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こうした見方はカルドアが先駆

《…私にはフリードマンの結論は逆に読まれねばならないことが、突然わかりはじめてきた。すなわち、
その因果関係はY からMへと進まねばならないのであって、MからYへではない。それで、私はその
ことについて時間をかけて考えれば考えるほど、商品-貨幣経済(commodity-money economy) に基礎を
置く貨幣価値理論は、信用-貨幣経済(credit-money economy)に適用しえないといっそう確信するよう
になった。…(図は省略)…
 さて、信用貨幣の場合には、貨幣「供給曲線」を垂直的にではなく、水平的に描くのが適切で
あろう。金融政策は所与の貨幣ストック量によってではなく、所与の利子率によって表わされる。
そして貨幣存在量は需要によって決定されるであろう。…》

邦訳カルドア『マネタリズム〜その罪過』1984(1982),72,74頁より(111頁に需要インフレとコスト・インフレの記述)
(鍋島直樹『現代の政治経済学」2020年,118頁参照)

ちなみにそのカルドアはヒックス晩年のマネタリズム批判にかなり影響を受けている。