないけどな」
『しらばっくれてんじゃないわよ。ホワイトデーだったでしょうが』
「ああ。それならちゃんとお返しやったろ? せっかく届けに行ったのに、お前いないっ
ていうからさ。おばさんに言付けておいたはずだけど」
『ちゃんと? あれでちゃんとって言うなら、世の中の男性はホワイトデーのお返しに悩
んだりしないわよ』
「なに? 要は俺があげたお返しに文句があるのかよ?」
『そりゃそうよ。当たり前でしょ? 一体何かと思って紙袋開けてみたら、きのこの山一
箱って…… あたしをバカにしてんのかアンタは!!』
「だって義理だろ? 義理チョコのお返しならそんなもんじゃね?」
『普通誰だってもっといいもの貰うわよ!! 申し訳程度に紙袋にリボンのシールで封は
してあったけど、むしろ呆然としたわよ。きのこの山って……常識あるの? バカじゃな
いの? ひゃっぺんくらい死んでみる?』
「ご冗談を。つか、常識あるのかって言われれば、ちゃんと常識に沿ってるだろ? 3倍返しでさ」
『金の問題じゃないわよ!! まがりなりにもバレンタインチョコくれてやった相手にき
のこの山でお返しするなんて男子。世界中探してもアンタだけだわ』
「まあ、ホワイトデー自体日本独自のものだからな。しかし、バレンタインにチロルチョ
コ5つを詰め合わせただけのチョコレートを義理だからってあげておいてちゃんとした見
返りを期待する女子もかなみくらいじゃね? 普通その程度の義理ならお返しを期待すら
しないだろ」
『アンタ程度の男ならチロルチョコで十分でしょうが。むしろ女の子からチョコもらえたっ
ていう実績が出来ただけでも感謝しろっての。そういう感謝がきのこの山には微塵もこ
もってないのよ』
「何でだよ。美味しいだろうが。きのこの山。俺、チョコの中では一番好きなんだけどな」
01102/4
垢版 |
2015/03/22(日) 13:10:07.710
『やっぱおかしいわよアンタ。どうせ同じ金額ならたけのこの里にしなさいよね。あっち
の方がチョコ多いんだから』
「あ。お前、そういうことか。それでホントは怒ってたんだろ?」
『そういうことって何よ? 思わせぶりなこと言わないで、ハッキリ言いなさいよね』
「かなみって、実はたけのこ厨だったんだろ? だからきのこの山をあれだけ敵視してん
だ。なるほど。そりゃ怒るわな。最大のライバルを送られたんだから」
『あたしはそんな狭い理由で怒ってないわよ。そりゃ、きのこの山よりたけのこの里の方
が圧倒的に美味しいってのは事実だけど』
「そんなことないだろ。むしろきのこの山の方が美味しいじゃん。特にあのスナックの部
分。チョコ食べてからスナックを分けて食べると二度美味しいだろ。あれはたけのこの里
じゃ味わえないんだよ」
『何言ってんのよ。たけのこの里だって分けて食べられるじゃない。そもそもあのクッキー
の部分が美味しいんでしょ? しっとりしてて』
「しっとり? もっさりって言うんだろ? 大体たけのこのクッキーは甘いじゃん。甘い
チョコ食ってまた甘いクッキーじゃ分けて食う意味もないんだよ。きのこのはスナックだ
からな。サクッとしてちょっと塩味も効いてるところがいいんじゃん」
『分かってないわね。トータル的なハーモニー感が重要なのよ。そもそも分けて食べるこ
とを前提にしてるって時点できのこはおかしいのよ。たけのこの里の独特のしっとり感が
チョコと混ざり合う、あれが一番美味しいんじゃない。分けて食べるってのはあくまでおまけよ』
「ハーモニー感とか言ってごまかしてるけど、結局スナック部分単独ではそんなに美味く
ないって認めてるんじゃん。スナック単体でも十分楽しめるきのこの方がやっぱ勝ちだよな」
『チョコとくっついてるお菓子なんだから、一緒に食べるのが前提でしょうが!! そこ
が間違ってんのよ。チョコと合うって意味では断然たけのこのクッキーなんだから』
「いや。それもきのこだね。たけのこのクッキーだと、チョコと一緒に食うとよりもっさ
りモコモコってなんだよ。口の中が。その点、サクッとしたきのこのスナックは甘さの中
にほんのちょぴっと混じった塩っけも合って最高だね」
01113/4
垢版 |
2015/03/22(日) 13:10:55.770
『うわ。自画自賛キモッ!! 自分では正しいこと言ってるつもりなんでしょうけど、ネッ
ト調査だと6割の人がたけのこの里が美味しいって言ってんの。主張するのは自由だけど、
自分が少数派だってのは認めなさいよね』
「10人中6人ってことだろ? 一人こっち側に抱き込めば五分じゃん。最初たけのこ派だっ
たけど、きのこに鞍替えしたって書き込みも見たことあるし」
『そんなもん、大量の書き込みの中の一つでしょ? きのこからたけのこに鞍替えした人
なんて、きっともっとずっとたくさんいるわよ』
「それこそ、かなみの思い込みだろうが。さらにちょっとビターな大人たけのこでこれま
でチョコ全般がそれほどって人も抱き込んで我が軍は勢力拡大するんだよ」
『だったら、今までたけのこは甘すぎてちょっとって人も大人たけのこなら美味しいって
書き込み見たもん。結局たけのこ軍の方が参戦者は多いし、今後も優勢は変わらないわよ。
きのこ厨がいかに無駄な足掻きをしたってね』
「無駄な足掻きじゃねーって。そもそもたけのこ厨ってきのこ食わないやつも多いじゃん。
見た目的にたけのこの方がチョコ多そうとかって。こっちにはまだ伸びしろがあんだよ」
『根拠のない希望的観測ってやつよね。あー、やだやだ。これだから負け組はさ』
「負け組言うな!! とりあえず俺があげたの食ってみろよ。地域限定の抹茶味だぞ。静
岡のばーちゃんにわざわざ送ってもらったんだからな」
『食べるわよ。そしていかにきのこがたけのこに劣ってるか、ここぞとばかりに語ってあ
げるから。てか、本体価格より送料の方が高いじゃないのよバカ』
「それくらい手は掛けてるんだよ。かなみのチロルチョコと違ってな。そもそもたけのこっ
て地域限定ほとんどないらしいじゃん。地方はみんなきのこ派なんだよ」
『普通のチョコ味じゃたけのこに勝てないから、変わった味で勝負してるだけでしょ。ま、
それでもトータルでたけのこの売り上げの方が多いけど。あと、あたしだって工夫はした
もん。5個のうちの一つは高級チョコレートのチロルチョコ版にしたし』
「ああ。でもパッケージとかちょっとオシャレでも、なんか試供品感が否めないんだよな。
高そうなのほどむしろ」
01124/4
垢版 |
2015/03/22(日) 13:11:39.290
『来年はたけのこの里にしてやる!! 期間限定の美味しいのにして、アンタを絶対たけ
のこ厨に鞍替えさせた上で、裏切り者の下っ端扱いにしてやるんだから』
「その前に、俺のあげた抹茶きのこの山食ってかなみの方こそ鞍替えしてんじゃね? ま
あ俺は寛大な心の持ち主だから、寝返り派も暖かく受け入れてやるけどな」
『ありえないってば!! 絶対たけのこの方が美味しいんだから!!』


〔正直、傍から見るとすっごいくだらない争いしてるようにしか見えないよね。友ちゃん〕
【いーのいーの。あんなの、ただのじゃれ合いなんだから。仲いーわよね。来年のチョコ
の約束もちゃっかりあの中に入れちゃってるし。見てるこっちが当てられちゃうわよ】
〔で、僕のお返しはどうだった? 友ちゃん〕
【うー…… 別にダメじゃないけど、何だって靴下なのよ。食べ物とかの方が見た目豪勢
なのに。もちろん、きのことかたけのこなんて論外だけど】
〔だって部室の床、冷えるじゃん。友ちゃん、いっつも足先寒そうにしてたし。その割に
自分でケアしようとしないし〕
【時間ないのよね。取材と記事書きで締め切りに追われてると。てか、お前はもう少し働
け。こんなのに気を割いてるくらいだったら】
「だって、友ちゃん。時間ないって言ってるのに、バレンタインチョコ手作りだったじゃ
ん。すごく美味しかったし。だから、こっちもお返し頑張らなくちゃって思って、色々考
えたんだよ」
【だからって、あたしの足先とかいつも見てたのなんてキモい】
「たまたまこすってるの目に入ったんだよ。別にフェチ的な目線じゃないってば」
【分かってるわよ。それに……まあ、その。家でちょっと履いてみたけど、あったかかったし】
「ホント? 良かった。それだけ聞ければ十分だよ」
【十分じゃないでしょ。感想だけ聞ければアンタはそれでいいのか】
「え…… だって、やっぱりプレゼントは貰った人から良い感想貰えればそれに越したこ
とないし」
【そうじゃなくて!! えっと、その…… あー、もういい!! 黙って聞け!!】
「え……何を?」
【だから黙ってろって!! その、だからね。あの……】
【……ちゃんと……あたしのこと、考えてくれて……ありがとう。正直、ちょっと……嬉
しかった……】
0116・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その17 1/7
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2015/03/30(月) 01:27:12.440
「これで、全部終わりか。イルカショー、間に合わなかったな」
 案内板の先に出口の文字を見て、別府君が呟く。
『別にいいわよ。人間に餌付けされて飼いならされたイルカの演技なんて見なくたって』
「まあ、それに関してはそんなに会長も興味引かないかなって、そう思ったから敢えて
声は掛けなかったけど」
 正直、イルカショーよりもオオサンショウウオやらカエルやイモリやトカゲなんかに
興味を示す女子ってどうなのだろうかと、別府君の言葉を聞いて私は省みてしまう。
『……いいでしょ、別に何が好きだろうが』
 わざと、まるで別府君が私をからかって言っているとか、そんな風に聞こえたような
態度で私は文句を言った。
「別にダメとかそんな事言った覚えないけどな。イルカショーに興味示す会長ってのも
何からしくない感じがするし」
『何よ、それ? それはそれでバカにされた気がするわ。私ってば、全く可愛げがない
女みたいな言い方に聞こえるわよ』
「だからそういう意味じゃないってば」
 弁解する彼をジトリと睨み付けてから、私はプイとそっぽを向くかのように向きを変
えて歩き出そうとした。その背後から別府君の声が掛かる。
「あのさ。お土産、買って行かないか?」
 振り向くと別府君が傍にあるお土産コーナーを指差していた。私は一瞬、その意味を
考えて首を傾げた。
『お土産って、誰に買って行くつもりなの? 私は別に、今日のデートの事を誰かに話
すつもりなんて全くないんだけど』
 私の気持ちや、彼との今の関係を置き去りにして噂話だけが先行するような真似は一
切したくなかった。むしろ別府君が自慢げに誰かに今日のことを話すのかと危惧しかけ
たその時、別府君が答えた。
「いや。誰かにってんじゃなくて、自分に。何ていうか、記念みたいな感じでさ」
 そして、土産コーナーの方を指してみせた。
「例えばさ。ああいう、キーホルダーとかストラップ的なものとか……どうかなって」
 私はジッと別府君を見つめて、そして浮かんだ問いをそのまま口に出した。
『別府君は、今日のデートを何かの記念にしたいとか、そう思ってるの?』
0117・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その17 2/7
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2015/03/30(月) 01:27:42.400
 すると彼はちょっと慌てふためいたかのように答えを濁した。
「ああ。いやその……記念っていうか……か、会長と二人でこういうトコ来るのって、
そうそうないっていうか、もしかしたらこれっきりかも知れないわけで、そしたら何か
思い出になるようなもの買っとくのもいいかなって…… まあ、会長はそういう気分で
もないかも知れないけどさ」
 不思議とどこか言い訳めいた事を言う別府君を、私はジッと見つめた。彼がそうした
いと言うならもちろん断る理由はないが、個人的にはさほど何かを買いたいとは思って
いなかった。正直に言えば角が立つような気もして、珍しく言葉を選んで私は答える。
『……いいわよ、別に。私は別に、今は欲しい物は特にないけど、見ていれば欲しくな
るものもあるかも知れないし』
 すると別府君は、ホッとしたように笑顔を見せる。
「そっか。まあ、出来る限り早く選ぶからさ。何なら、一緒に見て回る?」
『それは遠慮するわ。私と一緒にいると、貴方の無駄話も増えるし』
 私が傍でつまらなさそうにしていれば彼の楽しみを殺いでしまうだろうし、かといっ
てお付き合いではしゃぐ気にもなれないのでお断りする。すると別府君の表情に、かす
かに残念そうな色が見えた。
「分かったよ。買うか飽きるかしたら、ここで合流ってことで」
 私は頷いて彼と別れた。
――何だろう? もしかして、私と一緒に仲良くお土産を見て回りたかった……とか?
 何となく周りを見て、適当にそれっぽいカップルを物色する。私たちよりやや年上っ
ぽいカップルが仲良くお土産を選びながら楽しそうにしゃべっているのを見つけ、私は
しばし眺めつつ、それを自分と別府君に当てはめようとして、止めた。
――バカバカしい。仮に私たちが恋人同士だったとしても、絶対ああはならないわよ。
別府君だってそれくらい分かってると思うんだけど……
 ため息をついて視線を逸らす。すると自分の傍に、大量のぬいぐるみが無造作に棚に
積み上げられているのに気付いた。
――何か買って行くとしたら……こんな感じかな?
0118・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その17 3/7
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2015/03/30(月) 01:28:19.030
 イルカだの、クジラだのの小さなぬいぐるみを手に取っては棚に戻しつつ私は考えた。
自分へのお土産なら食べるものはいらないし、キーホルダーやらストラップ、文具など
もあるけれど、どれも自分には似合わないと思う。
――まあ、ぬいぐるみも似合わないとは思うけど…… でも、これなら部屋に置いとく
だけだし……
 ここで買ったお土産で初デートを思い出すなら、なおさら人前には出せないと私は考
えた。物としては都合がいいのだが、可愛らしいぬいぐるみを取っては戻し、取っては
戻しをしても、どうにも食指が動かない。
――何か、ピンと来ないな…… もうちょっと変わったものがあれば……
 もっとも、オオサンショウウオやアカツノガエルのぬいぐるみなんてあるとは思えな
いが。強いて言えば亀くらいか。しかしそれもどうもお金を出して買うとなると微妙である。
「会長」
 悩んでいると、別府君が横から声を掛けてきた。
『何? 私の事なら別に気にしないでいいわよ。貴方は自分の買い物をすれば――』
 素気無く追い払おうとした私の言葉は、彼が手に持っていたものに視線が吸い込まれ
た瞬間、そのまま途切れた。
「これ、スゴくね? 」
 そう言って片手に掴んでいる物を持ち上げる。それはまさにエビ――の、ぬいぐるみだった。
「やっべよ。超リアルじゃん。これ。見てみ、ちょっと」
 何だか少し興奮気味にしゃべりつつ、別府君は私にエビのぬいぐるみを差し出す。私
は大人しく受け取ると、グルッと回してエビの顔を見た。うん。まさしくエビだ。
「脚とかもさ。何かこう、すっごい本物っぽくね? ぬいぐるみとしては全然可愛くないけど」
 私は無言でひっくり返して腹側を見た。若干デフォルメされてはいるものの、他のぬ
いぐるみのように愛らしさはまるでない。顔つきといい甲羅の形状といい、脚といい、
まさにエビとしか言いようがなかった。返す返す眺める私の傍で、別府君はしばらく無
言で私の様子を見ていたが、一通りの観察が終わったと見たのか、感想を求めてきた。
「どう? 会長さ。こういうの、好きじゃね?」
『私が?』
0119・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その17 4/7
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2015/03/30(月) 01:28:55.490
 いや。正直言えばエビやカニみたいなごつくてメカメカしい生き物よりは、カエルや
トカゲやなめくじみたいなヌタッとして訳の分からない生き物の方が好きなのだが、こ
ういうのも興味がないとは言わない。
「あれ? 違ったかな……? 結構興味深く見てたようだったから、こういうのも好き
かと思ったんだけど……」
『まあ、興味ないこともないけど。で、だとしたらどうだって言うの?』
 素っ気無い態度の私に、別府君は拍子抜けしたような顔をしつつも気を取り直して答えた。
「いやあ…… もし好きだったら、こういうのをおみやげにどうかなって…… そう思っ
たんだけど」
 私は首をひねる。正直、こういうおせっかいはどういう意図でやっているのかがさっ
ぱり分からない。
『欲しいものがあれば自分で決めるわよ。別に必ず買わなくちゃいけないものでもない
し。わざわざ別府君に指定されるまでもないと思うんだけど』
 口に出してから、ちょっと物言いがキツ過ぎたかなと思う。すると案の定彼は落ち込
んだ様子を見せた。
「そっか。いや、まあそんなに欲しくないんだったら、別に買う必要もないしな」
『ちょっと待って』
 彼が棚に戻しに行くのを予感して、私は動き出す前に止めた。そんな風に落ち込まれ
たら、私だってサービスしないわけにはいかないじゃないと、内心ちょっと罵りながら。
『言ったでしょ? 興味ないこともないって。私が欲しいかどうかも決める前に勝手に
結論出さないでよね。見せてもらわないとさっぱり分からないし』
「あ…… ああ。ゴメン……」
 手を差し出すと、別府君は謝りつつ私にエビのぬいぐるみを差し出す。それを受け取
ると、表と裏をひっくり返して手で触りながら細かく確認する。
『……確かに、よく出来てるわね。本来ぬいぐるみって可愛いものなのに、脚とか甲羅
とか本物っぽい作りすぎて可愛さのかけらも無くなっているところは逆に評価するわ』
「だろ? そう思ってさ。いっぺん会長に見せたいなって思って」
 別府君の声に元気が戻ってくる。しかしそうなると、今度は逆に反発心が湧いてくる
のが困り物である。
『だけど、おみやげには向いてないわよ。何よりも大きすぎるもの。車で来てるならと
もかく、こんなもの持ってバイクには乗れないわ』
0120・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その17 5/7
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2015/03/30(月) 01:29:41.190
 両手で抱え持つくらいの大きさがあるだけに、バッグに入れるのは絶対無理だし、手
提げのビニール袋に入れたりしたら別府君に掴まれなくなってしまう。私がエビを彼に
差し出すと、別府君は苦笑してそれを受け取る。
「そっか。確かにそうだよな。会長の好みばかり考えて、そういうことまで考えなかっ
たわ。ゴメン」
 そのまま棚に返しに行く彼に並んで私も歩き出した。
『ねえ。もう少し小さいのはなかったの? せめてバッグに入るようなの』
 別府君は驚いた顔で私を見た。しかしすぐに表情を変えると、ちょっと考え込みつつ
首をひねる。
「うーん…… ほとんどは可愛いのばかりで、こんなリアルなのはなかったなあ。やっ
ぱり小さいのじゃ再現するの、無理なんじゃね?」
『いいわ。私も一緒に見る』
 結局別府君に乗せられた形になってしまったが、流れ的に見ればそんなに不満はなかっ
た。むしろ別府君がこの展開を望んでいるのなら、それでいいわけだし。
「ここら辺かな? ぬいぐるみコーナーでちょっと変わったのが売ってるのは」
 別府君がエビをもともと置いてあった場所に戻すのを見つつ、私は他のを見てみる。
エビもあるにはあったが、大きいのとは違って可愛らしさが全面に押し出されている。
これは私の好みじゃない。
『変わったのって言っても…… イルカとかクジラとかアザラシじゃないってだけじゃない?』
 人気のぬいぐるみは、大小様々、大きいのになると両腕で抱え込まないと持てないく
らいのものまである。もちろんお値段も相応に高い。そういった物がぬいぐるみコーナ
ーの大部分を占拠している中で、エビだのフグだのイカだのタコだのサメだのといった
マイナーなものがひっそりと押し込められるように置かれていた。
「まあね。だからさっきのエビなんてのは、結構これしかないって感じだったんだけど。
やっぱ気に入るのなんてなかなかないよな」
 棚のぬいぐるみを手に取っては戻す別府君の背中を、私はちょっと面白くない気分で
見つめた。確かにキモいのに心惹かれるとはいえ、可愛いのに全く興味を示さないと思
われるのも何だか女の子らしくないと思われているようで癪に障る。
0121・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その17 6/7
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2015/03/30(月) 01:30:07.300
『うーん…… でもこれも……普通っぽ過ぎる……』
 さっき、別府君が声を掛ける前も見ていたけれど、どうにも心揺さぶられるものがな
い。手に取ったタツノオトシゴを棚に戻したとき、視界の端にチラッと触手っぽいもの
が映った。
『ん?』
 視線をそっちに向けてみる。ややピンクがかった白く先の丸い足みたいなのがぬいぐ
るみの中に埋もれているのを見て、私はその足らしきものを掴むと無造作に引っ張り出した。
『……何これ……?』
 足は意外と短くて、でっかくて丸い頭から何本も生えていた。頭だけならただの小さ
いクッションみたいな物なのに、下から何本もの触手が生えているのがちょっと面白い。
「会長。それ、気に入ったの?」
 私がしげしげとぬいぐるみを眺めているのを見て、別府君が聞いてきた。私は彼の方
を向いて、ぬいぐるみを差し出す。
『これ、クラゲだって。そう見える?』
 商品についているタグから確認して、私は別府君にそう聞いてみた。すると彼もちょっ
と首を傾げてみせる。
「頭だけ見ると、丸いクッションだよな? 触手が生えてるから分かるけど」
『何か、そのアンバランスさがちょっといいかもって思って』
 頭には目も何にも付いていなくて、何ともいえない珍妙さが私を捕らえていた。
「そういえば会長。クラゲコーナーでも熱心に見入っていたもんな。これなら大きさも
ちょうどよくね?」
 私はコクリと頷く。
『本当なら、もうちょっとリアルっぽくて変わった形のが良かったけれどね。ウリクラ
ゲの光る置物とかだったら文句なかったんだけど。でもまあ、買うならこれかしら』
 本当はもっとサイズのでかい方が珍妙さが増してて良かったが、エビと同じで持って
帰るのには支障があるので、私は手の平サイズのを選んだ。
「いいの? これに決めるってことで」
0122・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その17 7/7
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2015/03/30(月) 01:30:44.240
『ええ。大した額でもないしね。仮に失敗しても後悔するほどのものじゃないし』
 言葉で言うよりはもう少し欲しい気持ちはあったが、最初に興味なさそうな素振りを
した手前もあって、私は若干気持ちを抑えてみせた。それでも別府君は嬉しかったよう
で、笑顔を見せて頷く。
「それじゃ、買ってくるからさ。俺はもう、自分のは選んであるし。ちょっと待ってて」
 軽く手を上げると、別府君はいそいそと歩き出し、棚の陰に消えて行った。
『……選んであるって…… 別府君って、何を買ったのかしら?』
 興味はあったが、聞いてそうと悟られるのも癪なので、私は結局別府君が何を買った
のか、その日は知らずじまいで終わったのだった。


続きます
0123
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2015/03/31(火) 00:53:28.270
『要するに、今日の外食はキャンセルって事だろう?』

「本当にゴメン!埋め合わせは絶対にするからさ!」

『全く。最近は、馬鹿も風邪をひく時代なんだな』

「すみません...」

『用件はそれだけか?』

「尊...怒ってる?」

『別に』

「声が怖いよ?」

『用がないなら切るぞ』

「怒ってる!!」

ブツッ ツー ツー

俺こと別府タカシは絶賛発熱中である。
今晩は尊とレストランで外食の予定だったのだが、タイミングが悪すぎる...。

「そりゃあ...ドタキャンされたら怒るよなぁ」

尊相当怒ってたよなぁ...埋め合わせどうしよう...。
そんなことを考えているうちに、いつの間にか俺の意識は深い闇の中に沈んでいった...。
0124
垢版 |
2015/03/31(火) 00:56:41.910
...ンポーン...ピンポーン...
喧しい音が聞こえる...。
いま何時だ...俺の目覚まし時計はこんな音してたっけ...。

ピンポーン...ピンポーン...
寝ぼけ眼の俺は、それがインターフォンの音だと気付くまで、暫し時間を要した。
誰だよこんな時間に...。

「はぁい...どちらさんですか?」
ドア越しに確認する。

『私だ』

覗き穴越しに確認すると、ドアの外には尊が立っていた。
心なしか、いつもより可愛いような...。

『酷い顔だな。寝坊助め』

鍵を開けると容赦なく俺の家へ上がっていく尊。

「あれ、尊。仕事は?」

『終わらせて来た』

「終わらせてきたって...まだ夕方の5時だぞ...?」

尊の仕事は結構残業が多い。
20時に電車に乗れれば良い方で、むしろ、残業がデフォルトと言っても過言でないような職場で働いている。
0125
垢版 |
2015/03/31(火) 01:00:56.000
『どうせお前のことだから、ロクな物も食べずにお腹出して寝ていたんだろう?』

そう言いながら、お勝手でがさごそ始める尊。

「もしかして、何か作ってくれるのか?」

『あぁ』

「いや、それは悪いよ。心配してくれる気持ちだけで十分嬉しい」

『いいから病人は黙って寝てろ』

キッチンからつまみ出される俺。俺の家なのに。俺の部屋なのに。

数分後、目の前に卵雑炊が運ばれてきた。

「おぉ...」

『雑炊くらいで驚かれてもな』

「普段コンビニ弁当ばっかで、こう言うの食べないからさ...」

『そんなだから馬鹿なのに風邪をひくんだ馬鹿』

「そんな馬鹿馬鹿言わなくてもっ」

『雑炊、いらないなら捨てるぞ』

「いただきます」

贔屓目なしに、尊の作ってくれた雑炊は、めちゃめちゃ美味しかった。
0126
垢版 |
2015/03/31(火) 01:02:03.280
『まだ、体調悪いのか?』

「どうだろ...寒気はする」

『その、なんだ。お前が嫌でなければ、一晩くらいなら、面倒みてやるよ』

「いやいや、そこまでしてもらうのは流石に悪いよ!」

『悪くない』

「申し訳なさすぎるって」

『申し訳なくない』

「それに、尊だって女の子だろ?1人暮らしの男の家に泊まるのは、ほら、ね」

『タカシにそんな甲斐性ないだろ』

「わかんないぞ!?」

『ほう?言ったな?』

「ございませんでした...」

『ほら、明日も早いんだ。寝るぞ』

一方的に電気を消す尊。
まだ19時だぞ...流石に早すぎて寝られそうにない気もする...。
0127
垢版 |
2015/03/31(火) 01:03:17.790
案の定寝られない...。
沈黙が流れる...。
何分、何時間経っただろうか...。
来客(山田)用の布団で、全く身動きもしない尊。

『本当は』

そんな中、眠ってしまったかと思っていた尊が突然喋り出した。

「ん?」

『本当は、今日の外食、すごく、楽しみにしてたんだ』

「うん...」

『普段よりずっと、化粧も、髪も、時間かけてみたりしてさ』

「うん...」

『だからキャンセルの電話が来た時、とてもショックだった』

「うん」

「でも」

ごめん、と続けようとしたが、尊の言葉に遮られてしまった。

『それ以上にタカシの体調が心配で気が気でなかった』
0129
垢版 |
2015/03/31(火) 01:12:37.420
突然、寝返りを打って、俺の方を向く尊。暗闇で、表情は見えない。

『仕事中、ずっとタカシの事ばかり考えてた』

『タカシが病院に運ばれたらどうしよう。会えなくなったらどうしよう。死んでしまったらどうしよう』

『仕事が手に付かなかった...だから...無理を言って、早退した...』

再び沈黙が訪れる。

『インターフォンを何度鳴らしても返事がなくて...救急車を呼ぶしかないと思った』

「ごめん...」

『やっと出てきて...顔を見たとき、安心した』

「...ごめん」

『私は...タカシが好きだ...』

『こんなにも、狂いそうなほど、好きだ』

尊が近づいてくる。

『タカシ...』

手が、腕が、足が触れる。
顔が、近い。
息が。

『ーーー』
0130
垢版 |
2015/03/31(火) 01:15:02.480
『おはよう。酷い顔してるぞ』

「誰かさんが寝かせてくれなかったせいでね」

『ふん。それはこっちの台詞だ。甲斐性、あるじゃないか。何が甲斐性無しだ馬鹿』

「尊が誘って来たんだろ!?」

『それはさておき体調はどうだ?』

「うん、熱は下がったみたい」

『もう元気なら問題ないな。私は行くぞ。昨日残した仕事が待ってる』

「今日はハンバーグがいいなー」

『は?』

「尊がハンバーグ作ってくれないと死んじゃうかも」

『しね』

「うわ、ひでー!」

『豆腐の角に頭打ち付けてしね』

「わー、尊さんたらこわーい」

『...気が向いたら行ってやるから材料、用意しとけ』

そんなことを言う尊の顔が少し、嬉しそうに見えたのは俺だけで良い。
fin
0134ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/04/01(水) 11:35:24.210
全然ツンデレとか好きじゃないわー

むしろ嫌いだわー
0136ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/04/02(木) 11:08:34.220
お題

・エイプリルフールで、ここぞとばかりにツンツンしたツンデレ

・翌日も勢いは落ちるもツンツンしてしまうツンデレ

・そんなツンデレに「おいおい、エイプリルフールは終わったぞ」と言うタカシ

・「あっ、そっか…」とツンツンするのを止めたツンデレ

・そのまま1日過ごし、ベッドの中で今日を振り返るツンデレ

・あそこで「あっ、そっか」と納得してしまっては、エイプリルフールのツンツンした態度が嘘だとバレてしまうと気づくツンデレ

・というか納得するのもおかしかったと、今更気づくツンデレ

・枕に顔をうずめてバタバタするツンデレ

・母親に「夜中に何を騒いでるんですか!」とこっぴどく怒られたツンデレ

・翌日タカシに涙目で八つ当たりするアホの子ツンデレ
0138ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/04/05(日) 02:37:31.580
お題

・ツンデレ子とツンデレ男の日常は言い争いが絶えないようです

・しかし年に一度お互いにデレデレする日があります

・ツンデレ子とツンデレ男のエイプリルフールは一年分のデレを凝縮してありました
0139ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/04/07(火) 09:15:02.50O
お題
つ・寒の戻りで寒い日なのに薄着で出てきてしまったツンデレ

 ・ツンデレを暖めてあげたら

 ・ツンデレにあったかいんだからぁ〜って言ったら
0140ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/04/07(火) 19:25:18.820
お題

・新発売のエナジードリンク『お嬢様聖水』を飲んだと教室で男友達に報告するタカシ

・『お嬢様聖水』を知っている人はタカシに味などを聞きました

・知らない人は、タカシとお嬢ツンデレの変態プレイの事だと思い、ドン引きでした

・そこに、なにも知らずに登校してきたお嬢ツンデレ

・何故かクラスの半数近くから白い目でみられてゾクゾクするツンデレ

・後日『お嬢様聖水』を知ったクラスメートは、ツンデレに誤りました

・白い目で見られたら真相を知ったツンデレは「まだシたことありません!」と言い放ちました

・(“まだ”とか、いつかはヤる気なのか…)と再度引くクラスメート達でした
0142ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/04/11(土) 19:55:50.220
お題

・ツンデレと柔道

・ツンデレに上四方固めをくらうタカシ

・ツンデレに横四方固めをかけるタカシ

・次第に息づかいが激しくなっていく2人

・しかし決着は着きませんでした

・夜の柔道に突入

・その時出来た子が、後にオリンピックを五連覇するのは、また別の話し
01441/5
垢版 |
2015/04/12(日) 11:25:33.420
・ツンデレに壁ドンをやってみたら

「なあ? 芽衣は壁ドンって知ってるか?」
『は? 唐突に何をおっしゃられるんですか。タカシ様は』
「いや。ちょっとテレビ見てて気になったから…… 知らないなら別にいいけど」
『バカにしないでください。私だってその程度の流行言葉くらい知ってます。勝手に人を
流行に疎い扱いしないでください』
「いや。芽衣が質問をはぐらかすようなことを言うから、てっきり知らないのかと…… 知っ
てるなら知ってるで素直にそう言えばいいのに」
『あのですね。一応言っておきますがタカシ様は日曜日でお休みかも知れませんが、私は
仕事中なんです。ご自分の余暇をどう使われようが勝手ですが、せめて私の邪魔だけはし
ないでいただけませんか?』
「まあそう言うなって。そこまで時間取らせるわけじゃないし、そこはご主人様権限で話
しくらい付き合ってくれたっていいだろ?」
『うっ………… まあ、し……仕方ありません。なんかあまりいい予感がしないのでお話
ししたくなかったんですが、そこまでおっしゃられるのでしたら、話だけは聞きましょう。
で、私が壁ドンを知っていたらなんだっていうんですか?』
「別になんだっていうわけじゃなくて単なる世間話なんだけど、芽衣はあれ見てどう思っ
てるのかなあってちょっと疑問に思ってさ」
『私が、ですか? いえ。別に何とも…… 最近の若い子ってこんなシチュエーションに
ドキドキするのかなあってくらいで』
「若い子って、芽衣も十分若いじゃない。というか、同い年な俺もおじさん扱いってこと
になるけど?」
『ち、違います!! そんな意味じゃ……私の言ってる若い子ってのは、中学生とか高校
生とかそのくらいの年の子の話で…… まあ、どちらにしても私には関係ないというか、
そういうことです』
「そうなの? もし自分が若手イケメン俳優みたいな男に壁ドンされたら、とか想像して
みたことない?」
01452/5
垢版 |
2015/04/12(日) 11:26:07.120
『別にそんな…… 私なんかがそんな体験することなんてあり得ませんし、別段されたい
とも思いませんし…… そんなくだらない妄想、するだけ無駄です』
「ふーん。じゃあ、今想像してみてよ。もし、自分好みの男性に壁ドンされたら、芽衣で
もやっぱりドキッとしたりする? それとも、何とも思わない?」
『そもそも、想像するも何も、私がそんなシチュエーションに遭遇すること自体があり得
ないじゃないですか。それでどうやって想像しろっていうんですか』
「仮定の話なんだから、そう難しく考えなくてもいいじゃないか。別にちょっとした空想
でいいんだよ。もしもさ。芽衣が若手のイケメン俳優みたいな男に、こう、壁際に追いつ
められるような感じで会話してさ。不意に壁に手を突かれて、逃げられないようなシチュ
で愛を囁かれたりしたら、とか、考えてみてよ」
『そんなの、バカバカしい妄想でしかありえません。考えるだけムダな話ですし、そんな
ことをタカシ様にいちいち話す義務もありませんから、拒否します』
「うーん…… どうしてこう、芽衣は固いんだろうなあ。今に始まったことじゃないとは
いえ、ちょっとした雑談のネタ程度でこうもムキになって拒否することもないと思うんだが」
『固いとかそういう問題じゃありません。単純にタカシ様の質問がくだらないから答えた
くないというだけです。そもそも、そんなことをいちいちワイドショーのネタに取り上げ
て騒ぐテレビとかもどうかしてるんです。全く……私には関係ないのに、いい迷惑です』
「試しに想像するだけだって言ってるのに…… まあ、それが嫌なら、実際に体験してみ
るっていうのはどう?」
『た、体験? って、一体その、どういうことなんですか?』
「どういうこともなにもさ。ちょっとそこの壁ぎわに立ってみてよ。そしたら、俺が実際
に壁ドンやってみるから」
『たっ……タカシ様が私にですか!? じょじょじょ……冗談言わないでください!!』
「いや。実際試してみたくなってさ。壁ドンって実際ホントに芽衣でもされたらドキドキ
するのかなって。テレビなんかだと効果あるみたいだけどさ」
『やめてください。そんなの……私、仕事中なんですよ? 付き合っていられません』
01463/5
垢版 |
2015/04/12(日) 11:29:06.060
「まあ、そういうなって。イヤだイヤだって拒否するより、実際やっちゃった方がすぐ済
むしさ。まあ、俺じゃあ男としてはちょっと不足かもしれないけどさ。実際、そういう男
の方がより効果は分かりやすいかもしれないし」
『別にタカシ様が男性としてどうとか、そういうことで断っているんじゃありません。む
しろ……いえ。相手が誰であろうとバカバカしくて付き合っていられないと言っているんです』
「まあ、こんなのちょっとした遊びみたいなもんだし、遊びなんて大抵バカらしいものだ
ろ? 仕事なんて言ったってスケジュールがギチギチに決まっていて一分一秒たりとも無
駄に出来ないっていうのならともかく、芽衣の仕事なんて別に5分10分延びたって影響あ
るものでもないだろう」
『私の仕事をバカにされているんですか? これでもちゃんと、一日のスケジュールはしっ
かりと組んで優先順位を決めたうえでやってるんですよ? タカシ様のお遊びには構って
いられません』
「だからさ。付き合うも付き合わないも、ほんの数秒のことだろ? こうやって拒絶して
る方がよっぽど時間かかってるって。それとも、ここまでムキになって拒否するっていう
ことは、他にしたくない理由でもあるんじゃないか?」
『他の理由って…… 何をバカなことを言ってるんですか? そんなの、別にありません。
仕事の邪魔をされたくないっていう……ただ、それだけです。これ以上話すことはありま
せんから、仕事に戻らせていただきます』
「ちょっと待て、芽衣」
『まだ説得するつもりなんですか? いい加減ちょっとしつこすぎます。そういう態度は
人と接するのによくありませんよ。特に女性に対しては失礼です』
「あのさ、芽衣」
『……な、なんですか? 真面目な顔をなさって。逆にこんな程度のことでムキになる方
がよっぽどどうかと思いますけど』
「……芽衣。お前は、俺の、なんなんだ?」
『なんなんだって…… 私は、タカシ様のメイドですよ。いちいち聞くまでのことじゃな
いと思いますけど』
「そうだよな? じゃあ聞くけど、メイドの仕事は何だ? 家事をすることか?」
01474/5
垢版 |
2015/04/12(日) 11:29:58.390
『そ……それはその……それもありますけど、私はタカシ様専属ですから……タカシ様の
身の回りのお世話をしたり、他にもタカシ様の要求に応じて尽くすことが仕事かと……』
「なるほど。頭の中では理解はしてるんだな」
『あ…… 当たり前です。私はそのように育てられて来ましたし、タカシ様にお仕えして
からだってもう5年は経つんですから、それくらいのことは常に念頭においた上で仕事を
していますから……』
「なら、さっきの態度は何だ?」
 ドン!!
『ひゃっ!? あの……タカシ、様……?』
「芽衣は俺の専属メイドなんだろ? だったら、まずはご主人様の頼みを聞くのが、メイ
ドとして最も重要な仕事なんじゃないのか?」
『いっ…… いえ…… それは、あの、その……だってそれは、その……ほんのちょっと
した雑談でしたから……じょ、冗談かと……』
「冗談かと思ったから、主人の頼みを無視して家事を続けようとしたのか。そうか。なるほどな」
『そっ……そんなことは……いえ……あの……その……申し訳……なかったというか……
あの……本当に……すみま……』
「クッ……」
『……せん……って、は?』
「クーーーーーーーッ!! ククッ!!」
『タ、タカシ様? あの、どうなさって……』
「いや……ゴメン…… クククッ……何とか、クールに決めたかったけど……芽衣のその
態度見てたら……どうしても笑いが……」
『タカシ様? ちょっと待って下さい!! 一体どういうことなんですか? いきなり笑
い出したりして。説明してください!!』
「悪い…… からかうつもりじゃなかったんだけどさ。けど、実際に芽衣がどんな態度取
るかって、興味はあったんだけど……ここまでしおらしくなるとか…… ゴメン。笑った
のも、バカにしたつもりはなかったんだけど、あんまりにも芽衣の態度が可愛らしくて……」
『へ……? って、もしかして、今……』
「ああ。どうだった? 初壁ドンは」
『タッ……タカシ様…… 謀りましたね!! 私が頑なに拒んだから、真面目に怒ったフ
リをして壁ドンに持ってこうとするなんて卑怯です!!』
01485/5
垢版 |
2015/04/12(日) 11:32:05.070
「うーん…… 別に、芽衣が拒んだからってわけじゃないというか、むしろ拒むところも
織り込み済みみたいな? まあ、大体予想通りの反応だったし」
『ずっ……ずるいです!! 卑怯です!! そうやって人の反応楽しむなんて!! いく
ら専属メイドだからって、おもちゃにされて遊ばれるいわれはありません!! ひど過ぎます!!』
「いや。そこまでひどい事じゃないと思うけど…… まあ、悪かったとは思ってるけどさ。
でも、芽衣もちょっとはドキドキしたんじゃないか? 見た感じは効果あったように思えたけど」
『全然反省の色がないじゃないですかっ!! もう知りません!! こんな気分で仕事な
んて出来ませんから、失礼しますっ!!』
 バタンッ!!
「まあ、怒るところも芽衣らしいけど…… でも、申し訳ないけどあれは良かったなあ。
今度またやってみるか」


『ううううう〜〜〜〜っっっっっ!! タカシ様のバカ!! バカバカバカ!! 勝手に
壁ドンして人がドキドキしてるのを見て楽しむなんてひど過ぎます!! あんなことタカ
シ様にされたら絶対ドキドキしちゃうって分かってるから……だから一生懸命断ってたの
に…… あんなこと…………はぅぅ……って、思い出しちゃダメなのに……ダメ……なのにぃ……』


終わり
既にネタとしては時勢に乗り遅れた感があるが
0150ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/04/15(水) 08:23:26.420
・ツンデレを酔っ払ってペロペロしたら

男「ウッヒョヒョーイ!かなみいるー?」

女「なによ、タカシ。こんな時間に」

男「わほーい!!」ガバチョッ

女「ちょ、何すん……酒臭っ!あんたお酒臭いわよ!?」

男「あ?そーいえば、カシスオレンジとかいうジュースを貰って飲んだような……」

女「それカクテルじゃないの!あんた何やってんの!?高校生でしょ!」

男「だってぇ〜、親戚のおっちゃんが飲め飲めうるさくてさぁ〜。俺も逃げて来たんだよぉ〜」スリスリ

女「だからってこんな……こら!どこ触ってんのよ!」

男「うへへー、かーなみー♪」チュゥッ

女「ふぁっ……!!」ピクンッ
0151ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/04/15(水) 08:30:14.000
男「んー……」チュッチュッ

女「な……何してんのっ!!」

男「ふっへっへー。かなみにキスマーク着けたったー!これでかなみは俺のもの〜♪」

女「バカなこと言ってんじゃないわよっ!さっさと離しなさい!」

男「じゃあかなみにいいことを教えてあげよう」

女「なによっ!!」

男「かなみってさ、本気で嫌々する時は腕突っ張るけど、受け入れる気がある時は俺の服の裾ギュッて掴むんだぜ?」

女「はぁ!?う、嘘よっ!!」

男「マジっすよー。ほら、証拠に俺の服シワだらけだろ?これお前が掴んだから」

女「う、嘘……!?」

男「はいもうこれでかなみは逃げらんないね!!俺の嫁確定だね!!」チュッチュッ

女「きゃぁぁぁぁぁ!!」
0154ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/04/20(月) 20:18:42.030
堕ちてないぞwww
0157ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/04/27(月) 03:09:38.860
お題

・部屋をコロコロで掃除してたら、陰毛が多くヒットすることに気づいたタカシ

・コロコロを持ってツンデレの家に遊びに行くタカシ

・なんとかツンデレを説得して、ツンデレ部屋に入るタカシ

・飲み物をしつこく要求することにより、ツンデレを部屋から出すことに成功したタカシ

・早速ベッドやカーペットをコロコロするタカシ

・しかし髪の毛ばかりで本命は現れません

・意地になり部屋の隅々までコロコロするタカシ

・あまりに集中していたので、部屋に戻ってきたツンデレに気づくのが遅れたタカシ

・一心不乱に自分の部屋をコロコロするタカシを見てドン引きするツンデレ

・ツンデレの存在に気づき、何事も無かったかのように振る舞うが、時すでに遅し

・ツンデレに理由を激しく問い詰められ、白状したタカシは、ツンデレにボッコボコにされました

・それでも陰毛が採れなかったカラクリが知りたかったタカシは、追撃覚悟でツンデレにしつこく聞きました

・するとツンデレは顔を赤くし、ごにょごにょ言っています

・なんとか聞き取ると、ツンデレはまだ生えてないとのこと

・「そこまでけしからん身体をしているのに生えてないわけ無いだろ!」と言った後の記憶が無く、翌日を迎えたタカシ
0158ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/04/27(月) 03:20:50.650
ただの変態じゃねーか!!





ところでちなみさんは生えてるんですか
01591/2
垢版 |
2015/04/30(木) 20:27:21.250
そんなことよりちょっと俺の話聞いてくれよ

清潔感漂う白いお部屋で、俺はツンデレとお勉強してたの

というのもツンデレ頭良いんでよく国語とか教えてもらっててさ

それで今回もツンデレのお部屋で部屋主を質問責めにします

すれば聞くだけじゃなく自分で考えるよう言われてね

後ろ振り向いたらノート貸してやるからって棚指さしてさ

しょうがなくパラパラめくって中身確認してたらなんか文字がびっしり書かれたノート見つけたの

して少し読んでみたらツンデレが自分で書いた小説みたい

内容は健康的な恋愛物でね、これがまた結構面白くて立ち読みしてたの

したらツンデレに見つかって読むの邪魔されてさ

次第に抵抗弱くなってくツンデレを隣に据えて最後まで読んだのね

女の子が男の子に振り回されながらも惹かれていく、すんなり頭に入る優しい文でさ

早速感想言おうと横向いたらツンデレ手遊びしたりため息つきながら天井見上げたり

ぼんやり表情がやけに色っぽくて、イジワルな質問したったの

なら顔真っ赤にして俺の背中バンバン叩いて、恥ずかしそうにしてるのが凄く良かった、って話
01602/2
垢版 |
2015/04/30(木) 20:28:45.350
そんなことよりちょっと私の話聞いてほしいんだけど

大慌てで掃除した見せかけの綺麗な部屋で、私はアイツとお勉強してたの

というのもアイツバリバリ数学強いんでたまに教えてもらっててさ

それで今回も私の勉強はそこそこにアイツの背中見ながら読書しています

したら答えのない答えに頭ひねってるアイツに中断ばっかさせられてさ

人頼りにしすぎなんでノート置いてる場所教えて静かにしてもらったの

最初はゆっくり続き読めると喜んでたんだけど

あまりに静かすぎるんでアイツ見てみたら立ったままノート読み込んでてさ

表紙見て恥ずかしいヤツって気付いた時にはもう遅くてね

せめて傷は浅い内に取り返そうとしたんだけど

男の子の力には勝てなくてベッドに仲良く座らされてさ

一定の間隔でめくられるページに私耐えられなくてね

なんであんな所にほったらかしにしてたのかなって後悔するばかりです

それでページめくる音しなくなったなってアイツ見たら一つダメ出しされてさ

登場人物が俺とオマエの名前なのは変えた方がいい、だって、うるせーバーカ、って話
0164ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/05/02(土) 20:09:08.750
最近自分がおっさんになってきたからか、壮年になって大人の色気を醸すツンデレさん達を妄想するよ
しっとりしたツンデレさん達美しい
0165ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/05/03(日) 07:58:17.490
俺が初めて単発書いてから9年、長編垂れ流してときから8年とかか・・・すっかり黒歴史
0166ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/05/03(日) 11:48:56.320
黒歴史かよっ!!


初投下から今日で丸10年か……
どんだけ妄想しまくってんだか俺……
0167ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/05/03(日) 18:23:55.230
形にできなくなって早数年だが、ずっと脳内では一緒なんだよな〜。
特にダウナーさんと老成さん。キャラメイク系ゲームとかだと必ずご助力お願いしてるし。
01691/7
垢版 |
2015/05/05(火) 17:06:47.990
・自分が汗臭くないかどうか気にしてるツンデレ

『タアーッ!! オオーッ!! …………っ!! めーんっ!!』
 パーンッ!!
【あいったぁ〜…… やられた……】
『ぬふふっ。決まったわ。あー、スカッとする』
【くっそぉ〜 生徒会活動でなまってると思ってたのに。さてはお主。隠れてどこかで練
習してたな?】
『新歓の時期でしばらくこっちは顔出せなかったけど、道場の方は通ってたもの。だから
全然、腕は鈍っちゃいないわよ。でも久しぶりの部活はやっぱいいなー よし。もうひと
勝負いこか。誰か――』
「ダメですよ。会長」
『何よ、別府。アンタ、こんなところまで追いかけてきたわけ? 神聖な剣道場に軽々し
く入っていいと思ってるの?』
「ちゃんと入り口で上履きを脱いで、正座で一礼して入ってきましたから。礼は欠いてな
いと思いますが」
『あ、そう。特に用はないから帰っていいわよ。シッシッ!!』
「会長が大人しく生徒会室に来ていただけると言うなら、僕も一緒に戻りますけど」
『ヤダ。一度仕事始めると、日が落ちて下校時刻になるまで終わらないんだもの。今日は
そこまで急ぎの仕事はないでしょ? 勘弁してよ』
「急ぎの仕事はなくても、溜まってる仕事はありますよ。普段から地道に仕事をしていか
ないと、またギリギリになって夜中の9時くらいまで連日仕事で道場にすら通えない日々
になりますけど、それでも宜しいですか?」
『一日くらいでそこまで溜まるわけないでしょ? 私は今日、風邪で休みだとでも思って
なさい。分かったら、ほら、退散退散』
「現実に目の前で竹刀を振るっている姿を見ている以上、見てみぬふりは出来ません。そ
れでは、生徒会室で会長の決済印を待っているかずえさんや文也君に顔向けも出来ませんから」
『……何よ、それ。脅しのつもり? 私が行かないと、二人がいつまで経っても帰れないとか』
「そんなつもりは全くありません。単なる事実を言ったまでです」
『だったら、二人にも言っといてよ。今日は生徒会活動はお休み。たまには羽伸ばせって』
01702/7
垢版 |
2015/05/05(火) 17:07:31.820
「文也君はそれでいいと思いますけど、かずえさんは真面目ですから。それなら会長がい
なくても出来る仕事を先にやっておきますってなるでしょうね。仮病を使って仕事を休ん
で趣味に没頭して、後輩に仕事をさせておくことに心が痛まないのでしたら、僕は言うと
おりに伝えますが」
『アンタって、本当に嫌な性格よね。吐き気がするほど』
「自分の心にやましいところがあるのに気付いているから、僕の言葉が痛く感じられるの
でしょう。自分の言葉に毒が詰まっているのは認めますが、その毒は後ろめたい気持ちの
ない人には効果がありませんから」
『あー、もう!! 分かったわよ!! 行くから。アンタは先戻ってなさい。全く……』


『で……? 何で、道場の外で待ってんのよ?』
「他の役員に約束しましたから。必ず会長を連れて戻ると。そう言った手前、手ぶらで帰
るわけにはいかないので」
『ちゃんと行くって言ったでしょーが。アンタは会長の言葉を信用しないのか?』
「信用はしてますが、いつ、という確約がなかったので。ここで待っていれば、会長がす
ぐ来るかどうか分かりますし」
『それを信用してないって言うの。まあ、そんなこと言っても仕方ないけど。せめて並ん
で歩くの禁止。最低3メートルは離れること。いい?』
「何故ですか? そこまで距離を離せと言われる理由が分かりません」
『そばに来られると迷惑なのよ。カップルとかに間違えられるの……ウザいし……』
「別に生徒会長と副会長が一緒に歩いていたからと言って、誰もカップルだとか思わない
と思いますよ。むしろ、距離を離して歩いている方が不自然がられると思いますが」
『うるっさいわね!! そんなの、アンタの勝手な推測じゃない。理由はどうあれ、私は
アンタが隣に来られるのがイヤなのよ。見張るだけだったら離れてても出来るでしょ?
分かったら言うとおりにしなさい。いいわね?』
「まあ、会長がそこまでおっしゃられるんでしたら」

『(……シャワー、浴びてないんだもの。一応、消臭スプレーとかしたけど、もし、汗臭い
のとか……気付かれたりしたら、最悪だってのに…… もうちょっと考えてよ。バカ……)』
01713/7
垢版 |
2015/05/05(火) 17:08:09.550
『よし。今日は決済する書類は全部終わりね。あー……疲れた』
[お疲れ様です、会長。すみませんでした。部活動中だったのに……]
『いいのよ。どのみち、自分に返ってくることなんだし』
「会長。決済が終わったからといって、まだ仕事が終わったわけではありませんから、気
を抜くには早いですよ。次は――」
『分かってるわよ。どっちみち、今から部活戻ったって、着替えとか考えたら出来る時間
ほとんどないし』
「それでしたら問題はないです。次はこちらの書類に目を通して――」
『ちょっと待って。気付いてみれば、生徒会室も随分と散らかってない?』
[そうですね…… 3月4月と行事続きで忙しかったですし、一応少しずつでも整理はして
いたんですけど……]
《僕も、さっき確認したいことがあって去年の議事録を参考にしようと思ったんですけど、
書類に埋もれちゃってて、出すだけで随分時間掛かっちゃいましたよ》
『ふーむ…… よし。じゃあ、今日は事務作業はこれでおしまいにしよう』
「ちょっと待ってください。会長。つい今さっき、まだやることはたくさんあると言った
のを聞いてなかったのですか」
『聞いてるわよ。だけど、こんな状況じゃ効率も悪いでしょ? だから、今日のお仕事は
生徒会室の大掃除にします。球技大会の企画関係の仕事があるとはいえ、まだ押し迫って
るわけでもないし、タイミング的には今がいいと思うんだけど』
[そうですね。私も、どこかでまとめてやらなくちゃな、とは思ってました]
《僕も賛成です。書類出したり戻したりってだけで時間取られると、ホントに仕事が進み
ませんから》
『だそうだけど、副会長様は何かご意見、ある?』
「どうやら、反対する余地はなさそうですね。ただ、私見を言えば、単に会長が体を動か
したいっていう口実なんだろうな、とは思いますけど」
『何だっていいじゃないのよ。お仕事なんだし、必要なことなんだから。終わったら、み
んなでアイス食べようよ。そのくらい、会議費の予算から落としても大丈夫よね?』
[あ、はい。まだ全然余裕はありますけど…… でも、いいんですか? 自分達のご褒美
を生徒会費から流用しても]
01724/7
垢版 |
2015/05/05(火) 17:09:08.660
『別に遊びで使うわけじゃないもの。むしろ普段がタダ働きみたいなもんなんだから、こ
れくらい必要経費よ。でしょ? 副会長』
「まあ、許容範囲内だと思いますし、何より決裁権限は会長にありますから。僕に反対す
る権限はありません」
『それって、場合によっては人に責任擦り付けるだけの発言よね。ま、いいけど。じゃ、
みんな。ご褒美はアイスよ。頑張って始めましょうか』
《やった。じゃあ、ハーゲンダッツにしましょうよ。せっかく会費から出るんだし》
[文也君。調子に乗らないの]
『……………………』
「どうしました? 会長。難しい顔して」
『――――っ!? なっ…… なんでもないわよ。いいからさっさと始めるわよっ!!』

『(みんなで動いて汗かけば……自分の臭いもごまかせるかな、なんて。さっきまでは何と
か別府を近寄らせないように出来たけど、もう限界だったしね…… だなんて考えてたと
か万が一バレたら、自殺ものよ。ホントに)』


『うわ…… いざ、整理してみると出てくるものね』
[まとめて片付けるのは去年の暮れ以来ですけど、3学期はどうしても行事が重なりますか
らね。仕方ないですよ]
『でもまあ、要らない書類ってこのくらいよね? じゃ、ちょっと捨ててくるわ。資源ご
みって焼却炉脇よね?』
「そうですけど、会長。まさかご自分で運ぶつもりですか?」
『は? そのつもりだけど、何か文句でもあるの? 副会長』
「いえ。文句ではなくて、相当重いですよ。ちょっと待っててください。今、台車借りて
きますから」
『いいわよ。備品借りるのって、用紙に書いて職員室に出してこなきゃいけないでしょ?
生徒会といえども。そんな手間掛けるくらいなら、さっさと持ってくわよ。別府も手伝っ
てくれれば、二往復で終わるでしょ。なら、借りて戻ってまた返すより手っ取り早いわよ
ね? それに、台車じゃ階段下りられないし』
「数えてみた限りだと、5箱ありますが。どう考えても3往復は掛かるでしょう? 台車を
借りれば、階段を下ろす時だけは手で運ばないといけませんが、あとは一回で行けます」
01735/7
垢版 |
2015/05/05(火) 17:10:03.300
『何でよ。こうして……よっ、と。で……んしょっ、と。こうすればいいだけでしょ?』
「か……会長。無茶するのは止めてください。いくら効率がいいからって、一度に2箱持っ
てゴミ置き場まで行くなんて危ないですよ。ここ、3階なんですから」
『ああ。別府は無理しないでいいわよ。私は鍛えてるもの。このくらい平気だけど、アン
タは一つで十分だから』
《すごいっすね。会長。俺なんて多分、1箱持ってくだけでも辛いっすよ》
[私はゴミ捨て場まで辿り着けないかと思います]
『アハハ。子供の時から剣道やってるからね。ほら。別府もとっとと1箱持ちなさいよ。
他のみんなは整理と片付けよろしく。あともうちょっとだからね。そしたらアイスよ』
《[はいっ!!]》


『……何よ?』
「何がですか?」
『さっきから人の方、チラチラ見てるじゃない。何かあるの?』
「いえ。いくら会長が剣道で鍛えてるからといっても、この重さの箱を二人いっぺんに持
ち上げて、万が一のことがあったら大変ですから、注意してるだけです」
『大丈夫だって言ってるでしょうが。余計な心配しないでよ。大体、見ててどう思ってる
のよ? 私が少しでも辛そうに見える?』
「いえ。全くふらついたりしてませんし、手を持ち帰るような仕草もしてませんし、階段
を下りる時がちょっと慎重になっていたくらいで、むしろ感心するくらいで」
『感心って……本当にそんなこと思ってるの? 別府が?』
「ちょっとした距離ならともかく、生徒会室からゴミ置き場までとなると、2箱は男子でも
出来ない人は多いと思いますよ。実際、僕も無理ですから」
『別府はむしろひ弱すぎるのよ。ま、どっからどう見ても文化系って感じだし、トレーニ
ングなんてした事ないでしょうから仕方ないけど』
「だから、会長みたいな華奢に見える女子がそういうことが出来るというのは、正直すご
いなとは思います。本当なら自分が2箱持たなくちゃいけないのでしょうけど」
『男子が、とか女子が、とか、そういう考え方が古いのよ。いいじゃない。出来る方が出
来ることをやれば。まあ、堅物の別府らしい考え方だけど』
「そうですね。失礼しました」
01746/6
垢版 |
2015/05/05(火) 17:12:08.620
『分かったら、人の心配なんてしないでいいの。むしろ女の子をチラチラ見るのって失礼
なんだから。もう止めなさい。分かった』
「はい。気をつけます」

『(勢いで付いて来いなんて言っちゃったけど…… 本当は、あまり見られたくないのよね。
こんな姿…… せめて袖まくりしてなきゃ良かったんだけど……』


『ただいまぁ…… あー、お腹空いた。お母さん。ごはん』
〔何ですか。帰って来るなり。どうせまた道場寄って来たんでしょ? 先にお風呂入って
来なさい〕
『えーっ。もう限界なんだけど』
〔年頃の娘が汗で汚れた体のままでいる方がよっぽど問題です。汗臭いわよ、アンタ〕
『うっ…… 分かった。じゃあ、シャワーだけ浴びてくる』
〔ダメ。ちゃんと湯船にも浸かりなさい。筋肉しっかりほぐしておかないと。明日になっ
てからまた後悔するわよ〕
『はーい』


 チャポ……
『ハァ…… 別府の奴……どんな目で私のこと見てたんだろ……』
『感心してたとか……絶対ウソよね。だってアイツ……線の細い子が好みそうだし……内
心、引いてたんじゃないかな……』
『二の腕、筋肉付いちゃって太いし、足もスラッとしてるんじゃなくてガッチリしてるっ
ていう方が表現合うし……胸はないし……おまけに汗臭いし……』
『あー…… もう。何だってこんなにアイツの視線が気になるんだろ。だからって意識し
て女の子っぽく振舞ったって気持ち悪いだけだし…… ヤダなあもう……』
 ザボッ!! ブクブクブク……


終わり。1レス少なく収まった。
ネタは10年記念に初代スレの最初の方の話題から引っ張ってきますた
0178ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/05/08(金) 02:53:51.730
数レス拝借します。
お題>>176より

ツンデレにこれって間接キスだよな?っていったら

「これって、間接キスだよな」
16歳の夏に恋人同士になってはや10年。今や俺の妻であるかなみに言ってみた。
「はぁ?アンタ何言ってんの?」
と、眉をひそめるかなみ。そういうのもごもっとも、ただ単に言ってみただけで、実際には間接キスなどしていないのだから。
「いや、だから間接キス」
「だからって、あたしは洗い物、アンタはパソコン見てるのにどうやったら間接キスが出来るってのよ」
「いやいや意外と出来ると思うぞ?かなみが食器洗いにかこつけて俺の箸を口に痛っ!」
フォークが飛んできた。対面式キッチンはコレだから危険だよね。
「イタいのはアンタの方でしょ」
「うまいこと言うな。昔だったら顔真っ赤にして『ななな何言ってんのよこの変態っ!!』とか言ってたのになぁ。でもその言葉の中に満更でもない感じが出て痛い痛い痛い痛い」
かなみがフォークで刺してきた。このように我が家ではDVが絶えません。
「こうでもしないと口が減らないでしょ……。ま、でも10年の付き合いで今更そんなウブなリアクションしないわよねー」
「たしかになぁ。間接キスどころか直接キスしちゃってるもんな」
「直接ってアンタ……!ま、まぁでもその通りよね。コレもアンタの馬鹿さに慣れたってことよね」
強気な言葉とは裏腹に少し照れた様子のかなみ。ここは一つ、面白いことを思いついたので提案する。
「なぁ、間接キスしてみようか」
「へっ?……い、いいけど。別に何もないと思うわよ?」
「まぁまぁ、何もないならないで良いからさ」
そう言いながらキッチンに行き冷蔵庫を開ける。が、缶ジュースがない。間接キスといえば缶ジュースと相場が決まっている。というのが俺のこだわりの一つだ。場所はリビング、しかも夫婦の間接キスといえば少しでもムードが欲しいじゃないか。
こんなしょーもない話題が冷めてしまう前に、コンビニへ走り、缶ジュースを買いに行くことにした。
0179ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/05/08(金) 02:55:17.760
(続き)
「ハァ……、ただいま」
「おかえり。アンタ変なところにこだわるのね……って、何でこんなにいっぱい缶ジュース買ってくるのよ!?」
「そりゃ何回もできるようにに決まってるだろ」
「アンタ、10年経っても相変わらずのバカね……」
呆れているかなみはひとまず置いといて、プルタブを開けジュースを一口飲む。安っぽいオレンジ味が、家とコンビニを往復で走った疲れを癒やしてくれる気がする。
「はい、かなみ」
ジュースを受け取るかなみ。だが、恥ずかしいのかなかなか飲もうとはしない。
「う〜……。なんか恥ずかしい……。だいたい、何であたしの間接キスをアンタに見られなきゃいけないのよ。『これって間接キスだよな』のシチュエーションとしてメチャクチャじゃないの?」
「たしかにそうだけど、見たいじゃん。そりゃ見ますよ。嫁の間接キスは」
「何よソレ……。よしっ、えいっ!」
可愛らしい掛け声のあと、かなみは缶ジュースを飲み干した。
「ちょっと待てかなみ!?お前飲み干したら俺の分がなくなっちゃうじゃねぇか!!」
「アンタさっき飲んでたじゃん」
「ちげーよ!俺の間接キス分だよ!間接キス込みの俺のジュースが!!」
「ホントにバカね、アンタって……。じゃあさ……」
そういうとかなみは俺の首に腕を回し────
────────ちゅっ
「こ、コレでいいでしょ」
……。
「嬉しいでしょ?あたしみたいな美人の奥さんにキスされて」
…………。
「何とか言いなさいよ。嬉しいとか、幸せとか、可愛いとか、かなみ愛してるーとかあるでしょ?」
………………。
「あっ!!勘違いしないでよ!?別にあたしが言って欲しいとかそういうんじゃないんだからねっ?」
……………………。
「なんでずっと黙ってんのよ!?またアンタあたしをからかおうと思って────」
「嬉しい幸せ素敵大好きかなみ可愛いキレイ幸せ愛してるーーー!!!」
「きゃっ……!もうっ、急に抱き締めるなバカッ!……でも、し、仕方ないからしばらくこのままでいさせてあげる……」

結論:10年経ってもやっぱり可愛い。
0180ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/05/08(金) 06:30:39.480
10年経ってもかなみさんは可愛いなあ


しかし10年経ってここまでツンデレという言葉が普及するとは思わなかった。
0183ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/05/16(土) 01:05:06.860
夢を見た

目が覚めてから「あれは夢だったのか」と分かる夢じゃなく、すぐに夢だと分かる夢

なぜなら夢の中の私はずっと小さくて隣にいる彼も小さくて

そんな二人を少し離れたところから見ているのだから、すぐに夢だと分かった

忘れもしない10年前、小学校に上がったばかりの頃、隣の席に座っていたのが彼だった

名前も何も知らない私に笑顔で話しかけてきてくれた、私はそれが何だか恥ずかしくって

そっけない返事をしてしまったのを今でも覚えている

それからずっと、ずっとそうだった、彼とは不思議と一緒になる事が多く

その度に彼に酷い事を言ってしまい、その度に彼は困ったように笑い

その度に私は申し訳なさと恥ずかしさで顔を赤くする、その繰り返し、10年間ずっと

目が覚めた

私は10年間ずっと彼に甘えてきた、それは知っていた、知っていて甘えてきた

けどこのままじゃ駄目なんだこのままずっと一緒にいたい、だから私は私を変える

彼も私も一緒に笑顔でいられるように、これからも10年なんかじゃなくずっと一緒にいられるように
0184ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/05/16(土) 01:06:30.470
夢を見た

目が覚めてから「あれは夢だったのか」と分かる夢じゃなく、すぐに夢だと分かる夢

なぜならそこに居たのは

ウォーズマン「コーホー」

ハードゲイ「オッケ〜」

山田「おっおっ」(^ω^)

渡辺さん「あれれ〜忘れ去られてるよ〜」

目が覚めた

10年間で色々なことがあったと再確認した

夢の内容をかなみに話したら何故かかなみ機嫌がの悪くなった、何故だ

〜終われ〜
0187・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その18 1/4
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2015/05/16(土) 11:27:24.730
 受け取ったぬいぐるみを袋ごとしまって、私はバッグを背負った。
「そろそろ出ようか」
 ちょっと名残惜しそうな雰囲気を見せる別府君に、私は淡々と頷いた。
『ええ。もう見るものは見たし、買うものも買ったし。いる意味はないわね』
 あっさりとした態度の私を別府君はどう思ったのか。ちょっと気にはなったが、彼は
特別素振りには見せなかった。もともと私はこんなものだと思われていたのかも知れない。
「それより、これからどうする?」
『どうするって言うのは?』
「いや。その……どこ行こうかって。何か休憩出来るところに入るとか、もう一箇所観
光スポットに寄るとか。といっても、時間的には戻りながらってことになりそうだけど。
それとも、もう……帰りたい……とか?」
 最後の一言は、若干ためらい気味に聞こえた。別府君としてはまだデートを終わらせ
たくないのだろう。本当なら彼に任せるべきなのだろうけれど、特に甘いものが食べた
いわけでもなく、どこか観光がしたいわけでもない気分だったので、ここは私からリク
エストさせてもらうことにした。
『そうね。せっかく海の傍に来てるんだし、海が見たいわ。出来れば静かなところで』
「静かなところってことは…… 人がいないところ? 展望台とか、景色のいいところ
じゃなくて」
『ええ。誰もいなければそれに越したことはないわ』
「そっか。じゃあ行こうか。走りながらさ。どこか、突堤みたいなのを見つけたら、そ
の先端まで行ってみよう」
 無言で頷くと、彼は手を上げた。
「じゃ、俺はバイク取ってくるからさ。ちょっと待っててくれよな」


 水族館から海岸沿いの道をしばらく走る。私は彼の背中に頭を預けながら、ボンヤリ
と海を眺めていた。視界いっぱいに広がる、海と空だけの景色。空の色は若干赤みがかっ
ていて、日の長い時期とはいえそろそろ夕焼け迫る時刻になっている事を予感させた。
0188・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その18 2/4
垢版 |
2015/05/16(土) 11:28:05.670
「会長。あそこ、どう?」
 ちょうど信号待ちの時に別府君が前方に見える長い突堤を指した。
『そうね。立ち入り禁止じゃなければいいけれど』
 唯一の危惧は行ってみたらロープが張られていることだったが、さっきから海岸線を
見てもテトラポッドの上に乗ったりしているカップルや子供連れの姿を見かけるので恐
らく大丈夫だろうとは思う。
「とりあえず行ってみようぜ。ダメならまた次を探せばいいし」
 答える間もなく、信号が青に変わったので別府君は静かにバイクを走らせた。


「良かったな。立ち入り禁止じゃなくて」
 突堤の入り口まで来たが、特に行く手を遮るようなものはなく、私達は海の方へと向
かってゆっくりと歩く。独特のキツい潮の匂いと時折吹く海風がいかにも海らしさを引
き立てている。
「何かさ。海って、上手に言えないけどとにかくスゲェって思うんだよな」
『何故?』
 振り向いたところで強く風が吹き、私は巻き上げられないよう片手と挟み込んだ両脚
でスカートを押さえなければならなかった。もう少し風が穏やかだったらもっと良かっ
たのにと思う。それは贅沢なのかもしれないけれど。
「いや。だってさ。まず、こんだけ水が湛えられてるってのがまずすごいしさ。この先
どこまで続くんだろうとか、水平線の向こうのずっと先の先って何があるんだろうとか
考えたら、何かそんな感じするんだよ」
『別府君も、意外とロマンチストっぽいことを言うのね。顔に似合わず』
 感心してもついつい余計な一言を入れてしまうのは、もはや悪癖と言っていい。案の
定、別府君は憮然とした顔をして見せた。
「別にロマンって顔で語るもんじゃねーし。そんな事言ったら、不細工は学者になれな
いってことになっちまうだろ」
『確かにそうね。むしろイケメンの方が出来すぎだわ。考えてみればね』
0189・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その18 3/4
垢版 |
2015/05/16(土) 11:28:41.430
 ちょっと想像してみるが、例えばイケメン俳優みたいなのが海や空や古代の地球への
憧れを語ったとしてみたら、私は却ってワザとらしさを覚えて拒否反応を示してしまう
だろう。別府君くらいだからちょうどいいのだ、と。
「ま、イケメンならなんだって似合うからそれに越したことはないんだろうけどな。会
長は何か思うこと、ないか? 海とか空を見て」
 その問いに、私は少しの間無言で海と空を見つめながら考えた。確かに感じることは
いっぱいあるのだが、口に出して説明するのは難しいなと思いつつ、ゆっくりと口に出
してみた。
『……そうね。ない、っていうか……私はむしろ、見れば見るほど無になって行くのかも』
「それって、何かこの広大さの中に飲み込まれるとか、そんな感じ?」
『いちいち自分なりの解釈なんて加えなくていいわ。私だって上手く説明できたと思え
ないんだから』
「ゴメン」
 不満げに文句を言うと、彼は素直に頭を下げた。話が途切れたところで、ちょうど突
堤の先端に着く。私はその場にしゃがみ込むと、片手でスカートを抑えつつコンクリー
トの地面に腰を下ろす。
「会長。そんなところに座ったら、せっかくのスカートが汚れるんじゃないか?」
 別府君が心配して声を掛けてくるが、私は振り向いて微笑んだ。
『問題ないわ。あとはもう帰るだけだし、スカートは洗濯するし、汚れるのは別府君の
バイクのシートだけよ』
「う」
 一言小さく唸るのが面白くて、私はつい笑ってしまう。別府君も釣られて笑いつつ、
私の傍に立った。
『貴方も座りなさいよ。傍に立っていられたら落ち着かないわ』
 見上げて手で合図すると、別府君はちょっと迷って首を傾げる。
「うーん…… じゃあ、まあ……」
『こういう時はパッと決断するほうが男らしいと思うわ。私が座ってるのに迷うとか、
ちょっと幻滅するわね』
 厳しいことを言うと、別府君は小さく舌打ちした。
0190・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その18 4/4
垢版 |
2015/05/16(土) 11:29:14.800
「分かったよ。全く……会長に幻滅とか言われると、結構堪えるんだよな」
 ブツブツ文句を言いつつ、彼は私の隣に腰を下ろす。そして二人でしばらく無言で海
を見つめていた。時折別府君が私の顔にチラチラと視線を寄越すのを感じる。何となく、
何かを言うのをためらっているような、そんな感じだ。
『……何?』
「えっ!?」
 ついに耐え切れずに、私の方から問い質してしまう。別府君は驚いたような顔を見せ
たが、すぐに視線を逸らして頭を掻いた。
「えーと……その…… ご、ごめん。気になった、よな?」
 咎められたのかと思ったのか、彼の口から謝罪の言葉が出る。私はそれに首を振った。
『見られてること自体は別にいいわ。ただ、ずっと何か言いたそうだったから、聞いたのよ』
 別府君の顔に浮かんだ表情を見れば、私の言ったことは図星だと分かった。
「いや。えー……っとさ。その……」
『ちょっと待って』
 私はある予感がして、彼の言葉を止めた。
『言いたいことは何となく分かったけど、私の方から先に言わせてもらえる?』
 上半身を彼の方に向け、私は真面目な顔つきでジッと見つめる。
「へ……? あ、いやその…… まあ、いいけど」
 答えが怖くて、聞くのをためらっていて、ようやく聞こうとする気持ちを固めかけた
ところで私に制された。そんなところなのだろう。だけど私からすれば、その質問はま
ず、私からするべきなのだ。
『別府君は……今日のデート。どうだったのかしら?』


続く
0191ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/05/25(月) 08:19:12.95O
お題
つ・ツンデレの大切な写真データを保存していたパソコンが壊れてしまったら
 ・ツンデレの黒歴史
0193ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/06/04(木) 15:08:44.770
お題

・今年のエイプリルフールに嘘をついてなかった事に気づいたタカシ

・2ヶ月遅れのエイプリルフールを行うことにしました

・メイドツンデレに「親の会社が倒産しそうでヤバイから従業員を減らす」
 「申し訳ないけど今日中に出て行ってくれ」

・と言ってみることにしたタカシ

・勿論ツンデレ以外の従業員は仕掛け人として協力してくれました

・両家の親もノリノリです

・早速決行

・タカシのイタズラだと思い相手にしないツンデレ

・しかし周りの協力のおかげでツンデレに信じさせることに成功

・なんやかんやあった後、「お給料も入りません、貯金もお渡しします、外に働きにも出ますから、そばに置いてください!」と言い放つツンデレ

・これにはタカシは勿論、モニタリングしている本家の従業員と親達もビックリです

・数日後、顔をボコボコに腫らしたタカシを連れたツンデレが本家に乗り込んで来て、関わった人全員に説教するのでした
01941/6
垢版 |
2015/06/07(日) 11:45:17.430
・ツンデレのことを雨女だってからかったら

『やっぱ、映画とか? それともアウトレットで買い物するか……』
『ディズニーランド行こうよ。最近行ってないじゃん』
『ダメ。こないだ、家族で行こうとしたらさ。9時で入場制限掛かって入れないんだもん。
平日ならともかく、休みなんてムリムリ』
『えーっ。ほら。早朝から並べば――』
『夏休みとかならともかく、ただの日曜日にそんな体力使うこと出来るか。しかも、月曜
古文の小テストじゃん。諦めれ』
『むー……』
 今度の日曜日。どこに遊びに行くかという話であたしたちは膝を突き合わせて相談して
いた。何といっても遊びたい盛りの16歳。休みの日に家にこもっているなんてあり得ない。
『かなみは? アンタ、さっきから黙ってるけど何か無いの?』
 何となくあたしたちの面子ではリーダー格になっている友子から聞かれて、あたしは顔
を上げた。ちなみに彼女とは、中学3年間もずっと同じクラスで親友である。
『いやー。なんかさ、こう久しぶりに体とか動かしたくない? アスレチックとか……なんて』
『でた。体育会系。これだから陸上部は』
 仲間内の一人であるつむぎちゃんに言われて、あたしは内心ため息をつく。絶対反対さ
れると思ったから、口に出さなかったのに。
『かなみだったら、夜中からディズニー並んでも、一日体力持ちそうだよね。ムダに元気だし』
 今度は結菜ちゃんだ。二人は中学も文系で運動はからっきしという点で共通している。
『ムダにとか言うな。むしろ二人が引きこもりすぎなのよ。あたしらいない時とか、二人
でずーっとマックでスマホゲームとかやっててさ。不健康だよ』
『不健康言うな。別にバカみたいに体動かしてりゃ健康ってわけでもないじゃん。あたし、
風邪も引かないし』
『それはつむぎがバカだからだよ』
『裏切りかよ、結菜!!』
 つい二月ほど前の入学式で知り合ったとは思えない息の合った漫才を見せる二人の会話
に、友子が割って入る。
01952/6
垢版 |
2015/06/07(日) 11:46:32.540
『ま、それはともかくとしても、かなみとアウトドアで遊ぶってのはちょっと、私は遠慮かな』
『何よ。その意味ありげな言い方は』
 妙に引っ掛かる言い方を問い質すと、友子はわざとあたしを無視して二人に耳打ちする
ように話しかけた。
『あのさ。かなみと出掛けると高確率で雨が降るのよ。だからさ。遊ぶなら、最低限屋根
があって逃げ込めるところにしておかないと。あと、雨具必須ね』
『ちょっと!! 勝手な言いがかりつけないでよね。人を雨女みたく言わないでよ』
 さすがにちょっとイラッと来て語気を荒げるが、友子は全く意に介さず、シレッとした
口調でとぼけた。
『あれ? ゴメンゴメン。聞こえちゃった?』
『わざと聞こえるように言ったくせに。嫌味ったらしい』
 憎々しげに睨み付けるあたしの脇で、つむぎちゃんが興味津々な顔で友子の方を向いた。
『ね、ね? そういうからにはさ。かなみんの雨降りエピソードっていっぱいあるんでしょ?
 何か面白いの聞かせてよ』
『んー……そうねぇ…… 私も持ってるっちゃ持ってるけどアイツの方がもっと面白い話
が……って、ちょうど良かった。別府君別府君。ちょっと来てよ』
 あたしが制止する間もなく、たまたまその時教室に戻って来た男子を友子が呼びつけた。
別府タカシ。やっぱり中学の、というかあたしとは小学校5年からの腐れ縁だ。
「何だよ? 変にニヤついた顔して。変なイタズラとかするんじゃねーだろうな?」
 警戒心を露わに近づいてきた別府に、友子は指を振って否定した。
『いやいや。かなみと一緒の行動を取ると雨に降られやすいって話。別府君の方が色々と
被害に遭ってるんじゃないかなって』
『そんなことないわよ!! 否定してよね、別府。そんなことないって』
「いや。確かに椎水が絡むと、大抵雨降るんだよな。運動会も大体、一回は順延になってたし」
『おいいいいいっ!!』
 人の制止を無視して話し出す別府に憤って掴みかかろうとするも、あっという間につむ
ぎちゃんと結菜ちゃんに止められてしまった。
『ま、ま。かなみちゃん。ここは落ち着いて話聞こうよ。ね?』
『あたしは聞きたくない!!』
01963/6
垢版 |
2015/06/07(日) 11:47:05.070
 つむぎちゃんに当り散らすも、別府はあたしの叫びなんてまるで無視して話を続けた。
「小6の林間学校も、キャンプだったんだけど夕方に雷雨になって大変だったし。修学旅
行も小学校は一日目と二日目雨だったろ? で、中学の時は自由行動の最中に雨に降られ
てさ。しかも奈良行ったグループだけが。椎水と同じ時間に学校出ると急に天気悪くなる
ってしょっちゅうだったし、後は文化祭の時に準備で椎水が買いだしに出掛けたら雨降っ
てきて、帰ると同時に晴れ間が戻って、一人だけジャージでキレてたってこともあったな」
『そんなのたまたまでしょ? 大体、みんなで一緒に行動してんのにあたしのせいってお
かしくない? アンタが雨男かも知れないじゃない』
「椎水と帰る時間違う時は、ほとんど降られた記憶ないんだよな。高校入ってからはまだ
一度もないし。むしろ部活終わる時間とかになると曇ったりしてね?」
『あー…… それ、あるかも。てか、かなみってここぞって時に雨降らせるのよね。イベ
ントのある時とか、ウケ取れる時とか。ある意味空気読みすぎってくらいに』
『あたしが雨降らしてるわけじゃない!! それ、言い方おかしいし。大体、いつも雨降っ
てるわけじゃないでしょ? こないだの球技大会だって晴れだったじゃない』
「あの時は椎水、バレーボールで屋内だったろ? お前が外の競技じゃなきゃ大丈夫なん
だよ。中学の体育祭って、確か二年の時は晴れたよな? 椎水が部活で怪我して出れなかった時」
『あ、そうそう。みんなで密かに言ってたのよね。妖怪アメフラシの呪いが掛からなかったって』
『人を妖怪扱いするなっ!! 大体、雨女だ雨男だって科学的根拠も何もないじゃない。
単なる確率の問題でこれまでたまたまあたしが外に出掛けるイベントの時に雨の日に当たっ
たって印象が強いだけの話じゃない。思い込みよ。そんなの』
 別府と友子が仲良さそうにうなずき合うのも癪に障り、あたしはいきり立った。すると
友子が得たりとばかりに意味ありげな笑みを浮かべてうなずいた。
『そう思うんだったらさ。実証してみればいいんじゃない?』
『実証って、何をよ?』
『だからさ。実際にかなみがアスレチックに行って、その日に雨が降るかどうかを、よ』
01974/6
垢版 |
2015/06/07(日) 11:47:37.960
 その不敵な態度に、てっきりあたしは友子が挑戦状を叩きつけているのかと思った。感
情が昂ぶっていたこともあり、あたしは友子の机にドン、と手を突いて彼女をにらみ付けた。
『いいわよ。行くわよ。絶対晴れるって日に行って、それでも雨に降られたら雨女の称号
だろうがアメフラシだろうが、好きなように呼ばせてあげる。だけど降らなかったら、二
度と雨女だなんて言わせないんだから』
 すると友子はスッと視線を逸らすと、別府の方を見上げた。
『というわけだから、よろしくね。別府君』
『「は?」』
 あたしと別府の間の抜けた声が同時に響いた。そしてあたしと別府は互いに顔を見合わ
せて、その瞬間、あたしは友子から何を突きつけられたかを唐突に理解した。
『ちょっ…… ちょっと待ちなさいよ友子ぉっ!! 何で何であたしがこいつと……べっ、
別府と二人でなのよ!! こいつが来るのはともかくとして何でアンタが来ないのよ。意
味わかんない。何で丸投げしてんのよ!!』
「いや。そっ……そうだって。何で俺が巻き込まれてんだよ!! お前らが行くんじゃねー
のかよ?」
『いや。だって私、雨降るって分かってんのに行きたくないし』
 さも当然のように受け流すと、あんた達はどうするのと言わんばかりの視線をつむぎちゃ
んと結菜ちゃんに送る。
『あ。あたしアスレチックとか超苦手だからパス。雨降るとか以前の問題で、高いところ
も苦手だし』
『私も。つむぎよりはやれると思うけど、埃やら土で服とか汚して無駄に疲れるようなこ
として楽しいとか思えないし。で、おまけに雨に濡れるとかあり得ないかな』
『当たり前のように雨降る前提でしゃべんなお前ら!!』
 乱暴な言葉で怒鳴りつけても、みんなシレッとした顔で受け流している。友子はあたし
を無視してもう一度別府を見上げた。
『別府君は、当然オッケーよね? 男子として、まさか女子とデート出来るなんてラッキー
な展開をみすみす逃すとか、あり得ないわよね。しかも、かなみってなかなか可愛いと思
うけどな。どう?』
「デッ……デート!? っておま――」
『ちょっと待ちなさいよ友子っ!! デートってどういうことよ? 何でそんな展開になって
んのよ。いいい……意味わかんないわよ!!』
01985/6
垢版 |
2015/06/07(日) 11:48:07.260
 友子の言葉に動揺してあたしは別府の言葉を遮って友子に噛み付いた。それから横目で
チラリと別府の顔を見つめる。すると急に心臓が高鳴るのを自覚して、あたしは慌てて視
線を友子に戻した。
『だって、かなみは雨女じゃないって事を証明したいんでしょ? だったら同行する人数
は少ない方がいいじゃない。それを確認する相手に別府君って最適だなーって。でも、理
由はどうあれ、男女が二人で遊びに行くのなら、それはデートじゃない?』
『だってあたしはコイツと付き合っているわけでもなんでも――』
『別にデートって、恋人同士や夫婦じゃなきゃいけないって決まりはないでしょ』
 友子の論理にあたしは言葉を失う。逃げ道を探してメンバーを見渡すも、こいつらは全
員敵だ。残っているのはただ一人。事態に巻き込まれた別府しかいなかった。
『べっ……別府はどうなのよ? その……急にあたしと一緒にアスレチック行けだなんて
言われて、その……嫌……じゃないの?』
 もっとスラスラと聞くはずだったのに、どういうわけか言葉がつっかえつっかえにしか
出て来なかった。あたし自身予期もしていなかった漠然とした不安がしこりのように胸に
溜まる。別府が口を開くまでのほんの一拍程度がすごく長く感じられた。
「俺は、その……別にその、嫌じゃねー……つか、まあその、今まで女子と二人っきりで
遊び行くとかした時ねーから……っつか、まあその、急に今週とか言われたら困るけど、
椎水が都合のいい日を指定してくれたら空けるから……」
 その口調から、別府があたしのことを女子として意識してくれているのを感じて、不安
が消えるのと同時に、今度はすごく気恥ずかしくなってしまった。こんなことで自分を好
いてくれていたんじゃないかとかそんな勘違いはしないけれど、それでも何か嬉しい。
『さあ? あとはかなみん次第よ? 雨女の称号を返上するラストチャンスだと思いなさ
い。不戦敗なら、明日から雨子ちゃんとか呼んであげよっかな? ぬふふ』
 友子の明らかな挑発に、あたしは後には引けないことを悟った。こうなったら意地でも
雨の絶対降らない休みを選んで、別府の目の前であたしと二人きりでも雨が降るわけじゃ
ないことを証明するしかない。
01996/6
垢版 |
2015/06/07(日) 11:49:39.440
『分かったわよ。別に、別府とデートしたいわけじゃないけど、そんな変なあだ名付けら
れるくらいだったら、アスレチックデートでも何でもするわよ。別府のそれでいいのよね?』
 まるで挑戦状を叩きつけたかのような視線で二人をにらみ付けると、友子はいかにも上
機嫌に、別府は困惑を隠しきれない表情でうなずいた。
「あ、ああ。椎水さえ良ければ俺は……それでいいよ」
 別府の答えに、友子とつむぎちゃんが囃し立てる。
『やったねかなみん。あんたも人生初デートじゃん』
『おーっ!!もしかしたら、これをキッカケに二人に恋が芽生えるなんてことも――』
『それはないっ!!』
 とっさにあたしは、別府のことも省みずに全否定してしまった。ちょっと後悔の念が頭
を掠めたが、ここで変に曖昧な態度を取れば、彼女達の前じゃ絶対気があると思われてし
まう。むしろ、正直を言えば、ちょっと気になる存在ではあるのだが、まだ好きかどうか
の判別にまで至っていないのに既成事実化されるのは困るし、別府だって困るだろう。
『ま、まあ、その……そういうわけだから、その……よろしく。でもその、あくまで、雨
女じゃないってことを証明するため、だけなんだからね。そうじゃなかったらこんなこと……
あり得ないんだから』
 恥ずかしくってつい分かりきった断りを入れてしまう。
「分かってるよ。でもさ。どうせ行くなら楽しもうぜ。ま、俺も体動かすのは好きだし」
 別府の前向きな言葉に救われる思いであたしはうなずいた。
『うん…… まあ、せっかく行くなら……そうよね。楽しまないとね……』
『初々しいすなあ。もう……見てるこっちが痒くなっちゃう』
 無理矢理見合いさせられたようなあたし達を、つむぎちゃんがそっと茶化したが、その
声はあたしには届いていなかった。


もしかしたらデート編に続くかもしれないという
0200ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/06/11(木) 02:03:52.340
お題

・ゆんぼだんぷの 『まるで鏡のような水面に雨の雫が一滴落ちる音』を、お嬢とメイドのおっぱいで実行したいタカシ
02021/3
垢版 |
2015/06/14(日) 00:54:38.980
>>200
・ゆんぼだんぷの 『まるで鏡のような水面に雨の雫が一滴落ちる音』を、お嬢とメイドのおっぱいで実行したいタカシ

「おーい二人とも、ちょっと待ってくれ」
『あら、タカシですか』ドタプ〜ン
[何か御用ですか?]センベ〜イ
「………ムリダナ」
『タカシ、今私たちに対してすごく失礼なこと考えませんでしたか』
[いえ、お嬢様、私にだけ失礼なことを考えていました、きっとそうです間違いありません]
「いや、今更Gガンを見てキングオブハートになりたくなっただけだ、変な事じゃない」
『じーがん?何の事ですのそれ?』
[だからお前はアホなのだぁ]ボソッ
『あなたも急に何ですの!?』
[ところでタカシさん、用事がないなら私たちはこれで、]
「ああ、二人とも呼びとめて悪かったな、そんじゃぁまた明日」
『二人して無視しないでください、じーがんって何なんですのぉぉぉぉ』
02032/3
垢版 |
2015/06/14(日) 00:56:02.250
数日後

『(大丈夫、大丈夫ですわ、行きますわよ!)』
「手紙で呼び出されて、すわ告白かと浮かれてきたら誰もいない、泣くよ泣いちゃうよ俺」
『こ、答えよ!タカシ!』
「うわっ!お嬢か、もしかしてこの手紙ってお嬢が」
『流派東方不敗は!』
「え…」
『りゅ、流派東方不敗は?』
「ごめん、何やってんの?」
『タ、タカシのアホォォォォォォォォォ』
「えー、いや、情報量多すぎて処理できないんだけど、何なのこれ?」
[タカシさん]
「芽衣さん!何なんですかこれは?」
[驚くのも無理はなかろう。信じられぬのも無理はなかろう。だが、これは真実だ!]
「そもそも何が起こっているのかも理解できていません」
[闘う意志のある者だけがついてこい!]
「はあ、じゃあ付いて行きます」
[]チョイチョイ
「」ノゾキコミ
『やっぱり大丈夫じゃなかったー!ほーらやっぱり!知ってました、私初めから知ってました!
 上手くいかないなんて知ってましたわよぉぉぉ、アホ、バカ、朴念仁、えーと、バカ!』
「」…
[]ポン
「」ハッ
「[]」コクリ
02043/3
垢版 |
2015/06/14(日) 00:57:13.350
「お嬢」
『きゃあ!タカシ、いつの間に…』
「流派東方不敗は!」
『え…何をして、』ハッ
『お、おうじゃの[王者の風よ!]あれ?』
「全新系裂!」
[天覇侠乱!]
「[見よ東方は!赤く燃えている]」
「お嬢、すまなかったな。お嬢もシャッフル同盟に入りたかっただけだったのに
 芽衣さんに言われるまで、その気持ちに気付けなくって、ほんとにゴメン」
[さあ、お嬢様も一緒に遊びましょう、石破天驚拳ごっこしましょう。私師匠やります]
『……確認しときますけど、タカシは芽衣に言われてこんな事をしているんですのよね?』
「うん?そうだけど、お嬢は何やる?シュバルツ兄さん?」
『芽衣、わかってやってますわよね』
[ええ、勿論]
『うふふふふふふふふ、うふふふふふふふ。人の恋路を邪魔するヤツはァ!!馬に蹴られて
 地獄に堕ちろォッ!!』
[見えた!水の一滴がぅふぇ]
「芽衣さぁぁぁん!」
『タカシ!』
「はいぃ!」
『帰りなさい!そしてすべて忘れなさい!』
「はい!失礼しました!」
[マスターアジア暁に死す]ボソッ

〜終われ〜
0208ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/06/14(日) 23:55:02.790
お題

・メイドツンデレの誕生日に、立場を逆転(プレゼント付き)しようと思いつくタカシ

・お断りするも、ションボリするタカシを見て、結局受け入れるツンデレ

・受け入れたものの、タカシが家事をキチンと出来るか不安で、何度も確認に行くツンデレ

・ツンデレを不安を吹き飛ばすほど完璧に家事をこなしているタカシ

・料理もとても美味しく、彩りも綺麗で非の打ち所が有りませんでした

・ふと、自分はタカシには必要無いのではないか…と思ってしまうツンデレ

・そして洗い物をしているタカシに「私はあなたにとって必要あるのでしょうか…」と聞いてしまうツンデレ

・自分は愛想が無いこと、態度もメイドに有ってはならないもので有ること、家事炊事もタカシ1人で出来る事を挙げて、ついには涙を流すツンデレ

・そんなツンデレを優しく抱きしめて、料理は本家のメイド達に習い、ツンデレの好物も聞いた事
家事は本家メイドに習ったのもあるが、いつもツンデレの事を見ていて覚えた事
ツンデレの家事をしている真剣な姿から、態度には表さない思いやりを感じている事をツンデレに伝えるタカシ

・そして何よりも、好きな人に喜んでもらいたい一心だったと照れくさそうに言うタカシ

・結婚
02091/3
垢版 |
2015/06/18(木) 02:34:49.950
【ツンデレと歯医者に行ったら】

 気のせいだと思うが、なんか歯が痛い。まさか、まさかね。……いやいや、いやいやいや。ない。ないよ。
「だってほらアレだよアレアレ今どき歯痛とか流行らないしそれにほら案外気のせいかもしれないし実はただの口内炎で放っときゃ治るかもしんないし」ブツブツブツ
「……何やらタカシが挙動不審。だがそれはいつものことなので、結果として不服」ムー
 人が必死で自己暗示してるってのに、例のちっこい娘さんがちょこちょこっと俺の席までやってきて俺を馬鹿にする。
「勝手なことを言うない。あ、そうだ。こんにちは」
「……こんにちは」ペコリン
 きちんとお辞儀して挨拶を返すちなみは偉いなあと思ったので、頭をなでてみる。
「…………」ムー
 不満そうな顔をされたが、言葉にまではしていないので、まあ良しとしたのだろう。これ幸いとなでまくる。
「……やめれ」
「はい」
 言葉が出たのでやめる。まあでも満足。
「……で。……虫歯と聞きましたが」
「ひっ。き、気のせいじゃないカナ? そ、そんな放送禁止用語言った覚えはないよ?」
「……放っておくと手の施しようがなくなるが、よろしいか」
「ひぃ。い、いや、まだ慌てるような時間じゃない。大丈夫、しっかり歯磨きすれば治る。たぶん」
「……昔。……遠い昔。……まだ歯医者という職業がなかった時代。……虫歯が原因で、死んだ人もいたとか」
「ひぃぃ!」
「……あまりの痛みに、全身がひきつり鬼と見まごう顔つきだったとか、そんな」
「う、嘘ですよね?」ブルブル
「……はい」
「…………」
「……えいぷりるふーる」ジャーン
 ちげえ。
「……でも、虫歯が原因で死んだ人がいたのは、本当。……なので、タカシも放置して、その轍を踏むといい。……ちなみの、オススメ」ニッコリ
「俺の知り合いが素敵な笑顔で俺に死ねと言ってくる」
「……だいじょぶ。……葬式には顔出す」
「そんな心配はしてねえ! ええい畜生、そこまで言われたら怖くなってきたじゃねえか……」
「……虫歯で死ぬか、麻酔なしドリルの痛みで死ぬか。……どっちにしても、楽しみ」ワクワク
「勝手に麻酔の使用を禁止しないで!」
02102/3
垢版 |
2015/06/18(木) 02:35:40.680
「……わがまま」ムー
「女じゃなかったら殴ってる」
「…………」ムフー
 満足気な顔が大変にムカつきます。つむじ押してやれ。
「……やめれ」(不満げ)
「嫌です」グイグイ
「…………」ムー

「そんなわけちなみのでつむじを押したら嫌がらせとばかりに学校にいる間中怖い話(虫歯限定)をされ続けガリガリSAN値を削られたので、帰宅後歯医者に来た」
「……来たー」バーン
「そしてなぜいる、ちなみ」ウニウニ
「……ほっぺをうにうにするな」
「嫌です」ウニウニ
「…………」(迷惑げ)
「ああ楽しい」ウニウニ
「……まあ、どれだけ現実逃避しても、歯医者からは逃れられないのだけど」
「ぐぬぬ」
「……ふふ。……ああ、そしてここにいる理由はと言うと。……高校生が歯医者に怯え、泣き叫ぶ様を間近で見たかったから、としか言い様がない」
「なんていい趣味してやがる。あと怯えてはいますが、泣き叫びはしませんよ?」
「えー」(不服)
「この野郎」
 などとちなみと話したりほっぺを引っ張ったりしてると、俺の名が呼ばれた。来た。ついに来た。
「……骨は回収した後、ちゃんと焼却炉に入れておく」
「やめて。ていうか骨は燃えねえ」
「……じゃあ犬にやる。……食中毒になる可能性が9割を超えているので、今のうちに慰謝料よこせ」
「悪魔か」
 ニヤニヤ笑ってるちなみを待合室に置いて、医師の待つ部屋へ。……ん、なんかちなみと話してたら緊張がほぐれたな。まさか、あいつわざと……?

「で」
「……どだった。……ちゃんと歯を削られたか。……歯髄までえぐられたか。……歯にフッ酸を塗布されて狂乱死したか」ワクワク
 歯医者からの帰り、ちなみと一緒にてぽてぽ歩いてるのだが、楽しげな同行者から尋ねられっぱなしで少々困っている。
「ねーよ。どんな拷問だ。ただ、来週も来てくださいねーって」
02113/4
垢版 |
2015/06/18(木) 02:38:12.080
 ちなみの顔が見る見る輝いていく。いや表情は依然無表情のままだが、雰囲気がね。付き合い長いからなんとなく分かるの。
「……それはつまり、来週こそお楽しみが……?」ワクワク
「おまいはどうしても俺に拷問を受けてもらいたいようだね」ギリギリ
「……びっくり。……タカシのくせに聡いなんて生意気だ」
「この野郎」ムニー
 ちなみのほっぺを引っ張って溜飲を下げる。……まあ本当はそんな怒ってないけど。
「……それで、何時から?」
「ん?」
「来週。……歯医者」
「え、今回のと同じだけど……え? 来週もお前来るのか?」
「……幼女が応援するのだ、喜びこそすれどうして嫌がろうか」
「自分で幼女言うな。いやまあ概ねその通りですけど! ただその幼女の性格がなかなかに毒を含んでましてねェ」
「……ふふん?」
 なんで誇らしげなんだ。よく分からん奴。
02124/4
垢版 |
2015/06/18(木) 02:40:01.070
「いやまあ来てくれるのは待ち時間に話ができて単純に嬉しいけど、俺の治療中、待ってる間ヒマじゃないか?」
「……い、今か今かとタカシの悲鳴を待ってる。これほど楽しい時間はない」
「拷問確定かよ……。ま、俺はお前と話してたらリラックスできるからいいけどな」
「っ! ……な、何を言ってるのか。わ、私は単にタカシをからかって楽しんでるだけにすぎない。や、やれやれ、これだから童貞はすぐに勘違いして困る」
「いや、別に童貞は関係ないかと」
「な、何を冷静に否定しているのか。まったく、これだからタカシは。まったく、まったく」プイッ
「いやはや。んじゃま、来週も頼むな、ちなみ」ポン
「……ふ、ふん。特別に頼まれてやる。か、勘違いするな、優しい私だから一緒に行ってあげるだからな?」
「へーへー」ナデナデ
「……ふん」
 顔はそっぽを向いたままだったが、頭をなでても嫌がらず、語調も柔らかくなったので、たぶんちなみも俺とそう変わらない気持ちでいるのだろう、と勝手な想像をした。
「……手が止まってるが」ムスーッ
「あ、はい」ナデナデ
「……別になでなでしてほしいとかじゃないから。指摘しただけだから」
「何も言ってねえ」ナデナデ
「……貧乳の乳を揉んでも詮ないから頭をなでる方がマシだ、とタカシが言う」
「マジで言ってねえ!」
「…………」ジトーッ
「冤罪だ! 違う、そんなこと言ってねえ!」
 ちょっと前まで俺の優勢だったのに、あっという間に逆転される俺の日常でした。
0213ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/06/18(木) 02:54:04.190
ちなみん!!!ちなみん!!!ちなみぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃん!!!!!!
0216ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/06/18(木) 22:04:29.550
拾い物だから詳細は分からん
名前もちなみなのかちなつなのかちなえなのか
0217ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/06/18(木) 22:46:50.520
「しゅーしゅくしゅ!」 滑空 ヒット出版社

画像検索したら出て来たお(^ω^)



つか、ツンデレスレにエロ漫画の画像って10年ぶりくらいだな
初期はよくあったが……
0219ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/06/19(金) 00:05:44.180
その時代は知らんけどよくあることだったのか
ヒロインのロリがちなってだけで貼ってもーたがツンデレ分はなかったな
0220ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/06/19(金) 01:45:02.070
VIPが出来てまだ1年くらいで、ホントに何でもありな空気の中でこのスレも出来たからねえ
ツンデレ分どころか、レイザーラモンHGやらウォーズマンやら、今にして思えば訳の分からんもので溢れてたwwww
0221ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/06/19(金) 03:53:17.710
100あたりからの人間だけどそれでも50とかの過去ログ読むと今と全然ちげえ!?ってびっくりしたわ
0222ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/06/19(金) 21:40:52.010
ち「(ガチャ)入る」
俺「どわぉ!! ノックも無しに人の部屋に入ってくるな! そも、玄関の鍵はどうした!」
ち「合鍵」
俺「どどど、どっから?」
ち「ご家族」
俺「もぉ〜〜〜!! もぉ〜〜〜〜!!」
ち「あ、牛……」
俺「ちげぇよ! そうじゃなくて……」
ち「えらい慌てよう……。何を見ていたのか……」(ちらり)
俺「ままま、待てって!!」
>>214
ち「ちなで、ちんち……」
俺「いや、違くてね? これはね?」
ち「……キモい」
俺「ぐへぇぁっ!?」(グサァッ!!)
ち「……こんな小さな子どもの破廉恥な画像で喜ぶのもキモければ……、私と同じ名前というのも……また、キモい」
俺「うぐぐ……」
ち「気持ちが悪い」
俺「むぬぬぬ……!!」
ち「気色が悪い。気分が悪い」
俺「ああもう!! 何なんだよもう!!」
ち「あ、牛……」
俺「うるせえ!!」
ち「まぁ、何より気分が悪い点は……」
俺「なんだってのよ」
ち「……」
ち「……やっぱり、内緒。許してやるから……お菓子を、買ってこい」
俺「……はぁ〜っ。ポテチ買ってきます……」
ち「ん……」
ち(……私がいるのに、そんなエッチな画像を見ること……だよ)
0224ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/06/20(土) 00:11:02.530
違うんだよあれはエロ目的で保存したんじゃないんだよ
ちなという名前の女の子だから保存せずにはいられなかったんだよと
土下座して頭を下げつつも、いかにちなみんに愛情を注いでいるかを命かけて説明したいなと
心の底から思った
02271/5
垢版 |
2015/06/21(日) 10:49:16.970
・ツンデレのことを雨女だってからかったら〜その2〜

 そして二週間ほどが経った。
 あたしは待ち合わせ場所のターミナル駅の改札を出たところで、そわそわしながら別府
を待ち受けていた。地元の駅で待ち合わせなかったのは、万が一にも中学の時の友達と鉢
合わせたりしたら、変な噂が広まってしまうかも知れない。というより、説明のしようが
なかったからだ。
『……遅い』
 あたしは左手首にはめたファッションウォッチを見る。もっとも待ち合わせ時間までま
だ10分弱あるのだが、30分も前に着いてしまったあたしは、延々と待たされている気分だった。
『あー、もう。イライラする…… こういう時って男子は普通10分前に来るもんじゃないの?』
 勝手な不満を振りかざしていると、コンコースの混雑が急に激しくなる。どうやら電車
が到着したようだ。
『これで来なかったら…… 今日のデート、全部あいつ持ちにしてやろうかな……』
 別府が彼氏だったら甘えてもいいけど、成り行きで決まったデートであたしの分まで払
わせるのは失礼だと思ったから、基本あたしは自分の分は全部自分で払うつもりでいた。
人が流れて徐々に少なくなって来ても別府は来ない。次の電車だと多分ギリギリだろう。
何て文句を言ってやろうかと頭の中で算段を始めた時、改札を出たところでキョロキョロ
と頭を巡らせている男がいるのに気付いた。別府だ。
『やっと来た…… 良かった……』
 ようやくこの緊張感から解放されると知って、あたしは小さく安堵の吐息をつく。始ま
れば始まったでまた別の緊張が襲うのだろうけど、少なくとも、一歩前に進んだ気がする。
「椎水!!」
 ようやくあたしを見つけたのだろう。別府があたしを呼びつつ駆け寄ってきた。
『遅い!! どんだけ待たせんのよ!!』
 こんだけ長いことドキドキさせた恨みも込めて文句をぶつけると、別府は駅の時計を確認する。
「あれ? 9時半集合じゃなかったっけ? 俺、時間間違えたかな?」
 別府がスマホを取り出してスケジュール確認しようとするのに先んじてあたしはそれを
正す。
『ううん。それで合ってるけど……でも、普通こういう時って男なら早く来るもんじゃないの?』
02282/5
垢版 |
2015/06/21(日) 10:49:53.790
 自分でも勝手な理屈だと思いつつもそうやって自分を正当化しようとすると、別府はちょっ
とごまかすように笑った。
「いやあ。そうしようと思ったんだけどさ。家出てからスマホ忘れたのに気付いて。つか、
椎水さ。どのくらい待ってたんだ?」
 その質問に、あたしは自ら地雷を踏んだことに気が付いた。
『う…… そ、その……じゅ……15分くらいよ。何か、中途半端に時間が余っちゃってさ。
いっそ早く行く分にはいいかなって…… だ、だからってその、楽しみにしてたとか、そー
いうんじゃないんだからね!!』
 この言い訳がまた、メチャクチャ恥ずかしくてあたしは顔を火照らせてうつむいてしまっ
た。しかもホントは30分待ってたのにウソついたことが余計に気分を助長させる。ああ。
もう何だってこんなこと言わなくちゃならないんだろう。死にたい。
「そりゃゴメン。俺もてっきり10分前には着いてりゃ大丈夫だろとか思ってたけど……
もう少し早く家出れば良かったな」
 素直に頭を下げられるのが、またちょっと腹立たしい。遅刻したわけじゃないのに言い
訳もしないなんて、まるで自分の悪いところを見せつけられてるみたいだ。
『もういいわよ。それより切符買いに行きましょ。時間、もったいないし』
「ああ。椎水、ちょっと待って」
 不毛な会話を打ち切って券売機に行こうとしたあたしを別府が止める。そして手に持っ
ていたリュックのポケットからパスケースを取り出した。
「今日の電車賃、これ使ってくれよ。往復分くらいはチャージしてあるからさ」
『は? い、いいわよそんなの。お金出してくれるってことでしょ? そんなことして貰
う理由ないし……』
 まさか向こうから言われるとか思ってなかったあたしは、慌ててその申し出を拒絶した。
しかし別府は照れ臭そうに首を振る。
「いや、そのさ。どんな理由であれ、女子と二人でデートするわけだし……古いとは思う
んだけどさ。何か女の子に金出させるのカッコ悪いなって…… だからさ。ここは俺の好
きにさせてくれよ」
 お金を出すって言うのに拝み倒してお願いするっておかしいだろ。そう思いつつも、そ
こまで言われて断る理由もあたしは思いつかなかった。
02293/5
垢版 |
2015/06/21(日) 10:50:35.760
『う……まあ、別府がそうしたいって言うなら、好きにすればいいじゃない。その代わり、
あたしはそんなことで感謝したりとかしないからね』
 差し出された交通ICカード入りのパスケースをひったくる様に受け取ると、別府はホッ
としたように笑った。
「まあ、それはいいよ。俺が気の済むようにやってるだけだし。それじゃ行こうぜ。まだ
次の電車まで5分以上あるけどさ。始発だから多分電車、来てるだろうし」
『あ、うん』
 別府に促されて、あたしは小さく頷くと先に立って歩き出した別府の後を追って改札を
抜ける。その背中を見ながら、別府との初デートはどんなことになるのだろうかと、あた
しは内心、緊張しつつちょっとワクワクもしていたのだった。


『こっち、座ろうよ』
 ちょうど前の電車が行ってそんなに時間が経っていないこともあり、電車はガラガラと
言っていいくらいに空いていた。あたしは車両の端っこの席を選び、先に立ってさっさと
歩いていくと、ポン、と座った。固い席の多い最近の電車にあって、こういうふかふかの
席は珍しい。別府がリュックを網棚に置いてあたしの前に立ったので、あたしは首をかしげた。
『どうしたのよ? 空いてるんだから座ればいいじゃない』
 隣の席をポンポンと手で叩いて勧めると、別府は戸惑った様子を見せた。
「へ? い、いいのか?」
『いいも何も、空いてるのに座らないほうが不自然でしょうが』
「じゃあ、失礼して、その……座らせてもらうぞ」
『何それ? 変なの?』
 首をかしげるあたしの前で、別府はシートの半分だけを空けて座った。その微妙な距離
があたしは気に掛かった。
『あのさ』
「な、何だよ」
『背もたれに座る位置を示す四角いのが付いてるじゃん。その真ん中に座るのって、マナー
違反じゃないの?』
 あたしの指摘に、別府は動揺したように抵抗する。
02304/5
垢版 |
2015/06/21(日) 10:51:37.350
「い、いいだろ? 混んできたら詰めればさ。まだ全然席空いてるんだし」
 その答えがちょっとイラッと来て、あたしは別府をにらみ付けた。
『そういう座り方されると、後から来た人がこの座席に座りづらくなるでしょうが。あた
しの隣が嫌だったら、いっそ一つ丸々空ければ?』
「そ、そういうわけじゃねーよ」
 あたしのひがみっぽい言い方に、別府は慌てて席を詰めてあたしに近づく。まだ全然納
得が行ってなくて、あたしは別府を更に追及する。
『そういうわけじゃなかったら、どうしてわざわざ中途半端に席空けんのよ。理由言いな
さいよね。でなきゃもう口利かないから』
 別府にしては珍しく、困ったような顔で下を向いている。こんな曖昧な態度を取るなん
て、正直珍しくて徐々に苛立ちより興味が先に立ってきた。
「理由言ったら、多分ドン引きすると思うけど。それでも聞きたいのかよ?」
 別府が脅すような言い方をして来たけど、それだけにあたしの好奇心は余計にかき立て
られた。聞いたら恥ずかしいことになる予感はしたけど、何かもう引くわけには行かない
気分だった。
『つまり、よく分かんないけどキモイこと考えてたってこと? もうその時点で言ったも
同じじゃない。男らしく言いなさいよ。それはそれで引くかも知れないけど、でもこのま
んまでもどうせ評価下がるだけよ』
 別府の舌打ちする音が聞こえた。あたしはキモイことってなんだろうと思う。もしかし
て、胸元開いてて傍によるとブラが見えるとか? それとも髪の毛の匂いが気になると
か? ちゃんと制汗スプレーはしたし、変な臭いとかじゃないだろうと思いつつもついつ
いチェックしていると、周りが気になるのか、別府が小さな声で答えを返して来た。
「その……さ。何か、電車の座席って、結構距離が近いじゃん。傍に寄っていいのかなっ
て、何か悪いような気がしてさ。いや。普段ならそうは思わないけど、その……椎水の私
服姿なんて滅多に見ることもないから、何かこう、いつもと違うってか……」
『それって、意識してくれてるって……こと?』
02315/5
垢版 |
2015/06/21(日) 10:52:26.010
 恥ずかしいとか思う前に、とっさに口が動いた。別府はちょっとためらって、そして頷
く代わりに顔を正反対に背ける。
「いや、まあその……そういうこと……つーか、可愛いなって……」
 その答えを聞いた途端、あたしは自分の質問を後悔した。全身が熱でのぼせ上がり、体
が硬直して言葉が出なかった。
――うわうわうわ…… 可愛いって言われた!! 別府に……別府に!!
 興奮と緊張でガチガチになっていたあたしは、いつの間にか電車が走り出したことにも
しばらく気付かなかった。


続く
0233ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/06/26(金) 08:56:30.90O
まあ、仮に復旧したとしても、専用ロダが複数あって悪いことはないと思う
0234ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/06/27(土) 01:01:33.540
お題

・メイドツンデレに、Tシャツとジーンズ姿で仕事するように言ったら

・水泳部のツンデレに、居残り練習に付き合う代わりにビキニを着て欲しいと言ったら

・ツンデレに、自分の好きなキャラクターのコスプレをして欲しいと衣装を渡したら
02361/3
垢版 |
2015/06/28(日) 12:34:12.630
・ツンデレのことを雨女だってからかったら〜その3〜

「悪い。変なこと言っちまって。やっぱ、その……引いたろ?」
 呪縛が解けたのは、別府の謝罪でだった。あたしは半ば呆然と彼を見て、次の瞬間照れ
くさくなってうつむく。
『いや……まあその……引くってことは…… ていうか、女の子なら可愛いって言われれ
ばとりあえずは嬉しいし……誰に言われても、だけど…… でも、あたし今日、別に特別
オシャレとかしてないし……』
 照れくさくなって否定するようなことを口にするが、実はウソである。こないだの教室
での話の後、結局週末はショッピングになったのだ。あたしの、デート衣装をみんなでコー
ディネートしよう、という。つまるところおもちゃにされたわけだが。
「そ、そりゃこれからアスレチックで運動するんだから、着飾ってくるのは逆に変だろう
けどさ。でも、こういう活動的な格好は椎水らしいなって思うし……良く似合ってるなって」
『……そ、そお? まあ……褒め言葉だったら、ありがたく受け取っとくけど……』
 こんな風に男子から褒められる経験なんてなかったあたしは、柄にも無く結構動揺して
いた。しかもその相手が別府だったからなおさらだ。他の男子なら照れ臭くはあっても、
素直にお礼くらい返せたのだろうけど。
「……良かったよ。喜んで欲しいなんてうぬぼれちゃいないけどさ。マジ、しょっぱなか
ら引かれたらどうしようかって思ったから。向こう行けとか言われたらさ」
『言わないわよ。あたしだって、まあ……女の子だし。可愛いって言われて悪い気はしな
いし。うん……』
 周りにクラスメートでもいれば、からかわれるのが恥ずかしいから多分怒って当り散ら
すだろうけれど、今日は二人きりだ。だからなのだろう。ちょびっとだけど、素直なのは。
「……は、話変わるけどさ。椎水、今日は部活良かったのか? その……休んだりしたと
かじゃないよな?」
 微妙な空気を修正しようとしたのだろう。別府が当たり障りの無い話題を持ち出してきた。
『今日は休み。うちの学校。祝日とか記念日は基本は休みにするって方針らしいよ。別府
は部活やってないから知らなかったんだろうけど』
02372/3
垢版 |
2015/06/28(日) 12:34:40.020
「へえ。だからあんまり強い部活とかないのかな?」
『逆じゃない? そもそも強くないから、そこまで部活に必死になる必要がないっていう。
もちろん大会前とかは別だけど。陸上部もゴールデンウィーク明けに県の大会あったから、
休み一日しかなかったもん』
「椎水たちも出たのか? それじゃ全然遊べなかったろ?」
『でも、あたし走るの好きだし。変に休み長いと逆にキツくなるから、多分自主錬してる
し。それに、時間は午前中だけとかだから、午後から遊べるし』
「そっか。ストレスないならいいよな。逆に言えば、それだけ打ち込めることがあるって
ことだし」
 あたしが変なこと聞いたせいで微妙になった空気も大分修正されて、あたしたちはいい
感じで会話が出来てきた。ちょうど部活の話題でもあることだし、あたしはこの機会に、
高校に入ってからずっと気にしていたことを聞くことにした。
『……別府はさ。何でサッカー部入らなかったの? 中学の時は結構熱心にやってたじゃん』
 何気に見ていたから、別府が帰宅部だっていうのは聞かなくても分かっている。けれど、
中学だけじゃなくて、ついこの間の球技大会でも別府は楽しそうにサッカーをやっていた。
だから何となく高校でもサッカー部なんだろうなと思っていただけに、特に部活にも入ら
ずにさっさと帰ってしまうのが意外に思っていた。
「ん? ああ。俺さ。中学ん時の部活仲間とフットサル始めたんだよ。アマチュアの大会
も結構あってさ。何か部活でゴリゴリやらされるより、楽しく出来た方がいいかなって。
プロとか目指せるならどっかのユースチームとか入るけど、俺そこまで上手くねーし」
 あたしから見ると別府ってサッカー上手に見えるけど、やってる側からすればそうでは
ないのだろうか? もっともサッカーも競技人数なんてものすごい多いし、中学の市大会
で優勝出来る程度の学校のレギュラー程度なら掃いて捨てるほどいるのだろう。
『ふーん。そっちだったら、レギュラーで活躍出来るの?』
「へ? あ。まあ、フットサルだったら交代人数も多いし。先輩もいるから絶対スタメン
で出れるって訳じゃないけど、でも絶対試合には出れるかな。つーか、やってて楽しいっ
てのが一番かなって……」
02383/3
垢版 |
2015/06/28(日) 12:35:47.200
 あたしの素朴な疑問に、別府はちょっと後ろめたそうな感じの答え方をした。サッカー
に早々に見切りをつけたことを自分でも必ずしも気にしていなかった訳じゃないのだろう。
『今度さ。見に行ってみようかな?』
「へ?」
 別府が驚いてあたしを見つめた。
「じょ、冗談言うなよな。お、応援とかいらねーし…… 女子に見に来られると他の連中
にからかわれたりするから嫌なんだってば」
『誰が応援しに行くなんて言ったのよ? あたしは見に行こうかなとは言ったけど、別府
の応援をするなんて一言も言ってないけど?』
「は? いや、その…… じゃあ、何しに来るつもりなんだよ?」
 別府がややけんか腰にあたしをにらみ付ける。自分が早とちりしたことが恥ずかしくて、
それをごまかしたいというのもあるのだろう。
『決まってるじゃない。別府がミスとかしたら思いっきりヤジ飛ばしてあげる。面白プレ
イに大笑いとかしたりさ。友子とかも誘って、みんなでバカにしに行くから。あ。相手チー
ム応援しようかな』
 ホントは別府が楽しそうにしてる姿が見たいのだけど、そんなこと恥ずかしくてまとも
に言えないのでそうやってごまかすと、別府はムキになって拒絶した。
「ぜってーくんなよ。バカにされるだけとか、マジいらねーから。むしろ迷惑だし」
『迷惑なんだ。じゃ、絶対いこっと』
「ふざけんな。マジ勘弁だから。来ても知らない奴扱いするし」
 完全に緊張のほぐれたあたしたちは、最寄り駅に到着するまでずっと、話題は変えつつ
もくだらない言い合いに終始したのだった。


続く。
02391/6
垢版 |
2015/07/05(日) 01:46:34.390
リナ「あら、ちなみさん落し物ですわよ。って何ですのコレ?」

ちなみ「ありがとう…これは恐ろしい物…処分もできず…置いておくのも不安…」

リナ「何なんですの、その物騒極まりない前置きは」

かなみ「おはよー二人とも。何話してんの?」

リナ「おはようございます、かなみさん。ええと…ちなみさんが」

ちなみ「世界を揺るがしかねない…そんな代物…」

いずみ「おはよーさん、どしたん。って何やこれスイッチ?」

ちなみ「そう…冗談抜きに…くれ悪なスイッチ…」

いずみ「何や、光彦君が爆発四散でもすんのか」

ちなみ「そんなことよりも…はるかに恐ろしいスイッチ…」

かなみ「人の生き死にを”そんなこと”って」

リナ「それで結局それは何のスイッチなんですの?」

ちなみ「科学と魔術の融合によって生まれた…御都合主義になるスイッチ…」

いずみ「は?」

ちなみ「このスイッチを押すと…誰かにとって都合のいいように世界が改変される…」
02402/6
垢版 |
2015/07/05(日) 01:47:49.480
「「「な、なんだってー!」」」

かなみ「(そのスイッチを押しさえすれば!)」

リナ「(私とタカシさんとの!)」

いずみ「(都合のいい未来が!………ん?)」

いずみ「ちなみちゃん、そんな凄いもん何で押さへんの?めっちゃ便利やん」

ちなみ「うん…実はこのスイッチ…誰を起点にするかが…完全にランダム…」

リナ「どう言うことですの?」

ちなみ「私が押しても…私に都合がいい世界にはならない…わたしが押して…
    アルゼンチンの人に都合がいい世界になるかもしれない…」

かなみ「とんでもない犯罪者にとって都合がいい世界になるかもしれないってこと?」

ちなみ「そう…危険だから改良したけど…範囲はこの学校全体程度に絞るのが限界だった…」

リナ「十分すぎる気もしますが」

いずみ「星一つから学校一つってどんだけ凄いねん」

かなみ「話を総合すると、スイッチを押すと学校のだれかに都合のいい世界になる。ってことね」
02413/6
垢版 |
2015/07/05(日) 01:49:04.400
かなみ「(押してぇ!)」

リナ「(確立はぐっと上がりましたわ!)」

いずみ「(せやけど中間なんてない、1か0、優勝か最下位かの二択!)」

「「「………」」」

ちなみ「すまない…すべては私が…私が悪いのに…皆にも迷惑を…」

委員長「皆さーん、そろそろホームルームですから自分の席についてください。なんですかコレ?」

かなみ「ああ委員長、それは」

委員長「スイッチ?ウイングガンダムが自爆するんですか?」

いずみ「そのネタ全体に通用すると本気で思ってんのか?」

リナ「ちなみさん、ガンダムって何ですの、全部でいくつありますの?」

ちなみ「その話をするには…まず百式がガンダムなのかを…」

かなみ「ええい!やめなさい、とにかくこの話はひとまず…」

委員長「投降はするがガンダムは渡さない…えい!なーんて」カチッ

「「「「あああああああああ!!!!!!」」」」
02424/6
垢版 |
2015/07/05(日) 01:50:04.440
委員長「うわぁ!急に大きな声出さないでください。あ、このスイッチ押したの不味かったですか…」

かなみ「それは、(誰だ!)」

リナ「ええと、(誰ですの!)」

いずみ「なんちゅうか(一体誰が!)」

ちなみ「た…ただの…ジョークグッズ…心配ない…(世界の中心に!)」

委員長「あ、そうですか。よかったです……何で皆涙目なんですか?」

タカシ「あっぶねー!ギリギリセーフ!!」

委員長「別府君、遅刻ギリギリですよ、もっと時間に余裕を持って行動してください」

タカシ「ごめんごめん、まぁ間に合ったんだし大目に見てくれよ」

委員長「そんなこと言って、いつもギリギリなんですから」

タカシ「あはは、ところで委員長、なんで皆は俺を凝視してるのか知ってる?スゲー怖いんだけど」

いずみ「ナニイッテンネン(うちに告白しろうちに告白しろうちに告白しろ)」ジー

かなみ「アンタヲミテイルナンテ(結婚したい結婚したい結婚したい)」ジー

リナ「ジイシキカジョウデスワヨ(肉体関係肉体関係肉体関係)」ジー

ちなみ「おはよう…(頭をなでてほしい)」ジー
02435/6
垢版 |
2015/07/05(日) 01:51:02.320
委員長「いえ、ちょっと…………そ、そろそろ先生来ますし」

タカシ「ああ、自分の席いくよ」

『よーし席つけー、号令よろしくー』ガラガラ

〜放課後〜

かなみ「結局、誰が世界の中心だったのかしら」

リナ「クラスの誰かではなかったようですわね」

いずみ「まぁ、関わりない人間が当たるのが、うちらに都合ええんやけど」

ちなみ「はやく解除スイッチを…作らないと…」

かなみ「(でもやっぱり)」

リナ「(スイッチなんかに頼らず)」

いずみ「(自分自身でやってかんとあかんことやし)」

ちなみ「(とりあえず)」

「「「「よかったよかった」」」」
02446/6
垢版 |
2015/07/05(日) 02:02:55.660
〜午前中〜

校長「ばんざーい!」

教頭「うわっ、どうしたんですか大きな声で」

校長「病気で倒れていた妻の意識がもどって回復に向かっているとの報せがあってね」

教頭「そうだったんですか、おめでとうございます!」

校長「うん、ありがとう。いやぁ本当によかった、おっと失礼」〜♪〜♪

校長「うん、うん、おお!よく頑張ったね、おめでとう。それと母さんの意識がもどったと連絡があってね。
   うん、そうだね一緒に行こう、母さんもきっと喜んでくれる。うん、それじゃあ、また後で」

教頭「今度はどうされたんですか?」

校長「娘に子供が生まれたよ!奇跡だよ!こんなにもいいことが続くなんて!」

教頭「ええぇ!いや、何て言うか、奇跡ですね!」

「「ばんざーい!」」

〜終われ〜
0246ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/06(月) 00:42:07.720
お題
・書いた名前の人物を絶対にデレさせる『デレノート』があったら
0249ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/10(金) 11:38:13.11O
お題
つ・ツンデレに久しぶりに晴れたしどっか行こうかって言ったら
0251ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/10(金) 18:00:04.190
納豆の日か・・・


・ツンデレとネバネバしたもので、くっついてしまったタカシ

・ツンデレに「おいおい、もうこんなに糸を引いてるじゃないか」と言ったら

・納豆ちなみん
0253ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/14(火) 22:56:43.800
>>252
じゃあ俺はかつみんのワガママバストが作る谷間の汗をペロペロする!
0254ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/15(水) 22:40:18.800
なら僕は部活後にシャワーを浴びる前のみこちんの腋をクンカクンカペロペロするぜ!
0255ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/16(木) 00:30:27.890
みんな変態だなあ
俺はかなみさんの汗で透けたYシャツを眺められればそれで十分だぜ


まあ、そんな訳で>>238の続き投下します
02561/5
垢版 |
2015/07/16(木) 00:31:09.240
・ツンデレのことを雨女だってからかったら〜その4〜

「うわっ!? ととと……おわあっ!!」
 バシャアン!!
『あーっははははは!! ヤダ。超おもしろい。写真撮れたらよかったのに』
「くっそー…… お前が横で変な掛け声掛けるから踏み切りのタイミングずれたんだろうが」
『人のせいにしないでよね。ヘタクソ』
 あたしたちがまず最初に選んだコースは、池の上にいろんなアスレチックの器具が設置
されていて、別府は最初の難関とも言えるロープで反対側のネットに掴まるところでもの
の見事に失敗したのだった。
「くっそー。もう一回やらせろよ。ホントならこんなの楽勝だし」
 腰の辺りまでずぶぬれになった別府が悔しそうにリベンジを要求する。
『そうよねー。このまま負け犬君じゃ帰れないもんね。どうぞどうぞ。出来るまで何回で
もやっていいわよ。ま、次も失敗したらあたしは先行くけど』
 嫌味たっぷりのあたしの挑発に、別府も挑戦的ににらみ返す。
「ぜってー成功してやる。で、今度椎水が失敗した時は思いっきりバカにしてやっからな」
『やれるもんならやってみなさいよ。ま、あたしは落ちないけどね』
 ちなみに、このターザンは余裕でクリアしている。
「よし。じゃ、行くぞ。俺の華麗な飛びっぷりをしっかりと見てろよ」
『あー。はいはい』
 やたらと気合の入る別府を、あたしは軽く受け流した。
「よしっ!! おおおおおおお!!」
『あっ!! 別府あぶなーーーーい!!』
 踏み切りの直前にあたしは大声を上げた。それに動揺して別府の足がたたらを踏む。
「なにっ!? って、おわっ!!」
 勢いをつけていたため、ジャンプ出来ずに前のめりになり、別府はそのまま池に落ちそ
うになる。必死でロープにしがみつくも、体がグリンと反転し、足が木の台から離れ、別
府はそのまま垂直に水に落下した。
02572/5
垢版 |
2015/07/16(木) 00:31:36.580
『きゃははははは!! ヤダもう。カッコいい。あーははは!! てかおなかいた……』
 あまりの面白さに腹筋を痙攣させながら笑っていると、髪まで水に濡らした別府が恨み
がましい顔であたしを睨んだ。
「今の、なしな。飛んでねーし。てか、変な声出すなって言わなかったか? 何があぶなー
い、だよ。何もねーだろが」
『そんなの聞いてないし。自分のメンタルが弱いのよ。そんな程度、妨害のうちに入んないって』
 さらっと受け流しつつ、あたしは別府を置いてさっさと先に進む。すると慌てた別府が
後ろから大声を出した。
「おい!! 何、先に行こうとしてんだよ。あと一回は見るって話だったろ?」
『次失敗したら置いてくって言ったじゃん。悔しかったらさっさと成功して後追っかけて
来なさいよね』
 ひらひらと手を振るあたしの背後から、別府が負け犬の遠吠えみたいなことを叫んだ。
「待ってろよクソ。この先全部速攻でクリアして追いついてやるからな!!」

 正直、男女二人でアスレチックを楽しむなら、あたしは二つの選択しかないと思ってい
た。一つは、苦労している女子を男子がカッコ良くフォローしてあげるパターン。もう一
つは、男子のちょっと情けないところを笑って楽しむパターンだ。とはいえあたしはアス
レチックは得意だし、ここも小さい時から何度も遊びに来ているので、今更演技までして
別府を立てたくもない。ならば、可哀想だけど別府には犠牲になって貰うしかないのだ。

「追いついたぞ。クソー」
 肩の高さで平行に渡された丸太を手すりにした丸太の一本橋を渡り切ったところで、別
府が追いついて来た。
『あれ? 意外と早かったじゃん。もっと苦戦するかと思ってたのに』
 つまらなさそうな態度を見せるあたしを、別府は苦々しげに睨み付ける。
「椎水の邪魔さえ入んなきゃ、楽勝で行けるんだよ。つか、先に行かせろよな。お前が先
にクリアすると、また変なことしようとするだろうし」
『どうそどうそ。そんなに自信あるなら、先にやってみるといいわ』
「よっしゃ。見てろよ。つか、今度変なことしやがったら、そん時はキッチリ仕返しすっ
からな。覚悟しろよ」
02583/5
垢版 |
2015/07/16(木) 00:32:07.610
 口で言うだけのことはあって、別府は次に続く器具を軽々とクリアしていく。サッカー
やってるせいで体幹も鍛えられているのだろう。後ろから見てるとバランスも良い。
『まあ……カッコ良い、かな?』
 小さく思いを口に出してみて、自分の言葉にちょっとだけ胸が高鳴ってしまう。
「椎水も早く来いよ。でないと、今度は俺が置いてくぞ」
 振り返り、ちょっと得意げな態度を取る別府に、あたしはちょっとガッカリした気分になる。
『ああやって調子に乗らなきゃ、もっといいんだろうけど』
 しかしまあ、ああいう三枚目なところがあるから、面白いのかも知れない。ここで変に
気遣われて、手を引いてあげようかなどと言われたら、逆にこっちの気持ちが引きそうだし。
「さて。この丸太渡りが終わればほぼゴールだよな。サクッとクリアして飯にすっか。腹
も減ったし」
 ロープに釣られた太い木の幹を途中何本かのロープにつかまりながら渡り切るコースを
前に、別府が気合を入れる。ここを超えると確かにあとは水に落ちそうな箇所は無かった。
『何、調子乗ってんだか。ちょっとこれまで上手くクリア出来てたからって油断してると
また水に落ちるわよ』
 あたしは別府の後ろからそっと近寄ると、ワザとらしく釘を刺した。別府は肩越しにチ
ラリとあたしをウザそうに振り返る。
「何だよ、お前。また変なことするんじゃねーだろうな?」
『またって何よ。さっきのこと言ってるなら、ちょっと大声で声掛けただけでしょ? そ
の程度でバランス崩すのはアンタの実力ってことじゃないの?』
 警戒する別府にちょっと距離を置きつつ、あたしはシレッとした態度でごまかす。どう
もここでまたあたしが何か企んでいるとでも思っているようだ。全く、こういう時にだけ
勘の良さを働かせないで欲しい。
「チェッ。自分の行動棚に上げてよく言うよ」
 悪態をつきつつ、別府は丸太に片足を掛け、ロープを掴む。その後ろからちょっと距離
を離してあたしも続いた。少し足を速めて別府に追いつこうとする。
『きゃっ!? やばっ!! ちょっ……ミスッた……』
02594/5
垢版 |
2015/07/16(木) 00:32:33.520
 バランスを崩してロープにぶら下がりつつ、かろうじて足を残してる姿勢であたしは叫
んだ。しかし、別府は無視して前に進んで行こうとする。
『ちょっと。女の子のピンチなのにスルーする気? 少しは男気見せなさいよ!!』
「はぁ? 何だよ? 助けて欲しいのか?」
 呆れ顔の別府に、あたしはプイ、とそっぽを向く。それを悔しさのあまりの態度だと受
け止めたのだろう。別府は渋々といった体で丸太の上を戻ってくる。
「しょうがねーな。偉そうなことばかり言って、自分が落ちそうになったら助けるのが当
然、みたいな態度取ってさ。助けて欲しけりゃ、素直にお願いしろよ」
『な、なに言ってんのよ…… こっちはそんなこと言ってる場合じゃ……キャッ!!』
 あたしは小さく悲鳴を上げてロープにしがみつく。それを見て別府がため息をつく。
「どうなんだよ? 助けて欲しいのか? 欲しけりゃ素直にそう言えって」
 あたしは憮然とした顔で視線を逸らしていたが、少し時間を置いてから、小さく頷く。
『……た……助けて……』
「やれやれ。ホント、こういう時椎水ってめんどくさいよな」
『うるさいな。もう……』
 別府が手を伸ばすが、あたしはロープから手を離そうとはしなかった。
『遠い。もうちょっと伸ばしてよ』
「そっちも手を伸ばせば届くだろうが。ほら」
 しかしあたしは首を振った。
『もうちょっとだけ。手、離すの怖いから』
「ほら。こんなもんか」
 別府の差し出した手の方に、あたしは片手をロープから離して別府の方に手を伸ばすが、
ほんの僅かだけ届かない。
「もうちょっとだな。ほら、よっと」
 別府があたしの手を掴もうと、こっちにより前のめりになった途端、あたしはさっと手
を引っ込めた。
「えっ!? とっ……どわっ!! し、椎水?」
 別府がバランスを崩したのを確かめて、あたしは姿勢を戻すためのもう一本のロープを
しっかり掴んで丸太橋の上に立つ。
『フフフ。かかったわね。別府』
02605/5
垢版 |
2015/07/16(木) 00:33:19.390
 さっきのあたしよりもより危険な姿勢で、辛うじてロープにぶら下がり、足を伸ばして
丸太に掛けているものの、落下は時間の問題になった別府を見てあたしは不敵な笑いを浮かべた。
「ちょっと待て。椎水。あれってもしかして全部演技……」
『あたしがこんなところで落ちるわけ無いじゃん。無駄にカッコ良いとこみせようと頑張
るからよ。ご愁傷様』
 そしてあたしは、別府の最後の抵抗を排除すべく、無防備のわき腹をつついてくすぐった。
「うわっ!? てめ、椎水……やめろって――うわっ!!」
 手から力が抜け、ずるりとロープから滑り落ちると、別府はもはや堪えることは出来ず
に前から池に転落した。
『あはっ!! あはははは!! あーっはははは!! ヤダもう。今の落ち方、超面白い。
あーっはっはははは!!』
「ふっざけんなよ、椎水!!」
 立ち上がった別府が、両手を跳ね上げて、あたしの方に水を掛けようとしてくる。あた
しは慌てて少し先に進むと、挑発するように舌を出してみせる。
『罠に掛かったのは自分でしょ? バーカバーカ。逆ギレみっともなーい』
「ふぐぐぐぐ……」
 悔しさに憤りを隠せない別府に、あたしはまたひとしきり笑い声を上げるのだった。


続く
0261ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/20(月) 19:47:40.610
お題

・もしもツンデレの頭の上に、謎の数字が見えるようになったら

・もしもタカシに少子化対策として、子作り許可証が与えられたら

・もしもツンデレのスマホに、人を操れるアプリが知らぬ間にインストールされていたら
0262ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/21(火) 02:34:48.580
お題

・ツンデレに今日は何の日だって聞いたら

・ツンデレとオナニー
0263ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/22(水) 15:12:24.790
 椎水千奈美は自室のベッドに何するともなく転がっていた。初夏の熱気は扇風機のそよ風でかき消すも、火照った体の気だるさはそうも行かない。
 ブルル、と枕元のスマートフォンが震えた。……友子かな? 友人からのメールかと当たりをつけるも、そうではなかった。
『人心操作App』 ――ダウンロードを終了しました。
 そこには覚えの無いダウンロード通知が表示されており、千奈美を混乱させた。
(なんだろ……。胡散臭い名前……)
 ゲームの類だろうか。何の気なしに、千奈美はアプリを起動してみた。
 『人心操作App』というタイトルがファンシーなフォントで表示され、ホワホワとしたBGMが流れる。千奈美は促されるまま画面にタッチをした。
『この”人心操作アプリケーション”(以下、当アプリと表記)は、他人の心を自由に操ることのできるアプリです。』
(……ば、馬鹿馬鹿しい)
 タイトルとは対照的に、シンプルな説明書きがつらつらと流れる。その内容の突拍子のなさに早々と白けてしまう千奈美であったが、とりあえず読み進めていった。
『当アプリの使用方法は簡単! 当アプリを起動させたスマホ上部を操りたい相手に向けて、貴方の声で命令を下すだけです』
『初回起動時に貴方の声をアプリに認識させて下さい。以下、画面タッチで認識画面に移行します。認識完了後は、再度画面をタッチして下さい。』
(……怪しい。でもまぁ、友子と話す時にネタにはなるかな……?)
 そう思い、再び画面にタッチ。表示された『音声認識中』の文字を確認すると軽く息を吸う。そして声を出そうと思った矢先にふと思う。
(……なんて言えばいいんだろ?)
 もちろん何を言ってもいいはずだし、そもそもこんな詐欺まがいのアプリに真面目になる必要もないのだが、彼女自身の性格が出てしまっていた。
「…………し……椎水千奈美」
 言葉に詰まったまま息もつけず、ようやく出たのは自身の名前だった。
(しまった……。自分の名前を知らないアプリに……)
 後の祭り
0266ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/23(木) 13:55:37.300
今日は7月23日か・・・


お題

・オナ兄さんの日

・妹ツンデレが兄の自家発電を見てしまったら
0267ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/25(土) 15:52:34.800
お題

・嫁感がすごいツンデレ

・奥様感がすごいツンデレ

・未亡人感がすごいツンデレ

・歩くセ〇クスと男達の間で話題のツンデレ
0268ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/26(日) 15:25:01.660
お題

・27時間ツンデレと一緒にいることになったタカシ
0269ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/26(日) 18:21:33.970
台湾の超人気グラビアモデル、アリエル・チャンの元カレが撮影した
プライベートセックス動画が流出で、台湾全土の男性が騒然としてホクロ等から本人確認、
どうも間違いなく本人の猥褻ビデオだったようえす。
(無修正なので閲覧注意)
http://www.idolnyuus.tk/ariel00.html
0270ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/07/29(水) 14:41:19.13O
お題
つ・タンクトップのツンデレが、男の方に身を乗り出して来たら
0271唐突に湧いて出たので投下
垢版 |
2015/08/03(月) 01:06:56.320
・突然従姉妹がやってきたら


大学生といえば、人生の夏休みと言っても過言ではない。
しかし、大学生の夏休みは遅い。
普通の高校生以下が7月下旬には既に夏休みに入っているのに対し、大学生はその頃になってようやく試験期間が始まる。
私立大学にもなれば更に遅く、7月末日まで試験をした後、8月の一週目は補講で埋め尽くされる。

「そもそも、補講の日にレポート提出させんなっての……」

大学からの帰り道に教授への不満をひとりごちながら、流れ続ける汗をハンドタオルで拭うが、ジメジメとした外気の不快感は変わらない。
早く家に帰って、出力を最大にしたクーラーの風を浴びて涼みたい。
その一心で下宿先までの坂道を歩く。
下宿先は何の変哲もないアパートであり、広くもなく狭くもなく、一人暮らしをするには丁度良い物件だった。
不動産屋では学校から徒歩1kmと紹介されたこともあって、すぐに入居を決めた。
しかし、こうして大学からアパートまでの道を歩いてみると、なるほど住んでいる学生が少ないのも頷ける。
目の前に伸びるのは、結構な勾配のある坂道。
1kmは1kmでも、平坦な1kmとキツい坂の1kmでは雲泥の差だ。
引越しも考えたが、近場のアパートは埋まっているし、そうなると引越しの費用もバカにならないため、貧乏大学生としては堪えるしかない。
おかげで自転車も使えないため、こうしてヒーコラドッコイと今日も坂を上っている。
ようやくアパートにたどり着いてエントランスに入ると、篭った空気に辟易しながらポストの中身を確認する。
大家のおばちゃんは、夏はバカンスだからと言って現在ハワイにいるため、エントランスの空調は切りっぱなしなのだ。
チラシが詰め込まれたポストを漁る気にもなれず、チラシ用のゴミ箱に中身を適当に放り込んでいく。
公共料金やらの封筒類だけを確保し、ポケットにねじ込んでエレベーターに乗り込む。
0272・突然従姉妹がやってきたら
垢版 |
2015/08/03(月) 01:08:01.800
身体の弱い人間なら確実に熱中症になるであろう灼熱の箱から抜け出し、自分の部屋のドアへと進むんだところで、思わず首をかしげた。

「……ん?」

部屋の前に、ドデカい荷物が置いてある。
特に何かを通販した記憶もないし、実家からそういう連絡も来ていない。
そもそも、それは段ボールなどではなかった。
それは、ビッグサイズのリュックサックだ。
大学の登山サークルの連中が背負っているような、そんなサイズだ。
しかし、なぜリュックサックだけがここに……?
不審に思いながら、慎重に近づいていく。
見た所リュックサックはドアを全体的に塞いでおり、避けて中に入ることは難しそうだ。
大きさ的に誰かが落としたとも考えにくい。
さて、どうしたものか……と考えていると、動きがあった。
リュックサックではなくその向こう側から、何かが倒れるような音。
その後、リュックサックの陰から、麦わら帽子がふわりと出てきた。
その光景を見て、慌ててリュックサックの反対側に回る。
そこには、真っ赤な顔をしたワンピース姿の女の子が倒れていた。


〜〜
0273・突然従姉妹がやってきたら
垢版 |
2015/08/03(月) 01:08:28.760
〜〜


「…………ん……」

ベッドの上でもぞもぞと動く気配に気づき、本を読むのを中断して顔を上げる。
薄っすらと開いた瞳が、ぼんやりと天井を見上げているのが見て取れた。

「大丈夫ですか?」

警戒されないように、できるだけ優しい声音で声をかける。
天井を見つめていた少女は仰向けのまま首だけを動かし、こちらを見遣る。
どうやら、まだ意識がハッキリしないらしい。
部屋の前で倒れていた見ず知らずの少女は、素人目に見ても熱中症の状態で、緊急事態ということで部屋に上げたのだった。
一応、部屋に入れる際には二、三言応答したのだが、フラフラとベッドまで歩くなりそのまま眠ってしまったのだった。
念のため救急相談センターに電話をかけて確認したが、自分の足で立って応答ができれば、涼しい場所で安静にすれば取り敢えず大丈夫とのこと。
冷蔵庫で冷やしておいたスポーツドリンクを取り出し、少女に手渡す。

「軽い熱中症みたいです。取り敢えず飲んでください」

キャップを外してコップに注ぐ。
少女は案外すんなりと起き上がり、コップを受け取ると一気に飲み干した。
この様子なら救急車を呼ぶ必要はなさそうだ。
軽く胸をなでおろすと、少女が口を開いた。

「……ここは?」

「俺ん家です。覚えてないですか?」
0274・突然従姉妹がやってきたら
垢版 |
2015/08/03(月) 01:09:53.890
「……なんとなく」

ぼそぼそと喋るが、発音はハッキリしている。
視線も虚ろなわけではなく、どうやらこのぼんやりとした状態がデフォルトのようだ。

「それで、なんでウチの前に座り込んでたんですか? ていうか、どこから来たんですか?」

「……?」

小首を傾げる女の子。
……アホの子なのかな。
それとも迷子? 警察に電話したほうが良いのか、しかし、そんな年齢でもないような気もする。

「……なんで、敬語……なの?」

こちらの瞳を見つめながらの質問に、なんとなくたじろいでしまう。
なんで、と聞かれても、初対面の人間には(たとえ相手が歳下だろうと)そうなってしまうだろう。
そう答えようとして、一瞬思考が停止する。
……もしかして、初対面じゃないのか?
いやしかし、進学に合わせて一人暮らしを始めてからこっち、女の子の知り合いなど同じゼミの子以外では皆無だし、バイトも金が必要な時に日雇いの工事現場などをこなしているから、大学の外というのもあり得ない。

「あ」

そしてようやく、思考が追いつく。
一人暮らしを始めてから知り合ったのでなければ、それよりも前から知っている相手なのだ。
そうだ、この子は――

「……お兄ちゃん、ちなのこと……忘れた、の……?」

――従姉妹の、ちなみちゃんだ。
0275・突然従姉妹がやってきたら
垢版 |
2015/08/03(月) 01:10:18.270
〜〜


ちなみちゃんがベッドを占拠して既に2時間強。
彼女は未だに不貞腐れていた。
なぜ不貞腐れているのかといえば、当然、自分のことを忘れられていかたからだ。
この子は母方の伯父の娘で、小さい頃は母親の実家に行くたびによく遊んでいた。
ちなみちゃんは一人っ子で、歳が近いこともあって兄妹のような存在だった。
小さい頃はお兄ちゃん、お兄ちゃん、と後ろをくっついて歩き、悪い気もしなかったのでよく可愛がっていた覚えがある。
しかし、中学に上がってからは部活や学校の友人との遊びが優先で、母の実家からは徐々に遠ざかっていった。
だから、会うのは実に8年ぶりのことだった。

「ちなみちゃん、そろそろ機嫌直してよ〜」

「…………」

タオルケットにくるまり、無視を決め込むちなみちゃん。
先ほどのやり取りの後、正直に忘れていた旨を伝えると、ぶつくさと文句を言われた後、アイスを買いに行かされ、食べ終わったかと思えばこの状態である。
いやしかし、8年ぶりの再会で覚えていろというのも無理な話だ。
そもそも記憶の中のちなみちゃんは8年前の姿なわけで、こんなふうに成長した彼女を当時のちびっ子と即座に結びつけるのは不可能と言っていい。
謝罪も含めてこういったことを散々説明しているのだが、ちなみちゃんは一向に許してくれない。
昔も機嫌を損ねるとこんなふうに何かにくるまってたなあ、などと思い出に浸っていると、いつもの眠たそうな双眸がこちらを睨めつけていた。

「ごめんって」

「…………ゆるさぬ」

「武士なの?」

またもやそっぽを向かれてしまった。
0276・突然従姉妹がやってきたら
垢版 |
2015/08/03(月) 01:11:15.640
どうやったらこの機嫌は直るのか……。
昔はどうだったかな、と記憶の中を探る。
ふと、涙目のちなみちゃんを抱きしめながら頭を撫でる光景が頭の隅に浮かんだ。
ちなみちゃんの方を伺ってみると、頭までタオルケットを被って強固な籠城の姿勢を見せていたが、右脚の膝から先だけがはみ出ていた。
昔からインドアなちなみちゃんらしい、白くて細い脚。
だが、それは8年前よりもずっと長く、若い果実のような瑞々しさを感じさせた。
変な思考に陥りそうになり、慌ててその脚から目を背ける。
8年前なら子供同士のことで許されるとしても、お互いに成長した現在では通報されかねない。
しかし、それ以外の解決策も思い出せない。
どうにもしようがない現状に、思わず溜息が出る。
そして溜息と同時に、新たな疑問が湧いて出た。

「そういえばちなみちゃん、なんでウチにいるの?」

伯父の家はここからかなり遠く離れた田舎にあり、そうそう簡単に来れるような距離ではない。
余程の事情で、しかも一人で来ている様子だし、何か意思があってここまで来たのだろう。
ちなみちゃんは質問に対し、タオルケットから目元だけを覗かせて答える。

「……? ……お手紙、読んで……ない、の?」

「お手紙?」

はて、そんなもの来ていただろうか。
机の上に放り投げてあった封筒たちを漁ると、確かに、消印が1週間前になっている茶封筒が入っていた。
……てっきり、公共料金か水道代の請求かと思って放置していた。
0277・突然従姉妹がやってきたら
垢版 |
2015/08/03(月) 01:12:21.880
便箋らしくないその茶封筒の裏には確かに、椎水ちなみ、の名前。
開けて見ると、そこには簡潔な文が三行だけ。

お兄ちゃんへ
進学のため、お兄ちゃんのところでしばらく厄介になります、あしからず。
ちなみより

「…………」

「……やれやれ、ダメだよ……お兄ちゃん……お手紙はすぐに、読まないと……手遅れに、なっても知らない……よ?」

「…………」

「……おかげでちなは……この猛暑の、中で……待ちぼうけ、だし……ぷんぷん」

……確かに、読んでなかったためにちなみちゃんの来訪を事前に知ることができなかったのはこちらの落ち度だ。
しかし、しかし……。

「ちなみちゃん」

「……なに」

「この手紙じゃあ例え読んでても、いつから来るのかわかんないよ……」

「…………マジか」

表情から察するに、本気で驚いているらしい。
……どうやら、天然ぶりは昔から成長していないようだ……。


〜〜
0278・突然従姉妹がやってきたら
垢版 |
2015/08/03(月) 01:12:53.470
つづく
ツンが無いって?気にするな
0280ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/08/03(月) 23:26:49.290
お題

・泣き真似をしながらツンデレに抱きついて、おっぱいに顔を埋めようとしたら
 1人くらいは拒絶しないで、そのままおっぱいを堪能させてくれると考えて
 実行したらツンデレ達全員が抱き締めてくれて、こんなことをした自分が恥ずかしくなるタカシ

・いつも明るいタカシが泣きながら抱きついて来たので戸惑うも
 日頃の自分の態度が、タカシを傷つけてしまったのだと思い
 タカシを優しく抱き締めて、今までの自分の態度をもの凄く反省するツンデレ達

・無口なツンデレは頑張って話すようになり、無表情なツンデレはぎこちないものの微笑むようになるなど、ツンデレ達の態度が柔らかくなりました

・自分のイタズラのせいでツンデレ達に気を使わせていると思い、全てうちあけるタカシ

・凄く怒られると思いきや、優しく注意されるだけで済んだタカシ

・しかし、その場に紛れていた友子の「それで?誰の胸が一番だった?」の一言で空気が変わりました
0284ほんわか名無しさん
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2015/08/05(水) 00:23:33.600
つ・猿夢ちなみん
0285・従姉妹が突然やって来たら
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2015/08/05(水) 21:50:08.200
>>271-278のつづき

〜〜


「なるほど、オープンキャンパスねえ」

「……ん」

短い返事とともに頷くちなみちゃん。
その小さな頭にはバスタオルが巻かれ、長い髪から水滴が落ちないようにしてある。
駅からここまで辿り着くのにも迷った挙句、いろいろな手違いから炎天下の下で待ちぼうけを食らったせいで全身汗だくということで、取り敢えずシャワーを浴びてもらった。
さっきアイスを買いに行っている間に浴びてくれていたら良かったのに、と思いながら、従姉妹とはいえ自分の部屋で女の子がシャワーを浴びている事実にソワソワしていたのは内緒だ。

「……こっちに、住んでるの……お兄ちゃんしかいなかった、し……日帰りは、大変だから」

確かに、あのド田舎からここまで来るにはかなり時間がかかる。
飛行機ならまだマシだが、お金の都合で夜行バスを使ったようだし、仕方ないか。
伯父の家ほど遠くはないが、実家からこちらに引っ越して来たときも相当大変だったし。
当時の苦労を思い出してしみじみとしていると、いつの間に取り出したのか、本日既に2つ目となるクーリ○シュを両手でモニモニと融かしているちなみちゃん。

「ちなみちゃん、さっき自分の分食べたよね……?」

「…………ちょーだい?」
0286・従姉妹が突然やって来たら
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2015/08/05(水) 21:50:58.280
こてん、と小首を傾げてこちらを見つめるちなみちゃん。

「……いいよ」

くっ、負けた!
この子絶対わかってやってる!
自分の仕草が可愛いってことを承知でおねだりしてやがる!
いつの間にそんな女子っぽいスキルを身につけたんだちなみちゃん……お兄ちゃん悲しいよ。
そして、そんな可愛さに負けたことが悔しくて、それを誤魔化すために適当な質問を投げかける。

「そ、それで、ちなみちゃんはどこの大学を見に行くの? こっからだと、丹井都大学とか……電車使えば、別府大とかも結構近いけど」

「……お兄ちゃんの大学」

「えっ」

「……お兄ちゃんの大学」

思わず聞き返すも、どうやら空耳ではないらしい。
しかしどうしても信じられず、おそるおそる確認してみる。

「ち、ちなみちゃん、もしかして、ウチの大学が第一志望なの……?」
0287・従姉妹が突然やって来たら
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2015/08/05(水) 21:51:55.340
「…………ん」

そっぽを向きながら頷くちなみちゃん。
照れているのか、それともさっきのシャワーの熱が冷めきっていないのか、ちなみちゃんのほっぺたは少しだけ赤くなっていた。


〜〜


10回ほどのコールの後、受話器を取る音。

『もしもし、椎水でございます』

「あ、伯父さん? お久しぶりです」

『んん? おじさん? あ、もしかしてマサコんとこの……』

「あはは、覚えててくれたんだ。流石だね」

『やっぱりそうか! すっかり男前な声になってたもんだから、一瞬わからなかったよ』

がっはっは、という独特な伯父さんの笑い声に懐かしさが込み上げてきて、自然に笑みがこぼれる。
仕事で忙しい父親の代わりに、伯父さんがよく遊びに連れ出してくれていたことを思い出す。
伯父さんは自営業だからそんなにお金は無かったけど、大自然の中での楽しみ方ならなんでも知っている人だった。

『そいで、どうしたんだい。そういや今一人暮らしだろう、スイカや米なら好きなだけ送ってやるぞ?』

伯父さんの問いかけで、現実に引き戻される。
0288・従姉妹が突然やって来たら
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2015/08/05(水) 21:54:30.490
そういえば、思い出に浸っている場合ではなかった。

「伯父さん、ちなみちゃんのことなんだけど……」

『ちなみ? 悪いなあ、あいつは今家出中でよお』

「家出……っ痛だ!?」

頭が唐突に後ろに引っ張られ、首が嫌な音をたてる。
後ろを見ると、口を強く引き結んだちなみちゃんが、ぶんぶんと首を勢いよく横に振っていた。
……さては、伯父さん達たちに黙ってここまで来たな、ちなみちゃん。

『最近反抗期ってやつでよお、しょっちゅう家出すんだよなあ、ちなみのやつ。まあどうせ今回も友達ん家にでも行ってんだろうからよ。今日か明日には帰ってくんだろ』

「ちなみちゃん、今ウチにいるよ」

「ん゛ん゛ーーーっ……!!?」

口を引き結んだまま、抗議の唸り声を上げるちなみちゃん。
ついでに服の裾をグイグイと引っ張られるが、無視して伯父さんとの会話を続ける。

『……な、なんだって?』

「ちなみちゃん、今こっちに来てるんだよ。オープンキャンパスとか言ってたけど、家出だったんだね」

『ちょっ、ちょちょちょちょっと待ってくれ……ちなみのやつ、今そこにいんのか?』
0289・従姉妹が突然やって来たら
垢版 |
2015/08/05(水) 21:55:06.980
「うん。代わる?」

『……頼むわ』

振り返り、ちなみちゃんに携帯を差し出す。
ちなみちゃんは膨れっ面でそっぽを向いており、抵抗の姿勢を見せていた。
実に可愛らしいが、そんなことよりも優先するべきことがある。

「ちなみちゃん、怒ってる?」

「…………お兄ちゃんの、いじわる」

「先に嘘ついたのはどっちかなー」

膨れたほっぺたをつつくと一度空気が抜けて、しかし再び膨らんで指を跳ね返す。

「……嘘ついてないもん……言ってなかった、だけ」

「同じでしょ、まったく。ほら、ちゃんと伯父さんと話しなさい」

手を引いてムリヤリ携帯を握らせると、渋々といった様子で通話を始めるちなみちゃん。
スピーカーからはこちらまで漏れ聞こえるぐらいに大きな伯父さんの怒声が響き、ちなみちゃんは拗ねたまま、ごめん、とか、でも、とかなんとかやっていた。
……結構時間がかかりそうだし、終わるまで、晩御飯の準備でもしようかな。


〜〜
0290・従姉妹が突然やって来たら
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2015/08/05(水) 21:55:31.850
結局ちなみちゃんと伯父さんの電話が終わったのは、それから1時間以上経った後だった。
ちなみちゃんの、ん、という短い言葉とともに手渡された携帯は、まだ通話中になっていた。

「もしもし、伯父さん?」

『おお。まったく困った娘だよ……』

伯父さんの言葉に苦笑いしつつちなみちゃんの方を見遣ると、再びタオルケットにくるまって不貞腐れていた。
……昔は、もっと素直だったかな?
しかし、反抗期というのは子供が自立するための成長の過程に必須とも聞くし、そう思えばなんとなく嬉くも感じる。
タオルケット饅頭を微笑ましく眺めているのとは裏腹に、伯父さんが溜息を吐く。

『まったく反抗期ってのは面倒だよ。男ならぶっ叩けばいいが、女の子だからなあ……』

「はは、そうかもね。こっちは見てて楽しいけど」

『他人事だぜ……』

「いやいや、成長の証だからさ。嬉しいなって。それに久々に会えたしね」

『うぐっ』

思い当たる節があるのか、伯父さんは言葉を詰まらせる。
伯父さんは昔から子供みたいなヒトだったけど、こういう面が、やっぱり父親なんだな、と感じさせる。
0291・従姉妹が突然やって来たら
垢版 |
2015/08/05(水) 21:56:10.900
それが嬉しいのと微笑ましいのとで思わず笑っていると、誤魔化すように伯父さんが捲し立てる。

『そりゃそうだけどよ、最近なんか頭撫でようとするだけでムスッとしやがって、子供扱いすんな〜ってよ。馬鹿おめえ親にとったら子供はいつまでも子供なんだよまったく。なあ?』

「ふふ、そうかもね。……それで、ちなみちゃんはどうする? 今日はもう遅いから泊めるにしても、明日にはもう送って行こうか?」

『あー、いや……それなんだけどよ……』

珍しく言葉を濁す伯父さんの様子で、大体の見当はついた。
オープンキャンパスが終わるまでの間だけ面倒を見てくれと言うのだろう。
こちらとしても、ただの美少女ではなく従姉妹が相手なら特に問題は無い。
……あれ? でも、ウチの大学のオープンキャンパスってたしか……。

『夏休みの間だけ、ちなみの面倒見てやってくれねえか?』

「…………マジ?」

二人の夏休み終了まで、残り24日――――


〜〜
0294ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/08/06(木) 10:25:40.550
お題

・暑さを和らげるために、メイドツンデレにミニスカメイド服を勧めるタカシ

・目の保養にもなるし一石二鳥だぜ!と心の中で考えるも、メイドツンデレの逆鱗に触れたようです

・そもそもメイドとは何か?から始まり、メイドの在り方、そしてメイド喫茶などの破廉恥な格好は
 もはやメイドではない!と正座させたタカシに、数時間のお説教をするメイドツンデレ

・やっと解放されたタカシは反省し、もうミニスカメイド服は捨てる事をツンデレに約束しました 

・「見たかったなぁ…」と消え入りそうな心の呟きを残し、部屋から出るタカシ

・タカシの呟きが聞こえたツンデレ

・その日の夜、タカシの部屋に訪問者が現れました
0295ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/08/08(土) 12:42:46.190
お題

・ツンデレと海に行く

・ツンデレと山に行く

・ツンデレと海外に行く

・ツンデレと遭難した
02971/4
垢版 |
2015/08/08(土) 19:06:38.480
・ツンデレのことを雨女だってからかったら〜その5〜

『あー…… 楽しかった。超っ最高』
 満足げなあたしの後ろを、憮然とした表情で別府がついて来る。
「こっちは酷い目にあったぜ。特に最後がな。マジ、最悪」
『なーによ。まだ怒ってんの? いいじゃん、別に。水に落っこちるだけなんだし。それ
に別府の落ちっぷり、すごい見事だったわよ。ホント、スマホ使えたら絶対動画取ってた
のになー』
 あいにく、コース上はカメラ携帯スマホの類は持ち込み禁止なので、あたしのスマホも
ロッカーの中だ。
「冗談じゃねーよ。それをまた女子同士で回して笑いのネタにするんだろ? 良かったよ。
あんなん取られなくて」
『しないわよ。だって、デート楽しそうで良かったわよねってからかわれちゃうもの。絶
対公開なんてしないもん』
「じゃあお前。もし撮ったとしたら、その動画どうするつもりだったんだよ?」
 別府の素朴な疑問に、あたしは一瞬固まった。しかしここで答えに窮しては余計にマズ
いので、あたしは混乱しながらも答えをひねり出す。
『え、えーと……そうね。まずは別府に送りつけて、一生の恥として記録させるでしょ?
あとは、そーね…… 親とケンカしたりとか、学校で良くない事があった時とか、これ見
ればスカッとするかなって……あはは……』
 ごまかすように答えつつも、自分の中で真っ先に浮かんだのは、全然違う妄想だった。
まさかこれを初デートの貴重な記録として見返したりとかなんて、自分だって信じられな
いのだが。
「ちぇっ。本気で良かった。あんなん記録に残らなくて。自分で自分のみっともない姿と
か、絶対見返したくないし」
『あーあ。ホント、残念。別府がその動画見て悶えてる姿とか見れれば、もう一粒美味し
かったのになー』
 振り向いてイタズラっぽく別府に笑いかける。その反応としてあたしが期待していたの
は別府の悔しそうな表情だったのだが、意外にも別府は微笑を浮かべてあたしを見つめていた。
02982/4
垢版 |
2015/08/08(土) 19:07:12.780
『な……何よ? 変な笑い浮かべて』
 逆にこっちが気恥ずかしくなって追求すると、別府は少し照れくさそうな顔になる。
「いや。楽しそうだなって思ってさ。まあ、経緯はともかくとしても、せっかく女子と二
人でデートに来てるんだから、女の子が楽しんでいれば、まあ俺は多少犠牲になっても仕
方ないかな、なんて思ったりしてただけで」
『うわ。気持ち悪っ!! 何そのくっさい言い回し。今、自分のことちょっとカッコいい
とか思ってたでしょ? あーヤダヤダ。何か鳥肌立つ』
 思わず引き気味に自分を抱き締めて、両手で自分の腕をさすると別府はややムキになっ
て文句を言ってきた。
「な、何だよ。いいだろ別に。こっちはこれでも椎水が楽しめるかどうかって心配だった
んだからな」
『お構いなく。そもそも、ここはあたしが選んだ場所なんだから、楽しめない訳ないでしょ
うが。別府がいようがいまいが関係ないし。まあ一人じゃさすがに寂しいけど』
「何言ってんだよ。人に散々ちょっかい出してオモチャにしてたくせによ…・」
 別府の憮然とした表情に、さすがにあたしもちょっと言い過ぎたかなという気はしてき
た。正直、友子や他の女子友達と来たり、仮に男子であっても他のクラスメートと来ると
いうのとは、ちょっと違った楽しさがある、というのは認めざるを得ない。けれど、それ
を正直に表に出すのにはかなりの抵抗があった。
『ま、確かにあの笑いは別府じゃないと取れなかったかもね。そういった意味では確かに、
楽しませてもらったわよ。うん』
 せめてものお詫びにと、ちょっとだけ立ててあげたのだが別府の憮然とした表情は変わ
らなかった。
「ちぇっ。俺はリアクション芸人かなんかの扱いかよ」
『まあ、そう拗ねない拗ねない。それより、キリもいいしお昼にしようよ。笑い過ぎてお
腹空いちゃったし』
 背中をポン、と叩いてうながすと、それで別府の不機嫌も多少は削がれたようだった。
「しょうがねーな。全く…… まあ、今はそれでもいいか……」
 最後の一言は、口の中で小さく呟かれたので、あたしにはよく聞こえずに聞き返す。
『ん? 何て言ったの?』
02993/4
垢版 |
2015/08/08(土) 19:07:41.880
「何でもねーよ。ひとり言。気にすんなよ」
『あ。どーせまた、一人で悦に入るようなこと言ったんでしょ?』
 からかうように肘でつつくと、別府は怒って否定してきた。
「言わねーよそんなこと!! つか、さっきだって別に悦に入ってたわけじゃねーし!!」
『ウソだあ。このナルシスト』
「違うって絶対!! 勝手に人のイメージ作ってんじゃねーよ。このバカ!!」
 何かこういうやり取りが、あたしはかなり楽しかったりするのだった。


「ん? 昼飯ってこっちじゃねーのかよ」
 お昼時で賑わっている軽食レストランを指す別府に、あたしは手に持っていたトートバッ
グを掲げてみせた。
『じゃーん。これ、何だよ思う?』
 わざとらしく思わせぶりに質問すると、別府は考え込む、というよりもちょっとためら
うかのように間を置いてから、半ば驚き半ば期待を込めるような表情で答えた。
「それってまさか……弁当か? 手作りの……」
『正解。ここのレストラン、昼時はすごく混むからね。お弁当なら、席無くてもレジャー
シートで何とかなるし』
「マジか。それってさ。もしかして俺の分も……」
 それに答えるにはちょっと恥ずかしくて勇気が必要だったけれども、頑張ってあたしは
コクンと頷いた。
『まあ、その……ほら。一応今日はさ。付き合ってもらってるみたいな感じなわけだし……
どうせ自分の分用意するなら二人分も大して変わらないし。だから、その……ちょっとし
たお礼? になるかどうか分からないけど……』
 口に出した途端、恥ずかしさが倍増する。何であたしは、こんな好きな人に言い訳する
みたいなこと言ってんだと。
「いや、その……お礼っていうなら十分過ぎるだろ。さっきイタズラされて落とされた分
も足してもまだ余るみたいな…… 却ってこっちが申し訳なくなっちまうって」
03004/4
垢版 |
2015/08/08(土) 19:08:37.940
『そんなことないでしょ? だって、ここまでの交通費も入場料も払ってもらっちゃって
さ。そっちから誘ったんならともかく、てかあたしが誘ったわけでもなくて、友子達に勝
手にそういう流れにさせられちゃったってだけなのに』
「それでも男からしてみりゃ十分美味しいシチュだってのに、この上手作り弁当まで貰っ
たらバチが当たりそうで……」
『なに言ってんのよ。そんな、別に期待するような大したもんじゃないし、半分は冷凍だっ
たりするし……それにあたし、一人分って上手に出来ないからさ。いつも量多めになっちゃ
うし、全然気にすることないってば』
「ホ、ホントにいいのかよ? そこまでして貰っちゃっても……」
 どうにも煮え切らない態度の別府に、だんだんとあたしは苛立ってきた。さっきからあ
りがたがっているような言葉も、実は迷惑の裏返しということなのだろうか?
『もう!! いるの? いらないの? いらないんだったら別にいいわよ。正直にいらな
いって言えば。別に別府なんかに食べてもらわなくたって、平気なんだから。自分で何か
買ってきて食べればいいじゃない』
「いや。そうじゃないって。てか、いらないわけないし!! もちろん!!」
『なら、素直に最初から喜べばいいじゃない。別にこんなので見返りとか求めてないわよ』
「わ、悪かった。ごめん。是非、食べさせてください。よろしくお願いします」
 あまりにかしこまって頭を下げるので、あたしはついおかしくなって笑みをこぼした。
『しょーがないわね。あっちいこ。テーブル席混んでるからさ。ちゃんと、シートも持っ
てきてんのよ』
 得意げにパン、とトートバッグを軽く叩いて示して見せると、別府は恐縮した顔で頭を下げた。
「いや。正直、ホント感謝してるよ。うん」
『そうそう。大いにありがたがりなさい。崇めよ、称えよ、なんてね』
 ちょっと大仰に冗談を言ってチョロっと舌を出してから、あたしは先に立ってレジャー
シートを広げる場所を探しに歩き出した。


まだまだ続きます
0301ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/08/16(日) 11:45:23.220
お題

・お盆なのに放置されて、激おこな幽霊さん
0302ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/08/16(日) 14:50:25.770
お題

・本当は恥ずかしいけどタカシの気を引く為に頑張ったツンデレと、 ツンデレの水着姿を周りの男に見られてイライラするタカシ

・ツンデレと海に行くので、身体を絞ってツンデレの気を引こうとしたタカシと、周りの女子がタカシを見て「カッコイイ…」とか言っていてイライラするツンデレ
0303ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/08/17(月) 16:09:56.540
メイドさんにメイド服じゃなく、スキニージーンズと、グレーの小さめTシャツで家事してもらいたい

普段はメイド服に隠れてる身体のフォルムを穴が空くほど見ていたい

こっそりエアコンの温度を上げて、腋汗を気にするメイドさんをニヤニヤと見つめたい

棚の上を掃除するときに、チラリと見えるお臍と、汗の滲んだ腋を堪能したい

その他色々恥ずかしい事をされて、半泣きでうずくまったメイドさんを、優しい言葉責めでトロトロにしたい

そのままイチャラブHと洒落込みたい

そんな妄想をノートにしたためているところをメイドさんに見つかって、フローリングに数時間正座させられながら、お説教されたい
0304ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/08/22(土) 16:44:48.450
お題
つ・ツンデレが「暑いのもうやらぁ……」って言ったら
 ・それを見ていた男が「え? 俺はもう少しなら続いてもいいなあ」って言ったら
0305ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/08/23(日) 12:55:35.470
ふぇぇツンデレと課題の追い込みしたいよぉふぇぇ暑さのせいにしながら次第に薄着になって誘ってくるツンデレえっちぃよぉ
0306ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/08/23(日) 13:08:31.680
そして課題の終わらないお前さんは逆に服を大量に着込まされて暑さで死ぬと

かなみ「それ終わるまでお預けなんだからね!!」
0307ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/08/23(日) 18:01:37.900
・ツンデレと海に行くので、身体を絞ってツンデレの気を引こうとしたタカシと、周りの女子がタカシを見て「カッコイイ…」とか言っていてイライラするツンデレ
【前巻までのあらすじ】
 友子から白スクを押し付けられた纏さんであったが、しっかりと彼女に天誅を下し、自らも納得の普通な水着(ワンピース)を手に入れる。
 一方のタカシはというと、纏さんから
「そのようなだンらしない格好で儂と海じゃと? 首根っこ引きちぎって野良犬に食わされたいんか? ん?」
と、獄卒もちびって逃げ出す殺し文句(誤用)をぶつけられる。そして松岡修造すら裸足で逃げ出す地獄の猛特訓を受け、ライザップ無用の体を手に入れた。
 逞しくなったタカシとひと夏のアバンチュールを妄想し、一人ニヤつく纏さん。何も知らぬタカシは、姿見で自らの肉体美に酔いしれる。
 そして夏休みのとある日、ついに二人は三浦海岸の砂浜へそろって降り立った。
 周りからはタカシの肉体に見とれる女性の熱い視線が集まり、本人はデレデレ顔のいい気分、纏さんはイライラが募る。
「焼きそば!」「から揚げ!」「ふらんく!」「ふらいどぽてと!」「かき氷!」「んぎぎっ! あ、頭がぁぁ〜〜……ッ!!」
「ヒィ〜〜財布がぁ〜……!」
 纏さんのやけ食い。無論支払いはタカシであり、これでは八つ当たり同然であった。そこに、見かねた名も知らぬ女性Aがタカシに近づき声をかける。
「ねぇねぇお兄さん、ウチらんとこ来ない? さっきから見てるけど、あの子ちょっとやり過ぎじゃね? スイカ割りしよ〜よ!」
 おお、ゴウランガ! 逆ナンである! 人生で初の超レアイベント! 男の夢! 普通ならば浮かれ放題になるのも無理からぬことであった!
 だが理性をしっかりと働かせたタカシは、やんわりと断るのだった。まさに男の鑑である。……ところが。
「中々楽しそうじゃな……? のう? タカシ……?」
 なんということでしょう! 理性が効いていないのは纏さんの方であったのだ。
 近くでスイカ割りをしている子供が持った棒きれをむんずと奪うと、爆発的なオーラを放ちながら大上段に構える。
「え? い、いやいや……! ほら、断りましたって、でしょ?」
「ちょ、ウチかんけーないから!! じゃ!!」 ビューン!!
 炎天下の下、氷のように冷たい言葉とともに脱兎のごとく逃げ出す女性A。
0308ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/08/23(日) 18:02:13.350
「お主なんぞ……お主なんぞ、フカのエサにでもなっとれぇぇぇぇぇぇええええッ!!」
 涙とともに唐竹割りに振り下ろされる一撃。放たれた剣気は飛ぶ斬撃となりタカシに襲いかかる!
「どわあああああああーーーっ!! ……てぃっ!!」
 息つくいとまもあればこそ。ギリギリ紙一重で一撃を避けるも、その水着はちぎれ飛び、余波が海を真っ二つに割る。
「もう知らぬ……もう知らぁーーぬ! ばかーーーー!!」
 駆け出す纏さんを追う術など、タカシには無かった。そもそも一糸まとわぬ姿である。
「ちょ、ちょっと待って……! せめてタオルだけでも……! おーーい!!」
 片手で股間を覆い、少し気持ち悪いポーズで纏さんを呼ぶしかないタカシであった。
 ――どれほど走っただろうか。纏さんは一人、岩場に腰を下ろし黄昏れていた。
 夕日が海を紅く染め、彼女の頬も同じく染め上げる。あどけなさを残しつつも幾ばくかの影を持ったその横顔は、神々しささえ感じられた。
 背後に人の気配を感じ取った纏さんは、振り向くことなく口を開く。
「何じゃ、大分かかったのう。あの修行でも足りんかったと見える」
 彼女の後ろに立っていたのは、無論タカシであった。
「あのね。フルチンで海水浴場プラプラできませんっての。上を下への大騒ぎになるぜ」
 その減らず口は、普段と変わらぬ声音であった。
「おなごの黄色い声は聞き飽いたか?」
「俺の中じゃ、誰かさんの声には敵わないみたいでしてね」
 纏さんの頭にそっと手を置くタカシ。纏さんも嫌がる素振りは見せず、為すがままだった。
「なんぞ、口説き文句の修行も必要と見えるの?」
「纏さんこそできるんですか? 今より顔が真っ赤になっちゃいそうですけど」
 タカシの軽口。それを聞き流した纏さんはすっくと立ち上がると彼に振り返り、その腰に両手を回す。
「えっ!? ちょ……!」
 慌てるタカシだが彼女の力は思いのほか強く、身動きが取れない。
 一言も発せずたじろぐタカシに、纏さんは挑発的な目で囁くのだった。
「儂の座右の銘を教えちゃろう。不言実行じゃ……っ!!」
 次の瞬間、背伸びをした纏さんの唇が ああ、本編を書くスペースがない! 残念!
0311ほんわか名無しさん
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2015/08/25(火) 15:22:39.700
>>304
 インマイルーム
あ「暑いよぉぉ〜〜……」
俺「うっせえなぁもう。そうやって声出してっから余計暑くなんだろうが」
あ「あっついもんは暑いんだよぉーー……!! ボク暑いのもうやらぁ……っ!!」(ジタバタジタバタ)
あ「……うへぇ〜〜。また暑くなった……」(くてん……)
俺「アホか、ったく……。ま、俺はもう少しなら続いてもいいなあ、暑さ」
あ「うげげぇ〜〜〜、信じらんねぇー……」(うぞうぞウニウニ)
俺「何だその動きは」
あ「床の冷たい部分を探してんの。あ、ここ冷たくて気持ちい……。でさ、なんで暑くてもいいの?」
俺「ん? ああ……それなんだがな。まぁちょっとそのままで聞いてくれ」
あ「このまま……? うん、分かった」
俺「暑いと、お前は今みたいにフローリングに寝そべって冷たい所を探すよな? 猫みたいに」
あ「猫みたいには余計だけど、うん」
俺「で、夏は薄着になる」
あ「とーぜん。厚着するバカなんて見たことないもんね。ボクもミニを穿きますよー。涼しいんだよね、コレ」
俺「そうそう。そんな訳で、薄着のお前さんが今みたいにそうしてると、チラリチラリと舞い遊ぶように姿を見せるんだわ」
あ「アゲハ蝶が?」
俺「パンツが」
あ「(ばっ!!)ちょっ!! もっと早く言えよ!!」
俺「あ〜あ。言ったじゃら見えなくなっちゃったじゃないの」
あ「あ〜あじゃないよばかッ!! 変態!!」
俺「ほらほら、大声を上げるとまた暑くなりますよ」
あ「誰のせーだと思ってんだよっ!!」
俺「俺」
あ「にゃあああああああムカツクゥゥゥゥゥーーーーッ!!」 ジタバタジタバタ
俺「お、また見えた」
あ「(ばばっ!)うう……っ! この、ド変態ぃーーーーっ!!」
 この後汗だくセックスした
0312>>308
垢版 |
2015/08/26(水) 15:07:55.140
「という感じでですね、一緒に楽しもうかと思うんですが、どうでしょう」
「どうもこうもあるか戯け。儂は化け物かアホンダラ。漫画の見過ぎじゃダボハゼ」
 纏さん宅の縁側にて。素敵な海水浴の計画を提案してみたのだがこの返答である。しかも真顔で。非常に胸が痛む。
「ダメか〜。やっぱそうか〜」
「しかも何じゃ、前巻までのあらすじって。そも、先に水着も用意せにゃならんのじゃぞ? 儂は」
 そうでした。友子から貰ったという水着はスッケスケの白スクで、とてもとても着ていけるものじゃなかったのだった。
「ん〜、でもどうします? そんなこんなしてたら時期逃しちゃいますよ」
「そこじゃよな。すでに盆を過ぎとる。海月だらけの海はちと辛いの」
 はてさて困った。まだまだ暑さは続くのだ。正直、海には行きたい。
「む〜……」
 二人して頭を抱え込む。……そうだ。
「いっそこのまま行ってみますか、海」
「なん……じゃと」
「なにも泳がなくたっていいんですよ。それは来年にとっておいて、とりあえずの下見として。海の家も8月一杯やってますし。どうです?」
 俺の逆転の発想に、纏さんは珍しく呆気にとられた顔をしていた。
「それもありか……。いやしかしなんちゅーか、本末転倒じゃのう」
「そっすかね? 確か纏さんは、海に連れて行け、としか言ってなかった気がするんですけど」
 俺はこの計画の発端となったやりとりを思い出す。やりとりと言うか、突然纏さんが奢りで海に連れて行け、と言い出したのだが。
「ふむ。それもそうじゃったな。奢りで、な?」
「うぐっ……。それ覚えてましたか」
「まぁの。じゃがまぁ、そこは撤回してもよい。お主の発想力に免じての!」
 にこにこ顔の纏さん。こんな美少女と海に行けるのだから、電車代くらいならやぶさかではないのだけど。
「何じゃ? 儂の顔になんぞ付いとるかの?」
 ぼけっと纏さんを見ていた俺に、ひょいと彼女が顔を近づけきた。
「あっ、いや……っ! べ、別に……」
 慌てて顔をそらす俺に、先程とは打って変わった悪戯めいた表情で笑う。
「かかかっ! おぼこの様な声を上げおってからに! お主、さては儂に惚れとるのぉ〜?」
 人差し指をくるくるさせて言うと、着替えの為か奥へ引っ込んでいく。
 全く。今更何を言ってるんだか…。
0313ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/08/27(木) 16:49:16.750
お題

・クリーム派のツンデレと、あんこ派のタカシ

・そば派のツンデレと、うどん派のタカシ

・きのこ派のツンデレと、たけのこ派のタカシ

・ねこ派のツンデレと、いぬ派のタカシ
0314ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/08/29(土) 16:28:15.550
みんなまとめてすまんがGJ!
0315ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/09/06(日) 04:25:48.190
タカシ「猫だよ!」

山田「いいや犬だね!」

タカシ「猫の方が可愛いに決まってる!」

山田「犬を見たことないのになんでわかるのさ!」

タカシ「はあ!? そんなの想像すればわかるし!」

山田「はんっ、思考停止乙〜」

タカシ「てめえ!!」

ギャーギャー


ちなみ「あうあう……」 オロオロ

友子「おいっす〜……って、あら? 何コレ」
0316ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/09/06(日) 04:26:35.580
ちなみ「あ……友ちゃん……これ止めて……」 オロオロ

友子「親友を豪語して憚らないこいつらが喧嘩なんて珍しい。なんで喧嘩してんの?」

ちなみ「……私も最初からいたわけじゃない……から、わかんない……けど……たぶん……」


タカシ「猫だ!」

山田「いーぬー!」


友子「…………はあ、下らない」

ちなみ「……そうだけど……でも……」 オロオロ

友子「はいはいわかってるわかってる。ほーらーあんた達! ちなみが怖がってるでしょ! 下らない喧嘩なんてやめなさい!」 グイ
タ・山「 く だ ら な い ? 」 グリン


友子「ひっ……!?」 ビク

山田「聞き捨てならないなぁ……友ちゃん」
0317ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/09/06(日) 04:27:02.830
タカシ「俺たちの議論が下らないと……?」

友子「そっ、そうでしょうが! 猫だとか犬だとか! どっちも可愛いいんだからどっちがどっちとか関係ないでしょ! 喧嘩するようなことじゃないわよ!」

タカシ「…………ふむ」

山田「……一理ある」

友子「ほっ……」

ちなみ「友ちゃん……すごい……!」 キラキラ

タカシ「この際だからどっちもやってみるか?」

山田「そうだね、それがいいと思う。友ちゃんもこう言ってることだし」 ガシ

友子「え? な、なに?」

タカシ「ほれちなみ、お前はこっちだ」 グイ

ちなみ「え……? あ……う……?」 ズルズル
0318ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/09/06(日) 04:28:07.570
<ちょっ、なに……ど、どこさわってんのよ! あっ……ちょっと……まっ! あっ! あー!!


<ぁ……! ちょ、ちょっと……ぁー……! ぅ……ぁぅぁぅ……!


〜10分後〜


タカシ「…………」

山田「…………」

タカシ「すげぇな……」

山田「うん……」


ちなみ「ぅぅ……//////////」←犬耳犬尻尾もふもふ毛皮コス


友子「ぐっ……!//////////」←猫耳猫尻尾ピッチリタイトコス
0319ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/09/06(日) 04:28:51.960
タカシ「ちなみ可愛いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!
犬耳可愛い性格に似合わない挑発的なつり目とサラサラストレートショートの黒髪と華奢な体躯で一見するとマジ猫な感じだし性格的にもツンデレっていうか構い過ぎるとどっか行くしでも放置しすぎるとすり寄ってくる感じとかマジ猫だけど
犬 コ ス も 可 愛 い ! ! しかもコレ友子のやつだからめっちゃブカブカでその小さめのお胸とお尻から今にもズリ落ちそうな上に恥ずかしくて今すぐ逃げ出したいのに落ちちゃったら全裸でもっと恥ずかしいことに
なるのを気にしてその場から動けないけどやっぱり恥ずかしくてその場でプルプル震えてるとことかマジチワワ!! マジキャワワ!! 涙目でめっちゃ睨んでるのに身長低いからめっちゃ上目遣いみたいになってキュンキュンキュン死しちゃう!!!」 パシャパシャパシャパシャ


山田「友ちゃん可愛いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!
ふわふわミドルで天然のウェーブがかった明るめの茶髪でしかも垂れ目で完全に犬コス以外ありえないとか思ってたけど 猫 コ ス も マ ジ シ コ ! ! 特に体格が全然違うちなみちゃんのコスだからお尻も半ケツどころか
3/4ケツぐらいでプリンってはみ出てるとことかさらにピッチピチのタイト系の生地のせいで全然伸びなくてお肉が生地のふちに乗っちゃってるのとかマジエロス!!! 更にお胸なんか後ろでホック閉めようとしたら弾けちゃってもう留めるもん
なくなって布を両手で抑えるしかない状態になったせいで僕のこと殴りたくても殴れないしスカートがピッチピチだからうまく移動できなくて転んで醜態晒すのが嫌だからってほんと薄っすら涙目で睨みつけてるのとかマジで嗜虐心をそそる
っていうか誘ってんじゃねえのかあ!?」 パシャパシャパシャパシャ
0320ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/09/06(日) 04:30:48.300
タカシ「いやあ犬も捨てがたいな。さすがだぜ親友」 ガッシィイイイ

山田「なんのなんの、そちらの猫も全くたいそうなものだよ。恐れ入ったぜ親友」 ガッシィイイイ

タカシ「よし、決着も着いたところで、そろそろ脱いでもいいぞお前ら。写真もバッチリ撮ったし」

山田「うん、そうだね。二人とも……って友ちゃん? そんなふうに拳を振り上げたらおっぱいがぽろりんってはみ出ちゃうよ? あっ、あっ、乳首見えそう! だから拳を下ろして、ね!?」

タカシ「そ、そうだぞ〜ちなみ。そんなふうに脚を持ち上げたら中身が、ほら、パンツパンツ! 可愛い猫さんパンツが見えてるって! ぁっ」





ギャアアアアアアアアアアァァァアアァァァアアァァァ…




この後メチャクチャボコボコにされた
03221/4
垢版 |
2015/09/06(日) 11:46:31.130
・ツンデレのことを雨女だってからかったら〜その6〜

「ここら辺とかいいんじゃね? そんなに人もいないし」
 別府の提案に、あたしは立ち止まって周りを見る。そんなに、とはいってもシートを広
げた家族連れやらカップルなんかでそこそこ埋まってはいるが、広場の端の方でもあり、
自分達の場所も十分にあった。
『そーね。あんまウロウロしてても時間の無駄だし』
 トートバッグからレジャーシートを取り出して広げると、片方の端を別府に差し出した。
『別府。そっちの端っこ持って』
「ここか?」
『そう。そのまま立ってて』
 あたしは後ずさりに下がってシートを大きく伸ばす。
『はい。じゃ、行くよ』
「おう」
 あたしが両手を大きく広げたのをみて、別府も同じようにする。
『せーのっ!!』
 バサッと大きく音を立てて、シートが地面に広がる。二人で座るにはちょっと大きいか
も知れないけど、家にはこのサイズしかなかったのだ。まあ、ご飯のあと、ちょっと休憩
したい時に伸び伸びと使えるという利点もあるけど。
『風、ほとんどないから多分大丈夫だと思うけど、靴で重石の代わりにしといて』
 完全にあたしが主導権を握って別府に指示を出す。もし、仮にあたしが別府と結婚なん
てしたら、こんな風にかかあ天下な感じになるのかなと妄想してしまう。しかし、一瞬の
ちに、なんて想像してるんだと恥ずかしくなってあたしは大きく首を振った。
「ん? 何やってんだ? 椎水」
『な、なんでもない!! 気にしないで!! それより、ほら。準備できたら座って座って』
 深く突っ込まれたらボロが出そうなんで、あたしはシートを指して別府を急かした。向
かい合わせに自分も正座すると、トートバッグからナプキンで包んだお弁当を取り出す。
『そんな立派なもんじゃないから、期待しないでよ』
 別府が食い入るように見つめているのに気付いて釘を刺したが、別府は身振りでそれを退けた。
「いやいや。お弁当の質はともかくとしても、やっぱり期待はしちゃうだろ。椎水ってど
んなお弁当作るんだろって」
03232/4
垢版 |
2015/09/06(日) 11:46:57.540
『どんなって……普通のよ。超、普通』
 ナプキンの結び目を解くと、段重ねになったタッパーが姿を現す。
『アハハ…… なんか、二人分詰めるってなったらちょうどいい大きさのお弁当箱とか無
くてさ。タッパーに詰めるしかなくなっちゃって…… 見栄え的に良くないけど』
「いや。まあ、その……いいんじゃね? 別に……その、さ。彼氏のためにお弁当作って
来ました、とかってんならともかく、ピクニックのランチ的なものなんだろ? だったら、
そこまで見栄え気にしなくたって」
『ぐぅ……』
 別府はフォローするつもりで言ったんだろうけど、あたし的にはなんかダメ出し食らっ
たような気分になってしまった。確かにロマンチックな展開期待して作ったわけじゃない
けど、でも初めて男の子に食べさせるお弁当なんだから、やっぱり箱にもちゃんと気を遣っ
たほうが良かったかもしれない。
『い、入れ物はさ。不格好かもしれないけど、見栄えはいいんだからね。お母さんにもちゃ
んとチェック貰ったし。ほら』
 おかずの入ったほうのタッパーのふたをめくって開ける。
「おおっ。何かスゲー!! 手作り感の雰囲気、超出てんじゃん!!」
 ちょっと感動した風の別府の態度に、あたしの不安は一気に消えてなくなった。調子に
乗ってお弁当の説明とか始めてみる。
『でしょでしょ? このポテトサラダと、あとミニハンバーグと、卵焼きはあたしが作っ
たの。ウイングチキンのから揚げは冷凍なんだけど…… あと、下に敷いたキャベツの千
切りは、これは時間なくてお母さんにやってもらって……』
「へー。でも、卵焼きとか厚く巻くのって結構難しそうだけどな。上手じゃん、椎水」
『練習したもん。って、別府のためとかじゃなくて、やっぱ女の子なら卵焼きくらい上手
に焼きたいじゃない。ハンバーグとかは、スマホでレシピ見ながら出来るけど……』
 これは半分本当で半分はウソである。やっぱり、男子に食べさせるという目標があるの
とないのとでは、練習のやる気も全然違うのである。おかげであたしの二週間の朝ごはん
はほぼ毎日、失敗した卵焼きだったのだから。
「いや。でもこれ、言うほど簡単じゃないだろ? その……早速食ってみてもいいか?」
03243/4
垢版 |
2015/09/06(日) 11:47:34.890
 テンションが上がって逸りぎみになっている別府を、あたしはいったん制止した。
『ちょっと待ってよ。まだあるんだから』
 慌てて他の二つのタッパーを開けた。
『こっちは、たこさんウインナーと、アスパラのベーコン巻きとね。あと、トマトをハム
で挟んだのと、基本的に全部つまようじで差してつまめるような感じのにしたの。で、こっ
ちが……』
 いったんそこで言葉を切って溜めると、あたしは一番大きいタッパーを手に持って、別
府の方に向けた。
『じゃーん!! おにぎり。全部ちょっと顔、書いてみたの。可愛いでしょ?』
「へー。マジか。超凝ってんじゃん」
 三角おむすびと俵おむすびのそれぞれに色んな表情の顔を書いてみたのだ。それを別府
が感心して眺めるので、あたしはますます鼻高々な気分になった。
『どーよ!! 普段女子力低いとかバカにされてるけど、あたしだってやれば出来るんだ
からね。おしゃれだって、お料理だって』
 わざとらしくポーズをつけて胸を張ってみせる。いや。胸を自慢してるわけじゃないけ
ど。そもそも自慢できるほど大きくもないし。
「いや。俺は別にバカにしてはいないぞ。ただまあ、確かに椎水ってスポーツ女子ってイ
メージしか持ってなかったから、意外っちゃあ意外だけど。けどまあ、別に女の子ったっ
て、人それぞれなわけだし…… もちろん、出来るに越したことはないけどさ」
 微妙のちょっと引っ掛かる気もしないではないけど、少なくとも一つ別の評価をしてく
れたということなのだろう。機嫌の良いあたしはそう好意的にとらえることにした。
『じゃ、早速食べてみてよ。はい。これ、割り箸』
 よくある紙袋に入ったお手元を別府に差し出すと、別府はそれを受け取りつつも手をス
マホに伸ばした。
「ちょっと待って。せっかくだから、食う前に写真撮っときたいんだけど」
『え、ダメ!!』
 あたしはとっさに拒否をして手でお弁当を上からかざして隠すようにした。
「何でだよ? せっかく良い出来なんだし、記念にさ」
03254/4
垢版 |
2015/09/06(日) 11:49:18.810
 不満そうな別府を前に、あたしはちょっと返事に窮する。ダメな理由はちゃんとあるけ
ど、正直に言うのはためらわれた。しかし、他にごまかす理由もないので、仕方なく小さ
く口にする。
『その…… だって、記念にするほどじゃないし……あ、あとからその……見られるのは、
恥ずかしいかなって……』
 口にするのも恥ずかしくて、あたしは手を引っ込めるとうつむいた。しかし、別府はな
だめるように説得に掛かってくる。
「大丈夫だって。椎水だって出来上がったとき写真、撮ったんだろ? アスレチックはス
マホ持込禁止だしさ。こういうので記念にしたいんだよ。あと、絶対人に見せたりしないし」
 そう言われると、別府の気持ちも分からなくないではない。それに、写真に撮りたいっ
ていうほど気に入ってくれることが嬉しくもあったので、あたしは渋々といった体で許可した。
『……絶対、人に見せないでよね。もしやったら、二度と口利かないから』
「分かってるよ。約束するし」
 別府はスマホを構えて写真に収める。全体で1枚とタッパーごとに1枚ずつ。それを撮
り終えてから、スマホを脇に置いて割り箸を取った。
「さて。じゃあ食うぞ。椎水、一番のおすすめは何だ?」
『へ?』
 ちょっとボーッとしていたあたしは急な質問に驚いたが、すぐに気を取り直して箸で差す。
『そ、そうね。やっぱ、卵焼きかな? 苦労したもん。あと、一番美味しく出来たなーっ
て思うのはポテサラ、かも』
「じゃ、まずは卵焼きで。いただいて、いいか?」
『ど、どうぞ。一口目はちゃんと、ゆっくり味わって食べてよね? ガツガツ行かれたら、
せっかく作ったのにもったいないし……』
「了解。じゃ、一口ずつ、よくかんで味わうとするか」
 もちろん何回も練習して、毎朝食べたんだから不味いわけはない。ただ、味付けって人
によって好みが違うから、果たして別府の口に合うかどうか。それが心配であたしは、自
分はお弁当に箸も付けずに緊張して別府が食べるのを見守った。

つづく

>>320
タカシも山田も変態すなあwwwwGJ
0326ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/09/06(日) 19:34:54.250
素晴らしいかと思ったけど

一発ぬいて冷静になって読み返したら2発目でたわ
03271/4
垢版 |
2015/09/17(木) 17:29:23.020
「ねえ、友ちゃん」
『何よ?』
「僕たち何をしているのかな」
『何って、はりこみでしょ。いつもの事じゃない』
「ゴメン、言い方が悪かった。何で二人で掃除道具入れのロッカーに入ってるの?」
『ここが文芸部の部室で、部員がちなみと別府の二人だけだからよ。』
「隠し撮りだよね。やめたほうがいいよ、絶対」
『教室じゃそれとない態度をとり、付きあってるのか聞いても否定ばかり。けれども
 私にはわかる、絶対何かある。きっと二人きりなったらキャッキャウフフどころか
 ズッコンバッコンしているに決まっているわ』
「前者はともかく後者になったら謝罪してから出ていくべきだと思うよ。次の日から
 顔を合わせにくくなるから。後かれこれ30分くらい居るけど誰も来ないし、一回外
 に出たいんだけど」
『だめよ、外に出ている時に来たらどうするのよ。このまま待機、部長命令よ。』
「もう、わかったよ(二人で入る必要あるのかな)」

      ガチャ  カラカラ

『やっと来たわね。ちなみ一人、これはこれで楽しみね』小声

『ゆ〜け〜風の如く〜宿命〜の剣士〜よ闇にま〜ぎれて〜』
03282/4
垢版 |
2015/09/17(木) 17:30:27.750
「『!?』」
『何、いきなり何なの?』小声
「SAVIOR IN THE DARK いきなり聞くとびっくりするね」小声
『知らないわよ、けど意外ね。歌うちなみなんて見たことないわ』小声
「気持ちよさうだね、抑揚が殆どないけど」小声

『せま〜りくる影を〜一網打尽叩き切って気高く吼えろ〜』
      カラカラ         
「悪い、ちょっと遅れた。」
『何をしていた…まったく…』
「ごめんごめん、そんじゃあ始めるか」

『キター!!さあ、MA☆GU☆WA☆RE☆』小声
「女の子としても人としてもアウトだよ、友ちゃん」小声

「レイアウトはこれでいいか?」
『うん…タカシにしては上出来…』

『はぁ?』小声
「健全を絵にかいたような普通の部活動だね」小声
03293/4
垢版 |
2015/09/17(木) 17:31:16.020
    〜1時間30分後〜
「だー疲れた。今日はこの辺でいいんじゃないか?」
『そうだね…きりもいいし…今日は終わっとこう…』
「はいよ、そんじゃ」
『なんだ…その手は…』
「なんだって、いつも繋いでるじゃないか」
『だから…そういうのは…学校を出てから…皆に知られると…恥ずかしい…』
「あー、俺は知られても気にしないんだがなぁ。ちょこちょこ聞かれるし」
『むぅ…じゃあ…まぁ…そのうち…』
「おう、それじゃあ帰るか」

     カラカラ ガチャ

「『ぶっはぁ!』」
『ふー、とうとう尻尾を出したわね。次は二人でいる時をねらって自宅突撃ね』
「やることがガサ入れの警察みたいだね。そのうち話してくれるんじゃない。それま
 で大人しく待っていようよ。二人に嫌われるよ」
『まったくお人好しよね、あんたって。まぁ、つつき過ぎて頑なになられても困るし
 それにネタも見つけたし、今回は引き下がるわよ』
「人の恋路を邪魔しちゃだめだよね、やっぱり。」
『わかったわよ。じゃあ、私たちも記事作りを始めますか!』
「ええ!今から?もう遅いし明日でいいんじゃない」
『何言ってんの、ネタは鮮度が命よ。さぁ私の部屋で徹夜で完成させるわよ』
「強引なんだから、前みたいに途中で寝ないでよね、一人で大変だったんだから」
『わかってるわよ、あんたに寝顔を見せるなんて醜態は二度としなわよ』
『(ほんとに何にもしないんだから、このヘタレは)』
「本当に頼むよ」
「(ロッカーの中でずっと友ちゃんのお尻と密着してたから、横で寝られたら理性が
 負けてしまうかもしれない、とは言えないよね)」
03304/4
垢版 |
2015/09/17(木) 17:32:41.900
「おーす。山田、眠そうだな」
「あぁ、おはよう。徹夜で記事作ってたからね、見る?」
「おう勿論、でも見せて大丈夫なのか」
「大丈夫だよ、どうせ昼には皆知ってることになるんだから」
「確かにそうだな。んじゃ、どれどれ今回の特集は、」

シリーズ最新作 牙狼-紅蓮の月- 10月9日から放送開始!!

椎水ちなみ氏絶賛の牙狼シリーズ、その最新作の放送がもう間近に迫っている。
そこで今回は今までの作品の解説は勿論、新作の魅力をたっぷりとお届けしたい

「ふーん、ちなみってこのアニメのシリーズ好きだったんだ。全然知らなかったな」
「アニメになったのは最近のだけで、ずっと特撮だったみたいだよ」
「へー。あ、本当だ魔戒騎士に黄金騎士…ふーん」

『  』ベシベシベシベシ
『痛い!痛い!無言で叩かないでよ、せめて何か言ってよ!』

〜終われ〜
0332ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/09/19(土) 19:29:26.490
友ちゃんと山田が実は一番噂になってるんじゃないかと思わないでもない昨今
知らぬは本人ばかりなりで


>>325の続き5レス貰います
03331/5
垢版 |
2015/09/19(土) 19:30:03.920
・ツンデレのことを雨女だってからかったら〜その7〜

「うん。美味いよ。お世辞抜きで言って」
 別府が納得の顔でうなずくのを見て、あたしはホッと小さく安堵のため息をついた。
「表面のこげ具合もちょうどいいし、中は柔らかいし、何より味付けが甘くないのがいい
な。俺、正直卵焼きは甘くない方が好きだから」
『そ、そうなんだ。うちもお父さんが甘いのは嫌いでさ。だから粉末のだしと塩をちょっ
とずつ入れて、薄味にしてあるの。あたしもその味に慣れてるから』
「そっか。少なくとも、卵焼きの味については、一緒の好みなんだな」
 一緒、という言葉にあたしは不覚にもドキッとしてしまった。
『だ、だから何よ。別にそんなの、特別なことでも何でもないし……わざわざ一緒とか言
う意味わかんないわよ』
 恥ずかしくて別府の言葉を全否定しつつ、あたしも卵焼きを一つ箸でつまんでかじった。
もちろん作った時に味見はしたけれど、今ここで別府の感想を貰ってから食べると、あら
ためてこれまでの中ではベストな出来だったと実感する。
「そ、そっか。ゴメン。変なこと言って。えっと……じゃあ、こんどはハンバーグ貰おうかな」
『いいわよ。いちいち断らなくたって。うっとうしい。勝手にどんどん食べてって』
 何かこのやりとりがむず痒くなって、あたしはつい素っ気無い態度でお弁当を別府の方
に押しやった。
『別府もさ。その……いちいち断りながらだと、食べた気しないかもしれないし。遠慮な
んていらないから』
 別府は少しだけ戸惑ったような顔をしたが、すぐに笑顔に戻ってうなずく。
「そっか。じゃあ、遠慮なく。うん。これも美味いわ。弁当だから冷えてるのは仕方ない
けど、ソースがよく合ってる」
 満足げな別府を見ていると、やはり落ち着かない気分になってしまうため、あたしはそ
れも退けようとした。
『感想もいいわよ。いちいち食べるたびに美味しい理由探すのだって大変でしょ? グル
メリポートじゃないんだから、普通に食べてくれればいいの』
「別に思ったこと素直に口に出してるだけだから、そんな大変でもないけどな。それに、
椎水だってなんだかんだ言ったってやっぱりせっかく作ったものだし、食べさせてやった
相手の評価は気になるんじゃないのか?」
03342/5
垢版 |
2015/09/19(土) 19:30:34.300
 それを言われるとまさにその通りなので言い返すことも出来ないのだが、だからと言っ
て感想言われるたびに感じるくすぐったくて悶絶しそうな感じも分かって欲しい。
『だ、大丈夫よ。顔見てりゃ口に合ったかどうかなんて分かるし。それにさ。あたしの作っ
たのを意識してたら、鳥手羽のから揚げとか食べらんないでしょ? だから、全然気にし
ないでいいの。最初の卵焼きの感想だけで十分だから』
 断固として拒否を続けるあたしに別府は納得行かない様子で首をかしげた。
「じゃあさ。別に無理に感想付けようとはしないよ。ただ、普通に俺が感想言いたいなっ
て思ったら言ってもいいだろ? 逆に我慢すると、今度はこっちが気を遣ってせっかくの
美味しさが半減しそうでさ」
 これにはさすがのあたしも強気にダメとは言えなかった。やっぱりせっかく作ったお弁
当は美味しく食べて欲しかったし、それで別府の気分が萎えるのはこっちも困る。
『う…… じゃ、じゃああくまで自然にってことでなら…… あ、あたしもいちいちお礼
とか言ったりしないからね。そもそも別府に褒められても大して嬉しいわけでもなんだから』
「大してってことは、ちょっとは嬉しかったりするわけ?」
 別府が言葉尻をとらえて攻めに掛かってくる。あたしの気持ちが若干弱腰になっている
のに気配で感づいているらしかったが、こっちだって言われっ放しでいるわけにはいかない。
『ちょっとも何も無いわよ。そりゃ、不味いって言われたら嫌だからホッとはするけど、
それだけよ。そんなの、別府じゃなくたって誰に対してだって感じることなんだから』
 しかし、あたしの言い訳に別府は呆れたように肩をすくめただけだった。
「はいはい。じゃ、今度はポテサラ貰いますかね。やっぱ一通りは椎水の手作りを食べて
からにしないと」
『ちょっと待って!!』
 箸を伸ばそうとした別府を制すると同時に、あたしはおかずの入ったタッパーを引っ込
めて、おにぎりを別府の前に回した。
「何だよ。自由に食っていいってさっき言ったじゃん」
 ちょっと不満気に別府が文句を言ってきたが、どうにも演技っぽくて鼻に付いた。
03353/5
垢版 |
2015/09/19(土) 19:31:02.340
『言ったけど、でもおにぎりも食べてもらわないと、先におかずばっかバクバク食べて、
あとでお腹いっぱいになっておにぎりばかり残されても困るもん。ちゃんと順序良く食べ
てもらわないと』
 本当の理由は、このままあたしの作ったものを食べてほめ続けられては、精神が耐えら
れなさそうだからだ。おにぎりなら、形の感想程度で中は出来合いのものだから褒めるも
のではないし。それに、これにもちょっとしたいたずらは仕込んであるし。
「わかったよ。何か顔が描いてあると少し食べるのにも抵抗があるけどな。じゃ、とりあ
えずこれ貰っとこうかな」
『あ、ちょっと待って』
 別府が手を伸ばそうとするのを、あたしは制した。そして、そっと戸惑いがちにおにぎ
りの一つを指で差す。
『これ。このちょっと勇ましそうな顔したのから食べてよ。実はこれ……さ。あの……ちょっ
と、別府の顔をイメージして描いてみたんだ』
「マジで?」
 別府の嬉しそうな驚き声に、あたしはしめた、と思った。実は、いたずらというのはこ
のおにぎりの具は、たっぷりのわさび漬けなのだ。別府の悶絶する写真をスマホに収めて、
後々まで笑い話にしてやろうと企てて、あたしはバレないようにそっとスマホを手元に引
き寄せた。
「いや。ちょっと待て。やっぱそれは止すわ」
 寸前で別府がおにぎりを戻すのを見て、あたしは慌てて抗議した。
『ちょっと、何でよ? あたしがせっかく別府に勧めたのに戻すことないじゃない。大体
それ、マナー違反じゃない?』
 しかし別府は、明らかに疑わしい目つきをあたしに向けた。
「いや。椎水が俺をイメージしておにぎりを作ってきた、なんて可愛らしいことするなん
て、どうにも裏がありそうでな。何か、中の具が実は唐辛子たっぷりのねぎ味噌で、俺を
悶絶させて楽しむ気なんじゃねーかなーって」
『ギク』
 思わず発したうめき声に、別府は得心のいった顔でうなずいた。
03364/5
垢版 |
2015/09/19(土) 19:31:32.460
「やっぱりな。男心をくすぐるようなこと言ったのもわざとで、どうせ俺の顔に似せたっ
てのも単なる目印とかだろ? ホント、さっきといい性格悪いよな」
『そこまで言う事ないじゃない。大体唐辛子たっぷりとかわさびたっぷりとか、そんな味
を壊すような真似してないもん。ちゃんと普通の食材使ってるもん』
 そればっかりはウソじゃないのであたしはムキになって主張したが、そうなると次に来
るのは当然、別府からの追求だった。
「じゃあ、中の具は何なんだよ? 答えないなら割って調べさせてもらうぞ」
『あ、それはダメ!! 絶対!!』
 割られてしまったら、もうそれはご飯と普通のわさび漬けだ。それでは当初の目論見は
完全に失敗してしまう。だからあたしは慌てて答えた。
『わ、わさび漬けよ。わさび漬け。ただその……具20%増量って感じだけど』
「ああ。そりゃ確かに、知らずに食ったら悶絶すっかもな。しかも具材増量となりゃ、こ
りゃ割ってちまちま食うのが無難かな」
『だーっ!! ちょっと待ってってば!!』
 だから割られたら無意味だというのに。慌てて制止するあたしを、別府はまた疑わしげ
に睨んだ。
「何だよ。もう中身バレたんだし、問題ないだろが」
『じゃんけんしよ。じゃんけん!!』
「は?」
 キョトンとした顔の別府に、あたしは拳を突き出す。
『勝負よ、勝負。あたしがじゃんけんで勝ったら、別府はそのおにぎりを一気食いするの。
食べ終わるまで飲み物なしで』
「お前…… どうしても俺を悶絶させたいらしいな?」
 呆れ顔の別府に、あたしはコクンとうなずく。
『当たり前でしょ? ここまで仕込んどいて後には引けないわよ。不意打ちは失敗しちゃっ
たけど、分かっていてもその量なら絶対悶絶するし』
 そう。まだ勝負は終わっていない。でなきゃ、さっきあんな恥ずかしいこと言ったあた
しが報われない。
「なら、椎水が負けたら当然、このおにぎりを一気食いするんだよな?」
 別府の挑戦的な言葉に、あたしは顔を上げた。
03375/5
垢版 |
2015/09/19(土) 19:32:52.760
『は? 何であたしが最初っから悶絶するって分かってるおにぎりを食べなくちゃいけな
いのよ? 意味わかんない』
「アホか。勝負ってのはそういうもんだろ? 椎水から仕掛けた勝負なんだから、当然自
分でもリスクを負うべきだろ? まあ、要は勝ちゃいいんだよ」
『ふぐぐぐぐ……』
 リスクの大きさにあたしは歯軋りした。負けたら別府の前でみっともない姿を晒すはめ
になるのか。しかし、受けなければ別府の悶絶顔を見ることは絶対出来なくなる。ここで
引いていいのかあたし。いや、よくない。
『分かった。受けて立つわよ。大体、じゃんけんとはいえ、あたしが別府に負けるとかあ
りえないし』
「よっしゃ。じゃあ、最初はグーな。行くぞ」
 虚勢を張ったとはいえ、男子の前でみっともない姿を晒すかどうかの一大勝負。緊張と
不安で握った拳に汗がにじむ。
『いいわよ。いつでも』
 あたしと別府は互いに相手を見やり、そして呼吸が合った。
「『せーの、最初はグー!! じゃんけんポイ!!』」


続く
0338ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/09/30(水) 08:20:20.78O
お題
つ・ツンデレメイドさんが夜中にこっそりつまみ食いしてるのを見つけたら
 ・ツンデレからあなたって風流に乏しい人ですねって言われたら
0339ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/10/01(木) 00:10:43.280
『……お主は、実に風流に乏しい人間じゃの』
「えっと……夕涼みがてらお邪魔したんですけど、開口一番それですか?」
『そうじゃ。理由が分からんか』
「はい」
『はぁ〜〜〜〜〜…………っ。良いか。今日は何月何日じゃ?』
「えーと、9月の27日ですね」
『ほれ』
「はい」
『……ふむ。ヒントをやろう。ちゅう〜……?』
「え? い、いきなりここでですか……? ドキドキ」
『接吻と違うわ!! 俯いて頬を赤らめるでない! 気色悪いっ!』
「そこまで言いますかね……」
『ふん! 続きじゃ。ちゅうしゅ……?』
「あ〜〜! 中秋の名月か!!」
『左様じゃ。さて、中秋の名月……月見じゃな。月見と言ったら何じゃ』
「ススキ」
『う〜ん惜し「あの……」 何じゃ?』
「風流がどうとか言ってましたよね、最初」
『……うむ』
「食い気が先立つのは風流なんですかね」
『……そこは……それとしてじゃな』
「おまけに人に用意させようってのは……」
『えーい喧しい! 男が小さいことをグダグダ抜かすでない!!』
「うわ逆切れだコレ」
『団子じゃ団子! 儂は! 月見団子が! 食べたいの!! 山盛りでの! 文句あるか!?』
「花より……いや月より団子って。子供か」
『子供で構わん! 台所に白玉粉がある。さっさと用意せい!』
「もう……。まったく我儘なんだかから……」
 そんな纏さんカワイイヤッター!!
0341ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/10/07(水) 08:14:30.45O
お題
つ・ツンデレと良い雰囲気になっている時についうっかり、自分の好きなエロゲのワンシーンを例え話に出してしまったら
0342ほんわか名無しさん
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2015/10/12(月) 05:49:06.690
ツンデレのおっぱい揉みたいなぁ…

って独り言をツンデレに聞かれてたら
03431/2
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2015/10/12(月) 23:01:50.410
>>338
・ツンデレからあなたって風流に乏しい人ですねって言われたら

「こんばんわー、いるかー纏?」
『ここに居る。あまり大きな声を出すでない、興が削がれる』
「人に買い物頼んどいてその言い草かよ。ほい、饅頭」
『うむ、すまんな。茶ならそこにある。勝手に飲んでくれ』
「はいよ。しかし夜中に呼びつけて来てみりゃ縁側でなにやってんだ」
『何って月を見ておったんじゃよ。ここからはよい月が見えるでな』
「月って欠けてんじゃん。満月ならともかく欠けた月ってなぁ…」
『はぁ…おぬしは本当に風流を解さんな。欠けた月には欠けた月の赴きがあろうて』
「そーかー?よくわからん。饅頭サツマイモと栗とどっちがいい?」
『永遠に満ち足りていられる物などはない。いつかは必ず欠けてしまう。けれども年月が廻るうちに
 また満ち足りていく。欠けた月は世の無常を示している。と、なぜわからん。栗饅頭が食べたい』
「栗ね、はいよ。欠けてもまた満ち足りる、か。食べかけのイモ饅頭が元通りになってくれたら便利なのにな」
『おぬしに風流を期待した儂が愚かであったか』
「さっきから風流って言ってるけどさ、そもそも風流って何?」
03442/2
垢版 |
2015/10/12(月) 23:03:16.440
『そこから説明せねばならんのか。風流と言うのは、自然を感じその赴きを楽しむことじゃ』
「今、スマフォで調べたら、人目を驚かすために華美な趣向を凝らした意匠、侘び・寂びと対峙する存在って出たぞ」
『………ふむ、まぁ時代の流れで意味も変わったんじゃろ………多分』
「現代の日本語で日常的に用いられる「風流」の言葉の指す美意識とは若干異なるものである。とも書いてあるな」
『じゃろ!儂の言う通りじゃろ。まったく変なひっかけを入れるな』
「ひっかけって、しかし風流ねぇ。調べたらよけい分からなくなっちまったな」
『ならば俳句でも詠んでみたらどうじゃ、見たまま思ったままを五七五にすれば少しは分かるのでわないか』
「纏が言う方の風流がな」
『やかましいわ』
「うーん、見たまま思ったまま。出来たぞ」
『早いな、聞かせてみよ』

  ボーマンダ  火を吐く音は  ボーなんだ

『どうしてこの流れでポケモン川柳になる!意味が分からん!』
「みんなもポケモンゲットじゃぞ〜」

〜終われ〜
0345>>308
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2015/10/12(月) 23:59:19.970
なんなんだこれは……w
03471/2
垢版 |
2015/10/14(水) 19:42:34.540
そんな事よりちょっと俺の話聞いてくれよ

目に見えて日が早く落ちるようになった秋口、俺はツンデレとお医者さんごっこしたの

というのも二人で時間も忘れて遊んでたせいでバスに乗り遅れてさ

一時間に一本しか来ないド田舎なもんだから

オマエが悪い言い合いながら待ちぼうけくらった訳

そんで肌寒いベンチで寄り添いながら手遊びしてたんだけど

あまりに暇なんで皮むけた指見せて気持ち悪がらせて遊ぼうとしたの

なのにツンデレ真面目に心配してきて調子狂うよね

してボロボロの手のひら触診してくれてさ

そんな事されたら俺ツンデレ好きになっちゃうじゃん

だから告白したんだけど、ちょっと手触っただけで勘違いしてんじゃねーよ、って感じで、はあ?言われてさ

小心者の俺はすっかり小さくなってしまうの

でもツンデレなかなか手放してくれなくてさ

真皮出て赤くなってる手のひらに、痛くないですかー、って心配り忘れないの

そんな対応されたら嫌われてんのか好かれてんのかわけ分からなくなってきた、って話
03482/2
垢版 |
2015/10/14(水) 19:43:43.430
そんな事よりちょっと私の話聞いてほしいんだけど

目に見えて日が早く落ちるようになった秋口、私はアイツとお医者さんごっこしたの

というのもアイツのんびり屋さんでバスに乗り遅れてさ

うまいこと発車して五分くらい経って到着してね

オマエが悪い言い合いながら待ちぼうけくらった訳

そんで肌寒いベンチで寄り添いながら携帯見てたの

そしたらアイツ手のひら近づけてゾンビのマネしてきてさ

よく見てみたら指とか皮むけて痛々しい事になってんの

私は当然心配したんだけどアイツはむずかゆい顔してね

しばらく黙って触られてたと思ったら急に告白してきてさ

いきなりのことなんで私も声裏返っちゃったの

私プライドだけはアホみたいに高いから今更、私も好きー、とか言い出せなくてさ

とにかく当たり障りのない言葉でごまかします

でもここで手を放したら疎遠になる未来しか見えないからね、放すわけにはいかないよね

そんなこんなで結局私の家まで着いちゃってさ、アイツも帰れないって困ってるし誰か助けて、って話
03521/5
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2015/10/17(土) 17:56:13.890
・ツンデレのことを雨女だってからかったら〜その8〜

 あたしと別府が出したのは、お互いにパー。確認した瞬間、すぐに次に移る。
「『あいこでしょ!! あいこでしょ!!』」
 次も互いにグー。そしてその次はあたしがチョキ。別府はパーだった。
『やったーっ!! 勝ったああああああ!! 超嬉しいーっ!!』
「くっそおおおおお…… ここで負けるかよ……」
 立て膝になってバンザイをして喜びをいっぱいに表してから、あたしは無様にうずくま
る別府を得意げに見下ろした。
『さ。約束よ。そのおにぎり、一気食いしてもらいましょうか? お茶無しで』
「くっそお!! こうなったらやったらあ!!」
 ためらったら負けと感じたのだろうか。別府が一気におにぎりをパクついた。しかしそ
の顔がすぐに意外そうな顔に変わる。
「あれ?」
 あたしもその反応が不思議だった。悶絶するはずなのに。何で?
「椎水。このおにぎりさ」
『うん』
「中身、おかかだった」
『ええええええーっ!!』
 不覚だった。どこで一体どう間違えたのだろうか? 確かにわさび漬け入りおにぎりは
作った時に他のと分けておいたのに。で、ちゃんと区別するために別府の顔をイメージし
て描いたはずなのに。
「うん。完食。うまかったぞ。このおにぎり」
 満足げな別府に納得行かず、あたしは抗議した。
『今のダメ!! 無効だから。ちゃんとわさび漬け入りおにぎりでないと』
「何でだよ。負けて一気食いするのは“その”おにぎりだったろ? ちゃんと有効だろ。
てか、次は俺が選ぶ番だよな。えーと、じゃあこの困り顔のとか――」
『何でよ!! 勝ってバツゲームとか意味わかんないわよ』
「は? こういうのって、普通交互じゃねーの? バラエティーとかじゃさ」
 勝手に自分ルール押し付けられて憤慨するあたしに、別府はさも当然といった形で聞いて来た。
03532/5
垢版 |
2015/10/17(土) 17:56:57.890
『だってあたし、勝ったのよ? 交互にするなら、せめて選択権はあたしじゃない? そ
れならまだ納得出来るけど』
 あたしの理屈に、別府はうなずきつつ答えた。
「ま、それならそれでもいいけどよ。ただし、俵むすびはなしな」
『えーっ!! そんな条件付きとかなしよ。勝者の権利なのに』
 あたしの抗議も別府はサクッと退けつつ、また焚きつけることを口にしてきた。
「だって、間違えるにしてもさすがに俵むすびはないだろ? ノーリスクじゃ面白くない
し。大体、三角のもまだ三つ残ってるから3分の1の確率だし、そもそも椎水は自分で握っ
たんだから、少なくともこれは当たりじゃないって分かるだろ。十分有利だと思うけど」
 別府の主張にあたしは上手い答えを思いつかなかった。これじゃあ拒否したらあたしが
ヘタレみたいに思われてしまう。
「どうした? もしかして、具を入れ間違えたからどれがどれだか自分でも分からなくなっ
たとか?」
 別府のにやつき顔がたまらなくムカつく。カッとなったあたしは、つい余計なことを答
えてしまった。
『そんなことないわよ。少なくとも、この笑顔のおにぎりは間違いなくシャケ入れたもん』
「じゃあ、それ食えばいいじゃん」
 これであたしは自分で完全に退路を断ってしまった。今更もしかしたら違うかもしれな
いなんてみっともなくて言えるわけもない。
『分かったわよ。じゃ、あたしこれ食べる。まあ、どうせこれもシャケだから問題ないわけだし』
 あたしはニコニコ顔のおにぎりを手に取った。普通に考えれば、おかかおにぎりに間違
えてわさび漬けを入れているはずだから、これは絶対にない。とはいえ万が一を考えると、
なかなかパクつくことは出来なかった。
「さ、どうぞ。また次の勝負が控えてるんだからさ。パクッと行っちゃえよ。パクっと」
 別府のこの余裕たっぷりな態度が実に鼻につく。あたしがこれを食べ終えれば、また自
分が不利な状況に追い込まれる可能性だって十分あるのに。いや。だからこそ、あたしの
不安を煽ってちょっとでも優位な状況を楽しんでいるのかもしれない。
03543/5
垢版 |
2015/10/17(土) 17:57:24.470
『うるさいわね。こんなもの、何てことない、普通のおにぎりなんだから』
 あたしはガブッとてっぺんからかぶりつく。具に行き当たらず、ごはんだけが口の中に
広がる。しかしこれであたしは確信した。わさび漬けおにぎりにはたっぷり具を入れたは
ずだから、当りなら一口で悶絶するはずだ。
『ほら、みなさい。全然平気じゃない』
 ややホッとした気分で二口目をかぶりついて頬張ったとき、葉にガリッという感触があっ
た。その瞬間、わさび漬け独特の辛みが鼻を突き抜ける。
『ぐはっ!! ごほごほっ!! えーっ!!』
 片手で口を押さえてむせるあたしに、別府がからかいの声を上げる。
「あれ? どうしたんだよ。それ、シャケじゃなかったのか? 自信たっぷりに言ってたよな?」
『ゴホッ!! ゴホッ!! うるさ――ガハゴホゲヘッ!!』
 言い返そうとしてもまともに言葉にならず、大量のわさび漬けの辛味に悶絶することし
か出来ない。
「アハッ!! アーッハハハハ!! やっべ、超ウケる。何だそりゃ。人を引っ掛けよう
として自分が悶絶するとか。おもしれー」
『ゴホッ!! ゴホッ!! ゲホッ!!』
 笑うなこのバカ。女の子が悶絶してるんだからちょっとは心配しろ。ていうかお茶よこ
せと頭の中では言いたいことが渦巻いているけど一言として言葉にならない。あたしが出
来ることと言ったら、辛うじて指で水筒を差すことくらいだった。
「ああ。お茶な。でもその前にちょっと待って。写真撮っとくから」
『――――っ!! やめっ……ゴホゴホ!!』
 手を振って拒否するも、無常にもシャッター音が聞こえた。
「これでよし、と。はい。お茶」
 目の前に差し出されたそれをひったくると、あたしは一気に飲み干した。ようやく人心
地ついたあたしは、一気に文句をまくし立てる。
『なに人の苦しむ姿見てゲラゲラ笑ってんのよこのバカ!! ちょっとは気遣いくらい見
せろ!! あと写真撮るとか最低!! 貸しなさいよ。消すから』
「いやいや。こういうのも記念だろ。椎水自爆った記念とか。学校行った時クラスの奴ら
から写真見せろって言われた時も仲良い写真よりもこういうのの方がネタになるし」
03554/5
垢版 |
2015/10/17(土) 17:57:51.250
『人をネタにしないでよ!! てか、こんな恥な写真公開する気? 絶対止めてよね』
 別府のスマホをひったくろうと手を伸ばすも、先に背中に回されてしまう。
「聞かれたらだよ。二人で仲良く笑顔の写真、とかよりもいいだろ」
『そんな写真撮らないし。最低。絶対ダメだからね』
 果たしてどんな顔が写っているのか。顔は半分以上手で覆っていたとはいえ、絶対みっ
ともない悶絶顔が写っているに決まっている。想像すらしたくないのに、そんな写真人に
見られるとかありえなかった。
「ま、流れ次第かな? もっと良い写真撮れれば機会も減るかもしれないし」
 取り澄ました態度がものすごくムカついた。本当だったらあたしが別府の悶絶写真を撮っ
て笑いものにするはずだったのに。
「さてと。これでおにぎりの外れもなくなったし、勝利のポテサラでも食べるかな」
『ちょっと待ちなさいよ』
 あたしは箸を持つ別府を制した。あたしの目の前には、辛うじて放り捨てなかったわさ
び漬けおにぎりがまだ半分弱残っている。とっさの思いつきであたしはそれを別府に差し出した。
『これ、残りあんたが食べなさいよ。もともとあんたのために作ったんだし』
「は? 自分で選んだんだから自分で責任持って最後まで食うんじゃないのかよ?」
 そう言いつつも、別府は箸を動かしてポテサラを口に運んだ。
「うん。美味い。何気にポテサラの味にはうるさいんだけどな。これは十分合格点だ」
 こんな状況なのにポテサラ褒められてちょっと嬉しさを感じている自分にあたしは顔を
しかめた。しかしそれよりもまずはこのおにぎりだ。
『だって、もう食べられないもん。だからって捨てるわけには行かないでしょ? だから
別府、食べてよ。一気に食べなくてもいいから。それともあたしの食べさしじゃ食べられ
ないとか?』
「へ……?」
 あたしの言葉に何故か別府がちょっと動揺した素振りを見せた。もしかして別府って人
が口つけたものは無理とかそういう人なのかなと思って聞いたのだけれど。
「いや。その……まあ、確かに捨てるのは良くないし…… まあ、そんなにわさび漬け好
きって訳じゃないけど、食えないことないし……ただ、その……椎水が、いいって言うな
ら? だけど……」
03565/5
垢版 |
2015/10/17(土) 17:58:45.970
『は? あたしが食べてって言ってるのに、いいも悪いもないでしょ? 何であんたがそ
んなこと気にすんのよ。意味分かんないんだけど』
 疑問を呈すると、別府は困り顔で視線を外した。
「いや。その分じゃどうせお前気付いてないんだろうけどさ。これってその……間接……
って、なっちゃうわけだけど」
『なっちゃうって……間接……? ――――っ!!』
 別府が言葉を濁したせいで気づくのが遅くなったが、気付いた途端、心臓がドクンとびっ
くりしたように一打ちした。別府が気にしてたのってそっちかと。しかし今更後に引けな
いし、何よりあたしはもうそのおにぎりは無理だった。
『へっ……へへへ、変なこと言う、言わないでよバカ!! こんなの、その……そういう
のとは違うし!! ただの、その……何てーのっていうか、えっと、あの……じゃ、じゃ
なくて、残飯処理だし!!』
「そっか。なら、まあ……いただくわ」
 別府が食べかけのおにぎりを手に取るのを見て、あたしはパッと顔を背けた。水筒から
またお茶を注いでちびちび飲みつつ、横目でチラチラと別府が食べるのを確認する。正直、
全部別府のせいだと、あたしは心の中で憤慨した。わさび漬けおにぎりで悶死しそうになっ
たのも、今恥ずかしくて死にそうなのも。


まだ続きます
0359ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/10/20(火) 17:35:59.730
友ちゃんに一体何が…これは精一杯愛して幸せにしてあげざるをえない
03621/6
垢版 |
2015/10/25(日) 10:48:02.170
・ツンデレのことを雨女だってからかったら〜その9〜

『じゃ、お昼も終わったし、そろそろアスレチックに戻ろうよ』
 お弁当を片付け終えると、あたしは別府を急かした。しかし別府は気乗りしなさそうに
両腕を上げて背伸びをする。
「ちょっと休んでからの方がいいだろ。まだ腹いっぱいで動く気になんねーし」
 ゴロン、と横になってしまった別府をにらみつけ、あたしはその体を揺さぶる。
『なに言ってんのよ。腹ごなしなら運動が一番でしょうに。大体食べてその後すぐ寝たら
太るんだからね。牛になるってことわざもあるくらいだし。ほら。いこ』
「大丈夫だって。古今東西、メシの後に寝て牛になった人間なんていないし、どうせ後で
体動かすんだからその時カロリー消費すればいいだろ」
『ダメだってば。脂肪になったら落とすの大変なんだから。大体女子はすぐ脂肪ついちゃ
うんだからね。巻き添えでこっちだけ太るとか最悪なんだから』
「大丈夫だよ。椎水は陸上で体絞ってるし、スレンダーで綺麗な体つきなんだから心配す
ることないって」
 さりげなく嬉しいこと言われて、あたしは言い返す言葉を失ってしまった。面と向かっ
て褒められるよりも、こんな風にごく自然な感じで言われるほうがドキッとするのはなん
でだろう。もっとも、サボるための適当な言い訳なのかもしれないけど。
『むー…… もう。10分よ。10分。それ以上は認めないからね』
 こんなことで折れてしまうあたしって、扱いやすい女なのかなあと自虐的に反省しつつ、
あたしも誘惑に負けてあおむけに寝転んだ。日差しが強くてちょっと暑いくらいだけど、
それが逆に心地よくてうっかりするとまどろんでしまいそうだった。
「いやー…… 気持ちいいよなあ。満天の青空の下で心地よい日光浴びながら横になるのっ
てさ。うっかりこのまま寝ちまいそうだぜ」
『寝たら踏みつけるわよ。裸足で顔面を思いっきり』
 寝そべったまま、足を上げて踏み下ろす動作をする。
「止めてくれ。かかとでほっぺをグリグリするとかならともかく」
 なかばだるそうに別府が腕を上げて振る。そして下ろした手が、ちょうどあたしの手に
当たった。
03632/6
垢版 |
2015/10/25(日) 10:48:28.660
『「へ……?」』
 頭を上げて確認すると、別府の手がちょうどあたしの手の上に重ねるように置かれてい
た。しかし、それはほんの一瞬だった。
「ご、ごめん!!」
 慌てて別府が手を引っ込める。それが却ってあたしの羞恥心を刺激した。
『き……気をつけてよね…… まあいいけど……』
 体を横向きにして別府に背中を向ける。意識してくれたんだという事が嬉しくもあり恥
ずかしくもあり、何と言うか少し惜しくもあり、違う意味で腹立たしくもあった。
――何もあんなに早く手を引っ込めることもなかったのに……
 一瞬、指を絡めあうのを想像して、すぐにあたしはそれを小さく首を振って否定する。
――な、何考えてんのよあたし…… 別府と恋人同士ってわけでもないのに……
 むしろ別府の態度のほうが正解なんだと思い直す。向こうだって、わざとじゃないとは
いえ、変な誤解を受けたくはないだろう。なのに何をあたしは妄想の中とはいえ先走った
ことを考えているんだろう。
――やっば……あたしってバカみたい。あー…… もう恥ずかしくて死にたい……
 体が熱を帯びてカッカとしている。冷たい風が体に当たるのが感じられるが、そんな程
度じゃ全然治まってはくれなかった。
「あのさ。椎水……」
『な、何よ?』
 正直、この気分が治まるまでは会話したくない気分だったので幾分つっけんどんに聞き
返した。次の瞬間、今の言い方は失敗したかなと思ったが、別府は特に声の調子を変える
事もなく続けた。
「ちょっと……そろそろ、片付けてアスレチック行かないか?」
 別府もこの微妙な空気に耐えかねたのだろうか? 真意を測りたくてあたしは体を起こ
して別府を見た。しかし別府はあたしの方を見ておらず、何故かちょっと遠くの空を見て
いるようだった。
『何で? 休みたいって言ったの……アンタじゃない。まだそんなに経ってないと思うけど』
 いぶかしく思うも、別府はあたしの方を向いて笑顔を作った。
「ああ。いや、ほら。何かこのままダラダラしてると体動かすのめんどくなりそうだったからさ」
03643/6
垢版 |
2015/10/25(日) 10:49:13.460
 肩を回し、座ったまま両腕を上げて伸びをする別府に、あたしは首を傾げた。別府はあ
たしと手を重ねたことをそれほど引きずっていないのだろうか? その疑問が湧いたのと
同時に、気持ちが急にスッと引いた。悶々としてたのはあたし一人だったのかと思うと、
急にバカバカしくなる。
『ま、別府が行こうって言うんなら、別にあたしは異存ないけど』
 立ち上がって靴をはくと、先に立ち上がっていた別府がまた遠くを眺めていた。
『どうしたのよ? 一体……あっちに何かあるの?』
「ああ。いや。何でもない。ゴメン。シート畳むよ」
『じゃ、あたし反対持つね』
 片づけをしつつ、どうにもあたしは別府の態度が気になって仕方なかった。


『ほら。別府。早く行きなさいよ。追いついちゃうじゃない』
「そう急かすなって。これ、結構バランス取るの難しくてよ」
 ロープで吊り下げられた小さな丸太を一つずつ渡っていくのを、別府はちょっと苦労し
ていた。とはいえ、午前中のコースと違って水上コースではない。さすがに下は固い地面
だけに、邪魔するとかまでは出来ず、あたしはただ、からかい声を上げて楽しんでいた。
「もう少しでゴールだから…… これを引き寄せて、よし、と。フウ……」
 言葉とは裏腹に、別府は危なげなく最後の1メートルを渡り切る。
『なーんだ。失敗しなかったのか。つまんなーい』
 それを見てあたしはガッカリした声を上げる。すると別府は、ゴールから逆にあたしを煽った。
「人のことばっか言ってないで、お前もさっさと来いよ。でないと置いて行っちまうぞ」
『言ってなさいよ。こんなの、すぐ渡れるんだから』
 しかめっ面で舌を出したが、偉そうに言っておいて落ちたりしたらみっともないことこ
の上ない。あたしは慎重に、ロープを掴んで丸太を引き寄せては一つ一つクリアして、最
後の一本まで無事渡り切った。
『じゃーん!! どーよ? アンタより早いでしょ?』
 得意満面の笑顔で主張する。しかし、反抗してくるかと思った別府は、全然あらぬ方向
を見つめていた。
『ちょっと!! あたしが渡り切るとこ、見てなかったの? この華麗なステップを』
03654/6
垢版 |
2015/10/25(日) 10:49:54.360
 Tシャツを掴んで揺さぶると、別府はやっとあたしの方に注意を向けた。
「あ、ああ。ゴメン。見てなかった。っていっても、俺を煽れるんだから実際早いっての
は間違いないと思うけど」
 その答え方がどこかうわべだけで、気持ちが別のところに行ってるようなのがあたしは
気に食わなかった。
『何よ。その適当な答え方。ていうか、人が頑張ってる時にどこ見てたのよ? まさか他
の女の子とか見てたんじゃないでしょうね?』
「い、いや。違うって。それはない。てか、周りに今、可愛い子いないだろ?」
『ほう? じゃ、あたしは可愛くないと?』
「そういう意味じゃなくて、その、椎水以外ではってゆーか、他に目移りするような子はっ
て言うか……って、何でそんな話になってんだよ!! つか、嫉妬かよ!!」
『バーカ。仮に恋愛感情なんてない男子だって、デート中に他の女に目移りされるのは失
礼だし、頭に来るものなの。勘違いすんな』
 あたしに困らせられた仕返しだろうけど、そんな程度で動揺するなら最初からからかっ
たりなんてしないし。ただ、女の子の件はともかく、別府が何を気にしているのかはこっ
ちも気になっていた。
『それより、本題に戻るわよ。で、どこ見てたの? 言わないと、学校で別府があたしほっ
ぽって美人のお姉さんを下から見てハァハァしてたって言い触らすから』
「ちょっと待てよ。何で話が大げさになってんだよ? 下からとか、既に場所も変わって
るし。つか、そもそもにして女見てたわけじゃねーし!!」
『そんな言い訳しても、噂が広まっちゃえば誰が信じてくれるかしらね? 特に友子の伝
播力はすごいわよ? そうね。次の日には学校中に広まっちゃうかな? しかもより尾ひ
れがついて』
 この話が大げさでもなんでもないのは別府もよく知っていた。しかめっ面で頭を掻き、
一つため息をついた。
「いいのかよ? 言ったら絶対機嫌悪くなるぜ?」
 脅しとも取れる言葉に、あたしが屈するはずもなかった。
『はあ? 既にもう機嫌悪くなってんのよ。そういえば、さっきお昼終わった時もそうだっ
たし、何かちょっと上の空よね? 何なのよ一体。気持ち悪いからいいなさいよ』
03665/6
垢版 |
2015/10/25(日) 10:51:25.820
 別府はもう一つため息をついた。あたしの態度を見て、どうにも逃げようがないと感じ
て覚悟を決めたようだった。
「いや……その、さ。さっきから、冷たい風が吹いてるからさ。何か、嫌な予感がして、
何となく急いだほうがいいかなって」
『嫌な予感って何なのよ? ハッキリ言いなさいよね』
「ああ。その……こういう風が吹く時って、大気が不安定になってる時が多いんだよな」
 その言葉が、あたしの忘れていたコンプレックスを思い出させた。
『ちょっと待ちなさいよ。まさかアンタ、雨が降るんじゃないかって言うわけ?』
 追求されて、別府は申し訳なさそうに顔を背けた。しかしそれが、何よりも肯定の言葉
となった。
『冗談言わないでよ。だって、こんな晴れてんのよ? どこから雨が降って来るって言うのよ?』
「いや。こういう時、雨雲って急に発達したりするから。ゲリラ豪雨とかって、そういう
もんだろ? 普通の低気圧とかと違ってさ」
『それはそうかも知れないけど、でもまだ風だけでしょ? そんな慌てなくてもすぐには
降らないわよ。大体あたしだってちゃんと一週間くらい専門のお天気サイトでずっと見て
来て今日は降らないってなってたから選んだんだもん。どうせあたしが雨女だから降るか
も、なんて思ってるんでしょ? 最低』
 頭にきたのと焦りから、あたしは言われてもいないことを勝手に口にして別府を責めた。
「そんなことは別に思ってねーよ。からかうネタで使うことはあってもガチで信じてるわ
けでもないし。それよか、むしろ椎水が気にするんじゃないかって思ってたから言わなかっ
ただけで……」
『あんだけ人のこと雨女扱いしてエピソード散々語っといて実は信じてる訳ないだなんて、
こっちが信じられないわよ。つか、そのせいでアンタなんかと二人きりでアスレチックデー
ト、なんてはめになってるんじゃない』
 感情が昂ぶっていて、あたしは自分が言い過ぎているのにも気付かなかった。別府の顔
がわずかに険しくなったのも、察することが出来なかった。
「とにかく、先に進むなら少し急ごうぜ。降らなきゃそれに越したことはないけど、万が
一に備えてさ」
 それに対して何も答えずに、あたしはさっさと一人で先に立って歩き出してしまった。
03676/6
垢版 |
2015/10/25(日) 10:52:09.950
 その後しばらく、あたし達は会話することなく、ただひたすらアスレチックコースを進
んでいた。正直さっきはちょっとひどい事を言ったかなと、気持ちが落ち着くに連れて反
省の気持ちはあったのだが、何て声を掛けていいのか分からなかったのだ。
『ん?』
 遥か遠くの空で、何か嫌な音が鳴っているのに気づいたのは、ロープで出来た橋を渡っ
ている時だった。
『何だろ……? き、気のせいよね。気のせい』
 自分をごまかして橋を渡り切り、次のコースへ進もうとした時、あたしの後からロープ
の橋を渡り切った別府が、言い合いをしてから初めて声を掛けてきた。
「椎水。今、雷が鳴ってたよな?」
『さあ? あたしにはよく聞こえなかったけど』
 天候の悪化が会話再開のキッカケだなんて皮肉だ。しかもこれじゃ、またケンカになり
かねないし。分かっていてもあたしには強がることしか出来なかった。
「そうか? でも、確かにさっき、遠くの方でゴロゴロって……」
 別府がしゃべっている最中に、また一つ、遠くで雷の音が響いた。つい反射的にあたし
はその方向を向いてしまう。
「聞こえたろ? こりゃ、雲行きによっては切り上げたほうが――」
『ふーらーなーいっ!!』
 別府の提案を遮ってあたしは叫んだ。別府は驚いた顔であたしを見つめてから、困った
ようになだめようとする。
「落ち着けって。まだ降ると決まったわけじゃないし、ただ万が一に備えてさ。降りそう
になった時のことも考えておかないと。万が一落雷なんてことになったら、命の危険だっ
てあるわけだし……」
『降らないの!! 降らないったら降らない!! あたしがそう決めたんだから』
「椎水……」
 駄々っ子になったあたしを、別府はただ、困った顔で見つめていた。


続く
0368ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/10/25(日) 17:17:08.510
お題 

・ツンデレにトリックオアトリートと言ったら

・お菓子を持ってないツンデレ

・じゃあイタズラしないとね!ハロウィンだから仕方ないよね!とイタズラしたら

・責任を取ることになったタカシ
0369ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/11/03(火) 15:20:45.570
ハロウィンでさ

俺は例年通りツンデレとお出かけしたの

というのもツンデレいわゆる、見える人、でさ

ハロウィンの時期になると俺の後ろに何かいるとか言ってビビらせてくんの

そうして俺が怖くて一人でいられない状態にしてから優しくする策士な訳

そんで今年も雑多な人ごみの中デートに繰り出すの

したらツンデレ俺の顔見るや手引っ張って歩き出してさ

何事かと思ったら飯屋で立ち止まってね

腹減ってたならそう言えばよかったのに恥ずかしがってるの

そんで早めの昼飯した後は二人めいっぱい遊んでさ

いつもの幽霊話もしないし普段の倍優しいし、ツンデレの隠された魅力にドキドキ

さらにツンデレ自分の部屋に招き入れて膝枕までしてくれたんだよ

最近眠りが浅かったのもあるし、おかげでぐっすり寝れました

遠くなる意識の中で、正直俺おばけの存在は半信半疑だからさ

そういうの喋らなければツンデレ可愛いのにって伝えたい、って話
0370ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/11/03(火) 15:21:50.770
ハロウィンでさ

私は例年通りアイツの除霊を頑張ったの

というのもアイツ霊に憑かれやすい体質でさ

この時期なると、どっから連れてきた、っていうようなヤバい奴背中にいたりしてね

ほっとけない私は隣にいてあげて霊が離れるように導く訳

ならアイツ待ち合わせ場所に目も合わせられないような奴背負って現れてさ

今まではやんわりアイツに憑かれてんの教えてたんだけどコレは教えらんないわ

そういうことでこれから緊急除霊を始めます

と言っても私プロみたいにお経唱えたりとかできないから

とにかくおなかいっぱい食べて異性と仲良くして生きるパワーで追っ払うの

でもね、おいしいモン食べてこの私が人目もはばからずイチャこいたのに奴はなかなか離れなくてさ

もう一刻を争うってんで私の部屋まで無理に引きずって膝枕で寝させたの

そしたら奴の視線感じまくって、アイツが深く寝入ってやっと気配も消えてさ

私はこんなに怖い思いしたのにアイツは呑気に寝息立てやがって、そう思うと無性に腹立ってきた

だからアイツが起きるまでほっぺつねったり耳たぶぷにぷにして仕返ししてやった、って話
0372ほんわか名無しさん
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2015/11/07(土) 01:02:53.270
山「うぅ、もうすぐ冬かぁ、やだなぁ」
友「え?良いじゃない、冬」
山「どうして?寒いじゃん」
友「寒いけど、だからこそこたつの暖かいのとか好きなの」
山「なるほど。確かに寒い日のこたつは気持ちいいね。出られなくなるけど」
友「…それに…」
山「ん?」
友「…な、なんでもない」
山「ぅん…?」
友「なんでもないの!ほら、撮影行くわよ」
山「う、うん」



山「これで全部だね」
友「…手ぇ冷たい…」
山「ん…?どれ」ギュッ
友「あっ…」
山「うわ、冷たい…もう、手袋もしないで撮影してるから…」すりすり
友「う、うるさい。黙ってあっためなさい」
山「はいはい…」すりすり
友「…」
山「…やっぱり、ボクも冬が好きかも」すりすり
友「なっ…!ば、ばか!」
山「クスクス…」すりすり
03751/7
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2015/11/22(日) 15:56:51.930
・ツンデレのことを雨女だってからかったら〜その10〜

 しかし、その後もあたしの願いとは正反対に、急速に天気は怪しくなっていった。暑い
くらいだった空気はひんやりと冷たくなり、空模様も一気に暗くなっていく。しかしあた
しは先に立って、ひたすらにアスレチックに挑んでいた。
「椎水。おい、待てよ」
 次に進もうとしたあたしを、とうとうたまらずに別府が制止した。
「さすがにこの空模様じゃヤバいだろ。降られる前に一度戻ったほうがいいって」
『だから降らないって言ってんじゃない!! あんたも大概しつこいわね。何度言ったら
分かるのよ』
「でも、この空だぜ。どんどん暗くなってきてるし、マジこれじゃロッカーに着くまでに
降られるかもしれないし」
『だから降らないわよ。だってまだ降ってないもの。一時的に暗くなっただけで、すぐま
た元に戻るってば』
 根拠のない主張を繰り返すあたしを、別府はさすがに睨みつけた。
「だけど万が一ってことがあるだろ? さっきも言ったけど、森の中じゃ本当に危険なん
だって。もし雷が落ちてきたりしたら、どうすんだじゃすまないんだぞ?」
 別府が本気で心配して言ってるんだって分かっていても、意固地になったあたしには素
直に受け入れることが出来なかった。
『……どうせ、やっぱり雨女だなって思ってるんでしょ?』
「は?」
 別府の声に怒気が混じる。しかしそれでもあたしは憤りを抑えることが出来なかった。
『どうせ、あたしが一緒だから雨が降るって……最初からそう思ってたから、そんな風に
冷静に対応出来るんでしょ? やっぱりなって。だから……』
「違うって。昼飯食い終わった後から何となくそんな気がしてたから……この季節じゃ午
後に天気が崩れるなんてよくあることだろ? 椎水が雨女かどうかなんて関係ないって」
『ウソ。絶対最初っからそう思ってたに決まってる。後から付けたような言い訳でごまか
さないでよ』
03762/7
垢版 |
2015/11/22(日) 15:57:20.840
 こういう展開になって来ると、なんかもう全部自分の思考がマイナスに働いてくる。そ
して自分の意思ではそれを抑えるなんて出来なかった。正直、人間としては勝手な言いが
かりをつけられて苛立ちを見せつつも何とかこの場を収めようとしてる別府の方がよっぽ
ど大人だった。
「ごまかしって、俺はさっきからずっと…… まあいい。とにかくこんなところで口ゲン
カしててもしょうがないだろ。実際にかなり空模様怪しくなってきてるんだし、とりあえ
ず屋根のあるところに行こうぜ。ケンカならそれからだって出来るだろ」
『だったら勝手に一人で行って雨が降るよう願ってなさいよ。あたしは雨が降るなんて信
じないもん。こんなの、一時的に怪しくなってるだけで、あっちの方とか明るいもの。す
ぐ晴れるってば』
「だからいい加減にしろよ!!」
 別府の怒声に、あたしは反射的に体をビクッと震わせた。思いも寄らぬ大声に驚き、気
持ちが萎えかける。
「実際やばいんだって。こんな木に囲まれたところで万が一雷に打たれたら俺達二人とも
死ぬんだぞ? そりゃ、降られたくないのはよく分かるけどさ。我を張ってて死んだりし
たらバカだっての」
 あたしはうつむいて唇をかんだ。怒った別府の顔は見れなかった。別府の言うことに一
言も反論出来なかったけど、でもあたしの心は頑なで、素直に従うことを拒否していた。
「もういいだろ? ほら。戻ろうぜ。結果的に雨降らなかったら、良かったねってまたこ
こから再開すりゃいいんだしさ。そん時は思いっきりエラそうにしろよ」
 別府が手を差し出す。しかしあたしはそれを払いのけた。
『だったら……一人で戻っててよ』
 別府に背を向け、アスレチックコースを先へとあたしは進む。
「お、おい。椎水!! 人の話聞いてないのかよ? おい!!」
 背中から追いかけてくる別府の声に追いつかれないよう、あたしは足を速める。しかし
それでも、声は徐々に迫ってくる。
「椎水ってば!! 意地張るのもいい加減にしろって。なあ」
『うるさいっ!!』
03773/7
垢版 |
2015/11/22(日) 15:58:33.200
 こらえきれずにあたしは怒鳴った。同時にその場に立ち止まると、クルリと別府の方に
向き直った。何かもう、全てが恨めしかった。別府も、友子たちも、そしてこの空も。そ
して、正論では推し量れないやり切れなさを、その場にいた別府にぶつける。
『だって……だって…… 認めたくないのよ!! こんなのっ!!』
 別府の答えも待たず、怒鳴りつけるだけ怒鳴りつけるとあたしはまた別府に背中を向け
た。そして、一歩足を出したのと同時に、頭のてっぺんにボトッと、大きな水滴が落ちてきた。
『……え?』
 歩くのを止めて空を見上げる。バラッ、バラッ、と木の葉や草を水滴が叩く音が響き渡る。
「やべっ…… とうとう降ってきやがった。ほら、椎水。とりあえず屋根のあるところまで行くぞ」
 しかし、そう促されてもあたしは戻ろうとしなかった。その場に立ち止まり、空を見上
げる。大きな雨粒が顔に、肩に、胸元にヒットし続けた。
「お前な。我を張るのもいい加減にしろって。もう降ってきてるんだからさ。ほら」
 別府の苛立つ声も、あたしの心には届かず、ただ耳を右から左に素通りしただけだった。
あたしはただ、憤っていた。無常な、この天に。
『なんで…………』
 キッと、空を睨み付ける。そして、もはや我慢できず、あたしは空に向かって怒りを吐
き出した。
『何で降ってくんのよぉっ!! この……この………… バカやろおおおおおおっ!!!!』
 その叫びに応えるかのように、一気に雨雲は、滝のような雨を吐き出した。


「ほら。行くぞって」
 別府があたしの手首をつかんで引っ張った。放心状態になったあたしは、もはや逆らう
ことなく、引かれるがままに走り出す。
「近くにあずま屋があったからさ。まずはいったんそこに避難しようぜ」
 何かもうどうでもよかった。何で神様はこんなに無情なんだ。ただただ悔しくて、目頭
が熱くなる。目をしばたかせると、明らかに雨とは違う液体が頬を伝った。
03784/7
垢版 |
2015/11/22(日) 15:59:09.660
『何よこれもう……バカじゃないの……』
 空いている手で目をこするが、目の熱さはちっとも引かない。いくらなんでも、たかが
雨に降られた程度で涙が出るなんて、自分でも笑っちゃうくらいバカバカしいのに、涙は
全然止まってくれない。
「ほら、椎水。あそこ。とりあえずはさ。多少収まるまであそこでしのごうぜ」
 ほんの1、2分しか走っていないのに、もう雨宿りの場所に着いたらしい。涙をぬぐっ
て見ると、屋根と簡単な木のベンチしかない場所が見えた。どうやら別府はゲリラ豪雨に
備えて、ちゃんと事前に場所をチェックしていたらしい。
「行くぞ。椎水」
 ただ手を引かれるがままで自分からは走り出そうとしないあたしを、別府はちょっとじ
れったそうに促しつつ、残りの十数メートルをあたしを引いたまま一気に走り抜けた。
「いやー。一気に来たな。クソ。びしょ濡れになっちまった」
 何故か明るい調子で悪態をつく別府をよそに、あたしは屋根の端が掛かるギリギリのと
ころで外を見ていた。それはただ、涙が止まらないのを別府に見られたくなかったから。
だからあたしはギュッと唇を強く結んだまま、両手もただ握りこぶしを作って、ひたすら
こみ上げそうになる嗚咽を我慢していた。
「椎水も濡れたろ? タオルも着替えも全部ロッカーにあるから雨が小降りになったら早
めに戻ろうぜ。――って、おい、椎水?」
 何にも返事をしないあたしを別府が不審がる。それに気付いてあたしは慌てて彼を拒絶した。
『うるさい。こっち見ないで。話し掛けないでよ』
 口を開いた瞬間、感情があふれ出しそうになる。だから本当は、何もしゃべりたくなかったのに。
「何だよ。こっち見るなって。別に下着が透けるような服装でもないだろ? つか、いい
加減機嫌直せよ。別に雨が降ったのは椎水のせいじゃないんだしさ」
『だからこっち見ないでって言ってるでしょ!! 聞こえないの? このバカ!!』
 怒鳴り散らした途端、目がとても痛くなって我慢しきれずにあたしは右手で両目を抑え
る。同時に反射的に鼻をすすった。
「どうしたんだよ? 椎水。って……お前……まさか、泣いてる、とか?」
03795/7
垢版 |
2015/11/22(日) 15:59:47.420
 その一言が、あたしを焦らせる。バレたくない。こんな、みっともないこと、知られた
くないと。
『うるさい!! うるさいうるさいうるさい!! 泣いてなんてない!! 何であたしが……
何であたしが……こんなことで泣かなくちゃ…………けないのよぉ……』
 だけど結局、その叫び声が、あたしの最後の心の壁を崩してしまった。もう抑えきれず、
あたしは両の目を代わる代わるこすり続けながら嗚咽を漏らした。
「椎水……お前……」
 別府の戸惑いが言葉から感じられて胸が痛くなる。
『わっかんない……わかんないけど……何でって思ったら…… だって……だってだって……
今日の日取りだって、ずっと前から天気予報見て……雨予報なんてなかったのに……』
「……そういうことだってあんだろ。ゲリラ豪雨なんて、大雑把な地域で注意喚起するく
らいしか気象庁も出来ないんだからさ」
 慰めるような別府の言葉が、却ってあたしを激高させた。
『じゃあ、なんでよりにもよってここなのよ!! やっぱりあたしが雨女だから? 何で……
何で今日降るのよぉ…………ちくしょう……あああああっ……』
 ズーッ、と大きく鼻をすする。嗚咽は止まらなくなり、泣き声へと変わる。
『何でよぉ……もう……あはああああ……何で泣いてんのよお……あはっ……はっ……バ
カみたいなの、分かってるのにぃ……あああああん……』
「椎水……あのさ……」
『構わないでよぉ……ほっといてよぉぉ……みっともないからぁ……見ないでよぉ……』
 イヤイヤするようにかぶりを振る。すると、両肩にそっと、別府の手が置かれた。
「……泣いてていいからさ。こっち来いよ。そこじゃ、雨に濡れる」
 ちょっとだけ、手に力がこもり、あたしをベンチへと誘導する意図が感じられた。だけ
どそれはほんのわずかで、ちょっとでも抵抗すれば外すことが出来て、それが逆にあたし
から抵抗する気を失わせた。
『やめてよ……もう……優しくしないで……ほっといてよ……勝手に泣き止むから……』
03806/7
垢版 |
2015/11/22(日) 16:00:21.000
 誘われるままにベンチのほうへ移動しながら、辛うじて言葉だけの抵抗をしてみせる。
それに対して別府は何故か、いささか冗談の混じったような謝罪で返して来た。
「……ゴメン。優しくしたいのはやまやまなんだけどさ。俺もTシャツとトレーニングパ
ンツで、上着もタオルも何にもないからさ。こんなことくらいしか出来なくてよ」
 まだ涙は収まらなくて、スン、スン、スン、と鼻をすすりつつ手で押さえている端から
ボロボロ涙をこぼしていたが、それでもその口調にはちょっと気分をほぐさせるものがあった。
「ほら。座れよ。落ち着くまで待ってるからさ」
 別府の見せる精一杯の優しさが、あたしから甘えたい感情を思いっきり引き出していた。
普段ならそれに頑張って抵抗するんだけど、今のあたしにはそんな気力は残ってなかった。
『……あのさ。あたしに……優しく、したいの……?』
 手で涙をぬぐってチラリ、と別府を見る。すると別府もあたしをちょっとだけ見て、そ
して照れくさそうに視線を前に戻す。
「ま、まあな…… 泣いてる女の子がいたら……大抵の男はそうするもんだろうけど……」
 その答えに、あたしは安心して頼ることにした。
『じゃあ……ちょっと、ジッとしてて』
 言うが早いか、あたしは横からギュッ、と別府に抱きついた。
「お、おい。どどど……どうしたんだよ? 一体」
 別府の戸惑い、焦る声が聞こえる。しかしあたしには、そんなものどうでもよく思えた。
『あたし、こういう時、抱きつくものがあると安心するの。家だといつも決まったぬいぐ
るみがあるんだけど……今はないから、だからその代わり』
「その代わりって…… あの、俺……汗とか、池の水とかで結構グチャグチャなんだけど……」
『あたしだって……汗とか、ほこりとか、雨とか、涙でグチャグチャだもの。それにどう
せ、すぐシャワー浴びるし。今はそれより……落ち着きたいの…… ダメ……?』
 わずかに顔を上げ、別府の顔をうかがう。照れた様子の別府が、何かちょっと可愛く見えた。
「い、いや……ダメじゃねーし…… つか、椎水がいいんなら……俺は全然……」
『じゃあ、しばらく黙ってジッとしてて。実際、かなり落ち着いたし。だからあとちょっ
とだから……』
03817/7
垢版 |
2015/11/22(日) 16:00:49.070
 そしてあたしは別府の胸……というか脇辺りに顔を埋めて体に巻きつかせた腕に力を込
める。何かもう、すごく安心して、他のことはどうでも良くなっていた。悔しさとかやり
切れなさとか恥ずかしさとか。後から思い返したら、きっと死ぬほど悶絶するんだろうけど。
『……不思議……』
 あたしは、小さく呟く。何で、抱きついただけでこんなにも気持ちが楽になるんだろう?
男の子の体って、こんな力があるのだろうか? それとも、別府だから? ちょっとだけ
自問自答するが、すぐにどうでもよくなる。今はもう、そんなこともどっちでもいいやと。
だって、とにかく安心出来るんだから。


続く
0382ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/11/22(日) 23:25:31.990
>>381
GJ
砂糖はきそう
0383ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/11/23(月) 00:17:17.250
良い兄さんの日

敬語妹の出番ですね
0384ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/11/23(月) 21:23:02.670
敬語妹に
「ほんと兄さんは…私がいないとダメなんですから」
って満面の笑顔で言われたい
0385ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/11/24(火) 13:46:50.720
良い西の日…

関西ツンデレの出番ですね
0386ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/11/24(火) 19:34:36.870
お題

・とにかくデレない椎水

・とにかく妬かない坂上

・とにかく濡れない神野
03891/6
垢版 |
2015/12/06(日) 11:37:12.370
・ツンデレのことを雨女だってからかったら〜その11〜

『……ごめん。ありがと。もういい……』
 余分なことが考えられるまで思考が回復して、あたしはようやく羞恥心というものを思
い直して別府から離れた。恥を掻く、という言葉では表しきれないほど、あたしはみっと
もない姿を見せてしまっていた。駄々をこねて、わめいて、泣いて、抱きついて甘えて。
「雨、大分止んできた」
 ちょっと放心状態な感じで、別府が誰ともなしに呟く。あたしも同意してうなずいた。
『……そうだね』
 それから、またあたしたちは押し黙ってしまう。けれどあたしは、それも気まずくて、
何となく考えなしに、気分のままに深くため息をついた。
「どうした?」
 別府が聞いてきたので、あたしはとっさに思いついたことを口にする。
『……ううん。これでまた、友子たちからはバカにされるのかぁ……って思ったら、ちょっとね……』
 本当は、他にもいろんなことがいっぱい含まれているのだけれど、別府に言えることと
言ったらこの程度しかない。すると別府は、それに何気ない調子でフォローを入れてくれた。
「まあ、それはどうとでもなんじゃね? ドローンで監視してるわけでもなし。アスレチッ
ク終わって休憩中に降られたってことにしとけばさ。ネタとしては薄まるじゃん」
『でも……それでもさ。降ったことには変わりないのよね、とか言ってさー』
 本当は、もっと話すことがあるように思えるのだけど、そこに深入りしたくなくて、何
となく当たり障りなく、お茶を濁してる感がたっぷりの会話だなと思う。
「じゃあさ。もっと他の話題に注目させりゃいいんじゃないか? 水上アスレチックで俺
が水に落ちまくったこととか、おにぎりにわさび漬け爆弾仕込んだはずが目印間違えて自
爆したこととかさ」
 一瞬それはとてもいいアイデアに思えた。しかしその後の友子たちのリアクションを想
像した途端、警戒信号が頭にともる。
『……ちょっと待ちなさいよ。それじゃあ、ただの楽しいデート報告、みたいな感じになっ
ちゃうじゃない。そんなこと楽しげに報告なんてしたら、アンタとの仲をからかわれるだ
けでしょうが』
「じゃあさ。やっぱり雨女だった、っていじられるのと、椎水的にはどっちがマシなんだ?」
03902/6
垢版 |
2015/12/06(日) 11:38:26.880
 別府の問い掛けに、あたしはグッと言葉を詰まらせた。もちろん、あたしの誇りにかけ
て雨女呼ばわりなんて金輪際ゴメンだ。だからといって、別府との距離が縮まったことを
からかわれるのも恥ずかしい。
「それにさ。どのみちデートの内容については根掘り葉掘り聞かれるんだろ? 多分、椎
水が選ばなくたって無理矢理引き出されるぜ。だったら、自分から話の主導権握ったほう
がいいと思うけど」
『う…… た、確かに……』
 別府も友子のことは中学時代から知ってるだけに、おおよその展開は見えるのだろう。
的確な意見に、あたしはうなずかざるを得なかった。
「雨の件なんて、どうせ最初に聞かれるだろうからさ。ちょっと降ったみたいだけど、ちょ
うどアスレチック終わってシャワー浴びてる最中だったから、とか適当に言って、すぐデー
ト内容の報告に移っちゃえば、他の二人もそっちに興味持つだろ。当初のきっかけなんて
忘れちゃうよ」
『ううう…… でもそれって、別府との仲が親密になったー、とかってからかわれるって
ことでしょ…… まあ、確かに逃れられない運命かも知れないけど……耐えられるかなあ……』
 落ち込むあたしの背中を、別府が手の平で軽く叩いた。ビックリして顔を上げると、別
府はいたずらっぽく笑う。
「バカだなあ。だから主導権握るんだろ? 仲を聞かれたらさ。確かに面白かったけど、
あんなダサいところばっかじゃドキドキなんてしないってば、とか言っちゃえばいいんだ
よ。ま、椎水のためなら俺の男度ランクが女子の中で下がっても、それはしょうがないかなって」
『何カッコ付けてんのよ。あと、バカは余計』
 肘で脇をつつくと、別府は顔をしかめて苦悶してみせる。
「イテッ…… 何だよ。せっかく椎水のために一肌脱ごうって言ってるのに。俺だって野
郎共からあれこれ詮索されるだろうからさ。ダメだったとこだけクローズアップして、楽
しかったけどいい雰囲気には程遠いっていう風にしてやろうと思ってるのに」
『それはあたしが頼んだわけじゃない。てか、アンタだってあたしとカップリングされた
ら困るからってだけでしょーが』
03913/6
垢版 |
2015/12/06(日) 11:39:30.910
 自分の言ったことで、何故かあたしは自分の気持ちが落ちるのを感じた。別府があたし
とのゴシップ話を嫌がるだろうって思うのが、不思議と残念に思えたのだ。別府に同意さ
れるのが怖くて、あたしはうつむいたまま拳を握って返事を待つ。だけど、別府は黙った
ままで、あたしはついに沈黙に耐え切れずに顔を上げた。
『どうしたのよ? 何で困ったような顔してんの?』
 別府の戸惑いが気になって聞く。すると別府はチラリとあたしを見て、すぐに顔をそら
すと、上目遣いに屋根を見上げる。
「……っと、まあ、だな。その…… 椎水が困るだろうなーとは思ってたけどさ。俺自身
はって考えたら、別にいっかなって…… いや。その……変な意味じゃないけど……」
 それを聞いた途端、心臓がビクッて跳ねた気がした。雨に濡れて冷えてるはずなのに、
体が熱い。いや。それはさっき抱きついてた時からずっとなのかもしれないけど、今になっ
てあらためてその熱を感じてしまう。
『……変な意味って、どういう意味よ……?』
 聞くのが意地悪と分かっていても、つい聞かずにおれなかった。案の定、別府は苦い顔をする。
「そこ、聞くかよ。わざわざボカしてんのに。つか、まあその……男子としては女子との
間が噂になるのは悪い気しないって意味だよ。もちろん、その……程度ってのはあるけどさ」
『ふーん。じゃあ、仮に友子と噂になったとしても、悪い気はしないんだ』
 何か誰でもいいみたいな別府の言葉に軽く嫉妬を覚えて、あたしは意地悪なことを聞い
た。すると予想通り、別府が慌てた反応をする。
「いやその……それは違う意味で困るだろ。仮にそうなったら、アイツ絶対、変に悪乗り
して来るし。つか、そもそもねーよ」
『どーだか、ねえ? 話の流れってものもあるし。友子のことだから、あたしをからかっ
て嫉妬させようとして別府に迫るっていうのはあり得るかもよ? 腕組んで体寄せられた
りとかしたら、嬉しく思っちゃうんじゃないの?』
 ちょっとしつこく追求すると、別府は不機嫌そうな表情であたしを睨んだ。
「だから困るっつってんだろ。アイツの場合、みんなの前でそれやるからな。冗談にしか
ならないし。大体、そのシチュだと見せ付ける相手は椎水ってことじゃん。どう反応すれ
ばいいんだか分からねーよ」
03924/6
垢版 |
2015/12/06(日) 11:40:34.250
『ふーん。やっぱ、嫌がりはしないんだ?』
 意地悪するつもりでしつこく聞いてるのに、何か心のどこかが面白くない気持ちでいて、
あたしはそれをどうにもすることが出来なかった。
「空気ってもんがあるだろが。そんなことしたら場が白けるだろ? 俺が怒るってのも何
か違うし。大体そんなことで噂にならねえって。むしろ椎水が怒って余計しかお前との噂
が過熱する方にしかならないだろ」
 別府の指摘が的確すぎたせいで、あたしはうっかり慌ててそれを否定に走ってしまう。
『じょ、冗談言わないでよ。何で友子と別府がくっ付くと、アンタとあたしの噂が過熱す
る方に行くのよ。意味わかんないじゃない』
 本当は分かりすぎるほどに分かってるけど、それを認めると、まだ今も心にくすぶって
いるモヤモヤを認めることになってしまう。
「そんなもん、お前が怒るからじゃん。椎水って、軽く受け流すって出来ないからな。自
分ではそのつもりの時でも、周りからは全然怒って見えるっていう」
『それは、からかわれるのが頭来るからでしょうが!! 友子と別府がくっ付いたら怒る
んじゃないわよ。嫉妬なんかしないっていうのに友子ってばそういう時しつこく絡んでく
るから。てか、断じて嫉妬なんてしないからね!!』
 ムキになって抗弁すると、ちょっと驚いたような顔をした別府が、いきなりクッ、と笑
い声を漏らした。急にニヤけた顔になったのが気に入らなくて、あたしは別府を睨む。
『何よ。何がおかしいのよ。その顔、超ムカつくんだけど』
「いや、ゴメン。だってさ。椎水から振った例え話でしかないのに、何でそんなムキにな
るんだよって思ったら急におかしくなっちまってさ……」
『だ、だってそれは、その……例え話でも誤解されたくないでしょ!! 今回のパターン
だと学校で今日のこと話したら、友子がくっついてくるかどうかはともかく、そういう流
れもあるかもしれないし…… だからその、予防線を張っておいただけよ』
 言われてみると確かに、例え話でムキになっていた自分が恥ずかしくなってくる。何か
これじゃあ、うろたえてるように思われても不思議じゃない。
「予防線を張るってほど冷静じゃなかったように見えたけどな。どっちかっていうと、む
しろ必死みたいな」
03935/6
垢版 |
2015/12/06(日) 11:41:35.020
 必死じゃないと必死になって否定すると、別府がまた笑った。
『あーっ!! また笑った。絶対あたしのこと、バカにしてるでしょ? 女の子相手にそ
ういうことする? 超最低!!』
 なじることしか出来ないあたしに、別府は違うと手を振って見せた。
「いや。そうじゃなくてさ。今のはちょっと、安心したって言うか、いつもの椎水に戻っ
たなって、そう思ったらおかしくなって」
『いつものあたしはおかしい奴ってことかーっ!!』
 別府の言葉を悪く取って詰め寄ると、その勢いに押されて後ずさりしつつ、別府は首を振った。
「そうじゃなくて、良かったなって。さっきまで、ホントに元気がなかったからさ」
『あ……』
 心配してくれていたんだと、そう気付いた途端、あたしの怒りがサーッと引いていく。
同時に、詰め寄っていたので別府との距離がすごく近いことに気付かされた。
『……っと、ご、ごめんっ!!』
 パッと距離を取って、さっきまでより遠く、ベンチの端近くまで離れてしまう。気恥ず
かしくてうつむいていると、別府が前を指した。
「椎水。見ろよ」
『え? 何?』
 いったん別府の方を見てから、あたしは別府の指した正面を見る。すると、雨はまだ結
構降っているのに、太陽の光がきらめいていた。
「天気雨になってる。多分、もうすぐ止むぞ」
 あたしは立ち上がってあずま屋の端の方まで行くと、空を見上げた。黒い雲が切れ、晴
れた空があちこちに顔を出していた。
「……椎水。そこじゃ、濡れないか?」
 気を遣う別府に振り向くと、あたしは首を振った。
『さっきよりは大分雨脚も弱まってるから。それに、何かさ。陽の光に雨が照らされるのっ
て、珍しいし、キレイだなって』
 晴れているのに雨が降ってるって、何か幻想的で、あたしはちょっと見とれていた。す
ると横に気配を感じたのでチラリと横に視線を送ると、隣に別府が立っていた。
「だな。天気雨って、そうそう見れるもんじゃないし。それに、もう小降りになってきた」
03946/6
垢版 |
2015/12/06(日) 11:42:33.120
 雨が降り止んでしまう。降って来たときは絶望的な気分だったのに、今は何故かその雨
が止むのが寂しいような不思議な感覚がした。それを振り払おうと、あたしは冗談めかし
たことを口にする。
『……こういう時、パーッて空に虹が架かるとロマンティックなのにね。やっぱり別府の
甲斐性じゃ無理か』
「何でそこで俺のせいになるんだよ?」
 予想通りのツッコミが心地よくて、あたしは別府の方を向くと、ただ笑顔でそれに答え
た。別府はそれに少しの間戸惑ったような顔をしたが、やがて釣られて笑みを浮かべる。
「まあ、でもそうか。そういうことにしとこう」
『そう。そういうことなの』
 あたしたちは笑い合うと、もう一度外を見て、名残惜しそうに雨雲を見送った。


続く
次回でラストです
0395ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/12/07(月) 21:39:39.120
GJ

ツンデレスレも人がいなくなったなぁ
0396ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/12/07(月) 22:01:47.360
何か書こうという意思は常にあるんだがネタがねぇんだ
素直ヒートスレも素直クールスレも同じ理由で支援できてねぇんだ

>>394の方もGJです。この微妙な距離感がたまらなく好きですわ!
0397ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/12/16(水) 12:47:03.480
久々に来たけど完全に過疎ってるなぁ
ツンデレさんが寂しがってるぞおまいら
04001/2
垢版 |
2015/12/19(土) 17:17:55.530
クリスマスでさ

俺はいつもと違ってツンデレと勝負してたの

というのも俺せまい所が好きで押入によくこもっててさ

ツンデレに知られてからは居場所横取りされるようになった訳

それでクリスマスよ

俺は残業で疲れた体を引きずり押入に到着したの

ならツンデレ中でゴソゴソ物音させててさ

街行くカップルの毒気に当てられてた俺は抱きつくつもりで襖開けたの

したら考えが読まれててツンデレの方から抱きついてきてさ

慌てる姿見て優越に浸ろうとしたのに先手を取られたの

これは精神的に上にいった者が勝つ勝負、俺は力を込めて、俺の方が強いぞ、ってしたの

そしたらツンデレ、俺を受けとめたうえで頭まで撫でてきおったの

しかも甘い匂いもただよわせて完全に俺を殺しにかかってる

そうしておいてツンデレ急に抱きつきやめてさ、見たら顔真っ赤にして息もたえだえ

なるほど奴も負ける寸前だったみたいだし、今回は引き分けということにしておいてやるよ、って話
04012/2
垢版 |
2015/12/19(土) 17:18:56.370
クリスマスでさ

私は例年通りアイツを待ってたの

というのもアイツ暗い所が好きで押入にいると落ち着くんだって

して住みよいように改造された押入に私も夢中になった訳

それでクリスマスよ

アイツは自称彼女の私を置いて残業頑張ってるの

いつものことだから気長に帰ってくるの待っててさ

すればホラ、疲れた足音させながらアイツが帰ってきた

ため息もついて相当おつかれみたいだし押入に入ってきたら抱きついてお迎えしてあげようとしたの

そしたらさ、襖ゆっくり開けたと思ったらアイツの方からぎゅってしてきてさ

何か仕事で嫌なことあったのかもしれない、私はへたに理由を聞かずなぐさめてあげます

ならアイツだっこの力強くして、急に甘えんぼさんになったね

でも力込めすぎでちょっと痛いから一旦離れたの

したらアイツ餌おあずけくらった子犬の目してね、くっそ可愛くて鼻血でそう

その後はわしゃわしゃ頭撫でたいの我慢して二人押入にこもってケーキ食べたよ、って話
04021/2
垢版 |
2015/12/19(土) 17:20:55.590
クリスマスでさ

俺は例年通りツンデレとお仕事してたの

というのも俺ケーキ屋さんでバイトしててさ

行事があればツンデレを呼んで看板娘してもらう訳

それでクリスマスよ

俺はトナカイの着ぐるみで客引きするのね

ツンデレにはもちろんサンタさんの恰好をお願いするの

最初は嫌がってたけど今じゃ喜々として着てくれて助かるよ

お店の方もかわいいサンタさんが客引きしたとなりゃケーキも売れまくりでさ、ツンデレの営業スマイル天地を貫く

でも顔には出さなくても薄着で外は寒いからさ、休憩の時はストーブの前陣取って丸くなるの

そして休憩明け、からっ風にまかれたツンデレは身を縮めてさ

逆に俺はモコモコで暑いくらいなんで後ろからギュッて抱いてあったかいようにしたの

そしたら運よくツンデレの友達がケーキ買いに来てくれてさ

ツンデレったら友達見た途端、放せー、って大暴れ

今更恥ずかしがっちゃって、せっかくなんで皆にツンデレの可愛い姿記念撮影してもらったの、って話
04032/2
垢版 |
2015/12/19(土) 17:22:12.780
クリスマスでさ

私は例年通りアイツとお仕事してたの

というのもアイツケーキ屋さんで働いててさ

私もたまに呼び出されてお店手伝わされる訳

それでクリスマスよ

私はいつものサンタさんの服着せられるの

最初は抵抗あったけど慣れるとかわいい服でさ

アイツの方はブサイクなトナカイの恰好、色々とお似合いよね

お店の方も流行っててお客さんひっきりなしでさ、忙しい忙しい

でもこの寒い時期に薄着はきつくて休憩となれば暖房にダッシュ

そうすると休憩終わりが嫌でさ、北風にふかれた時なんか帰りたくなるよね

そしたらアイツとち狂って公衆の面前であすなろ抱き

しかも運悪く友達に現場押さえられてさ

抵抗むなしくアイツにめっちゃ愛でられて友達に写真撮られまくってさ

その時の画像が流出して、トナカイに犯されるサンタさんがテレビで全国放送されちまった、って話
0406ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/12/23(水) 09:56:39.310
ツンデレ幼馴染にお前今年のクリスマスも彼氏いねーのなって言ったら小声でなんかボソボソ呟くわけだけれど俺には聞こえないわけじゃん?
だから聞き返したら赤くなるわけじゃん?
暖房下げようかって聞いてその後思いっきりぶん殴られたいと思います
0407ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/12/28(月) 21:09:36.230
委員長ツンデレが隠れ巨乳なのは譲れない
0408ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/12/30(水) 01:04:22.060
友ちゃんを膝に乗せてすりすりしていたら一日が終わってしまった
04101/3
垢版 |
2015/12/30(水) 16:18:31.990
・ツンデレのことを雨女だってからかったら〜その12〜

「さてと。もうほとんど降り止んだし。行くか」
『行くって、どこに?』
 ほぼ分かりきったことだけど、あたしは敢えて聞いてみた。
「さすがに器具も濡れてるし地面もグチャグチャだし、このまま続けるのは無理だろ。体
も冷えてるし、戻ってシャワー浴びて、着替えようぜ」
『……うん。そうだよね』
 これで、別府とのデートも終わりか。分かってはいたけれど、こんな形の終わりなんて
残念でならない。あたしは聞こえないように、一つため息をついた。
「着替えたらさ。まだ時間も早いし、フラワーガーデンでも行こうぜ。同じ園内にあるん
だけどさ。まあ、椎水が花に興味があったら、だけど」
『失礼ね。あたしだって女の子だもん。キレイな花だってそりゃ見たいわよ』
 とっさに文句を言ってから、あたしはハッと気付いた。別府もあたしと同じで、まだこ
のデートを終わらせたくないって思ってたことに。
「なら、良かった。そしたら、後は地元に戻ってさ。どっかで甘いものでも食べて、反省
会やろうか。明日、クラスの連中にどう報告するかってのも、打ち合わせ詰めたいし」
『うん。賛成。運動した後だもん。絶対糖分必要になるから』
 嬉しい。その気持ちが素直に表情に出て、あたしは笑顔でうなずく。それでもやっぱり
終わりが見えるのが寂しい。その気持ちに気付いた時、あたしは決めた。寂しいなら、次
に続ければいい。そうすればまた、楽しみが出来る。
「じゃ、行くか。足元、気をつけろよ。ぬかるんでるからな」
 別府が先に立ってあずま屋を出る。それを追って、早歩きの別府に並んで歩きつつ、あ
たしは勇気を出して、決心したことを口にする。
『あのさ、別府。今度は……その……どこにしようか?』
「……は?」
 別府の足が止まる。驚くその顔が恥ずかしくて、あたしはうつむきつつ、頑張って言葉を紡ぐ。
『えっと、その……だってさ。別府には、証明出来てないでしょ? 今日はその、雨が降っ
ちゃったから、みんなには適当にごまかせても、別府はここにいたわけだし…… そうす
るとさ。その……もう一回……必要かなって……』
04112/3
垢版 |
2015/12/30(水) 16:19:42.840
 口に出せばスッキリすると思ったのに、口に出した後の方が恥ずかしいなんて、こんな
のドキドキが過ぎて辛い。別府の顔も見えないまま、あたしはしばらく無言の時間に耐えた。
「……ってことはさ。やっぱ、屋外ってことだよな? 映画やショッピングとかじゃなくて」
 あたしはコクッと大きくうなずく。こういう質問をするってことは、別府も前向きに考
えてくれているのかも。そう思うと、ドキドキは続いていたが、不安は一気に下がった。
「……椎水は、何か考えてないのか? そう提案するってことはさ。行きたいところがあ
るんじゃないのか? それなら俺は、そっちを優先するけど」
 逆質問みたいな形だったが、まさに別府の言うとおりだったので、あたしは勢い込んで答えた。
『あたしは、次行くなら遊園地がいいなって。夏だし、プールメインのところで』
 さっき、追いつくまでの短い時間で妄想してたけど、スライダーで二人で一緒に滑った
りとか、流れるプールで別府の乗ったボートをひっくり返したりとか、楽しすぎるなと思っ
ていたのだ。もっともあたしは、肝心なことを忘れていたのを別府の次の言葉で思い出さ
せられた。
「……ってことは、椎水の水着姿が見れるってことか?」
『はっ!!』
 とっさにあたしは胸を腕で覆い、体を横にくねらせて視線を避けるようなポーズを取っ
てしまう。
『ちょっ……ままま、待ちなさいよ!! エッチな想像するの禁止!!』
 そうだった。プールに行くという事は、お互いかなり素肌を出し合うわけで、となると
別府にそういう目線で見られてしまうことになる。嫌じゃないけど、想像するだけでかな
り恥ずかしい。
「いや。エッチっちゃあエッチだけどさ。人前に見せる姿なんだし、健全なほうだと思う
けどな……」
『そりゃ確かにその通りだけど、でも絶対その妄想は健全じゃないと思う……』
 別府の言い訳を退けるあたしの主張は、徐々にトーンが低くなった。よくよく考えてみ
れば、別府をプールに誘っておきながら水着姿の妄想もされないなんて、そっちの方がよっ
ぽどショックだ。
「いや。そんな普通にどんな水着かなって想像しただけだし。今の一瞬でいくらなんでも
そこまで妄想加速出来ないから」
04123/3
垢版 |
2015/12/30(水) 16:20:40.340
 あたしは唇を尖らせ、ジトーッと別府をにらみ付けた。あんまり別府を困らせるのもか
わいそうだし、後になってちょっと自意識過剰に思われたりしたらちょっとイヤだったか
ら、あたしは一つ荒く鼻息をつくと注文を付けた。
『分かったわよ。今は納得してあげるけど、実際にその……お尻とか胸とか、ジロジロ見
たらダメだからね』
「しない。しないって。約束するからさ」
 まあ、実際にはさりげなく視線を送ってくるくらいのことはしてもらいたいな、なんて
思ってもいるわけだけど、そんなことおくびにも出すわけにはいかない。
『じゃあ、今度こそ絶対雨の降らない日を選んでスケジュール組むから。もう、絶対別府
に雨女だなんて思われないようにね』
 あたしは、挑戦するかのように別府に向けて拳をぐっと突き出す。
「ああ。俺ももう、夕立とかマジ勘弁だからな。頼むぜ」
 別府が拳を出して、あたしの拳に合わせた。
『よし。それじゃ、行きましょ。汗掻いた後に雨に濡れてるから、体が変にベタついちゃっ
てるのよ。早くシャワー浴びて、着替えてスッキリしたいし』
「だな。まだ、今日だって終わりじゃないんだし。グズグズして時間を無駄にもしたくないしな」
『うんっ♪』
 そうなのだ。今日だって、これからフラワーガーデンで一緒に花を見て、帰りにお茶し
ながら反省会してと、デートはまだまだ続くのだ。雲ももはや随分と切れて、もう一度降
られることもなさそうだし。そして、今日が終わっても、また次がある。その時楽しかっ
たら、また次を作ればいい。そう考えると嬉しくなり、あたしは上機嫌で、別府と並んで
歩き出したのだった。


以上です。
0413ほんわか名無しさん
垢版 |
2015/12/30(水) 16:27:50.630
乙です!いつも投下お疲れ様です!あなたの書かれるかなみさんが大好きなので来年もよろしくお願いします!
0414ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/01/01(金) 01:49:22.610
明けましておめでとうございます。
0415ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/01/01(金) 13:52:04.010
お題

・振袖をきたメイドさんと初詣

・御神酒で酔ったメイドさんとの帰り道
0416ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/01/03(日) 02:56:45.550
巨乳ツンデレと爆乳ツンデレで鏡もちを再現したい
0417ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/01/05(火) 02:19:23.230
予想外に暑い冬の気温で蒸れたツンデレの腋をクンカクンカペロペロしたい
0421ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/01/05(火) 18:48:06.560
お題:レーシングラクーンツンデレ
タカシとレースして勝ったら好き放題!
ちなみんがヤる気満々のようです。
性的な意味で
0425ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/01/10(日) 22:24:54.480
お題

・ツンデレへのプレゼントが電車の中で取り違えられて、渡すはずだったネックレスが犬用の首輪になってしまったら

・年末年始に働き通しだったせいで、新年早々授業中に寝てしまうも、日頃の素行の良さのおかげで
寝かせたまま時は過ぎるが、次の時限は体育なので、タカシが起こしに行くと寝ぼけているメイドさんは
「あっ…申し訳ありませんタカシ様…、いま朝食の用意を……」と言ったところで意識がハッキリとし
慌てて取り繕うも、友子を始めとした女子からの質問責めにタジタジのメイドさんと、男子からの殺意を一身に受けるタカシ
タカシの家でメイドとして働いてることを言えるわけが無いので、結局年末にタカシと付き合うことになり
年末年始にメイドさんのコスプレでイチャイチャしてたので、つい寝ぼけて学校で『タカシ様』と言ってしまった
との言い訳でなんとかその場を凌いだものの、付き合っていると言ったことが、学校は勿論、街中にまで広がっていき
数日後には、ニッコニコしながら孫を可愛がる練習を始めるタカシの両親に頭を抱えるメイドツンデレ
0427・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その19 1/6
垢版 |
2016/01/11(月) 19:28:07.510
「へ……?」
 キョトンとした顔。鳩が豆鉄砲を食らったとはこんな顔なのだろうかと思うようなポ
カンとした様子の別府君を相手に、私はさらに質問を重ねる。
『私と一緒で楽しかった? 有意義な時間が過ごせたと思う? 初めてのデートってこ
んなので良かったの?』
 立て続けの問いに、別府君はすっかり押されて言葉を失ってしまっていた。しかし私
は視線を逸らさず睨むように真っ直ぐ強く彼を見つめながら要求した。
『答えて』
 そのままジッと、彼の答えを待つ。無意識のうちに体を彼に寄せた。その時、地面に
突いた手が彼の手と重なるが、私は気にしなかった。
「ちょ、ちょっと待って」
 空いたもう片方の手で私を制すると、別府君はややうつむき加減に視線を彷徨わせ、
若干自信のない様子を見せて言った。
「それってさ。えーと……俺から会長に聞くべき事だと思うんだけど。何つーか…… エ
スコートしたのは俺なんだし」
『それ以前に、このデートはカラオケで歌を教えてくれた貴方へのお礼なの。だから、
どういう楽しみ方かはともかく、別府君が楽しんだかどうかっていうのが重要なの』
 別府君がちょっと驚いた顔を見せた。恐らく私がこんなにもムキになって主張するこ
とが珍しいのだろう。私は頑固で自分の意見を易々と曲げる方ではないから主張を強く
通すことは珍しくないが、こんな風に感情を表に出してまで、というのはまずない。大
抵が理屈で通ってしまうからだ。
「……俺は……まあ、会長が楽しめればいいかなって、そう思ってたから」
『それじゃダメなのよ』
 彼の言葉を、私はバッサリと切って捨てた。
『私を楽しませることがデートだなんて、それじゃお礼でも何でもないじゃない。むし
ろ恩を受けた相手にまた恩を貰うような結果だわ。それじゃあ』
 感情がこもるあまり、私は別府君の手に重ねた手を強く握っていた。
「それじゃあ、会長は今日、楽しめたのか? 俺のエスコートで」
 一瞬、別府君の顔が期待の色を見せる。しかし私はそれをあっさりと打ち砕いた。
『そんな訳ないでしょう。バカ』
0428・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その19 2/6
垢版 |
2016/01/11(月) 19:28:57.020
 手厳しい言葉に別府君が呆然とした顔をする。それがみるみるうちに落ち込んだ様子
になり、私の顔を正視出来ずにうつむいてしまった。
「……だよな…… やっぱり……そうだよな…… 何か、俺をイジッてる時以外で楽し
そうな顔、見せてなかったもんな。両生類とか見てる時だって、却って俺が邪魔みたい
だったし……」
 弱音を吐く別府君に、私は苛立ちが募るのを感じた。どうにも私の気持ちが伝わって
いない。これじゃあすれ違うのも当然だと。
『何言ってるのよ。ちゃんと私を見なさい』
 左手で彼の頬に触れ、持ち上げるように私の顔へと強引に向けさせる。
『貴方のエスコートが悪かったって言ってるんじゃないわ。ずっと貴方が私の顔色を伺っ
て一生懸命なのは分かってたわよ。だけど、それが違うって言ってるの』
「えっと…… ゴメン。会長が何を言ってるのか、よく分からない」
 何というか、伝わらないもどかしさに私はつい、別府君の頬を思いっきり指でつまん
でしまった。
「いつっ!! いててててっ!!」
『だから、根本から間違ってたのよ。私は貴方に楽しんでもらわないとお礼にならない
と思っていたのに、貴方が私を楽しませることばかり考えていたらかみ合わないのは当
然よ。大失敗だわこんなの』
「あいたっ!!」
 憤って引っ張るように離すと別府君が悲鳴を上げる。頬をさすりつつ、別府君が目を
しばたかせた。
「いってぇ…… だからってつねることないと思うんだけど……」
『今のは勢いあまってついやっちゃっただけよ。謝れというなら謝るわ』
 別府君の抗議を素っ気無く流すと、彼も気を殺がれたのかそれ以上その件については
言わなかった。
「じゃあ、どうすれば今日のデートは成功だったんだよ? 会長的に言えば」
 私は難しい顔で考えた。
0429・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その19 3/6
垢版 |
2016/01/11(月) 19:29:28.260
『……そうね。そもそも、貴方にエスコートさせること自体が間違いだったのよ。うう
ん。いいとかダメとかじゃなくて、私が別府君を楽しませるために色々とやらなくちゃ
いけなかったんだわ』
「うーん…… でも、男としてはさ。やっぱりデートする時は、女の子の喜ぶところに
連れて行って、楽しんでもらいたいってのが一番にあるわけで……」
『男だとか女だとか、そういうくだらない価値観は捨てなさいよ』
 気持ちは分からなくもないが、私はそういうのは違うと思う。デートに関して言えば、
何も女の子の趣味ばかりを優先させる必要は全くないはずだ。互いが好き同士なら。
「ゴメン。何ていうかさ。もう少しモテる奴だったら、女の子にチヤホヤされてあちこ
ちデートに誘われるのも分かるんだけどさ。俺みたいに女にずっと縁がなかったりする
と、自分から誘うことばかりしか考えてなかったから、どうにもイメージ付かなくて……」
 何故か落ち込む別府君の目の前で私はため息をついた。気持ちは分からなくもないが、
こうにも男子として自信なさげな様子を見せられると、こっちとしても情けない気分に
なって来る。
『別にいいわ。貴方がイメージ出来なくたって関係ないもの。要は私が、キチンとやっ
てみせればいいだけの話だから』
「え?」
 別府君が驚いたように呟いて顔を上げた。もしかしたら幻滅されたとでも思っていた
のだろうか? そんな事はあり得ないのに。むしろ、間違っていたのは私なのに。だか
ら私は、それが伝わるようにと強い口調で彼に訴えかけた。
『だから、お願い。リベンジさせて』
 間近で彼を見つめて、私は返事を待つ。しかし別府君は驚いたような呆然としたよう
なその中間の何とも言えない表情で私を見ていたが、自分から何か言わないことには話
が先に進まないのに気付いたのか、ようやく口を開く。しかしそれは、私の期待とは程
遠いものだった。
「いやその……リベンジって言われても…… 何をするって言うんだよ?」
『ハァーッ……』
 私は思わずうつむいて深くため息をついてしまった。やっぱりどうにも、この件に関
しては私と別府君のデートに対する考えの溝は埋まらないらしい。
0430・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その19 4/6
垢版 |
2016/01/11(月) 19:29:54.360
『だから、デートのやり直しよ。今度は貴方に気を遣わせたりなんて絶対しないわ。別
府君が望む最高のデートを演出してあげる』
「いや。最高のって…… マジで?」
 私はコクリと頷いた。
『当然でしょ。今日のでむしろ、借りは大きくなっただけだもの。私が出来たことは、
辛うじて自分の分を自分で支払っただけでしかないわ。私の興味のある場所に連れて来
てもらって、私が楽しんだだけじゃない。それじゃ納得出来ないわ』
「いや。でも…… いいのかよ? つーか、出来るのか? 恋人同士でもないのに」
 確認する別府君の最後の一言が、私を狼狽させた。
『こっ……!! 恋人同士って…… べ、別府君って、そういうのを望んでいるの? も
しかして……』
 何とかして気持ちを平常心に戻そうと、私は意識して息を吸ったり吐いたりを規則正
しく繰り返す。もちろん、別府君には気付かれないよう静かにだが。
「あああああ、いやその…… そこまではもちろん要求はしないっていうか…… で、
でもさ。えーとやっぱり……男としては、多少のスキンシップは欲しいって言うか……
その、今みたいな感じで……」
『今?』
 私は怪訝に思って聞き返した。今、私が何か別府君とスキンシップなんてしているだ
ろうか? すると別府君は、視線を下に落として答えた。
「えーと…… やっぱり無意識だよな。さっきから俺の手に重ねて来てるのって。つー
か、単にコンクリートより置き心地がいいってだけだよな。多分」
 地面に置いた私の手の下にあるものがわずかに動く。それで私は自分が別府君の手の
上から重ねて軽く握っていることを意識した。
『……こんな程度でも、スキンシップって言うの?』
 私の疑問に、別府君は大いに頷いた。
「そりゃまあ、会長に……女の子に手を握ってもらえるなんて、男からしてみたら幸せ
だしドキドキするぞ。俺もさっきから意識しっぱなしだったし」
 私は重ねた手を見て、それから別府君の顔に視線を戻す。日の光の当たり方のせいか、
別府君の顔が赤くなっているかどうかは分からなかった。しかしまともに私の顔を見て
いないのは、やはり照れてくれているからなのだろうかとも期待してしまう。
0431・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その19 5/6
垢版 |
2016/01/11(月) 19:30:51.340
『……それじゃあ、腕を組んだり肩を抱いたりすればいいのかしら? 私がそうして、
喜んでもらえるだけの価値はあるの?』
 正直な話、秀美ちゃんやら聖花やらクラスの女子とかからモテるだの美人だのと誉め
そやされても私自身は一度も告白されたこともないので、果たして言われているほどの
価値が自分にあるのかはさっぱり実感が持てていなかった。高嶺の花過ぎて近寄れない
だとか、別府君のせいだとか言われても、本気で私を好きになるだけの魅力があるなら、
そんな垣根、乗り越えて来るんじゃないかと思うのだけれど。
「そりゃまあ、会長なら十分だろ。正直、俺が会長とのデート権を売ったら、どれほど
の高値が付くか分からないのに、スキンシップ付きとなったらもう天井知らずだろ」
『冗談じゃないわ。貴方だからそこまで許しているのに、他の男子なんて絶対そんな事
しないわよ』
 咄嗟に言葉が口から突いて出る。そして、別府君が口を半開きにしたまま呆然と私を
見ているのに気付き、自分の言葉を反芻してみて、私は自分がどれだけ危険な言葉を口
にしたのかに気がつき慌てて訂正した。
『も、もちろんその……カラオケを教えてくれたお礼だからっていう意味よ。何もなけ
れば、貴方になんてもっとしないわよ。そんなデート』
「いや。まあ今のは例え話だからさ。会長が自分とのデートに価値があるのか疑問っぽ
かったから。もちろん俺だってそんな権利売る訳ないし」
 どうやら別府君は生真面目に私の補足を真に受けてくれたようだ。今はそれで助かる。
『当たり前よ。私は売り物じゃないんだから。今度は例え話でもそんな事口にしたら許
さないからね』
 キッと睨みつけると、別府君も了解したとばかりに無言で肩をすくめた。
「それにしても、いくら俺へのお礼だからって、本当にそんな恋人同士がするようなデー
ト出来るのか? 会長が」
 私の一言が逆に彼を不安にさせたのだろうか? いや。もしかしたら挑発なのかも知
れないと、私は別府君の問いを色々と勘ぐりつつ強気で答えた。
『当たり前よ。私はやると言ったら絶対にやるわ。貴方にそんな事を心配されなくても
ね。それとも私をバカにしているわけ?』
0432・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その19 6/6
垢版 |
2016/01/11(月) 19:31:48.580
「い、いやその……バカにしてるとかそんなつもりはないけどさ。ただ……何ていうの
かな。俺なんかを相手に……いや。もちろんお礼だからってのは十分分かってるけど、
何かいざとなったら嫌悪感の方が先立つんじゃね、とか……」
 戸惑いの色を隠せない別府君に、私はもう少し自分に自信を持ってもいいんじゃない
かなと、いささか呆れる思いで見つめていた。もっとも、その自信を無くさせているの
は私の普段の言葉なのかも知れないけれど。そもそも嫌だったら、さっき指摘された時
点で重ねた手だって離している。
『だったら、試してみようかしら』


続く
といっても実はあと1回だった件
0438ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/01/22(金) 06:26:56.490
毎年冬は冷えた手を山田に温めてもらってるから、それにすっかり慣れちゃって手が冷たくなったら
「温めなさい!」
て言って手を突き出すようになった友ちゃんかわいい
0440・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その20 1/5
垢版 |
2016/01/23(土) 18:53:37.240
 煮え切らない彼に態度を決めさせようと、私は決意した。
「試してみるって…… 何を?」
 聞き返してはいるものの、別府君の表情を察するにある程度推測はついているらしい。
ただ、半信半疑なだけで。
『決まっているでしょう? 私が、言葉通りのことを本当にやれるかどうか、みせてあげるわ』
「みせてあげるわ……って……今、ここでか?」
 当惑する別府君に、頷いて意思を示す。
『ええ。おあつらえ向きに、付近には誰もいないわ。通りから誰か見かけたとしても、
それこそカップルがいちゃついてるだけだと思って気にもしないわよ』
「いや、それ。俺と恋人同士だって誤解されて、会長は何も思わないのかよ?」
『知らない人が私達の関係をどう思おうが、関係ないもの。ほら。もうちょっと傍に寄って』
 別府君の手に重ねて地面に置いていた手を離すと、私はその手を彼の体に回した。自
分の体を横に傾けてそのまま腰を引き寄せる。このまま別府君が自分から寄って来るの
を待っていたら、また無駄な時間を使ってしまいそうだった。
「こ……このくらいか?」
 私の手に誘われるように彼が体をずらす。しかしその距離では満足せず、私は首を振る。
『まだ寄れるでしょう? このくらいまで』
 今度は私から、体を彼に寄せる。互いの肩や腰、太ももがぴったりと触れ合うくらいまで。
「ちょっ……!? こ……ここまで?」
 驚いた声を上げるので、私は横目で別府君を睨み付けた。
『何? 私と体を触れ合わせるのは嫌なのかしら?』
「いいいいい……いや、その……イヤじゃないっ!! てか……嬉しいです……けど……」
 変な敬語が混じるのが彼の緊張を物語っていて、私は満足した。どうやら、最低限の
緊張とか動揺はしてくれているみたいだ。
『全く…… 私から誘っているんだから、自分からこの程度のことはして欲しいものだ
わ。甲斐性なしさん』
「わ……わりぃ……」
 右腕を腰に回しているので、別府君が体を硬くしているのが良くわかる。リベンジの
日までにはもうちょっとリラックスして貰いたいものだと思う。
『肩……抱いて』
0441・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その20 2/5
垢版 |
2016/01/23(土) 18:54:19.980
「へっ?」
 私の要求に、すぐ耳元で別府君の驚いた声が聞こえる。すぐ間近に彼の顔がある事を
意識して心臓がドキリとしたが、努めて冷静に、私はもう一度繰り返した。
『聞こえなかったの? 肩を抱いてって言ってるの。それとも、そこまではしたくない
のかしら?』
「いやっ……その…… それじゃあ、失礼して……」
 私の背中に別府君の腕が回る。肩に手が乗り、そっと力がこもる。もう少し強くても
良かったけれど、これ以上望むのは止めにして私は深く吐息をつく。
「えっと……どうかした?」
 私の吐息を訝しんで彼が聞いてくる。
『気にしないで。特に貴方にどうこうって訳じゃないから』
 深く呼吸してみると良く分かる。自分もかなり体に力が入っていたことに。一つ、呼
吸を繰り返すたびに力を抜くよう意識した。そして、ある程度緊張をほぐしたのを確認
して、私は頭を傾けると彼の肩に預けた。
『どう? このくらいの事なら、造作もないわよ』
 これはかなり強がった発言だった。力は抜けたとはいえ、心臓はかなり激しい鼓動を
繰り返しているし、体だってかなり熱を帯びている。別府君に指摘された時は、人と人
が触れ合えば自然とこうなるものだとごまかすつもりだった。
「えっと…… そりゃ、出来ることは出来るんだろうけどさ……無理とかしてない?
内心、結構イヤだったりとか」
『別に。体を触れ合わせることくらい、大したことじゃないわよ。特別何かを失うわけ
でもないのに』
 別府君が心配しているのは嫌悪感なのだろうけど、私はむしろ高揚感が気付かれない
かどうか、そっちの方が心配だった。
「うーん…… 何とも思われないってのも……それはそれで微妙な気分だよな」
 私の顔を見ながら、彼が苦笑する。上目遣いに彼の顔を見つめると、あまりの近さに
吸い込まれそうになる。もっと近づけたら、別府君はどんな表情をするのだろう。いっ
そ、このままくっつくまで顔を近づけたい。唇と唇が触れ合うまで。
0442・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その20 3/5
垢版 |
2016/01/23(土) 18:54:45.330
 そこまで考えて、私は慌てて目線を逸らした。自分達はまだ恋人同士ですらないのに、
何を考えているのだろう。それはある意味、強奪に等しい。別府君にはまだ他の女の子
を選ぶ権利はいくらでもあるのに。もっとも選択肢は少ないと思うけれど。
「会長?」
 考え事に没頭しているのを訝しんで、別府君が様子を伺うように呼んで来た。その声
で私は我に返る。そして自分の欲望を振り払おうと、あえて暴言を吐いた。
『ごめんなさい。悪いけど、離す時はこっちを見ないでくれる? この距離だと、直接
鼻に臭い息が当たるのよ』
「うぐっ!?」
 ばつの悪そうなうめき声を上げて、別府君が顔を逸らした。そして、肩を抱く手に力
を込めつつ、前を向いたまま横目で私を睨むように見る。
「……あのさ。せっかく体張って俺を満足させようとしてくれてるのに悪いけどさ。そ
ういう言葉は百年の恋も冷めさせるぞ」
『あら? むしろ付き合いが深ければ深いほど、お互いの欠点は率直に言い合うもので
しょう? もっとも、これでも私は遠慮しようと悩んだのよ』
「黙ってたのってそれかよ!! つーか、耐え切れないほど臭かったのか? そんな事
ないと思うけどな。朝はしっかり歯磨きして来たし」
『半日も経てば効果なんてなくなるわよ。最低限、お昼の後くらい口臭予防しなさい。
私はちゃんとしているわよ』
 文句を言いつつ、私は腰の肉を手でつかみうにうにと弄ぶ。意外と皮下脂肪が少ない
のは好印象だ。
「分かった。悪かったから肉体攻撃は止めてくれ。地味に痛いし」
 諦めて降参したので、私も掴むのは止めることにした。
『別府君の次のデートまでの課題はそれね。私にこうさせることへの罪悪感を感じるの
なら、もっと男を磨きなさい。最低限、口臭予防くらいは』
 そう言いつつも、私は内心ひそかに言葉を付け足す。それでも、キスが嫌になるほど
じゃないけれどね、と。
「分かったよ。ただ、会長と釣り合うまで磨き上げることは絶対無理だからな。過度に
期待するなよ」
0443・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その20 4/5
垢版 |
2016/01/23(土) 18:55:13.210
『しないわよ。もともとがもともとだもの。それに、釣り合う釣り合わないって第三者
が決めることだから、それは知ったことではないわ』
 私は実は褒め言葉のつもりで言ったのだが、予想通り別府君は悪く取ったようで、わ
ずかに顔をしかめたのが横顔から見て取れた。こういう言葉遊びが楽しくて、私はわず
かに口を綻ばせる。
「……分かった。会長の主観の方がむしろ厳しそうだけど、頑張るわ……」
『安心して。まるで期待してないから』
 既に十分なのだから、とこれも口には出さない。別府君はそれには答えず、ただため
息だけが返ってきた。
「……でさ。今日はいつまでこのままでいていいんだ? 会長が出来るってのは十分証
明出来たとは思うんだけど」
 別府君が自分から離れたがるようなことを言い出したので、私は驚いて彼を見つめた。
横顔だからはっきりとは窺えないけれど、その様子から私から切り出されるのを恐れて
の発言だと感じて少しホッとする。恐らく、手厳しく突っぱねられることを警戒したのだろう。
『……そうね。もう少し、休んでいたいかも』
 あえて、そっと目を閉じて彼に体を委ねるようにする。
『帰らなくちゃいけない時間になったら教えて。何気に貴方、枕としては優秀だわ。電
車なんかで横に置いときたい感じ』
「チェッ。枕かよ」
 舌打ちして文句を言うが、彼の口調から不満そうな感じはなかった。むしろ楽しんで
いる風にすら思える。
『ええ。風も気持ちいいし…… しばらく黙ってて。声はうっとうしいから』
「はいはい。じゃあ俺も大人しく、恋人気分を楽しませてもらうとするよ」
『この程度で満足しないでよね。これはまだお試しなんだから』
 うっかり言った言葉がどれほど大胆だったか、彼の体が驚きで跳ねるのを感じて気付
く。そして私は、慌てて付け足した。
『あ、あくまで時間的な意味で、だからね。本気の恋人みたいなことまでするわけじゃ
ないんだから』
0444・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その20 5/5
垢版 |
2016/01/23(土) 18:58:13.150
「わ、分かってるよ。ただその……言葉だけで興奮したっつーか…… と、とにかく、
誤解はしてないから」
『フン。言葉だけでとか、やっぱり貴方って変態だわ』
 罵り言葉とは裏腹に、私はよりいっそう別府君に体を預けると、つかの間の恋人気分
を満喫したのだった。


以上でデート編終了です。
だらだらと4年以上も掛けてしまい、失礼しました。
04501/6
垢版 |
2016/01/31(日) 11:28:54.250
・ツンデレににわか知識を披露してみたら

「あけましておめでとう!! カナタ君っ!!」
『……年明けた瞬間にこれかよ。年越しくらい静かに過ごさせてくれっての』
「もう。年明け早々からこんな可愛い女の子に訪問される男子なんてそんなにいないんだ
からね。そんな迷惑そうな顔してたらバチがあたるよ。自分の幸運に感謝しないと」
『自分のことを自分で可愛いとか、新年よりおめでたい頭だな。とにかく、寒いからドア
閉めろ。出来れば、お前は入ってこずに』
「何で締め出そうとするの? せっかくお正月の挨拶に来たのに」
『迷惑だから』
「そんなあっ!! お正月早々ひどいよ!! で、でも私は知ってるもん。カナタ君って
ば、それが本当は照れ隠しだっていうことを」
『お前な。いつも言ってるけど、そうやって何でも自分の都合のいいように解釈するの、
やめろよな。あとうるさいから静かにしろ。親父、もう寝てるんだから』
「ううううう…… だってだって、カナタ君の私に対する扱いがひど過ぎて、そうやって
考えでもしないと生きていけない……」
『いっそ俺離れするっていう手段もあるけどな。どうだ。大学入ってそろそろ一年にもな
るんだし、男の一人や二人作っても。それなりに見てくれは悪くないんだし、お前でもい
いから付き合うっていう奇特な男も中にはいるだろ』
「私にはカナタ君がいるから、他の男の子はいりません。ノーサンキューです」
『全く…… 今年で成人だってのに、全然変わんないよな。もう少し大人の女性になろう
とか、そういう努力はなしかよ』
「それなりに努力してるってば。お料理だとか、オシャレだとか」
『それは大学でやらされてたり、友達の影響受けてやってることだろ。自分なりのこう……
なんていうか、精神的に変わろうとかないのかよ。こんな深夜に無防備に男の部屋に入ら
ないようにしようとかさ』
「カナタ君なら大丈夫だもん。私はカナタ君に身も心も捧げてるからね」
『しれっとそういうこというの止めろ!! 体が痒くなる』
「あー。ダメだよ、カナタ君。深夜にそんな大声出しちゃ、近所迷惑だよ。カナタ君も今
年はお酒飲める年になるんだし、もうちょっと精神的に大人にならなきゃね」
04512/6
垢版 |
2016/01/31(日) 11:29:35.420
『テメー…… 人にわざと大声出させるようなこと言っておきながら、得意げにそういう
態度取るか。なら分かった。そう言われたからには、俺も大人な対応取るわ』
「あれ? どうしたの? スマホなんて取り出して。それと大人な対応ってどんな関係が
あるの?」
『いや。ちょっと警察に電話な。変な女にずっとつきまとわれて困ってるんですって相談
しようかなと』
「ひどい!! まさかのストーカー扱いだよ!! いくらカナタ君でもそれはないよ!!」
『だったらもう少し自重しろ。少なくとも、こんな真夜中に男の部屋に押しかけるのはや
めろ。ハッキリ言えば迷惑だ』
「お、押しかけたんじゃないもん!! ここに来たのはちゃんとした健全な目的があって
ですね。別にカナタ君の寝込みを襲ってあーだこーだとしようとしたわけじゃなくて……」
『いや。勝手に俺の部屋来てる段階で押しかけてることになるんだが。まずお前は日本語
がそもそも弱いんだから、そこを何とかしろ』
「カナタ君のお母さんにはちゃんと招き入れてもらったし…… でね、でね。それはいい
の。それよりも、そう。ここに来たのはね、カナタ君を初詣に誘おうと思って」
『へえ。珍しいな。お前からそんなこと言い出すなんて』
「へ? 何で? お正月なんだよ。初詣行くのって、自然なことじゃない?」
『だって、高校の時は夜中の初詣なんて寒いし起きてられないから無理って言ってなかっ
たっけ? ほら。クラスの連中で行こうかって話になったじゃん』
「だって今年は暖冬だし、それにカナタ君と二人っきりなら気合の入り方も違うもん。み
んなが一緒だと、カナタ君全然私の相手してくれないからつまらないし」
『じゃあ今回は俺が言ってやるよ。眠いし孝美の相手するの大変だからヤダ』
「ひど過ぎる!! でも行くんだよね? ね? だって高校の時だってみんなから年頭の
行事を何だと思ってるんだって散々文句言われて結局私も参加させられたもん。だからカ
ナタ君も行くの」
『ちっ…… しょうがねえな。別にお前の言葉に乗せられたわけじゃないけど、行くか』
「え? ホントに? うそ。やったあ!!」
『何だよ? その、うそって。もしかして俺が行くとか思わずに誘ってたのか?』
04523/6
垢版 |
2016/01/31(日) 11:30:13.810
「や、やだなぁ。そんなことないけどさ。カナタ君のことだし、私と行くのだともうちょっ
とゴネるかなーって……」
『だってどうせ、俺が行くって言い出すまでこの部屋から出ない気なんだろ? お前に居
座られるのも困るし、それにまあ、どのみち地元の神様にお参りくらいしといた方がいい
かなって』
「何かちょっと理由が微妙だけど、とりあえずカナタ君と初詣っていう最初のイベントは
叶った。うん。今年は何かいいことがありそう」
『願わくば、これがお前と絡む今年最初で最後のイベントにしたいけどな』
「そうは行かないもん。今年はカナタ君といーっぱいデートして、いっぱい遊んで、そし
てちょっと大人の階段を登れますようにって神様にお願いするんだもん」
『神様。この強欲な奴に天罰が当たりますように……』


「ううう…… やっと着いた……」
『何でそんな疲れたような顔してんだよ。まだお参りはこれからだろが。別に大した距離
歩いたわけでもないし、確かに普段よりは人が出てるけど、混雑ってほどでもないだろ』
「カナタ君はなんともなかったの? この甘い誘惑の匂い。焼きそば、たこ焼き、ケバブ
にクレープ。肉まんにじゃがバター。どうしてカナタ君が平気な顔していられるのかわか
らないよ」
『そういや、お前全然騒がなかったな。前にクラスの連中と来た時は、あれ食べよ、これ
食べよってうるさかったのに』
「……さすがに私も夜12時過ぎてからの高カロリーなフードは危険だという事を認識した
のです……」
『太ったか。そういえば高校の時はもっとシュッとしてたかもな』
「失礼な。見た目はまだ大丈夫だもん。服のサイズだって変わってないもん。ただちょっ
と体重計のメモリが二つばかり右にずれただけだもん」
『メモリとか、どんだけ古い体重計使ってんだよ。今時、どんな安いのだってデジタルの
体脂肪計つきとかじゃねーのか?』
「イ、イメージで言ってるだけで、ホントにそんなの使ってるわけじゃないから。ていう
か、あんまりしつこく追求しないで。いくらカナタ君でも、ホントの体重とか知られたら
泣くから」
04534/6
垢版 |
2016/01/31(日) 11:30:38.130
『その話題振ったのお前だろ。さすがに孝美相手だからってそんなところまで具体的に聞
こうなんて思わないから安心しろ』
「よかったー。カナタ君、優しいから好き!!」
 ギュムッ!!
『バカよせ。抱きつくなっての。こんな人前で誰かに見られたらどうすんだよ。地元だし、
知り合いとかいるかもしんないだろ』
「私は平気だよ。むしろ自慢しちゃうもんね。カナタ君とこんなに仲良くなれたんだよーって」
『やめろ。つか、まだ鳥居はくぐってないとはいえ、ここら辺もう神域だろ。いちゃいちゃ
し過ぎてると神様が怒るぞ』
「う。それは困るかも。カナタ君と親密になるはずが怒って天罰なんて与えられたら困っ
ちゃうし」
『だろ? ならいい加減離れろ。いくら冬だからってコート着たままの格好でベタベタさ
れたら暑っ苦しいんだよ』
「むー…… じゃあ、また後で」
『後はねえっ!! 全く、くだらねえこと言ってないでさっさと行くぞ。一通りやること
やったらさっさと帰るからな』
「えー。せっかくなんだし、このままカナタ君と二人で朝までどっかで過ごしたいなーな
んて思ってたのに」
『そこまで付き合ってられるか。大体、この辺りじゃどっかでなんて言ったって、コンビ
ニか牛丼屋しかねーだろ。そんなんだったら大人しく帰ったほうがマシだ』
「あ、待って、カナタ君」
『何だよ。いつまでも門前でだべってるほど暇じゃねーぞ。こっちは』
「そうじゃなくてね。鳥居をくぐる時は、ちゃんと一礼してからくぐるんだよ」
『は? そうなのか。何か、初めて聞いたけど』
「神社をお参りするときはそうするんだよ。結構常識なんだけどな。カナタ君、知らないんだ」
『別に周りの人見たって、みんなお辞儀なんかしてないじゃん。そんな気にするようなも
のでもないんじゃないのか?』
「なに言ってんの? 神様って怖いんだよ。ちゃんと礼を持って接しないと天罰が下るか
もしれないんだって」
『得意そうな顔しやがって。どうせネットかなんかで見たにわか知識だろ』
04545/6
垢版 |
2016/01/31(日) 11:31:07.760
「にわかじゃないもん。ちゃんと調べたんだから。あとね。鳥居をくぐるときは、真ん中
は歩いちゃダメなんだって」
『これだよ。バカがちょっと知識つけると、得意がって披露したがるんだよな。うっとう
しくでしょうがねーよ』
「むー。知らないカナタ君にバカって言われたくないもん。他にもいろんな作法があるか
らね。何でもこの孝美先生に聞いてもらっていいんだよ?」
『なにが孝美先生だ。くだらねえ。いーよ。別に教えてもらわなくたって。別に他の人だっ
て大して気にもしてないみたいだし、天罰なんて当たらないだろ』
「ノンノン。こういう時だからこそ、作法をしっかりと守ると神様だって、お? あの子
ちゃんと作法を守ってるな。よしよし。いい子だから願いを叶えてやろう、ってなるわけ
よ。そしたらもう、カナタ君とハッピーラブラブライフを送れるのよ。ヒャッホーウ!!」
『こんな場所で踊るな。アホ。つか、そしたら俺の願い叶わないじゃん。俺の願いは出来
る限り孝美と接触せずに、落ち着いた大学生活を送れますように、なのに』
「またそんなヒドいこと言っちゃって。でもね、知ってるよ。男の子って、好きな女の子
に言い寄られると、恥ずかしくて素直な気持ちになれないんだって。カナタ君も照れ隠し?
ねえ、照れ隠し? かーわいいいいたたたたたた!! 指折れる指折れる!!」
『人のことを無作法に指差してツンツン突くからだ。今度くだらねえこと言ったら本当に
指折るぞ』
「もう。女の子に暴力はダメだよ。カナタ君てば、すぐ痛いことするんだから。しかも、
ダメージの残らない痛めつけかたするところが心憎すぎる」
『お前がくだらないこと言わなきゃ、そんなことしねーよ。ただ、放置すると調子に乗る
からな。これはダメって言うのは、ちゃんと体に刻み込ませないと』
「私はペットか何かの扱いですか…… でもそれだったら、言う事聞いたときにはちゃん
とご褒美もくれないと!! ハグとか、キスとか。スキンシップも痛いことばかりじゃな
くて、たまにはそっちも欲しいよ!!」
『お前、今日何かご褒美に値することしたか?』
「したよ。カナタ君にちゃんとお参りの作法教えたじゃん。いいことなんだから、ちゃん
とご褒美ちょうだいよ」
04556/6
垢版 |
2016/01/31(日) 11:32:00.750
『そんなもん別に俺が頼んだわけじゃないし、ご褒美やる理由が分からない』
「ふぐっ…… でもでも、とっても重要なことなんだよ。他にもまだあるし、いろいろ教
えてあげるから、前借りも含めて。せめて手を繋ぐだけでもいいからお願い」
『……しょうがねーな。手を出せ』
「え? ウソ? ホントに? やたっ!! 神様。言ってみるもんですよ!!」
『まだ誰も手を繋ぐとは言ってないけどな』
「ちょっと待って…… もしかして、喜び勇んで手を出した瞬間、腕をひね上げられると
かじゃないよね……?」
『さあ? どっちを信じるかはお前次第だがな。別にいいぞ。俺はこのまま先に言っても』
「待ってカナタ君!! ううううう……」
『分かった。あと10秒な。じゅー、きゅう、はち、なな、」
「お願いします!!」
『へえ。賭けに出る方を選んだか』
「だって、カナタ君から手を繋いでもらえるかもしれないんだよ。だとしたら、こんなチャ
ンス、滅多にないのに。もし仮に痛いことされたとしても、それはいつものことだから大
丈夫だもん」
『人聞き悪いこと言うな。俺がそういうことするのは、お前が調子に乗り過ぎたときだけ
だ。ほっとくと、図に乗りすぎるからな』
「反省します。そして、謙虚な気持ちでお願いします」
『全く…… しょーがねえな……』


ちょっとだけ続くのです。
0459ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/02/09(火) 01:15:29.500
中学生の時からこのスレ見てるけど




やっぱり かつみんは俺の嫁だわ
0461ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/02/15(月) 23:43:20.150
457「ちなみんに俺の恵方巻き食べてもらいたい!」
ち「カッパ巻きの間違いではなく……?」
457「なんでだよ。めっちゃ太いし青臭くもないわ」
ち「……君は」
457「はい」
ち「私に……君自身のその恵方巻きとやらを、食べさせたいという……」
457「そりゃもうとっても」
ち「私の喉奥にそれを捻り込み……嗚咽し、むせぶ私を……愉悦の表情で睥睨したいという……」
457「へ、へーげー……?」
ち「うう……なんとおぞましい……。でも、私が拒否すれば……きっと君は、他の女性を毒牙にかけんとする……はず」
457「あの、、もしもーし?」
ち「仕方ない……。世の女性を守るためにも……ここは私が、君の恵方巻きを窒息寸前になるまで、頬張らなきゃいけないんだ……」
457「ちなみさん? ちなみさーん!?」
ち「そして……挙句の果てに……胃の腑に君の熱い情念を注ぎ込まれ……私は大地に倒れ伏すんだ……」
457「ちょっと失礼……。うわっ! すっげえ熱!! 今氷まくらと熱さまし持ってくるからな!?」
ち「そしてそして……ブツブツ……ぶつぶつ……」
 今年もインフルの季節だ! 皆も気をつけるんだぞ!(投げっぱなし)
04641/6
垢版 |
2016/02/20(土) 19:30:31.980
・ツンデレににわか知識を披露してみたら〜その2〜

 ギュッ……
「えっ!? ウソやった!! ホントに? カナタ君」
『別にご褒美でもねーし、繋ぎたいからでもねえよ。ただ、迷子対策……つーか、お前気
が散りやすいからすぐ道外れてどっか行きそうだし、はぐれたらはぐれたで、カナタ君ど
こーっ!!ってうるさそうだからな。恥かかないように、予防策ってだけだ』
「もう。ホントは気を遣ってくれてるんでしょ? 恥ずかしいからそう言ってごまかして
るけど、カナタ君ってば優しいんだから。だーいすき!!」
 ギューッ!!
『おい。誰が腕に抱きついていいっつったよ。調子に乗るんじゃねーっての。うざったい
な。離れろ』
「やだ。カナタ君がこんな優しさ見せてくれるなんて久しぶりだもん。甘えられる時にと
ことん甘えておかないともったいないよ」
『別に優しくした覚えなんてないっつってんだろ。迷子にならないためだけだからこんな
にくっつく必要ねーだろ。いい加減離れないと、このまま手を握り潰すぞ』
「平気だもん。カナタ君の温もりの前には痛みだってどっか行っちゃうのだ」
『よし分かった。どこまで耐えられるかやってみろ』
[よう。カナタと別府。相変わらずお熱いな。ヒュウ]
『んなあああああ!! や、友哉? どっから現れたテメー』
[さっきからいたんだけどな。面白いから声掛けずにずっと見てた]
『人が苦労してんの面白がって見てんじゃねーよ。このバカ!!』
【うふふっ。カナタ君。孝美ちゃんも久しぶり。あけましておめでとう】
「あーっ。真希ちゃん久しぶりー。うちの学祭来てくれて以来だよね?」
『何だ。山田も一緒かよ。友哉だって人のこと言えないだろが』
[バッカ。お前らとは違うよ。その、これは事の成り行きっつーか]
【あのね。友哉君に晴れ着の写真、撮ってもらったの。せっかくの晴れ着姿だから写真に
残しておきたいって思ってね。お父さんは写真館で撮ってもらおうかって言ってたんだけ
ど、それじゃお金かかるし、その……私は、友哉君に撮って欲しいなーって思ってたから】
04652/6
垢版 |
2016/02/20(土) 19:30:56.290
[いや。絶対写真館で撮った方が安上がりだったろ。お前のお母さんから、お年玉だって3
万も貰っちまって…… 何かむしろ悪いことした気分でさ]
【それでね。せっかくだから、初詣にも行こうかっていうことになってね。私は夜に来た
ことはなかったんだけど、友哉君がちゃんと案内してくれるって言うから】
[俺は毎年来てるから、別に山田がどうとかじゃなくて最初から行くつもりだったし。お
ばさんに勧められたら、お礼も貰ってる手前、断れないじゃん。なあ]
『俺に振るな。俺に』
【そういえば、友哉君と大晦日に初詣って初めてだよね? なんかちょっとドキドキするかも】
[ばっ…… バカ。変なこと言ってんなよな。別にこんなの、知り合い同士なら普通だよ
な? カナタ]
『そうか? 俺はめんどくさいし、出来れば人ごみだって分かってるところに単なる知り
合いと出かけたくないけど』
[ほお? じゃあ、なんでカナタは別府と初詣なんて来てんだ? これはもしかしてお前
ら、俺がちょっと目を離した隙に仲を進展させてたとかじゃねーよな?]
「え? 友哉君分かる? だってほら。手だってカナタ君から繋いでモガモガモガ……」
『こいつがいきなり押しかけてきて、初詣に行かないと朝まで居座りそうな勢いだったか
ら仕方なく出てきただけだ。手を繋いでんのは、単なる迷子対策。孝美はすぐチョロチョ
ロとどっか行くからな。分かったか友哉』
[え? 何だって? 夜中に押しかけて来れるほど、お前ら仲が良いって? なるほどな
あ。これはもう、男女の仲も相当進んでるって考えちゃってもいいのか?]
『お前…… いい加減にしないと殴るぞ』
[おっと。ムキになっちゃって。これはもしかして図星って奴か――って!!]
『言ったろが。殴るぞと』
[あいってえ…… ゲンコツで殴るかよ。しかも頭頂部めがけて、容赦ねーな……]
【友哉君。からかい過ぎるの、よくないよ。カナタ君はそういうの、昔から好きじゃないっ
て知ってるのに】
『山田って、正直よく気が回るし、いい子だよな。孝美に爪の垢煎じて飲ましてやりたい
くらいだよ』
【え? 孝美ちゃんは孝美ちゃんで頑張ってると思うけどなあ。ちょっと空回りしてるけど】
04663/6
垢版 |
2016/02/20(土) 19:31:36.850
『ちょっとどころじゃないから困ってんだよ。空回りっつーか、もはや軸から外れてとん
でもない方向転がってるっつった方がいいようなくらいだ』
「真希ちゃんって、やっぱり分かってくれてるよね。それに引きかえカナタ君ってば、全
然私の頑張りを見ようともしてくれないんだもん。ほら。ねえ。こんなに誘惑してるのに」
『だからそれが迷惑だっつってんだろが。空回り以上の何者でもねーだろ』
【えーと…… そういう事は確かに、女子から積極的に行くとちょっと引かれるかもしれ
ないから、自重したほうがいいかもね……】
「おう…… 真希ちゃんにもダメだしされたよ…… でも諦めないもん。カナタ君の心が
私になびくその日まで」
『墓に入るその日までかよ。冗談言うな。こっちが付き合ってられねーよ……』
[さてと。山田。そろそろ行こうぜ。お二人の邪魔しちゃ悪いし、お前もあんまり遅くま
でいるわけにも行かないしな]
『友哉。お前とは一度、とことんまで話し合わないといけないらしいな。場合によっては
拳も交えて』
[おっと。暴力反対。んじゃま、お二人さん。また今度ゆっくり会おうぜ]
【それじゃ、カナタ君。孝美ちゃん。またね】
「うん。バイバーイ」


『ちくしょう…… 相変わらずマイペースな野郎だな。あれじゃ、山田も苦労させられてるだろ』
「真希ちゃんのフォロー力は半端ないから。でもいーなー。晴れ着。私も着たいなー」
『山田はよく似合ってたな。でも、お前はダメだろ』
「えー!! そんなことないってば!! 私もちゃんと女の子なんだよ? 絶対似合うも
ん。それで、カナタ君を惚れ直させるんだもん」
『いや。惚れ直すって、そもそも一度も惚れたことがないし』
「またバッサリだよ、この人!!」
『あと、似合う似合わんはともかく、お前はすぐに着崩しそう。動きがムダに大きいし、
すぐちょろちょろ走ったりするからな』
04674/6
垢版 |
2016/02/20(土) 19:32:01.470
「ううう…… お母さんと全く同じこと言われた…… 成人式までにそのガチャガチャし
た性格直さないと、母娘の縁を切るって……」
『そういや、成人式って今年だろ? そりゃお前、120%母娘の縁切られるわ。ま、大人し
くちょっとオシャレな普段着程度にしとけ。振袖は100%無理だから』
「そんなぁ。100%とか言わないでよ。何とか頑張ってお母さんに認めてもらうもん。それ
でカナタ君に、馬子にも衣装だなって言われたいもん」
『それ、褒め言葉じゃねーだろ。つか、ようやくお前も少しは分をわきまえた発言するよ
うになったな』
「今の言葉も何気にひどいよ…… でもまあ、カナタ君からの暴言は裏っかわにびっしり
と愛が詰まってるからね。全然大丈夫だよ」
『前向きに考えるのはいいけどな。お前が愛っつってるのは、単なる毒だから。致死率100%の』
「ぐっ…… ま、負けないもん。これからいっぱいお祈りして、毒も愛に変えてもらうんだから」
『ちょっと待て』
「やん。なに、カナタ君。手なんて引っ張っちゃって。まさか人気の無いところに誘おうっ
ていうの? ダメだってば。ちゃんとお参りしてからじゃないと」
 グキッ!!
「あいたっ。指!! 指つぶれるよ!!」
『おっと悪い。あまりにむかっ腹の立つこと言われたから、つい力が入っちまった。すまねえな』
「謝罪に心が全くこもってないよ。あの……もしかしたら、人目があるから腕をひねり上
げるとか自重したの……?』
『ほう。自分がくだらないことを言ったっつー、自覚はあるんだな?』
「く、くだらなくはないよ? 心の中の欲望が直接口に出ただけで。だってほら。カナタ
君ってば恥ずかしがり屋さんだからさ。ちゃんとオーケーサイン出しておかないと、誘い
たくても誘えないかなー、なんて」
『まあ、今更お前に女の子らしく少しは恥じらいを持てとか期待はしないけどな。そうい
う発言すると痛い思いをするってことくらい学習しとけ。俺だってしたくてしてるわけじゃ
ないし』
04685/6
垢版 |
2016/02/20(土) 19:33:00.310
「そうなの? てっきりカナタ君ってば、好きな女の子を痛めつけるのが好きなサディス
トなのかと思ってたけど、違うんだ。良かったあ。結婚してもずっとこういうプレイしな
きゃならないのかなって、覚悟してたんだけど」
『お前な。俺と知り合って何年経つと思ってるんだ。人のことを好き好き言うなら、性格
くらい把握しとけ』
「うん。知ってるよ。カナタ君って、口は悪いしすぐ痛いことするけど、本当は優しいん
だって。だって、いつもなんだかんだ言って、私のこと心配してくれてるんだもんね」
『心配っつーか、目の届くところで危なっかしいことするから、暴走止めてるだけだ。勘
違いすんな』
「あ。出た。ツンデレのテンプレワードでしょ? 今の。か……勘違いしないでよねって。
で、お前のことなんて全然好きなんかじゃないんだからなって続くんだよね? ね?」
『殴るぞ』
「わっ!! カナタ君目がマジだよ。怖い怖い。ごめんなさいごめんなさい。もう言いません」
『全く…… お前と付き合ってるとお参りする前に夜が明けちまうじゃねーか』
「はっ!! そうだった。でも、私が先に行こうとするのをカナタ君が引き止めたんだよ? 
むしろ妨害したのはカナタ君じゃん」
『アホ。お前は清めもせずにお参りするつもりなのかよ』
「そんなことないよ。ちゃんと手水舎で手を清めないと、無作法に当たることくらい知っ
てるもん」
『ほれ。あそこ』
「ああっ!! あんなところにあった。もう。神社ってば時々分かりにくいところに手水
舎あるんだもん。危うく素通りして行っちゃうところだったよ」
『あんだけ人が集まってて分かりにくいもクソもあるか。お前が不注意なだけだ。どーせ
周りに気を配らずに、本堂の場所しか見てなかったんだろ』
「もうちょっと向こうかなーって思ってたんだもん。だって、ここ来るの久しぶりだし……」
『地元の神様なんだし、初詣だけじゃなくて普段から参詣して神様に顔出しとけよ。鳥居
をくぐる時どーのって、ネットで見たような知識披露するだけじゃなくてさ』
04696/6
垢版 |
2016/02/20(土) 19:33:45.720
「さ、作法だって重要だもん。知ってる? お清めする時の順番。最初に左手洗って、次
に右手洗って、その後は左手に溜めた水で口を清めて、もう一回その手を清めて、最後は
柄杓の柄に水が伝うように立ててから置くんだよ」
『最後のは知らないけどな。でも、他のはあそこに書いてあるし、お前の教えとか別にい
らないから』
「それだけじゃないんだよ。お水はね。最初に汲んだ一回だけで、全部のお清めをやらな
くちゃいけないの。足りなくなったからって継ぎ足しちゃいけないんだよ」
『へえ。そうなんだ。そりゃ、知らなかったな』
「えっへん。すごいでしょ。あとね、あそこのおばさんみたいに直接柄杓に口をつけると
か、論外だから。あんなことするとバチ当たるよ」
『ア、アホ。人を指差すなっての。気付かれたら怒られるだろが。つか、それも無作法だ。
神様関係なく』
「やっぱ、あーいうのってちゃんと注意した方がいいのかなあ? だってみんなが使うも
のだし、汚いよねえ」
『まあ、よくないのは確かだけどな。けど、神前でもめるってのもあんまりしたくねーしな』
「とにかく、私たちもやろっか。左手、右手、口、左手、柄杓の順番だよ。分かった?」
『わかってるよ。何度も言うな。調子乗りが』
「いや。私自身も確認ってゆーか…… ちょっとずつ使わないとすぐなくなっちゃうんだ
よね。んっ……クチュクチュ……ペッ。で、左手洗って……あれ。もう水ほとんどないや。
まあ、気持ちだけ立てて、と。はい。おしまい」
『何だよ。自慢げに言った割には適当だな』
「作法はちゃんと守ったもん。それに、作法を正確に守るのは大事だけど、それ以上に大
事なのは、神様に対する尊敬の念だから、それをちゃんと持っていれば多少失礼があって
も大丈夫だって」
『やっぱ、適当だ』
「ちゃんとした神社のホームページに書いてあったんだもん。だから大丈夫。さ、いこ」
『待った。口元。水、ついてるぞ』


続くのです
04721/3
垢版 |
2016/02/21(日) 12:53:42.520
・誰にもチョコをもらう予定のない男にツンデレがチョコをあげたら

『ねー、お兄ちゃん。お兄ちゃんってさ。今まで女子からチョコってもらった事あるの?』
「は? 何だよ唐突に」
『いーじゃん。明日バレンタインデーだし、何となく自分の兄貴のチョコ事情ってどうな
のかなーって気になっただけだから』
「そんなもん、好奇心丸出しで聞くことでもないだろ。兄妹とはいえ、ちっとは気を遣えよな」
『てことは、貰ったことないんだ。ダサッ』
「ダサッてなんだよ。大体、貰ったことないわけじゃないぞ。小百合ちゃんだろ。静菜ちゃ
んだろ。あと……」
『小百合さんって小学校の頃隣に住んでた四つ上のお姉さんじゃん。静菜さんは小学校の
クラスメートで、確かクラスの発表会の打ち合わせでうちに集まった日がたまたまバレン
タインデーで、みんなに配ったとかじゃなかった? はい。どっちも義理チョコ決定』
「何で俺のチョコレート事情をよく覚えてやがるんだよ。いやらしい奴だな」
『別にお兄ちゃん気にしてたわけじゃないもん。なんか、年上の女の人って憧れてついつ
い見ちゃうんだよねー。何でもキレイで大人っぽく見えてさ。良かった。二人ともお兄ちゃ
んなんかに引っ掛からなくて』
「グッ…… 言いたい放題いいやがって。そういうお前はどうなんだよ。憧れの男子にチョ
コ贈って告白とかしたことあるのかよ?」
『女の子のプライバシーに口、突っ込まないでよ。失礼だからね。そういうの。ドスケベ。
変態』
「男のプライバシーに口突っ込んどいて、聞き返されるとそれかよ。そういうのって、卑
怯だと思うぞ。男の方は聞くこと自体悪、みたいな言い方気に食わないんだけど」
『んー…… 男の人が、じゃなくてお兄ちゃんが? みたいな。なんかいやらしいんだよ
ね。聞き方がベタッとした感じでさ。鼻息荒くしてがっつかれてるみたいで』
「そんな聞き方してねーだろ。どのみちそんなお前のチョコ事情なんて興味ねーよ。お前
が俺のチョコ貰えないのダサいとか言うから、売り言葉に買い言葉で聞いただけだって。
つか、聞かれて嫌なこと人に聞くな」
『だってダサいじゃん。今年、じゃなくて人生一度も本命チョコ貰ったことないなんて。
こんなのがあたしのお兄ちゃんだなんて、世間に言えないわ』
04732/3
垢版 |
2016/02/21(日) 12:54:20.320
「うるせーな。人の傷口えぐり回しやがって。別にいちいち公表する必要もねーだろ。一
緒に出歩くこともないのに」
『そうじゃなくてさ。外でお兄ちゃんが友達とかと話ししててさ。俺、チョコゼロだった
わとか、そういう話してるんだなって考えるだけでもう妹として恥ずいなーって。なんか
こう、ゾワゾワするんだよね』
「悪かったな。みっともない兄貴で。だからっつったって、今更チョコくれる女子が出て
来るわけでもないし、仕方ねーだろが。変なこと気にすんなよ。むしろ俺だって気にしな
いようにしてたのに、却って気になってきたじゃねーか」
『……あのさ。あたしが……コ……げよ……っか……』
「は? 何だよ。何言ってんだよ。口の中でモゴモゴなっててよく聞こえないって」
『だ、だからさ。その…… あ、あたしが、チョコ、あ……あげよっかって、いってんの!!』
「え……? お前が? 何で?」
『なんでって…… い、妹が兄貴にチョコ上げるのって、へ、変じゃないと思うけど……』
「いや。だって、お前が中学生になってから、一度もくれたことないじゃん。この年になっ
て兄妹でチョコってのも変だよね、とか言ってさ」
『それはまあ……中学の時って、変な粋がりとかあったから…… そ、そもそも別に、好
きだからとか、兄妹だから、とか、そんな理由じゃないし』
「じゃあ何だよ? よくある、余ったから、って奴か?」
『そ、それもあるけど…… い、一応さ。あたしからでも貰えれば、お兄ちゃんチョコゼ
ロにはならないわけじゃん。そうすれば、ほら。義理でも貰えたって、言えるわけで』
「まあ、そうだけど。でも、それとお前に何の関係があるんだよ?」
『だからっ!! さっきも言ったでしょ? 自分の兄が義理チョコ一つもらえないだっさ
い男だって外の人から見られるの、想像するだけでも恥ずかしいって。だから、あたしが
渡しとけば、一応そういう目では見られなくなるわけで……』
「でも実際、お前以外からは貰えないんだし、ダサい兄貴なのは変わんないだろ? お前
に意味あんのかよ」
04743/3
垢版 |
2016/02/21(日) 12:55:50.520
『ほ、他の人からどう見られるのかってのが重要なの!! い、言っとくけど、妹からだ
なんて言っちゃダメだからね!! それじゃ何の意味も無くなっちゃうから!! ちゃん
と女の子からもらえたって顔するのよ。じゃあこれ。はい!!』
「何だよ。きっちり持ってきてたのかよ。いや。くれるっつーんなら、ありがたく受け取っ
とくけどさ……」
『とっ…… とにかくこれは、あたしのプライドの問題であって、それ以上の意味は何に
もないんだからね!! それじゃっ!!』
 バタバタバタ……バタンッ!!
「……変な奴だな。理由はともかく、なんであんなテンパってんだよ」


『はーっ……はー……はあ……』
『やっと、渡せたあ…… ここまで言わないと渡せないなんて、あたしってホント、ヘタ
レだあ……』
『あたしのチョコ事情……ホントはお兄ちゃん以外渡す人いない……っていうか、渡した
い人いないなんていったら……ドン引きするかな……するよなあ……ハハッ……ハァ……』


終わり
やはりバレンタインデーネタなしで2月を終えるわけには行かなかった
0475ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/02/22(月) 01:18:27.800
GJ

お題

・幼少期からタカシの面倒を見てきた隣にすんでるお姉ちゃんツンデレVS最近親の再婚により義姉となった姉ツンデレ

・幼少期からタカシに面倒を見てもらっていた妹分ツンデレVS最近親の再婚により義妹となった妹ツンデレ
0477ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/02/23(火) 12:48:18.210
義理には義理の、実には実の良さがあるのです
俺も妹ツンデレ欲しいなぁちょっと親に頼んでくる
0478ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/02/24(水) 01:08:31.080
・幼少期からタカシの面倒を見てきた隣にすんでるお姉ちゃんツンデレ
VS最近親の再婚により姉となった義姉ツンデレ
VS離婚により離れ離れになっていたが高校で再開した実姉ツンデレ
VS幼少期からタカシに面倒を見てもらっていた妹分ツンデレ
VS最近親の再婚により義妹となった妹ツンデレ
VS離婚により離れ離れになっていたが姉経由で再会した実妹ツンデレ

こういう事か、なるほど
04801/6
垢版 |
2016/02/28(日) 11:50:48.490
・ツンデレににわか知識を披露してみたら〜その3〜

「え? あ、ホントだ」
『待った』
「なに? どうしたのカナタ君」
『お前、どうせ袖でぬぐおうとしただろ。ほれ。ハンカチ』
「ありがとー。カナタ君って、ホント気が利くよね」
『だってお前、昔っから今に至るまで、物食ったり飲んだりした時、大抵口元に何かつけ
てるからな。で、クセですぐに袖口で拭こうとするし。いい加減それ直せ。女なんだからさ』
「でも、カナタ君ってホントよく私のこと見ててくれるよねー。それとも、なんかちょっ
とエロいとか思ってた? お水ついてる私の口元見て」
『思わねーよ。俺にそういうフェチはないし、あっても孝美じゃ興奮しない』
「またまた。じゃあ今度、カルピス飲んだ後の自撮り写真送って――あっ。ごめんなさい。
ウソです。今すっごく目が真面目になってて怖い」
『良かったよ。途中で気付いてくれて。また無駄な時間使って参拝が遅れるところだったからな』
「んーと……今の殺気はちょっとシャレにならないかなーと…… カナタ君のことだから、
傷を負わせるようなことはしないと思うけど、ダメージ残さずに痛み与える方法いっぱい
知ってるんだもん。怖いよ」
『お前がふざけたこと言わなきゃ、そんなことしないっつの。ほれ』
「え? また手を握ってくれるの? 握り潰すとかじゃないよね?」
『迷子対策だって言っただろ。まだ、人いっぱいいるし』
「エヘヘ。ありがとう、カナタ君。やっぱり優しいよね。口ではひどいこと言うけど、ちゃ
んと私のこと気にかけてくれて、心配してくれるし」
『ふざけんなよな? 何で俺がお前に優しくしなくちゃなんないんだよ。お前さえ誘いに
来なきゃ、今頃はあったかい布団の中でぐっすり眠れてたってのによ。恨みこそあれ親切
にする義理なんてねーよ』
「あん。もうヤダなあ。そんな地獄の鬼すら怖がって逃げ出すような目つきでにらみ付け
たってダメだよ。カナタ君のこの手から感じるぬくもりで、ちゃんと本当の気持ちが伝わっ
てるもん」
04812/6
垢版 |
2016/02/28(日) 11:51:37.040
『なに、勝手に人の気持ちを自分の良いように解釈してニヤついてるんだよ。気持ち悪い
な。どーせ俺が何言おうが聞く耳持たないんだろ。ったく、これだからバカってのは性質
が悪いんだよな』
「バカで結構です。カナタ君が気にかけてくれるなら、むしろバカでありたいです。んふふっ!!」
『全く…… 何で俺がこんな奴の面倒を見なくちゃいけないんだが……やなこった。ハア……』


「さあ。ついに来たよカナタ君!! 見て。あれが本堂よ」
『ゲームでラスボスの居城に辿り着いたみたくゆーな。高野山や熊野本宮大社みたいに参
拝に行くだけで一苦労な場所にあるならともかく、単に石段登っただけじゃねーか』
「でも人混みの中ここまで来るのって、結構大変だったじゃん。それにいよいよ、初詣の
メインイベントだからね。さあ、いざ行かん。神々の御霊の御許へ」
『これが中二病って奴だよな。ゲームやり過ぎて頭いかれたのかよ。いや。そもそもいか
れてるか』
「ほらほら。グチグチ言ってないで行こうよ。まだ結構並んでるし、早くしないと夜が明
けちゃうよ?」
『分かってるから手ぇ引っ張んなって。そもそもお前があちこち寄り道したり、くだらな
い話をたくさんしなきゃ、もうとっくに終わってたっての』
「あ。またそうやって人のせいにする。あのね。自分の悪い行いを人のせいにする人には、
神様は願いを聞いてくれないんだよ?」
『誰が悪い行いをしてるって? お前こそ、自分の行いを棚に上げてよくも言えたもんだよな?』
「あっ!! ほら。また手に力こもってるし。女子に暴力振るうの良くないよ」
『ぐっ…… この、都合のいい時だけ性別振りかざしやがって。さっきからチョロチョロ
と知ったかぶったような知識披露してるけど、そんなの本当にあんのかよ?』
「え? ううん。さっきまでのはちゃんとした作法だけど、今のは私の思いつき。多分そ
うかなー、なんて」
『何だ。じゃあ聞く耳持つ必要はないな』
「あいったい!! その、指の付け根まとめて握り潰すのやめて。骨が軋んでイタイイタイ!!」
『こんなことやってるから参拝が遅れるんだろが。ほら。さっさと並ぶぞ』
「そういえば、知識といえばカナタ君。ちゃんとしたお参りの作法、知ってる?」
04823/6
垢版 |
2016/02/28(日) 11:52:27.680
『また知ったかか。神社は確か、手を二回叩くんだろ。お寺が手を合わせるだけで』
「ノンノン。二拝二拍手一拝って言ってね。まずしっかり二回お辞儀をして、それから二
回パンパンって拍手をしてからお願い事をするの。で、最後に一回お辞儀をして終了。っ
ていうのは、一般的な知識ね」
『……なんかその言い方、ムカつくな。俺に一般常識すらないと言いてーか?』
「むっふふふ〜 安心して。この孝美先生にかかれば、たちまちカナタ君も神社通になれるから」
『くっそ〜 むちゃくちゃ頭来るけど、ここで手を出したらひどく負けな気がする……』
「今言ったことはね。ちょっと大きな神社なら、お賽銭箱のところにも案内が出てるんだ
けど、実は正式な作法だとね。拝礼をする前と後に軽くお辞儀をするの。それが神様に対
しての挨拶なんだって。これからお願い事をするのでよろしくお願いします、とありがと
うございましたっていう」
『なんかお辞儀してばっかりだな。つーか、誰から聞いたんだよそんなの。お前、勉強と
かしないだろ』
「失礼な。さすがに家政大学じゃカナタ君に頼るわけにいかないからちゃんと勉強してる
もん。栄養学とか。でもこれは大学のお友達で巫女さんやってる子がいるから聞いてみた
の。カナタ君に自慢できるように。アルバイトとかじゃなくて、ちゃんとした巫女さんな
んだよ。実家が神社なんだって。そんなに大きくないけど、ここくらいみたいな感じだって」
『へえ。本物の巫女さんか。なんかちょっと一度会ってみたい気もするな。今度ぜひ紹介
してくれよ』
「ダ、ダメーッ!! カナタ君。浮気なんて絶対ダメ!! カナタ君は私だけのものなんだから」
『勝手に俺をお前のものにするな。そもそもお前とは夫婦でもなければ恋人でもないし、
仮に俺が他の子を好きになってもなんにも関係ないだろ。浮気とか言われるほうが心外だ』
「ぐっ…… そういえば委員長もカナタ君と同じ大学のはずだし、ライバルいっぱいだよ。
こうなったら、神様にお願い追加しないと。カナタ君が孝美だけ見てくれますようにって」
『そういえばさ。俺もにわか知識でしかないんだけど、神社って願い事をする場所じゃな
いんだってな。本当は』
04834/6
垢版 |
2016/02/28(日) 11:53:06.900
「……は? なに、それ?」
『お? まさか神社通の孝美が知らないとか言うなよ? 本当は神社ってのは、神様にお
参りして近況報告をしたり、誓い言をしたりする場所なんだって(※諸説あります)』
「まったまた〜 カナタ君ってば、適当なことばかり言って。神様にお願い事しなきゃ、
お参りする意味なんてないじゃん。どこで聞いたか知らないけど、そんなのウソだよ」
『いや。たまたま朝のワイドショーつけたらやってた。願い事をしちゃいけないわけじゃ
ないけど、そういう時も願いを叶えるためにこうこう、こういう努力をしますのでお力添
えをお願いします、とか。都合のいい願い事ばかり言ってると、却ってバチが当たること
もあるんだって』
「そ、そんなあ!! 今年はカナタ君といっぱいデートが出来ますように。いつもずっと
一緒にいられて、そんでもって可愛いねって言ってもらえて、いっぱい優しくされたいで
すってお願いしようと思ってたのに」
『あー、そうかよ。ウザってーな。むしろ俺が神様に代わって願い事聞いてやるよ』
 パキポキ
「なんで指の関節鳴らすの? 絶対神罰与えるつもりだよね。神に代わってお仕置きよ、
とかいらないから」
『そりゃ、月に代わって、だろ。つか、ネタ自体が古すぎる』
「うう…… でも、言われてみれば確かに納得できるかも…… 朱里ちゃんも、神様って
怒りっぽいから失礼なことすると逆に祟られるかもって言ってたし。お賽銭投げてよこすとか」
『別の人からも聞いたけど、今はみんなお願い事ばっかしてるから、去年の報告とか一年
の誓いとか神様への感謝の気持ちを言うと、神様もこいつはちゃんとした奴だなって感心
して、ちょっと見てくれるかもっていう話もあったな』
「じゃあ、カナタ君が乱暴して困ります。照れ隠しにしても、もうちょっと素直になって
優しくなってくれればいいのに、女の子の手を握り潰そうとしたり関節ひねり上げたりす
るのってどう思いますかって聞いたら、同情したりしてくれるのかな?」
『そりゃ全部お前に原因があるからだろうが!! つか、神様によってはガチで俺に天罰
与えかねないからやめろ』
「そっか。カナタ君がひどい目に遭っちゃうのは、それは困るね。私の目的はカナタ君が
もうちょっと優しくしてくれたらなってそれだけだから」
04845/6
垢版 |
2016/02/28(日) 11:53:45.990
『俺はこれでも精一杯我慢してるほうだと思うけどな。つか、捏造すんな。照れ隠しとか、
お前の勝手な思い込みだろ。事実みたいに語るな』
「ほら。だからそれが照れ隠しなんでしょ? 恥ずかしいからって、可愛いなあいった!!」
『わりい。あまりにイラッと来たから、つい手に力込めちまった』
「絶対ウソだよ。カナタ君、感情で自分をコントロールできないような人じゃないもん。
痛みで私を調教しようとしてるよ」
『調教とか穏やかじゃない言葉使うな。周りがこっち見るだろ』
「私は調教されるのはイヤじゃないよ。ただ、痛いのよりも気持ちいいのがいいかな? あ
と恥ずかしいの」
『ここが家だったら、今の言葉一つで十回はタップさせてるんだがな』
「最近、前にもましてカナタ君の関節技が切れ味増してるよ。つかまれたって思った瞬間、
もうタップするしかないんだもん」
『下手に掛けると却って怪我させるから、ちゃんと気をつけてる。つか、そんなところに
気を遣わさせるな。そもそもお前が勝手な妄想とかエロっちいこと言わなきゃそんなこと
する必要もないんだよ。神様の前で土下座して反省しろ』
「私の妄想を神様の前で披露するなんて……不敬すぎてちょっと……」
『どんだけ頭ん中ピンクなんだよ!! ったく、処置に終えないなお前は』
「あ。カナタ君。そうこうしてるうちに、次が私たちの番だよ」
『ちゃんと分かってるよ。お賽銭は、まあ百円でいいか』
「私は十五円にするの。十分ご縁がありますようにって」
『語呂合わせかよ。遊んでる風でかえって気を悪くさせそうだけどな。金額もしょぼいし』
「お賽銭は金額じゃないよ。気持ちが大切なの。あ、あと500円は縁起が悪いんだって。
これ以上の効果(硬貨)はありませんってことで」
『やっぱ遊んでるじゃん。気持ちが大事とか言いながら、全然気持ちがこもってないよう
に思えるけどな』
「そんなことないよ。そういう語呂合わせを信じる人の方が、それだけ願う気持ちが強いっ
てことだもん。あ、ほら。私たちの番だよ。カナタ君。一緒に拝礼しよ」
『いちいち一緒に、とか言う必要ないだろ。横に並んでるんだから、一緒にしない方がお
かしいっての。わざわざズラす方が後ろの人に迷惑だし』
04856/6
垢版 |
2016/02/28(日) 11:54:27.680
「いーの。これも気分だもん。最初に軽くお辞儀して、と。拝礼の時のお辞儀は、深く腰
を突き出すイメージでやるんだって。もし良かったら、私の見て真似していいからね」
『しねーよ。お前はお前で勝手にやれっての。こっちはこっちでやるから。その程度、別
に見て真似る必要もないし』
「もー。カナタ君ってば、照れ屋さんなんだから。っと、じゃあ、お賽銭を入れて、と」
 チャリチャリーン
「じゃあ……二回お辞儀して…… よし」
 パン、パン!!


続く
気が付けばもう3月だ
04871/2
垢版 |
2016/02/29(月) 11:50:58.470
バレンタインでさ

俺は例年通りツンデレに告白されたの

というのもツンデレ早口でさ

たぶん俺の事好きって言ってると思うけど普通に悪口も言ってくるし自信持てない感じ

それでバレンタインよ

雪が降りしきる帰り道、寒さにちぢこまりながら肩並べて歩いててね

家まで我慢しようともしたけど、積雪に足取られるししんどいし休憩していくことにしたの

そんで近くの喫茶店入ったんだけど同じような休憩のお客様でいっぱいでさ

せっかくテーブル席で清く正しくイチャつけると思ったのにカウンター席に通されます

して一杯のコーヒーで一息ついた時、ツンデレかばんからチョコ取り出してさ

いつもの早口で何かしゃべって渡してくれたの

なら俺はチョコとツンデレの手首捕まえてさっき何て言ったか問いただすの

最初は振りほどこうと力入れてたツンデレも観念してさ

息がかかるくらい耳元で、好、き、だ、よ、ってめっちゃ丁寧に教えてくれたの

これまでの点と点がつながった今、はれて両想いになった俺たちは将来について語り合った、って話
04882/2
垢版 |
2016/02/29(月) 11:51:39.980
バレンタインでさ

私は例年通りアイツに告白したの

というのもアイツ耳遠くてさ

おまけに鈍感で私が好き好きオーラ出してんのに片思いと思ってるくさい訳

それでバレンタインよ

雪が降りしきる帰り道、例の奴を渡す機会を今か今かとうかがってたの

そしたら寒いし疲れたしでお茶でも飲んでこうとアイツからのお誘い

そんでホイホイついていったら甘い恋人の匂い漂わせたお客さんばっかりでさ

どうも私たち場違いな人間が入ってきてすみません思いながらカウンター席に通されます

して温かいコーヒーで一服した後、誰も見てないだろうし渡したれと例のアレを取り出して

いつもの、好きだよ、を添えて渡したったの

ならアイツは私の手首つかんで、何て?っておなじみの台詞

これまでは二度も言うのは流石に恥ずかしくて無視してダッシュで逃げてたの

でもアイツ実は力強くて全然放してくれなくてさ、諦めて二度目の告白させられてね

その後は結婚するのは確定として、三人くらいは子供ほしいよねってアイツに相談した、って話
0490ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/02/29(月) 19:20:05.680
四年に一度しか会えないツンデレ
0495ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/03/12(土) 01:56:05.510
お題

・帰ってきた月刊お姉ちゃん
0496ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/03/18(金) 02:06:47.780
お題

・ホワイトデーを忘れてて、ツンデレ達にお返し、を渡してないタカシ
04991/7
垢版 |
2016/03/19(土) 21:14:02.690
・ツンデレににわか知識を披露してみたら〜その4〜

「カナタ君がどうか私に振り向いてくれますように。カナタ君と毎日一緒にいられますよ
うに。週末は毎週デートが出来ますように。カナタ君が私の作ったお料理やお菓子を食べ
て美味しいって褒めてくれて微笑んでくれますように。カナタ君が私のことをギューッて
抱き締めてくれますように。あと、それから……えーとえーと…… と、とにかく、今の
お願い全部叶えられるような、素敵な女の子になります!!」
 ペコッ!!
『長すぎなんだよ、バカ!! 後の人に迷惑だろうが』
「あはっ!! だって、お願いしたいことたくさんあったんだもん。あ、でもね。ちゃん
とカナタ君の言うことも聞いて、努力しますって誓ってきたよ」
『そんなもん努力すんな。こっちはむしろめっちゃ迷惑だ』
「え? もしかしてカナタ君。私のお願い聞いてたの? やっだな〜もう。恥ずかしい。
カナタ君ってば、そんなに私のお願い事、気になっちゃってたんだ」
『聞いてたんじゃなくて、聞こえて来たんだよ。横からゴニョゴニョって。声に出してお
願いごとしてんじゃねーよ。あれ絶対近くの人に聞こえてるし。むしろ恥ずかしいのは俺の方だ』
「ん、もう。そんな照れなくったっていいのに。大丈夫。私たち、誰から見てもラブラブ
なカップルだから」
『いや。こんなアホを引き連れて歩いてる男かと思われたのが恥ずかしい』
「普通に彼女のことをアホとか言わないでよ!! いーじゃん!! それだけカナタ君の
ことが好きってことなんだから」
『お前も普通にしれっと彼女とか言ってんなよ。俺は別に人生のうち0コンマ一秒たりと
もお前を彼女だと思ったことはない』
「真顔で断言したよこの人!! しかもその顔。一分の迷いすらないし」
『そりゃ迷うことなんてないだろ。ホントのことだし』
「ううううう〜 でもでも、孝美のこと、こーしたいとかあーしたいとか考えたことはあ
るでしょ? カナタ君もお年頃の男子なんだしさ。彼女にすればしたい放題だよ。さあ!!」
『それもない』
「ばっさりだよこの人!! 私ってそんなに魅力ないの? ねえ?」
05002/7
垢版 |
2016/03/19(土) 21:14:56.980
『見目形はともかく、お前の場合行動がそれを打ち消すからな。そんなにガチャガチャし
た性格してたら、正直色気なんてこれっぽっちも感じねーし』
「ぐっ…… こうなったら絶対頑張ってカナタ君を振り向かせるんだから。そして来年の
初詣では安産祈願するんだもん!!」
『四ヶ月で既成事実作るつもりかよ。てか、一体お前何するつもりなんだよ。ちょっと怖いぞ』
「だ、大丈夫だもん。四ヶ月もあれば、努力次第ではきっとカナタ君も振り向いてくれるっ
てば。だってさ。ほら。今まではただの幼馴染だって思ってたのが急に恋に芽生えるって
あるじゃん。よく」
『マンガやアニメの中ではな。でもそれって大体中学とか高校に上がったくらいの年齢だ
ろ。お前、20年間ダメだったものをどうやって四ヶ月でなんとかしようっていうんだよ?』
「そ、それはほら。これから考えるとして……ていうか、20年って赤ちゃんの時からダメ
なの? まだその時私たち会ってもいないのに何で?」
『遺伝子レベルで刷り込まれてるから、こういう女とは付き合っちゃダメだって、本能が
そう言ってる』
「ひど過ぎる!! どんな遺伝子なのそれ?」
〔よく分からないけど、実際にそういう話ってあるみたいよ。HLA遺伝子だったかしら?
男女の相性って遺伝子で決まってるって〕
「だとしても私とカナタ君の相性はピッタリに決まってるもん。だってだって、こんな風
に私のこと気にかけてくれる人なんて他にいないし」
〔そうねえ。その説だと、男の人の体臭がいい匂いかどうかで決まるっていう話だし。孝
美ちゃんの場合、これだけベタベタくっついていられるってことは、少なくとも遺伝子レ
ベルってことはないと思うけど〕
「そうだよね。やっぱり委員長もそう思うよね? って、委員長!?」
〔あけましておめでとう。孝美ちゃん。椎水君も〕
『あけましておめでとう。てか、押谷。普通に会話に入ってきたな』
〔だって二人とも会話に夢中で全然こっちに気付いてくれなさそうだったんだもの。声掛
けるタイミングが見つからなかったから〕
『夢中ってか、一方的に孝美がまくし立ててくるのをあしらってただけなんだけどな』
〔でも相変わらず仲良さそうなのね。ちょっと妬けちゃうかも〕
『今の会話聞いてたんなら、どこがどう妬けるのか非常に疑問だけどな』
05013/7
垢版 |
2016/03/19(土) 21:15:44.460
「あれ? カナタ君今、委員長のこと名字で呼んだよね? ていうか、委員長って押谷っ
て名字だったんだ」
『今更かよ。てか、高校卒業してるのにまだ委員長って呼ぶのもさすがに悪いだろ。大学
でもたまに顔合わすのに』
「え? ウソ。もしかして二人って同じ大学だったり……とか?」
〔ええ、そうなの。でも、学部が違うから、会うことってあんまりないんだけどね〕
「それでもズルい!! 裏切り者だ!! 委員長だけは私の恋を応援してくれてるって思っ
てたのに」
『押谷は俺と成績近かったからな。受ける大学も結構かぶってたし。そもそもお前は成績
が足りなくてウチの大学は受けられなかっただろうが』
「ううううう…… でも、カナタ君と同じ大学ってだけでも羨ましすぎる……」
〔大丈夫よ。私は多分、孝美ちゃんの5分の1も椎水君には会ってないから。ひょっとし
たら入学の時のオリエンテーリング以来かも……って感じだし〕
『ちゃんと話すのは多分そうだよな。たまに学食で見かけるけど、押谷も大抵連れがいる
から、声掛けることないし』
「連れ? もしかして委員長、彼氏出来たとか?」
〔クラスの友達か、サークル仲間よ。男の子も一緒のときはあるけど……そういう仲の人
は、残念ながらまだいないかな〕
「委員長美人なのになー。もったいないよ」
〔ありがとう。でも、どうせならそういう褒め言葉は異性から聞きたいわよね?〕
『こっち見んな。つか、悪かったな。褒め方が下手くそで。いや、その……押谷も晴れ着
姿、似合ってるよ』
〔ごめんなさいね。催促したみたいで。それでも嬉しいけどね。それより、も、って今言っ
たような気がしたけど〕
『さっき友哉と山田に会ったんだよ。で、山田も晴れ着姿だったから、それでついそうい
う言い方になっただけだ』
〔へえ。そうなんだ。やっぱり、あの二人もまだ一緒なのね。私も会いたかったな〕
『黙ってても成人式には会えるだろ。あいつらがそういう式典に来ないとか思えないし』
〔そうね。もうほとんどの人とは一年近く会ってないのよね。なんか、高校時代が懐かし
くなってきちゃった〕
05024/7
垢版 |
2016/03/19(土) 21:16:34.280
『なんか、ついこの間のことみたいに思えるけど、随分経ったようにも感じるんだよな。
去年、一生懸命合格祈願してたなーとか』
〔本当にそうよね。絵馬にお願い書いてお祈りして…… そうだ。神様にお礼言うの、忘
れちゃった。今、ここで言っても聞いてくれるかしら?〕
『さあ? でも、大丈夫じゃね? そもそも今日なんて神様も色んな人のお願いごと聞い
て疲れ切ってるだろうし、気にもしないかもよ』
〔ふふっ…… それもそうかもね。でもそういうサバサバしたところ、椎水君らしくて変
わってないわ〕
『ちっ。押谷に言われると、なんかけなされてるような気しかしねーよ』
「……なんか二人がいい雰囲気かもし出してて、会話に入れないんですけど……」
〔ごめんなさい。そんな気はなかったんだけど、ついついしんみりしちゃって。大丈夫よ。
孝美ちゃんのことも、ちゃんと考えてるから〕
「委員長はいいの。それよりカナタ君だよ!! 委員長には優しい笑顔見せてさ。浮気と
かひどい」
『だから浮気もクソも、そもそも付き合ってないんだから成立しないって言ってんのに』
〔孝美ちゃん。そんなこと言って、カナタ君を縛り付けちゃダメよ。好きなのはいいけど、
あまり嫉妬ばかりしてると、男の子は逆に窮屈に感じて逃げたくなっちゃうんじゃないかしら〕
「そうかもしれないけど、だってカナタ君が……」
〔好きな人にずっと見てもらいたいって気持ちは分かるけど、それは欲張りすぎよ。いい、
孝美ちゃん――って。いけない。私ってば、またやっちゃうところだった。つい今さっき、
神様にお願い事したばかりだったのに〕
「あのねあのね。委員長」
〔なに? 孝美ちゃん〕
「あのね。神様にはお願い事はしちゃダメなの。自分は今年一年、これを頑張りますって
いう誓いとか、去年一年間無事に過ごせたことのお礼とか、そういうことをするんだよ」
『お前。それさっき俺が言ったことの受け売りじゃねーか。お願い出来ないなんて意味な
いよって駄々こねてたくせに、偉そうになに言ってんだ』
「いいの。どんなところで知ったことだって、知識は知識だもん。こういう大切なことは、
ちゃんと広めないとね」
『お前の場合、さも自慢げな様子がありありと出てるからムカつくんだよな』
05035/7
垢版 |
2016/03/19(土) 21:17:40.350
〔いいのよ、椎水君。でも、ちゃんと努力も誓ったから。人のダメなところが見えても、
注意は出来る限り簡潔にするように努力しますから、この理屈っぽい性格が直りますようにって〕
「あー…… 確かに委員長ってば、お説教がくどいもんね…… 聞いてるの、結構苦行だもん」
〔そうなのよ。サークルの友達にもそれ言われてね。だから久代は彼氏が出来ないのよっ
て…… でもダメなのよ。相手が変な言い訳しようとすると、片っ端から理屈で押しつぶ
したくなっちゃって……〕
「カ、カナタ君どーしよう。委員長、自虐モードに入っちゃったよ。これってもしかして
私のせいかなあ……」
『知るかよ。全く、めんどくさい。自分のせいだって思うなら、自分で引き上げてやれ』
〔ううう…… 椎水君にもめんどくさいって思われてたんだ…… やっぱりそうよね。こ
んな愚痴っぽい女じゃ付き合ったって楽しくも何ともないし、そのうち年とって、気付い
たらめんどくさいって部分だけが残るのよ。フフフフ……〕
「い、委員長。大丈夫だよ。委員長、頭もいいし家庭科の成績だって良かったし、キレイ
なんだからきっと素敵な男の人見つかるって。神様にお願いしたばっかりなんだから諦め
ちゃダメだよ。私もお願い達成できるように頑張るから、一緒に頑張ろうよ。ね?」
〔一緒にって…… それじゃ、お願いなんて叶いっこないじゃない。ハァ……〕
「さらに諦めが深くなった!! ていうか、それってヒドい。なんで私と一緒じゃ叶いっ
こないの!!」
〔だって、どうせ孝美ちゃんの願いなんて、カナタ君とラブラブな関係になれますようにー
なんてことでしょうし、カナタ君が振り向いてくれるまで出来る限りそばにいるように張
りますとか、そんなことでしょ? でもそれじゃダメなの〕
「えー。なんでぇ? だってだって、好きな人と一緒にいたいって思うのは普通じゃん」
〔それは女の子の考え方でしょ? それも男の人が好き好き好きーってなっちゃうタイプ
の。いい? 特に椎水君みたいなタイプの男子はね。たとえ好きな子からであっても、始
終ベタベタされるっていうのはうっとうしく感じるものなの。孝美ちゃんはもう付き合い
長いんだから、もっと相手のことを考えてあげて〕
05046/7
垢版 |
2016/03/19(土) 21:18:42.540
「色々と考えてるけどなあ? カナタ君って照れ屋さんで自分からはくっ付けないから、
私からくっ付いてあげないとー、とか、本当は寂しがり屋さんだから、私が明るく振舞え
ば、カナタ君も楽しく感じるんじゃないかなとか、あと奥手だからエッチしたいと思って
もなかなか出来ないんじゃないかなって……だから、ほら、その……私が……」
『誰が照れ屋で寂しがり屋だよ。そりゃお前の勝手な妄想だろが!! あと最後!! 勝
手に自分で振っといて照れてるんじゃねえ。聞いてるこっちが恥ずかしくなるだろが!!』
〔そういうのは考えてるって言わないの。椎水君って多分、控えめな女の子が好みなのよ。
だからね。例えば学校に一緒に行くにしても、家に押しかけたりするんじゃなくて、家の
前で待ち合わせをちゃんとして、慎ましやかに、おはようカナタ君、って微笑みながら挨
拶とかしてみたらどうかしら? 態度はそっけないかもしれないけど、彼、間違いなくド
キドキするわよ〕
「えー。それじゃあ時間ズラされて先行かれちゃうよ。カナタ君ってばすぐ逃げようとするし」
〔それは孝美ちゃんがベタベタくっ付いてきたり、うるさくまとわりついて話をしようと
するからよ。椎水君ってば古臭いタイプが好きそうだからね。そこは隣にいてニコニコし
てるだけでも大丈夫よ。あと、オシャレにも気を遣わなくちゃ。孝美ちゃん、プロポーショ
ンはいいからね。かといって過度に露出すれば良いって物でもないのよ。ちゃんと雑誌と
かを読んで勉強して――〕
『……どうやら、スイッチが入っちまったみてえだな……こりゃ当分、帰れねーか』
「あーん!! カナタ君、助けてぇ…… 委員長が鬼だよぉ……」
〔孝美ちゃん。人の話聞くときはこっち向く。いい? 高校の時からあなたは即物的に結
果ばかり追いかけようとするけどね、楽して得られる成果なんてものはないの。さっきか
ら色々聞いてるけど、なんだかんだ理由つけて自分のしたいようにしてるだけじゃない。
それじゃあ逆効果よ。却って椎水君は離れて行っちゃうかもしれないわ。いい? 彼のこ
とが本当に好きならね――〕
「ふぇええーん。カナタくーん!!」
『黙って聞いとけよ。ためになること言ってもらってんだろ? 逃げようとするなんて、
相手に対して失礼だぞ』
05057/7
垢版 |
2016/03/19(土) 21:19:50.570
「えーん…… そんなぁ……」
〔椎水君のお墨付きも出たからね。この機会だから徹底的に言いたいことは言っておくわ
よ。前から思っていたけどね。孝美ちゃんは――〕

『しっかしまあ、確かに話は長いしくどいし理屈っぽいけど……さすが押谷。間違ったこ
とは何一つ言ってないんだよな。このうち一つでも、孝美の心に響いてくれればいいんだ
けどな…… もしかしたら、押谷がこうして現れてあいつに説教してくれるってこと自体、
神頼みの効果かも……なんてな』
〔あら? 椎水君。今、なんか私のこと言ってた?〕
『っと。なんも言ってねーよ。気にしないで孝美の教育続けてくれ。俺は終わるまで待っ
てるから』
〔そう。ならいいんだけど。じゃあ続けるわよ。次は立ち居振る舞いのことなんだけどね――〕
『(っと。危なかったな。ひとり言とはいえ、うっかり口に出して言うもんじゃねーな。ま
さか、俺の年初の誓いが、孝美がちょっとだけでもおしとやかになりますように頑張って
躾けますだなんて、知られたら……マジ、自殺もんだからな……)」


終わりです。
0507ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/03/27(日) 13:22:26.040
お題

・怒ったツンデレに「胸に手を当てて、よく考えてみなさいよ!」と言われたのでツンデレの胸に手を当てて考えるタカシ
0508ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/03/29(火) 21:06:15.370
13歳の飼い猫が逝ってもうた、、、


・亡くなった飼い猫が美少女になって帰ってきたと思ったらツンデレでした
0511ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/03/31(木) 22:46:28.650
開戦日和の中の人のブログ、丁度10年前の今日で止まってるんだな
「明日から社会人。また生きていたらお会いしましょう」で終わってるのが何とも生々しい…
元気にしてんのかね
0513ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/04/03(日) 22:34:28.310
お題

・エイプリルフールに嘘をついていいのは午前中までと知っているツンデレと知らないタカシのすれ違い
0516ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/04/13(水) 22:37:20.120
しかし10年か…
当時中学生の奴でももう社会人とか
おっさんになる訳だわ(絶望)
05201/4
垢版 |
2016/04/16(土) 18:35:05.870
・炭酸水にはまっているツンデレ

『ゴキュッ……ゴキュ…… プハッ……』
「何だよ、かなみ。また炭酸水とか飲んでんのかよ」
『なーに? 何か文句でもあるわけ? 好きなんだから、ほっといてよ。バーカ』
「バカって…… 別に文句じゃないけどさ。そんな味のしない炭酸とかよく飲めるなって。
そもそも味もないのに好きとかないだろ? 水の美味しさを力説するのと変わんないと思うけど」
『全然違うわよ。炭酸入るだけでのどごしとか変わるし、普通のお水より全然美味しいわ
よ。それにね。テレビでよくやってるけど、炭酸水を飲むと疲労回復や血行改善、満腹感
が得られるからダイエットにもなるし、便秘の改善や美肌効果もあるんだから』
「また、そんなテレビの情報に釣られて。あんなの個人差があるんだから、誰にでも効く
訳じゃねーし、大体かなみは甘いものにも目がないんだから、結局食ってたら意味ないって」
『そうやってグチグチケチばかりつけて何もやらないよりはマシでしょ。別に飲んで損が
あるわけじゃないんだから。ンキュッ……ゴクッ……ゴクッ…… プハァ……ゲプッ!!』
「…………」(ニヤニヤ)
『な…… なに、ニヤニヤとこっちを見てんのよ。キモいわね。いやらしい』
「いや。今のゲップ可愛かったなと思って。出来ればもう一回聞きたいなって思うくらい」
『は? な……なに言ってんのよアンタバカじゃない? 人のゲップ聞いて可愛いとか……
あり得ない!! そんなの褒め言葉でもなんでもないし!!』
「褒めてるっていうか、まあ、正直な感想ってやつ? まあこんなこと言ってもかなみが
喜ぶとかないだろうし。むしろキモがられてもしょうがないかなとも思ってる」
『うっうっ……う〜〜〜〜っ!! あ、当たり前でしょ!! ひ、人のゲップ聞いて喜ぶ
とかどんなフェチよ。この変態』
「変態と言われようが、俺はかなみのゲップを堪能したい。さ、もう一口飲んで。さっき
みたいに勢いよく、ゴキュッと」
『のっ…… 飲めるかあっ!! このドバカ!! あああああ…… もう、どうしてくれ
るのよ!! まだ半分近く残ってるのに』
「どうするもこうするも、かなみが飲めばいいんじゃね? かなみは大好きな炭酸水を飲
んで、俺はかなみがゲップしてる姿に萌えてさ。お互いwinwinの関係だし」
05212/4
垢版 |
2016/04/16(土) 18:35:42.690
『何がwinwinよ!! そんな羞恥プレイ出来るわけないでしょ!! もういいわよ。もう
あたし、いらない。もったいないからこれ、アンタが飲んじゃって』
「えー? 俺、炭酸って実はそんな得意じゃないんだよな。甘い奴とか微炭酸ならまだし
も、これって強炭酸って書いてあるじゃん」
『うるさいな、もう。アンタのせいで飲めなくなったんだから、責任取りなさいよ。それ
と、ちゃんと弁償もしなさいよね。帰りにもう一本新しいの買って。いいわね?』
「また飲むんだったら、これ持って帰って家で飲めばいいのに」
『家まで持って帰ってからまた冷やしたら、さすがに気が抜けちゃうでしょ? 炭酸水は
開封したらさっさと飲まないと爽快感も何もなくなっちゃうんだからね。だから、ほら。
これはアンタが飲んで、あたしが家で飲むように新しいの買い直すの。いいわね?』
「いいわねって……イヤだって言ったらどうすんだよ?」
『言うだけなら自由だけど、無理矢理にでも承諾させるから。何なら、エッチな本とかの
隠し場所をおばさんに教えちゃうし』
「やめっ……つーか、何でそもそもお前がそれ知ってんだよ? 分かった。ブラフだろ? 
そう言えば俺がビビッて承諾すると思ってんな?」
『あ、そう。クローゼットの衣装ケースの裏にあるボックスの底にあった本の題名、なん
て言ったかなあ? 確か、きょにゅーじょしこうせいなまなかだし……とか、ゆうとうせ
いといけないおべんきょう、とか』
「わーっ!! わーっ!! わーっ!! 何でお前そこまで知ってんだよ!! つか、い
い年の女の子がそんな言葉口にすんな!!」
『タカシの部屋のどこにどんなものがあるかなんて、大抵知ってるわよ。ま、別に年頃の
男子なんてそんな本やDVDの10冊やそこら持ってたって普通でしょうからいちいち騒ぎ立
てることじゃないかなって放置してたんだけどね。貰わないって言うなら、どーしよっかなー』
「分かった!! 貰うよ。貰うからもうそのネタ振るの止めろって」
『あら? 意外とあっさりと陥落したわね。タカシの純情さん』
「やかましいな。男にとってはエロ本のありかを女に知られるほど恥ずかしいことはないってのに……」
「(おまけに気になってる幼馴染にとかよ…… クソ。死ねよ俺……)」
05223/4
垢版 |
2016/04/16(土) 18:36:33.630
『それについては、あたしという幼馴染がいた時点で諦めなさい。良かったわね。男子の
性的事情には理解のある女の子で。見つけた瞬間大騒ぎしちゃうような純情さんだったら、
今頃おばさんにもバレて、全部没収だったわよ』
3
『(女の子の立場から言わせて貰えば、好きな男子の性的嗜好くらい把握しとかないとね。
まあ、胸の大きさばかりはどうにもならないけど。つーか、あの本のモデルって絶対シリ
コンよ。でなきゃあんなに大きくなるかっての)』
「くっそ…… 分かったよ。これ飲んで、新しいの買いなおせばいいんだろ。ほら、寄越せ」
『はい。さ、どーぞ。グイッといっちゃって』
「へ? 今ここで飲むのかよ」
『当たり前でしょ? あたしのゲップ姿を鑑賞したんだから、今度はアンタが見せなさいっ
ての。炭酸苦手なんだってねー。どんな顔して飲むのかしら。ムフフ。楽しみーっ♪』
「ホント、性格悪い奴だな。お前って。人がしかめっ面しながら飲むの見て楽しむなんて
よ。どんだけS気質なんだよ」
『アンタだって人のゲップするのを見て楽しんでたじゃない。変態。お互い様よ。文句言
う暇があったら、早く飲む』
「分かったよ。けど、ホントにこれ、俺が飲んでいいのかよ?」
『は? あたしが飲めっつってるのに、いいも悪いもないでしょ? そう言って少しでも
時間引き延ばして炭酸の気を抜けさせようとするのなしだからね』
「別にそんなこと考えてねーって。たださ。お前が口つけた後に飲むってことは、これっ
て間接キスになるんじゃないのって?」
『間接キ…… って、ばっ……ばっかじゃないのアンタ。ななな、何考えてんのよこのド
スケベ!! ややや……やっぱダメ!! あげるのなし!! それ捨てるから返して』
「ダメダメ。飲まなきゃかーちゃんにエロ本のありか教えるとか脅してまで飲ませようと
したのかなみじゃん。俺が苦手な炭酸飲んで顔しかめるの、楽しみなんだろ?」
『だだだだだ……だってだってそんな…… じゃあせめてラベルの反対側で!! そっち
は口つけてないから』
「なるほど。こっちがかなみが口つけた方か。わざわざ教えてくれてありがとな。つーか、
それって実はして欲しいってフリだろ?」
05234/4
垢版 |
2016/04/16(土) 18:38:05.600
『ちがーうっ!! ちがうちがうちがうちがうっ!! あるかそんなの!! つか、どん
だけキモい方向にポジティブなのよ!! アンタはどぶろっくか!!』
「いや、だってそう言われりゃ、話題振った方としてはむしろ行くしかないし」
『行かなくていいから!! つーか、行くな』
「むしろここで行かなきゃ男がすたるだろ。じゃ、いただきまーす」
『あっ…… あ、あーっ!! だめーっ!!』
「ゴキュ……ゴクゴク……グフッ!! ゲプッ!! あー……やっぱ炭酸きついわ。どう、
かなみ。俺のしかめっ面見て堪能した?」
『で……ででで…… 出来るかボケエッ!! ま、まともに見れるわけないでしょっ!!』
「そっかそっかー。いやー。でも、ちょっぴりかなみ味?って感じで良かったよ。これな
らまた飲めるかも」
『かっ……かなみ味とか言うなああああっ!! 死ね、死んじゃえーっ!!』
「わっ!! バカ、掴みかかるな。揺さぶるなって。まだ中残ってるんだから。キャップ
してねーし、こぼれるってば!!」
『いっそアンタの脳みそも残らず頭からこぼしてやる!! このバカアアアアアッ!!』

タカシ母『あらあら。相変わらず仲良いのねえ。あの二人は』
かなみ母『全く、親としては恥ずかしいわ。あんなに暴れて…… タカシ君、貰ってくれ
るのかしら?』
タカシ母『大丈夫よ。むしろあの調子なら、うちにかなみちゃんが来るのも時間の問題ね。
早めに片づけして、部屋空けとかないと。フフッ』


終わり
随分前に書いて投下を忘れていたネタなので、ちょっと流行が古いという
0525ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/04/20(水) 08:58:41.40O
お題
つ・ツンデレにゴールデンウィークの一番の思い出は何か聞いてみたら
0527ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/04/22(金) 15:55:04.050
ツンデレの腋嗅ぎたい

特に部活後や仕事後の腋を嗅ぎたい

あわよくば舐めたい

恥ずかしさに顔を真っ赤になってるツンデレの顔を見ながら堪能したい
0530ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/05/01(日) 20:18:55.020
昔線路に上がってた妄想の数々を読み直したいんだけどもう見れないかな?
0531ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/05/01(日) 20:57:45.190
線路使えなくなって随分経つからなあ。管理してた人の連絡先とかもわからないし
0533ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/05/04(水) 12:31:02.750
ツンデレスレも11歳になりました
そろそろちゅんでれからツンデレになる年頃
0534ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/05/04(水) 12:32:34.570
御赤飯炊かなきゃ!
0537ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/05/05(木) 21:32:08.590
かわいすぎるぞGJすぎるぞ
ツンデレスレが長く続いてることを実感できて嬉しいな
0538ほんわか名無しさん
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2016/05/06(金) 00:19:51.720
>>535
久しぶりのかなみさん可愛い
そしてまだこのスレを忘れてなかったことに感謝

11年で多くの人が来て、多くの人が去ったからな
0539ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/05/06(金) 12:21:23.260
>>535
おお久しぶりだな
相変わらずちょーかわいいGJ!


スレは定期的に確認してるけど、SSとか書きたくても時間がないのは俺だけじゃないはず
0540ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/05/06(金) 13:46:09.220
文章力無いから脳内で自己完結して終わるわー
0543ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/05/08(日) 11:22:37.580
・周囲に上手く馴染めてないことを悩んでいるツンデレ〜前編〜

『ねーねー。帰り、どっか寄る? カラオケとかさ』
『だったらミスド寄ろうよ。春の新作ドーナツ食べたい』
『あー。じゃあ、そうしよっか?』

『……ハァ……』
 楽しそうに校門を抜ける女子3人組を見つつ、私はため息を一つついてから自分の体格
にはやや大きいトートバッグを肩にかけ直して歩き出す。
『かんっぜんに出遅れたなあ……』
 新しい高校に入って1ヶ月弱。週末からはゴールデンウィークも始まる。だけど、友達
はまだ出来てない。すでに女子の間ではいくつかのグループが出来ており、今からその中
には入りづらかった。
『……ヤバいな。このまま3年間友達なしとか。このままじゃ、高校時代イケてない芸人
みたくなっちゃう』
 中学の頃は部活やっててそれなりに友達もいたけど、補欠の補欠だったバスケットボー
ルを続ける気にもなれず、かといって特別他の部に入る気も起きず、そうして現在は、た
だ家と高校を往復する毎日だ。
『かといって、今から積極的に友達見つける気にもなあ……おっとと』
 強い風にあおられて、私はバランスを崩しそうになる。
『うー……ヤダなあ。風強くって。髪バサバサになるし、私ってばチビで体重軽いからす
ぐ持ってかれそうになるし…… ん?』
 ポツッと頭のてっぺんに水滴が落ちてきた気がして私は空を見上げた。どんよりと灰色
に垂れ下がった空から一滴、そしてまた一滴と雨粒が落ちてくるのが見える。
『うぇぇ……この上雨まで降ってきたよ。傘、傘、と……』
 開いたバッグの口に手を突っ込んで折りたたみ傘を取り出す。
『折りたたみって後で閉じるの面倒なのよね。いつも何かしわみたいなの出来ちゃうし……』
 ブツブツ文句を言いながら傘を開いた瞬間、またしても突風が私を襲う。開いた傘の裏
側にモロに風が当たり、私は一気に傘に引きずられた。
『わわっ!? んきゃああああああ!! あんっ!!』
05442/6
垢版 |
2016/05/08(日) 11:23:14.520
 ドン、と何かにぶつかって体の動きが止まる。壁とか電信柱みたいに固くて冷たいもの
じゃなくて、もうちょっと柔らかいけどしっかりとがっしりしていて、ちょうど父親の体
のような、そんな感じのものに私の体が受け止められていた。
「大丈夫か?」
『ふぇ?』
 顔を上げると、すぐ目の前に、知らない男の顔があった。
『ふぁあああああっ!?』
 驚愕した私は、両肩を支えてくれた手から体をひねって逃げる。
『あ……あっ…… アンタ、何よっ!?』
 一歩引いて、私は支えてくれた相手を睨みつける。よく見ると同じ学校の制服を着た男
子だ。ネクタイのラインに入っている色で学年を見分けると、私と同じえんじ色なので一
年生なのは間違いない。両サイドを刈り上げ7:3くらいに分けた髪はオシャレにセット
されていて、まあそれなりにイケてる雰囲気に見えた。
「支えてやったのに、何よってのはないと思うけどな」
 その男子はやや不満気な態度で文句を言いつつ、私から体を背けると道の端の方に歩い
ていく。その先には手から離れた私の傘があった。
「ほらよ。椎水」
 いきなり名字を呼び捨てで呼ばれて、私はもう一度びっくりした。
『ちょ……ちょっと、何よアンタ。何で私の名字知ってんのよ!?』
 しかし、その私の問い掛けに向こうの方がむしろ驚いた顔つきをしていた。
「いやいやいや。ちょっと待てよ。同じクラスだろ? 俺のこと分かんないのかよ」
『は?』
 私は首をかしげた。こんな男子、クラスにいただろうか? いや。むしろそもそも、ク
ラスの男子が誰か、私はほとんど覚えていないことに今になって気付かされる。
「別府タカシだよ。つか、席だってすぐ近くなのに。椎水の右斜め二つ後ろだっての」
『ああ。なるほど。ゴメン。私、全然視界に入ってなかった』
 正直、男子のことを気にする余裕なんて全然ない私にとって、自分より後ろの席に座る
男子なんて覚えていなくても当然なので、覚えていないのも道理だと納得する。右側だと
班も違うし。そもそも自分の班の男子だって、言われれば思い出す程度の会話しかしてないし。
05453/6
垢版 |
2016/05/08(日) 11:23:44.360
「ぐっ…… それ、悪いと思って謝ってないだろ」
 知らない人扱いがよほど気に入らなかったのか、その男子――別府タカシが悔しそうに
抗議する。しかし別にその通りなので、私は素直にうなずいた。
『うん。だって覚えてないものは仕方ないでしょ? 女子同士の人付き合いですら苦労し
てんのに、男子のなんか覚えられる訳ないじゃない』
 ポロッと口にした一言が失言だったと気づいたのは、次の別府タカシの一言でだった。
「あれ? 人付き合いに苦労してるって……椎水。何かあったのか?」
 私は顔をしかめた。さっきの一言が、こっちの事情を詮索させるようなことだと今更な
がらに気付いたからだ。
『な……何でもない!! 何にもないってば!! ていうか、むしろ何もないから苦労し
て……じゃなくて!! いいから気にすんな!!』
 ごまかすために必死で否定しようとして、またつい余計なことを口走りそうになる。テ
ンパッてると口の端から本音がこぼれそうになる癖はホント、何とかしないといけない。
「……あのさ。ちょっと、こっち」
 別府が建物の影の方に歩きつつ、私を呼び寄せた。そこには車一台通るのがやっとの細
い道があり、別府はその道に入っていく。
『な……何よ? 何でそんな方行くのよ?』
 私は警戒心も露わに問い質す。まさかクラスメートに変なことをするとも思えないけど、
用心に越したことはない。
「いや。こっちの方が風、さえぎれそうだろ? さっきみたいな突風が吹いたら大変だろうし」
 私に気を遣ってくれているのだろうが、同時にそれは、別府タカシが私ともう少し立ち
話をしたいという表れでもあった。
『わ、私は別にアンタなんかと長話するつもりはないんだけど』
 そういいつつも、実はこんなにちゃんとクラスメートと話をするのは入学式当日以来だっ
たりするので、警戒しつつも興味もあったりする。しかも男子となんて初めてだし。
「お前さ。もしかして、友達作るの……苦手とか?」
『は?』
 ちょっとドキドキしながら別府タカシの前に立つなり、いきなり図星を突かれて私は一
瞬固まった。次の瞬間、恥ずかしさと怒りが一気にこみ上げてきて爆発する。
05464/6
垢版 |
2016/05/08(日) 11:24:07.450
『なっ…… ちょっとアンタなに言ってんのよ!? 超失礼じゃないそれって!!』
 睨み付けて怒声を張り上げる私に、別府タカシはたじろぎつつも笑顔を崩さなかった。
「いや。失礼かとは思ったけどさ。ただ、なんつーの? 椎水ってあんま女子とも雑談と
かしねーしさ。放課後もさっさと帰るほうだし。まあ、さっきまではなんか事情でもある
のかもな、とか思ってたりもしたけど、なんか話し聞いてたらそういうわけでもなさそうだし」
『ううう……』
 やっぱりさっきのうっかり発言はちゃんと聞かれてたのだ。ましてやフォローも最悪と
あっては、気づかれないほうがおかしい。
『だ、だからなんだってのよ。どーせ私はまだ誰ともLINEすらできないぼっちだけど、そ
れのなにが悪いって言うのよ。バカにしないでよね』
 強がっていきり立ってはいるけど、みっともなさを増幅させてるだけだってのは自覚せ
ざるをえない。
「いや。悪かねーけどさ……」
 どうも別府タカシは、私のケンカ腰な態度に戸惑っているようだった。確かに失礼な発
言とかはあったけど、それもそもそも私の軽率な発言から来ているものだし、ここまでな
じられるいわれはない。単に私が恥をごまかすための犠牲になっているだけだった。
『悪くないんならなんなのよ? やっぱりバカにしてるわけ? アンタ、人のことバカに
出来るほど友達多いの?』
 頭二つ以上は高い場所にある別府タカシの顔を、精一杯虚勢を張ってにらみつける。こ
うでもしないと、自分があまりにみじめで泣いてしまいそうだからだ。
「まあ、それなりには……つか、そもそもバカにしてないし。勝手にそっちがそう決めつ
けてるだけでさ」
『じゃあ何なのよ? なんでそこにそんなに絡んでくるの? 意味が分からないんだけど』
 つっかかる私に、別府タカシは予想外の一言を口にした。
「だからさ。なんか、上手くこうグループに入れないとかだったらさ。俺が声掛けてやろ
うかって思ったんだよ!! 余計なお世話かもしれないけど!!」
 いささか怒鳴るような強い口調なのは、私の態度に苛立ったのか、はたまた自分の言葉
がウソじゃないというアピールのためか。いずれにしても、それは私の余計な疑いを封じ
るには十分だった。
05475/6
垢版 |
2016/05/08(日) 11:24:38.250
『……アンタが……他の女子との仲を取り持つっていうの?』
「そう。俺のライングループにクラスの女子もいるからさ。上手いこと言って話しかける
ようすれば――」
『よ、余計なことしなくていいってば!! ホントに大きなお世話だから、それ!!』
 男子に女友達との仲を取り持ってもらうなんて恥ずかしすぎる。それに別府タカシとの
仲を変に勘ぐられたりするのもイヤだし。
「じゃあ、とりあえず俺とラインやってみる?」
 別府タカシがスマホを取り出そうとポケットに手をやろうとするのを、私は慌てて止めた。
『それはもっとやだ!! 絶対やんないから!!』
 断固として拒否する私を、別府タカシはため息混じりにいささか呆れた顔つきで見下ろ
してくる。
「椎水って、めんどくさい奴だな。一体どうしたいわけ? 別にぼっちでいいっつーんな
ら、これ以上おせっかい焼かないけどさ」
 めんどくさいと言われて、私は怒りが湧き上がるのを感じた。無論、気にしてることを
無遠慮に突かれたからだ。
『う、うるさいわねこのバカ!! 別にアンタになんかにどうにもして欲しくないわよ!!』
 これ以上話なんてしたくなくて、私はパッと身を翻して大通りに出た。と、その途端、
強風に傘を持っていかれる。風のあまり当たらない物陰にいたから、うっかり風が強いこ
とを忘れていたのだ。
『わっ!! きゃあっ!!』
「っと。大丈夫か?」
 別府タカシが腕をつかんで引っ張り戻してくれる。冷たい雨が体に当たるのを感じなが
ら、私は振り返ってまた挑戦的な態度を取る。
『別に平気だってば。私の体がちっちゃいからって子ども扱いしないでよね』
 さっきから散々ヒドいことを言っておきながら心配されるとか、こっちの立場がなさす
ぎるので、あえて反感を買うようなことを言った。でも、こうすればもう呆れてほっとく
だろうと思ったのに、別府タカシは意外と気にしてない風だった。
「平気じゃないだろ。傘、壊れてるし」
 言われて私は自分の傘を見た。骨の継ぎ目で風に煽られて逆さになってるのに気付く。
05486/6
垢版 |
2016/05/08(日) 11:25:51.700
『大丈夫だってば。これ折りたたみだから、最初から曲がる仕様だし』
「でもさ。風が吹くたびにそんなんなってたら、差してられないだろ。さっきより雨も強
くなってきてるしさ。濡れるぞ」
 そこで私は気が付いた。傘を差してないのにあまり体が濡れてない。ふと目線を上に向
けると、別府タカシが自分の傘を差しかけてくれていた。
『仕方ないでしょ。これしかないんだから。ていうか、アンタこそ自分が濡れてるんじゃ
ないの? 私なんて気にしなくていいのに』
「ああ。この傘、大きいから大丈夫。安いのだとすぐぶっ壊れるからさ。丈夫なやつ買お
うとしたら、大きいのしかなくて。こういう時はいいけど、雨降ってないときは結構邪魔
なんだよな」
 おどけたような口調で、別府タカシは苦笑する。場の空気を少しでもなごませようとし
たいのだろうか。続けて彼は、私がドキリとするようなことを口にした。
「どうせなら、いっそこのまま駅まで入っていけよ。片手で傘持ちながらスカートも押さ
えて帰るとか、大変だろ」
『へっ!?』


後編に続く
妄想は溢れているけど、なかなか書く時間が取れないというのは同意
0549ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/05/09(月) 00:25:49.680
タカシ脅威のグイグイだなGJ
妄想を文字にするのは確かになかなか時間食うんだよな
05501/2
垢版 |
2016/05/09(月) 12:09:35.500
そんなことよりちょっと俺の話聞いてくれよ

今年の連休はツンデレと夜更かししたの

俺達も高校生になってアルバイトできるようになったんだ

そしてはじめての給料もらったんで二人で豪遊しようぜってさ

俺らもう大人だからカッコよく海外ドラマ一気見することにした訳

なら最初こそ意識高くご視聴してたんだけど一時間も経ったら集中力切れて内容頭入ってこねぇ

ツンデレも俺以上のアホ女だから同じく上の空

しまいにドラマ興味なくしてしゃべくりだしてさ

たまにおっさんみたいなあくびするツンデレと他愛ない会話に花咲かせます

あの時は少しくらいおさわりしても怒られなかったし楽しかったな、結局ドラマ見ずだけど

そんで休み明け、ツンデレの友達に囲まれてさ

ツンデレの寝顔どうだったかとか色々聞かれてね

いや普通にかわいかったよっつったら何かすげーキャーキャー言われた

そしたら次の日、俺達のこと冷やかしてた奴らツンデレに追いまわされてたよ、って話
05512/2
垢版 |
2016/05/09(月) 12:10:24.950
そんなことよりちょっと私の話聞いてほしいんだけど

今年の連休はアイツと寝たの

私達も高校生になってアルバイトできるようになったんだ

そしてはじめての給料日、見たことない金額手にしたんで使っちまおうぜってさ

大人みたいにお菓子山盛り買って外国のドラマいっぱい借りてきた訳

なら最初こそ背筋伸ばして気合い入れて見てたんだけど一時間も経ったら眠くなってきちゃった

アイツも私以上のバカ野郎だから同じくぼんやり

しまいにドラマをビージーエムにおしゃべりに興じるの

こういう夢心地でおしゃべりするのピロートーク言うんだけどね

アイツとのピロートークめっちゃ楽しい、結局ドラマはほとんど見なかったけど

そんで休み明け、久しぶりに会った友達と休みの話するじゃん

してピロートークのこと言ったら奴らキャーキャー騒ぎだしてさ

何かおかしい思ってもう一度調べてみたら私ドエライこと口走ってたみたいね

とりあえず私の記憶消すために次の日、トンカチ持って奴ら追っかけまわした、って話
0553ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/05/11(水) 11:37:39.10O
バカップルすなあ

とりあえずツンデレさん。トンカチはいかんwww
0555ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/05/14(土) 01:22:20.240
後輩ツンデレが花嫁修業でお嬢の家のメイド見習いを始めたが
心配なのでこっそり見に行ったらメイド衆に捕まって、罰としてメイド服を着て働く事になる所まで妄想した
05581/6
垢版 |
2016/05/15(日) 10:23:26.000
・周囲に上手く馴染めてないことを悩んでいるツンデレ〜後編〜

 男子からこんな申し出を受けるなんて思ってもみなかった私は、思いっきり動揺して声
をうわずらせてしまう。
『なっ……なに言う……ってんのよ!! いいってば!! 知り合いに見られたら恥ずか
しいし!!』
 顔が火照ってるのが自分でも分かる。こんな顔見られたくなくて、私は別府タカシから
精一杯顔をそらせた。
「平気だろ。この雨風じゃ、結構みんな自分のことでいっぱいいっぱいだろうし」
 私は通りの方を見た。たまたま歩いてた女子生徒は傘を手に持っているだけで差してな
い。壊れたのか、はたまた諦めたのか、背後からの突風にスカートを後ろ手に押さえている。
「それにさ。こういうところでちゃんと申し出を受けるってのも、コミュニケーションを
磨く練習になるんじゃね? 逃げるんじゃなくてさ」
 最後の一言が引っ掛かり、私は別府タカシを睨みつける。
『ぐっ…… 誰が逃げるって!? そこまで言うなら、アンタの傘に入らせてもらうわよ。
それでいいんでしょ?』
 売り言葉に買い言葉的な感じで受けてから、私はちょっと苦い気分になる。せっかく男
子の傘に入るのなら、もうちょっとロマンティックな展開であって欲しかったのに。これ
はもう、自分の性格を呪うしかない。
「よし。なら、さっさと帰るか。いつまでもこんなところで立ち話しててもしょうがないしな」
『あんたが引っ張り込んだんじゃない。自分でしょうがないとか言うな!!』
 私の抗議に別府タカシはちょっと困ったような顔をしたが、その表情がすぐに笑顔になった。
「いやいや。これ以上はって意味。もっと話を続けたいなら、ミスドとかマックの方がい
いだろ? いっそ寄ってくか?」
『絶対いや。アンタとなんか死んでも寄らないし。ほらもう。さっさと帰るわよ』
 先に立ってさっさと歩こうとするのを、手を引かれて押し止められる。
「そんなに急ぐなって。せっかく入れてやるって言ってるのにわざわざ濡れるようなこと
するなよな」
05592/6
垢版 |
2016/05/15(日) 10:24:07.630
『アンタはさっきから気軽に人の手握ってくるけど、やめてよね。女の子の手をなんだと
思ってるのよ』
 文句に文句で返すと、別府タカシはその時初めて気がついたように、私の手を握ったま
まの自分の手を見つめた。
「ああ。ゴメン。でも椎水もそんな飛び出すように急ぎ足で行くなよな。二人一緒に歩く
んだから、ペースはちゃんと合わせないと」
『……それも、コミュ力を鍛える一環だっての?』
「正解」
 ニコッと笑う別府タカシに、私はまたしても気恥ずかしさを覚えて顔をそらす。さっき
からどうもペースを握られっぱなしだ。女子に対して全然物怖じするところがない。絶対
彼女とかいるんだろうな、と苦々しく思う。
『分かったわよ。でも、駅までだからね。アンタのペースに合わせるのも。そこから先は
もう他人だから。分かった?』
 そう釘を刺すと、別府タカシは首をかしげる。
「クラスメートなのにか?」
 ぐっ、と私は歯軋りしつつ言い直す。
『じゃあただのクラスメート!! 友達でもなんでもないんだから!! それでいいでしょ!?』
「仕方ねーな。じゃ、まあそういうことで、駅まではよろしく」
 私のキツい言葉にも全然意に介さずに、別府タカシは握手なんて求めてくる。
『そんなの必要ないでしょうが!! たかが傘に入るだけで。ああ、もう!! さっさと
行くわよ。こんなところで話しててもしょうがないって言ったの、そっちなんだし』
 今度は先に立って歩く代わりに、手でバシンと別府タカシの背中を叩いた。
「わかったよ。じゃあ、もっと近く寄れよ。濡れないようにさ」
『……肩とか抱いたら、蹴るからね』
「怖いなー 椎水は」
 こんな感じで私は、男子との人生初の相合傘を体験したのだった。
05603/6
垢版 |
2016/05/15(日) 10:24:40.520
 そして次の日。
『ね、ね。椎水さん椎水さん』
 教室に入って自分の席につくなり、いきなりクラスの女子から声を掛けられた。こんな
展開、入学式の日以来ついぞなかったから私はびっくりして顔を上げる。
『ふぇっ!? な、なに?』
 私の周りに寄ってきた女子は二人。確か早見さんと只野さんという名字だった。二人と
も明るくて気さくで、クラスでは目立つほうだ。その二人が、ニコニコ、というよりはニ
ヤニヤしながら私を見つめている。
『昨日さー。どうしたのよ?』
 思わせぶりな口調で、只野さんに問われる。とっさのことで私は全く頭が回転しなかった。
『き、昨日!? 昨日って……』
『まーたまたぁ。ごまかしちゃって』
 横から早見さんが肘で小突く。その馴れ馴れしい仕草に、私はまた混乱してしまう。
『いや、その……ゴメン。ちょっと意味がわからないんだけど……』
 困惑する私に、二人は顔を見合わせてから、声を揃える。
『別府』
『へっ……!?』
 途端に私は昨日のことを思い出した。この二人と昨日の出来事が全くリンクしていなかっ
たから思い出せなかったが、その一言で色んなことがつながり出す。
『やるじゃん。別府と相合傘とかさー。椎水さんって大人しくて人見知りな感じだと思っ
てたけど、意外と進んでたりするの?』
『ね、ね? あの後どうしたの? どっかでお茶とかしたの? それともお店回ったりと
かしたの? 教えてよ』
 二人からの畳み掛けるような質問よりも、私の心にわき上がったのは裏切られたような
怒りだった。
『アイツ……!!』
05614/6
垢版 |
2016/05/15(日) 10:25:08.340
 ガタッと席を立つ。別府タカシに文句の100や200もぶつけてやらないと気がすまない。
もしべらべら女子にしゃべったりしてたら絶対に許さない。そんな気概で持って後ろを振
り返ろうとしたところで、早見さんが肩を押さえて私を座らせようとする。
『まあまあ。落ち着いて落ち着いて。あたしたちもたまたま見ちゃったってだけでさ。別
府が言いふらしたりとかしたわけじゃないから。さっき聞いたら、俺からは言えないから、
聞きたければ椎水に聞けばって言われて。だから椎水さん来るの待ってたのよ』
 それを聞いて、私は肩越しに別府タカシの方を向く。すると、別府タカシが親指を立て
て私に合図を送る。その仕草から私は瞬時に感じ取った。ほら、行けよ。今がチャンスだ
ろ、という言葉を。
『別に、みんなが喜ぶようなことなんて何もないわよ。風が強くてスカート押さえながら
歩くのに苦労してたら、別府が傘入ってくか?って。最初断ったんだけど、傘はひっくり
返っちゃうし、どうしようもなかったから仕方なく誘いに乗ったってだけの話』
 余計な部分は省いたが、要点で言えば間違ってない説明をすると、二人はさほどがっか
りとした様子でもなく同意したようにうなずく。
『あー…… 確かに、昨日の風は殺人的だったもんねー』
『でもさ。そういうところでスッと傘を差し出せるとか、ちょっとカッコよくない?』
『カッコつけすぎって気もするけど。でもあたしがそれされたら惚れちゃうかも』
 二人で勝手に話を進めてから、早見さんが意味ありげな目線を私に送りつつ、顔を近づ
けてきてささやく。
『椎水さん的にはどうなのよ? ちょっとドキッとしたりした?』
『へっ!?』
 私はあっけにとられて彼女の顔を見つめ、それから我に返るとあわてて首を振った。
『ない、ない。しないわよ絶対』
 しかしその仕草に只野さんがクスッと笑う。
『あ。これは絶対ドキッとしてたでしょ? 椎水さんてば分かりやすい』
『な、何でよ。してないって言ってるのに、どうしてそうなるのよ!?』
 思わず声が大きくなってしまい、私はとっさに口を押さえる。
『だってさ。最初、返事が遅れたのってその時のことを思い出したからでしょ? で、恥
ずかしくなってとっさに否定した、と』
 早見さんの解説に、私は強く首を振る。
05625/6
垢版 |
2016/05/15(日) 10:25:39.180
『違うってば。ちょっと質問自体がよく飲み込めてなかったからってだけで、別に私は、
その…… なんとも思ってないってば』
 あくまで否定する私に二人は嫌そうな顔一つせず、只野さんは私の後ろに回ると、ポン、
と両肩に手を乗せて耳元でささやく。
『いーじゃん。これを機に、ちょっと別府と仲良くなっちゃいなよ。超ってわけじゃない
けど、そこそこカッコいいと私は思うけどな。クラスの男子なら3番目くらい?』
『そ、そおかな? 私はそうは思わないけど……』
 とはいえ、女子の友達を作るのにすら苦労していた私は、男子の品定めなんてしたこと
もない。かといって、今してしまえば別府のことを色眼鏡で見てしまいそうだった。
『行きなって。もし椎水さんがその気なら、私たち応援するよ。別府ともアドレス交換し
てるし、それとなく背中押そうか?』
『ふぇっ!? い、いい!! いいってば!!』
 このまま彼女達のペースに押し切られそうになるのが怖くなって、私は目一杯お断りを
する。するとまた、只野さんが耳元でささやく。
『いいの? 早くしないと、誰か告っちゃうかもよ? 最近は女子の方が積極的だし』
 一瞬、焦りに似た気持ちが湧き上がるが、すぐに私は我に返る。
『なんで急かすのよ。それじゃあまるで、テレビショッピングとかみたいじゃない。30分
以内なら送料無料とか』
 私の言葉に二人は思わず顔を見合わせてから、おかしそうに笑い出した。
『椎水さんてさ。話してみると楽しいよね』
『うん、うん。なんかちょっと近寄りがたい雰囲気とかあったけど、なんかむしろ申し訳
なかったなって』
 それにはちょっと恐縮して、私は肩をせばめる。
『いや、その…… 申し訳ないなんてことはないと思うけど…… 私がちゃんと勇気出せ
ば良かったんだし』
 うつむく私の前に、スマートフォンが差し出される。
『椎水さんもスマホか携帯持ってるでしょ? アドレス交換しようよ。わたしらでLINEグ
ループとか作らない?』
 早見さんの提案に、只野さんもうなずく。私はちょっと呆然としたけど、すぐにうなずいた。
05636/6
垢版 |
2016/05/15(日) 10:28:01.520
『それはいいけど、別府とのことは関係無しだからね』
 この二人にまかせると勝手に先に進んで行きそうだからそう釘を刺すと、二人は笑って
うなずいた。
 悔しいけど、今はあのおせっかい焼きの別府タカシに感謝せざるを得ないと、私は若干
苦々しさを覚えつつも認めるのだった。


終わりです
0565ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/05/17(火) 17:13:46.040
これもう完全に落ちてるよね次に顔合わせたタイミングで女子ズに言われたこと思い出して赤くなるよね
0569ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/05/20(金) 10:03:00.420
女「朝はタカシと登校、授業中はタカシにこっそり設問の答えを教える、昼はタカシと会食、下校時はタカシと遊戯場に寄る……」

女「忙しいったらないですわね」

メイド(全部一つにまとめればいいのに……)
0570ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/05/20(金) 17:18:24.240
ピアスを開けたいと言うツンデレに「お前の体に穴を開けていいのは俺だけだ!」って言ったら
0571ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/05/20(金) 17:23:34.860
お題

・楽天カードちなみん

・ザ・センターちなみん

・アイアンちなみん

・スパイダーちなみん
0572ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/05/21(土) 20:50:06.700
・男と結婚して苗字が変わると変なフルネームになってしまうのを気にしてるツンデレ
0576ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/06/01(水) 13:18:31.53O
Windows10はもはやヤンデレレベルだな


お題
つ・イメチェンしたツンデレがみんなから褒められまくっていたら
 ・見映えは変わっても中身は以前とちっとも変わらないツンデレ
0577ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/06/10(金) 23:35:07.020
ツンデレさんと飲みに行きたい週末
上司のツンデレさんになんだかんだと連行されたい
05851/2
垢版 |
2016/06/30(木) 11:31:45.140
そんなことよりちょっと俺の話聞いてくれよ

このむし暑い日に俺はツンデレと苦手挑戦したの

いうのは俺なんかに恋愛相談仕掛けてきてさ

やれ彼女いるんか、やれ例えば彼女に振られたら泣くか質問責め

やんわり確認とったらやっぱりツンデレ好きだった人に振られたって

すればツンデレ思い出して落ち込みまくりの傷つきまくり

見かねて新鮮な空気吸わせるのに外ブラブラしたの

なんてことない、ジュース飲んだりしながらぐち聞いたってさ

そん中で、辛いもんでも食ってやなこと忘れちまえ、って激辛の店で昼飯にしたの

ツンデレ辛いの好きだから最初こそ食欲ない風だったけど次第にもりもり食ってさ

額に汗かき襟元パタパタしてる姿にエロを見つけます

そんな旨そうなのに触発されて俺も激辛いただきます、辛いの苦手なんで即諦めたけどね

俺いっしょにいるのが当たり前すぎて分からなかったけどツンデレ実はめっちゃいい女なの

気さくで快活しかも美人、それなのが無理に元気出してて守りたい感じ

だから今告白したら傷心のツンデレと付き合えるのかなって悪いこと考えながら遊んだよ、って話
05862/2
垢版 |
2016/06/30(木) 11:32:46.700
そんなことよりちょっと私の話聞いてほしいんだけど

このむし暑い日に私はアイツと苦手挑戦したの

いうのは気になってた先輩にすでに彼女いてさ

告白する前に終わって、言いやすいアイツに色々ぐちったの

すればニブチンでも感づいて、彼氏に振られたん?聞かれてさ

せき止めてた感情があふれ出まくるよね

そしたらアイツに散歩連れ出されてさ

私めんどくさい奴と思われたなって絶賛後悔中で昼飯もおごってくれたんだよ

そんで食後にね、シュワッと嫌なこと忘れるため飲めない炭酸飲んだったのね

でも結局飲みきれないんで炭酸好きなアイツにあげたの

したらアイツ大喜びでお父さんがビール飲むみたいに一気飲みしてさ

嚥下のたび上下する喉仏にエロを感じるよね

私隣にいすぎて知らなかったけどアイツ実はめっちゃいい男なの

紳士な上にニコニコ優しそうな面からおちゃらけたお喋り、喉仏もエロいしね

だから道行く人に、私のボーイフレンドかっこいいだろ、って暗に自慢した、って話
0588ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/07/11(月) 13:18:15.41O
お題
つ・派手にスッ転んだツンデレ
 ・最近ツンデレから全然連絡がないので男がとうとうツンデレから捨てられたのではと思ったら
0590ほんわか名無しさん
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2016/07/12(火) 01:39:12.390
お題
つ・七夕の短冊に男と両想いになれますようにと書こうと思って結局書き逃してしまったツンデレ
0594ほんわか名無しさん
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2016/07/21(木) 00:46:45.870
お題

・ツンデレに「今日は何の日でしょうか?」って言ったら
0595ほんわか名無しさん
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2016/07/22(金) 02:51:49.610
オナニーニの日

・兄の自家発電を見てしまったツンデレ
0598ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/07/31(日) 16:43:54.700
お題

・腋フェチタカシはメイド服をノースリーブとミニスカの夏服仕様に変更しよう提案するも
メイドという仕事に誇りをもっているツンデレは、夏であろうと長袖とロングスカートは当たり前と言い、折り合いが着かず
最終手段の業務命令で、着用義務化をタカシが発動させてツンデレを大いに失望させてしまい
辞職騒動にまで発展させてしまったら
0601ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/08/04(木) 01:37:15.010
ミニスカートと言いつつ、どうせストッキングとガーターベルトも着けなきゃダメなんでしょう!?
ほんと、ご主人様は変態です!
0603ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/08/08(月) 06:18:35.520
暑い、寒い
0604ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/08/09(火) 01:01:17.980
>>603

タカシの家に遊びにいって「暑い」と胸元をパタパタさせてアピールするも不発に終わって
今度は気を使ってタカシが付けたクーラーで「寒い」と言ってタカシを困惑させ
設定温度を上げようと立ち上がるタカシに後ろから抱きつき「あんたのせいなんだから、あんたが温めなさいよ///」
からのニャンニャンしか思いつかなかったわ
0606ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/08/10(水) 08:57:50.900
www
0607ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/08/11(木) 19:06:33.740
バイクで事故ったタカシ


痛いよかつみん
0609ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/08/16(火) 12:03:29.440
全く相手にされずにお盆を終えようとする事に抗議する幽霊ツンデレ
0610ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/08/18(木) 06:53:37.170
四連覇したツンデレ
0611ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/08/18(木) 11:13:07.370
タカシ争奪戦?
0612ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/08/18(木) 11:38:19.030
・恋愛マスターとしてみんなの恋愛相談に乗っているツンデレ
・自分の恋愛には実は臆病なことを隠しているツンデレ
・だんだん自己嫌悪に陥っていくツンデレ
・今まで恋愛相談された人達から勇気をもらうツンデレ
・デレデレ
0613ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/08/22(月) 02:39:42.090
お題

・ぽっちゃりツンデレをからかいつつ、お腹のお肉をもみもみする事が好きなタカシ

・タカシは太っている女の子が嫌いだからからかってくるんだと、ダイエットを決意するツンデレ

・夏休みになりツンデレを遊びに誘うも断られ続けてしまい、からかい過ぎたと落ち込むタカシ

・これは直接会って謝らなきゃと決意するも、全く会えないまま夏休みも半分が過ぎ、自分の愚かさを呪うタカシ

・そんな時にツンデレから夏休みの誘いがあり、喜んで返事をして当日を迎えるタカシ

・しかし、待ち合わせ場所に来たツンデレは見事にダイエットを成功させたスレンダーボディに変わっていました

・照れながら感想を聞くも、露骨に落ち込むタカシにイライラしてやけ食いするツンデレ

・再びぽっちゃりに戻るも、タカシに「痩せたお前も可愛いけど、ぽっちゃりしてるお前が好きだ」と言われ赤面するツンデレ
0614ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/08/27(土) 18:50:50.640
季節無視のお題

・タカシからホワイトデーにチョコレートのリップを貰い、(こ、これでキスしろって事なのかな…///)と悶々とするツンデレ
06151/7
垢版 |
2016/09/04(日) 10:11:35.210
お題作成機より:アッパー・図書室・湿布

「何なんだよ、かなみ。いきなり校内放送で呼び出すとか、公私混同だろ」
『生徒会の活動にかかわることだもん。公に決まってるでしょ。ていうか、名前で呼ばな
いでよね。誰かに聞かれて勘違いされたらどうすんのよ』
「人がいないことくらいちゃんと確認してるよ。つか、今日は生徒会室、誰もいないのか」
『今日は活動日じゃないし。会長も用事あるとかで帰っちゃったし。私は少し、整理した
い資料があったから』
「で、俺に雑用押し付けようって呼んだのか? 勘弁してくれよ。こっちは文化祭の準備
で忙しいってのに」
『まだ二ヶ月も先じゃない。てか、部活動っていいながらマンガ呼んでるような奴が忙し
いとかゆーな』
「あれも研究の一環だ。あと、これから文化祭で配るコピー本の制作に取り掛かるんだよ。
俺は漫画と、あと小説の挿絵も描かなくちゃいけないし、結構忙しいんだよ」
『はいはい。安心して。大人しく指示に従ってれば、すぐに済むから。じゃ、行くわよ』
「行くって、どこにだよ? 生徒会室で手伝うんじゃないのか?」
『図書室よ。てか、その奥の資料室に用事があるの。あんたも前に行ったことあるでしょ?』
「あそこかよ…… ていうか、また資料探しの手伝いか? 勘弁してくれよ。あれ、結構
時間掛かるじゃん。しかも揃えた資料を持っていくのがまた重いし」
『アンタって、身長そこそこ高いから、便利なのよね。ま、それはまたお願いするとして、
今日はちょっとね。別の用事なの』
「別の用事? あそこで、他にすることなんかあるのか?」
『ちょっとね。失礼しまーす』
 ガラッ。
〔あら? 椎水さんに別府君。こんにちは。今日も資料室でお仕事? 大変ね〕
『図書委員長も、お疲れ様です。委員会の仕事しながら受験勉強とか』
〔ここの方がむしろ落ち着くのよね。ちょっと待ってて。はい。資料室の鍵〕
『ありがとうございます』
〔いいええ。たまには、ごゆっくりどうぞ。二人きり、なんだしね〕
06162/7
垢版 |
2016/09/04(日) 10:12:11.400
『――――っ!! なっ……なに変なこと言ってるんですかっ!! こんな奴となにをゆっ
くりするって言うんです!! 冗談じゃないですよっ!!』
「椎水。図書室なのに声でかいぞ」
『う、うるさいわね……!! アンタが馴れ馴れしい態度取るから、周りが誤解するんで
しょうが……』
「俺のせいなんか? そもそも椎水が便利だからって俺をしょっちゅう生徒会の雑用に借
り出すから、嫁の尻に敷かれてるだとか言われてるんじゃ……」
『だって本当に便利なんだもん。今年の執行部は男子一人しかいないし、男手不足してる
んだからしょうがないじゃない』
〔クスクス。傍から見てると本当に仲いいのよね。こっちの方が当てられちゃう〕
『や、やめて下さい!! そんなこと言って別府が調子に乗りでもしたら困りますから』
「乗らねーよ。ボコボコに叩かれたくねーし」
『し、失礼なこと言わないでよね。人を猛獣みたいに』
〔……………………!!〕
「だからうるさいって。つか、好本先輩、声を殺して爆笑してるし……」
『あー、もうっ!! さっさと行くわよ。このバカ!!』
「バカはねーだろ…… 人を呼び出しといて。全く……」


 カシャン。
『ほら。こっち』
「なあ?」
『何よ?』
「今さ。ドアに内鍵掛けたろ?」
『掛けたわよ。それが何か?』
「いや。何でかなって……」
『ちょっとね。誰も来ないだろうけど、万が一ってことがあるから念のためかな』
「念のため、ねえ……」
「(かなみと密室で二人っきり…… しかもアイツから誘って…… いやいやいや。かなみ
だぞ。そんなエロマンガみたいな展開あるわきゃねー……って……でも、何で……)」
06173/7
垢版 |
2016/09/04(日) 10:12:44.890
『はい。これ』
「は? な、何だよこれ? アイマスクと……ドラッグストアの袋?」
『とりあえず、それで目隠ししてあっち向いてて。私がいいって言うまで』
「いや。何でこんなことするのか意味が分からないんだけど……」
『い、いいから!! これが用事の準備なの。一応これでも、間接的には生徒会の仕事に
関係あるんだから。四の五の言わずに早く。時間、もったいないでしょ!!』
「全く理解不能だけど……まあ、これでいいか?」
『うん。それで後ろ向いてて。合図があるまで、絶対目隠し取ったりこっち向いたりしちゃ
ダメよ。言う事聞かなかったら、絶交だからね』
「わかったわかった。ほらよ。これでいいんだろ?」
『よし。じゃあ、そのままね』
「(一体、かなみの奴なにを考えてるんだ……?)」
 シュル……ゴソゴソ……
「(衣擦れの音……? いやいや。まさかまさか。妄想たくましすぎだろ俺!! ええい静
まれ、下半身!!)」
『ん……しょっ!! ……と……ふぅ……』
「(何やってんだよアイツはよぉ…… ああいかんいかん。何か別のこと考えないと。ハン
ニャーハラーミータージーって、その先分かんないし。ええい!! ナムミョーホーレン
ゲーキョー……)」
『お……お待たせ。もういいわよ。目隠し取ってこっち向いても』
「お、おう。助かったぜ。これ以上待たされたら、妄想だけで俺の理性という堤防が決壊
するところだった……ぐぶうっ!!」
『なっ……なによ……? 変な音出して……』
「いやっ……おま…… だってかなみさん? 一体どんな格好してんだよそれ!! つか、
本当に目隠し取って良かったのか!?」
『し、仕方ないでしょ!! 上全部脱がなきゃ、湿布貼れないんだし…… ま、前はちゃ
んと制服で隠してるんだから問題ないわよ!!』
「いや……でも、背中だけでも裸ってのは相当エロ――」
06184/7
垢版 |
2016/09/04(日) 10:13:13.780
『それ以上言うな!! わ、私だって好きでアンタに見せてるわけじゃないんだから!!
仕事してても肩が痛くて痛くて…… い、いつもだったら執行部の子にトイレとかでお願
いするんだけど、今日は誰もいないし……頼れるの、アンタしかいなかったから……』
「わ、わかったわかった。わかったから興奮するな!! 外に音が漏れ聞こえたら、変な
ことしてると勘違いされるし」
『うう…… そこの薬屋さんの袋に、湿布薬が入ってるから早く貼ってよ。私だってこん
な格好、超絶恥ずかしいんだからね……』
「お、おう。えーと……これか」
『そう。それを両方の肩と、肩甲骨の内側にお願い。あと、半分に切ってあるのは、頭の
付け根のところ。髪、アップにしてるから貼れるでしょ?』
「わ、分かった。けどかなみって……そんな肩こりひどいのか? おっさんじゃあるまいし」
『誰がおっさんよ!! 生徒会書記になって、一気に事務仕事増えたし、字を綺麗にしよ
うって、ペン字も習ってるし……あと、おまけに高校生になって胸も前よりおっきくなっ
たし……』
「確かにな…… 中学の頃は夏服でもそこそこ膨らんでるって程度だったのに、今じゃか
なり主張してきてるし」
『あ……アンタ、そんなイヤらしい目で私のこと見てたの!? バカ!! 変態エッチスケベ!!』
「いやいやいや。普通に見える範囲での感想だから、なんらやましいことじゃないじゃん。
お前の方こそ、それ過剰反応だぞ」
『うるさいっ!! とにかく、明日から私のこと見るの禁止だから!!』
「むちゃくちゃ言うな…… しかもどうせ用事があればまた呼びつけるくせに…… それ
でどうやって見るなと」
『だからごちゃごちゃ言うな!! と、とにかくエロい目線で見るのだけは絶対ダメだか
ら。分かった?』
「分かったも何も、上半身裸なんて自分からエロい格好しておいてそういう事言われても
困るわけで……」
『これはだから、湿布貼ってもらうために仕方なく脱いでるんだから。下着だけつけてる
とか、余計に恥ずかしいじゃない……』
「ああ。まあそれは確かに。で、どこらへん貼りゃいいんだっけ?」
『だから言ってるじゃない。両肩と肩甲骨のすき間のところ。あと頭の付け根だって』
06195/7
垢版 |
2016/09/04(日) 10:13:41.250
「うーん。肩ってここらへんか?」
 プニッ!!
『ひゃうっ!? な……ななななな…… なに勝手に触ってんのよ!! 人の許可も無しで!!』
「いや。場所確認しとこうかと思って…… 驚かせるつもりはなかったんだが」
『驚く驚かない以前に礼儀として間違ってるわよ。乙女の柔肌に勝手に触れるなんて、あ
りえない』
「なんか、年々めんどくさい奴になってくよな。前はさすがにちょっと触ったくらいでそ
こまで怒鳴らなかったと思うけど」
『めんどくさいとか言うな!! だんだん大人になってきてるって事よ。気軽に触られた
くないって、女子なら当然だし』
「わかったわかった。悪かったよ。にしても、今触っただけでも相当固かったな。湿布貼
る前に、ちょっと揉みほぐしたほうが良くないか?」
『いい!! そういうのいらないから。ていうか、合法的に私に触ろうとしてるでしょ。変態』
「いや。こう見えてもマッサージは結構やってるからさ。俺の姉ちゃん。知ってると思う
けど、社会人になってからしょっちゅうマッサージを要求してきてさ。肩から腰から太も
もからふくらはぎから足裏まで、全部やってんだぜ」
『アンタ、まさか自分のお姉さんにまで欲情してんの!? どんだけのべつまくなしなの
よ。もはやただの変態じゃなくて犯罪者じゃない』
「誰が欲情するか!! そうじゃなくて、無理矢理やらされてるから結構上手なんだぜっ
て話。最初の頃は下手だと容赦なく蹴りまくられたけど、最近はほとんどないし……」
『どーだか。そんなこと言って内心ドキドキしてるんじゃないの? タカシのお姉さんっ
て確かスタイル良かったし』
「バカ言え。正直、今のかなみの方がよっぽど色っぽくてドキドキしてるっての」
『ふぇっ!? ええええええっ!! なななななっ…… なにバカなこと言ってるのよ。
私を引き合いに出して変なこと言わないでよね!!』
「いやまあ……マジに言ったんだけど…… そんなことより、本当に肩もみ、しなくてい
いのか? そんだけこってるんだったら、やった方が楽になるとは思うぞ。」
『いい!! いい!! 全力で遠慮するから!! 湿布貼るだけにして!!』
06206/7
垢版 |
2016/09/04(日) 10:14:08.870
『(あんな変なこと言われた後で肩なんてもまれて……それで気持ちよくなっちゃったら
……しかも二人きりで、密室で……なんて……)』
 ピタッ。
『ひゃうっ!! ちょ、ちょっと!! いきなり貼らないでよね。ビックリするじゃない』
「いや。一応声掛けたぞ。じゃあ貼るぞって。返事がなかったからいいのかなって思って
たけど、もしかして聞いてなかったのか」
『う……ちょっとボーッとしてて…… って、アンタのせいだからね!!』
「は? 何で俺のせいなんだよ? 全くもってさっぱり意味が分からないんだけど」
『ううううう〜〜〜〜 このド天然が。もういいわよ。続けて貼って。ムダ話で大分時間
ロスしたし』
「よし。じゃあここと………… あと、背中は…………ここか。あとは、こっちにも…………」
『頭の付け根も忘れないでよ』
「はいはい。この、半分に切ってあるやつだろ。ちょっと髪の生え際んとこ、上げていいか?」
『どうぞ。髪にくっついてはがす時絡まるのもやだし』
「よし。じゃあ……」
『(うわ……なんだろこれ……タカシに髪上げられてるだけで……なんかすごくドキドキ
する……)』
「よし。これで全部だな。どうだ?」
『うん…… まあ、場所的にはいい感じかな。やっぱり、その……マッサージとかやって
て、こる場所とか、知ってるから?』
「まあ、そんな感じかもな。じゃあ俺は行くわ。かなみもずっとそんな格好じゃ風邪引く
だろうし」
『あ…… ま、待って』
「ん? まだ何かあるのか?」
『いやその……一応言っとかないと。背中向けたままで申し訳ないけど、あの、その……ありがと』
「ハハハ。珍しく素直だな。でもいいよ。俺的にも、背中からだけとはいえ、かなみのそ
んな姿見れたのはラッキーだったしな」
『なっ……なに言ってんのよこのバカ!! スケベ!!』
06217/7
垢版 |
2016/09/04(日) 10:16:18.740
「う〜ん…… 今のかなみに対しては、否定できないかな。実際エロいし」
『またそういう事言って!! 次はもうこんな格好しないわよ。ちゃんと水着持って来る
んだから!!』
「は? 次はって……またこんなこと頼むつもりなのか?」
『うっ……!? だ、だってほら。生徒会の人とかだと、忙しくて頼めない時もあるし……
あ、あんたならほら。部活って言っても、マンガ読んだりゲームしてるだけだから……』
「だから、それも研究っていう立派な活動の一部なんだって。ま、いいや。じゃあ、次呼
ばれるときを楽しみにしてるから」
『楽しみにするなっ!! こ……このバカあっ!!!!!』


次回から、かなみの湿布貼りはタカシが専属になったとか


終わり
久しぶりにお題制作機のサイトに行って追加可能の奴にネタ入れようとしたら全部消えた
まあ、もう見てないかなと思いつつも
0624ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/09/07(水) 09:04:20.36O
>>622
懐かしい人がまだいてくれたことはありがたい


追加可能のお題作成機なんだが、消えたデータを復旧させようにも、入力も受け付けないようでなんともならん訳ですが、修正って出来ます?

あまり人がいないのをいいことに、たまに自分用に足したり削ったりして妄想の肥やしにしていたので
0625ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/09/08(木) 14:46:28.870
お題

・月刊お姉ちゃん復活
0627ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/09/21(水) 18:57:27.58O
お題
つ・ツンデレに70歳とか80歳になってもこうして二人でのんびり出来たらいいなって言ったら
0629ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/09/25(日) 12:07:25.200
男が告白されてるのを見てしまってなんとか気を引こうと必死になるんだけどことごとく空回りして追い詰められてるツンデレの可愛さって王道だけどいいよね…
0630ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/09/27(火) 14:40:27.22O
お題
つ・周りからツンデレだと指摘されても頑なに認めようとしないツンデレ
0632ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/09/28(水) 08:59:51.750
ぬるぽ
0633ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/10/04(火) 09:04:11.38O
お題
つ・ジャンクフード好きな男に何とか体に良いものを食べさせようとするツンデレ
0634ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/10/04(火) 16:26:23.310
お題
・何でも答えられると豪語するクイズ王ツンデレに破廉恥な問題を出したら
・負けじと答えるので最後に好きな人を聞いてみたら
0635>>633
垢版 |
2016/10/05(水) 21:19:00.920
俺「お、テキサスバーガー復活じゃん! 晩飯これにしよ」
ち「……また、ハンバーガー」
俺「仕方ないだろ〜、俺んち今両親ともどっか行ってるし。俺は料理できないし」
ち「……どっか、じゃない。きちんとした仕事。出張。そういう言い方は、良くない。……親不孝者」
俺「はいはいさーせんね。どっちにしたって外食産業バンザイですがね」
ち(……こんなの、健康に良くない。このままじゃ……)
 『 栄養価の低いファストフードばかり食べる → 脳が萎縮、体もボロボロに → 人生の落伍者!(チーン 』
ち(そ、そんなの……駄目……! 私が……!)
俺「な、なんだよ。そんな目で見んなよ」
ち「私が、なんとかしなきゃ……!」(ズダダダッ!)
俺「へ? ち、ちなみさん? どちらに行かれるんですか〜〜!? ……腹でも減ったのかな」
 ――ちな部屋。
ち「何か……なんでもいい……。体に良い食材……!」(カチカチ)
ち「こんなんじゃ足りない……。もっとちゃんと……!」(カタカタカタ……ッターン!!)
 数日後――。
ち「と、言う訳で」
俺「らんらよいひあり、ひほああんめひくっへるっへのい(モッチャモッチャ)
ち「……なんて?」
俺「モグモグゴックン。なんだよいきなり、人が晩飯食ってるってのに、です」
ち「……ん。……今夜もハンバーガー。そんな豚の餌みたいな食生活の君に……これを作ってきた」
俺「え!? やった何々!! ……くんくん。くさっ!!! 何だこの物体!! くっさこれくっさ!!」
ち「失敬な……。君の体を考えて……健康的な食材をこれでもかとぶち込んで煮込んだ、特製スープ。その名も、ちな汁……っ!!」
俺「……」
ち「ちな汁……っ!!」
俺「二回も言わんでいいわ。って言うかそもそも何が入ってんだこれ」
ち「ん……。……にんにく、トマト、豚肉、納豆、うなぎ、アサイー、朝鮮人参、すっぽんの生き血、鮪の目玉、ハクビシン、オットセイの陰茎……」
俺「ちょ、待てぃ!! なんでも入れりゃいいって……って言うか最後らへんよく仕入れたな!!」
ち「わ、私が……、その……た、食べさせて、上げる……ね? はい、あ〜ん……」
俺「わぁ可愛い、って馬鹿!!ムリムリムリムリ!! 駄目だってマジで……ぎゃあああああーーッ!!!!」
その後滅茶苦茶セック(ry
06391/3
垢版 |
2016/10/16(日) 22:34:40.980
・ツンデレの背中に何かが付いているようです

『あれれ? 友子とかどこ行っちゃったの?』
「そういやいないな…… また特ダネっぽいの見つけて追いかけて行っちゃったんじゃないか?」
『えーっ…… 修学旅行の自由行動の時間くらい大人しくしててよ。これではぐれたなん
てことになったら、班長のあたしが怒られるじゃん』
「そういや山田が一生懸命諫めてたような……てことは、絶対連れて行かれたパターンだな」
『山田ごときで止められる友子じゃないでしょ。はぁ……次の行き先分かってんのかなあ……』
「まあ、あいつはそういうとこ抜け目ないからな。山田もフォローするだろうし」
『探すだけムダってことよね。じゃあしばらくはタカシと二人っきりか……』
「お? なんだよ。デートみたいで嬉しいか?」
『バカじゃないの? つまんないしがっかりって意味。もっとも、あの二人がいてもそう
変わんないけどね』
「ま、ある意味かえって静かなのはいいんじゃね? 時間に余裕はあるし、のんびり行こうぜ」
『そーね。次の目的地でクラスの子に鉢合わせて、別府と二人っきりとかデート?デート
なの?ってからかわれるのもうっとうしいし』
「つか、この道さ。のんびり行くにはいいコースだろ? 普通の見学コースで歩く道より
ちょっと遠回りだけどさ。人少ないし、田んぼと森に挟まれた感じで。しかもところどこ
ろ、紅葉で綺麗な場所もあるし」
『そーね。アンタにしちゃ、なかなかのチョイスじゃない。どこで知ったの? こんなマ
イナーな道』
「SNSでフォローしてる高校生ミュージシャンの。人混み嫌いなかなみなら、こういう道の
方がいいんじゃないかなって」
『何よ。それで親切にした気? ルート選択まかしたからには、当然のお仕事でしょうが』
「もうちょっと素直に喜んでくれたっていいじゃん。ついでに、こういう道なら友子たち
がはぐれる機会も減るかと思ったんだけど、そっちは目論見が外れたなあ」
『あいつの行動パターンを読めるのなんて山田くらいでしょ。あ。あそこの紅葉すごい。
真っ赤に色づいてて、燃えてるみたい』
「緑の森の中にところどころ赤や黄に色づいてるってのもいいだろ? スポットにはなれ
ないけどさ。逆にこういう方が俺は好きかなって」
06402/3
垢版 |
2016/10/16(日) 22:35:14.150
『うーん。それに関しては、悔しいけどあたしも同意かな…… 写真撮ろっと』
「あ、かなみ。ちょっとそのまま」
『え? な、何よ』
「そう。その振り向いたままで」
 カシャッ!!
『ちょ、ちょっと。なに許可なく勝手に撮ってるのよ!! 信じられない』
「ああ。ちょっと背中にさ……」
『背中に……って、なんなのよ? もしかして何か変なの付いてた? 虫? 虫なの?
いやああああ!!』
「ホント、お前って虫苦手なのな。まだ何も言ってないのに、この焦りよう」
『アンタが思わせぶりな言い方するからでしょうが!! で、何がついてたのよ。教えてっ
てば。変なのなら早く取って』
「もう撮ったよ。ほら。これ、見てみ」
『え……?』
「かなみの背中に、綺麗な紅葉の葉っぱがついてたからさ。なんかいいなって思って。そ
れで振り向いた姿で1枚、撮らせてもらった」
『わ…… なんか、秋っぽい……』
「結構構図もいいだろ? ここら辺は最近、山田に教えてもらったんだ。アイツもずっと
友子についてて、写真部でもないのに鍛えられてるから」
『ね。ねぇ…… あの……』
「何だよ? 柄にもなく照れた素振りして」
『う、うるさいわね!! あたしだって、その……ちゃんと、恥ずかしいって感情もある
んだから』
「で、何だよ? 今更俺に対して恥ずかしがることなんてあるのか?」
『え? えっとね。その……その写真、あたしにちょうだい……』
「ああ。何だ。気に入ったんだ。別に、そのくらい恥ずかしいことでもないだろ」
『だ、だってその…… 自分の写真気に入るなんて、ナルシストっぽくて恥ずかしいじゃない』
「そんなこともないだろ。記念だしさ。ほら、送るぞ」
『あ、うん。ありがとう』
「後で、ラインにも上げような。後で山田と友子も羨ましがるように」
06413/3
垢版 |
2016/10/16(日) 22:36:13.190
『やめなさいよ。からかわれるだけだって。あっつーいって』
「ま、いいじゃん。これも記念だし。来年は受験生で思い出なんて作る機会も減るしな」
『そうね。じゃあ、あそこの紅葉の木の下で写真撮ろうよ。二人で。あたし、自撮り棒も
持ってるし』
「ああ。撮るのはまかせろ。ちゃんとかなみが一番映えるように撮ってやるよ」
『バーカッ!!』


お題作成機より、アッパー・修学旅行・背中、でした。
ちょっと秋っぽく。

そして、そろそろ次スレの季節
0642ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/10/22(土) 22:02:29.620
ツンデレにそれってあなたの感想ですよねっていったら
0643ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/10/29(土) 13:37:40.420
お嬢の尻枕とメイドさんのおっぱいアイマスクで眠りたい
0644ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/11/02(水) 20:23:05.340
かぼちゃちなみん
0646ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/11/12(土) 10:00:04.980
お題
つ・ツンデレさんにちょっとだけ嫌がらせをしてみたら
 ・ツンデレと冬の雨の日
0648ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/11/22(火) 14:45:49.040
今日は良いにーにの日!

・最近旨く兄に甘えられなくなったちゅんでれ
0649ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/11/23(水) 02:51:52.580
今日は良い兄さんの日!

・兄に敬語を使うようになり、一段と甘えにくくなったツンデレ
0650ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/11/23(水) 11:27:42.260
今日は勤労感謝の日でもあるので

二人暮らしで、いつも頑張って生活費を稼いでくれている兄に、たまには何かお礼をしたいと思っているものの
一体何をすれば兄が喜んでくれればいいか分からずに苦悩していると、心配した兄にどうしたのかと聞かれて
冷たい態度で突き放してしまい、二重に悶絶することとなった敬語妹を妄想したい
0651ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/11/24(木) 01:30:17.600
今日は良い西の日!

・上機嫌な関西さん
0652ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/11/25(金) 20:52:01.390
今日は良いニコの日!

・上手く笑顔になれるように鏡でトレーニングするも、実はマジックミラーで向こう側にタカシがいることを知ったツンデレ
0654ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/11/27(日) 13:43:07.600
今日はフナの日!

・船乗りのタカシが航海を終えて久々に帰ってきたけどもツンツンしちゃって自己嫌悪するツンデレ
0655ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/11/28(月) 20:58:54.560
今日は良いにゃーの日!

・猫好きのタカシの気を引けるかもとネコミミを買ったものの、どうやって披露すれば良いものかと自室の鏡の前で色々と試行錯誤するが
結局諦める事に決めてベットに倒れ込むと、閉めたはずの部屋の扉が少し開いていることに気づき
閉めようと扉に近づいた所で照れくさそうにしているタカシを発見し、恥ずかしさからにゃーにゃー言いながらポカポカとタカシを叩くツンデレ
0656ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/11/29(火) 09:08:50.640
今日は良い肉の日!

・ツンデレのおっぱいを揉ませてもらいに行くタカシ
0657ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/12/02(金) 00:17:38.110
一昨日は良い竿の日!
昨日は良い匂いの日!!

・朝タカシを起こしに行くと、タカシの竿が短パンからこんにちはしていて固まるツンデレ

・匂いフェチツンデレ
0662ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/12/30(金) 17:37:38.040
ここはちょうど丸二年だったか

来年もツンデレさんといっぱいいちゃいちゃするぞー、という妄想
0664ほんわか名無しさん
垢版 |
2017/02/12(日) 16:11:17.120
阻止
0665ほんわか名無しさん
垢版 |
2017/06/04(日) 18:47:28.740
☆ 日本人の婚姻数と出生数を増やしましょう。そのためには、年金制度と生活保護を
段階的に廃止して、満18歳以上の日本人に、ベーシックインカム(BI)の導入は必須です。
月額約60000円位ならば、廃止すれば財源的には可能です。お願い致します。☆
0693ほんわか名無しさん
垢版 |
2018/02/19(月) 19:05:53.720
梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅
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0735ほんわか名無しさん
垢版 |
2018/03/19(月) 22:43:19.940
梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅
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0741ほんわか名無しさん
垢版 |
2018/03/22(木) 20:03:19.630
知り合いから教えてもらった確実稼げるガイダンス
一応書いておきます
ネットで検索するといいかも『蒲原のロロムムセ』

X4VUM
0747ほんわか名無しさん
垢版 |
2018/03/24(土) 13:15:13.000
犬避けて転倒、飼い主側に1280万円賠償命令 リード離し過失 - SANSPO.COM
http://www.sanspo.com/geino/news/20180323/tro18032319380015-n1.html

 大阪府高槻市の住宅街で2015年6月、ランニングをしていた40代の男性会社員が走ってきたミニチュアダックスフントを避けて転倒する事故があり、
飼い主の女性側に約4000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は23日、リードから手を離した過失を認め、約1280万円の支払いを命じた。

 女性側は「故意にリードを離したわけでなく、男性にも周囲を確認する義務があった」と主張したが、塩原学裁判官は判決理由で
「散歩の際は動物をつなぎとめるという基本的な注意義務を違反した過失は重い」と指摘。男性には右手首に障害が残り、治療費や収入への影響を考慮し、損害額を算定した。

 判決によると、ミニチュアダックスフントが別の女性が散歩させていた柴犬に反応して突然走りだした際、飼い主の手からリードが離れた。
男性は前方にいた柴犬の飼い主を避けようとしたところ、さらに現れたミニチュアダックスフントに気づき転倒。右手首を粉砕骨折するなどのけがを負った。
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