とりあえず、比較的些細な問題から話していきます。

私は東洋5dのときに初めて囲碁の本を買って読んだのですが、
1枚の図で5手以上の手順が示してあると、「1番の石が打たれる前の初期状態の盤面」を想起することがむずかしく、読むのにかなり苦労しました。
4手までであれば、「自分が打って相手が打つ」を2往復するだけなので、そのあたりが
普通の人の限界でないかと思うのですが、どうでしょうか。

私の場合は、(5dの人間が買おうと思ったくらいの本なので)本の作り手が
「さすがに読者は初心者じゃないんだからこれくらいの盤面は脳内で再生できるだろう」と考えている可能性もありますし、
「読者は必ず碁盤に並べながら本を読むだろう(つまり読者は必ずリアル碁盤を持っているだろう)」という前提で本が作られているのかもしれないので、
ある程度は仕方がない気もしました。
(ネットのみで囲碁を覚える人が増えてきた現状に、出版社の意識が追いついていない可能性があるという意味もあります)

ただ、初級者向けの本で、「1枚の図に5手以上の手順が示してあるもの」が登場するものは、そもそも消費者のニーズを理解しようとしていないのではないかと感じます。

実は、本という表現手段が囲碁の教材に向いていない可能性はあると思います。
たとえば動画の教材なら、このような問題は起こり得ないわけですから。