米国株MMT理論が支えか   6月13日土、日経夕刊 

3月半ば以降、FRB保有米国債、1.6兆ドル増え、今後も月800億ドル購入
米政府、経済対策で4−6月期、3兆ドル資金調達予定
事実上、FRBが調達を支える財政ファイナンスの状態

今後もFRBが金利を一定水準に抑えるなら、政府は金利上昇リスクを気にすることなく国債を大量に発行できる。
パウエル議長、「米国の強力な財政余力を使うべき時だ。我々もやれることやる」と、財政支出を資金面で支援する考えを隠さない。

エドワード・ヤルデル氏、「パウエル議長は現代貨幣理論(MMT)にすべてをささげているかのようだ」と指摘。
MMTとは近年関心を集めた経済理論で、「自国通貨を発行する政府は債務不履行に陥らないので、過度なインフレにならない限り、
財政赤字をいくら拡大してもいい」というもの。
金利上昇が心配なら中央銀行が国債を買って抑えればいいと説く。

パウエル議長は昨年、「間違った理論だと思う」とMMTを完全否定していた。ヤルデルはコロナ危機で議長が宗旨変えしたと主張。
  単なる量的緩和では国債を買い取った資金は中銀の口座に準備預金として積み上がり、景気刺激効果は弱い。
パウエル議長がMMTを認めたかどうかは別として、中銀の資金供給と一体になった財政支出は強力。FRBが株式相場を支える
「パウエル・プット」はまだ終わりそうにない。