悪魔バスター★スター・バタフライ 【SVTFOE】 ★7
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礼二「あれ、中学の同級生なんだ。
なんかごめんな、隠すようなまねしちゃって…」
若林「いや、別にいいよ。あえて言うことでもないしなw」
礼二は申し訳なさそうに苦笑いしていた
礼二「なんだか俺馬鹿みたいだな…なんか言い出せなくてさ」
俺「いや、気にすんなよw 彼女なの?」
礼二「うん、そうだねww」
嬉しそうにはにかむ礼二を見て
本当に好きなんだろうなって気持ちが伝わってきた 俺と若林はそれを聞いて
「ふっざけんなよーw」「やるじゃねーかww」
とか言ってふざけてバシバシ背中を叩いた
若林「漫画は描いてんの?」
礼二「いや…正直、微妙だ…」
若林「そっか。まあペースがあるしそんな焦ることでもねえか。」
俺は漫画を描かない礼二が心配で
正直嫌な予感がしたのだけど、そんな事は言い出せなかった 正直ここで
「漫画描かねえのかよ?そんなんでいいのか?」
とか言っても、なんか彼女が出来たことへのひがみみたいになってしまうし
俺は「良き友人」を演じるため本音を言えなかった
「やったなーおめでとうーw」
などと上辺だけの言葉を吐いてしまった
俺は、漫画を描く礼二が好きだし
漫画について熱く語っている礼二が好きなのに
色ボケしたような礼二が、なんだか嫌だったんだ 俺たちの高校の前の道にある金木犀が咲いて
なんだかいい感じの香りがし始めた頃
礼二の様子がもっとおかしくなった
学校を数日連続で休んだかと思うと
学校に復帰してきても一日中机に突っ伏して一言も喋らない
普段うるさい礼二がこの状況になるのは明らかにおかしい
俺の嫌な予感が的中してしまったんだ 俺「おい、礼二、どした」
礼二「……」
俺「なんかあったか?」
礼二「……」
俺「そうだ、あれ描いてくれよ、エアギアのキャラ。俺あれ好きなんだ。」
そう言うと礼二は顔を上げた
礼二「漫画なんかなぁ…もう一生描かねえんだよ!」
あまりのことに俺はただあっけにとられた そう言うと次の授業が最後だというのに礼二は教室を出て帰ってしまった
「あんま帰りすぎると留年するぞ…」
俺はそんなことをつぶやいて必死に冷静になろうと思ったけど
無理だった 礼二のやつ、また何かやらかしたのか?
俺一人じゃどうにもならない
放課後、若林のところに行こう
すぐにそう考えた 若林「どーせふられたんだろ。」
若林に事情を話すと笑ってすぐにそう答えた
若林「想定内のことだろw」
俺「でも漫画を描かないって凄い剣幕だったんだけど。」
若林「それがなぁ…なんで漫画を描かない、になるんだ?」
俺「行ってみる?」
若林「それしかないか…手間のかかる奴だなマジで」
俺たちはその帰り、礼二の家に行ってみることにした 俺たちは急いで自転車をこいで礼二の家を目指した
だが、礼二の家に着いても誰もおらず
肝心の礼二がまだ帰っていなかった
若林「あいつどっかで寄り道してやがんな。」
俺「どうする?」
礼二の家の前にも金木犀が植わっていて
俺たちはその前に自転車を止めて、時間を潰してみることにした 金木犀の花をむしり取ったり携帯をいじったりして時間を潰したが
一向に礼二が帰ってくる気配がない
俺たちがただその場で時間を潰して2時間弱くらい礼二を待った頃
夕方6時になってチャイムが鳴って
「さすがにもう帰るか」ってなった時だった
自転車に乗った礼二が目の前に現れて
「なんで?なんでいるんだよお前ら…」
と俺達に向かって言った 若林「ようw遅かったじゃねーか。」
俺「お前が心配だから来てやったんだよ」
すると礼二は涙目になって「ふざけんな…」と言いながら自転車を倒して
服の袖で顔を隠して泣き始めた
若林「何があったんだよ?ふられたか?」
俺「話せよ。聞いてやるぞ」 礼二「ふられたんだ…彼女に…」
そう話し始めた礼二は、夕焼けの濃い光を浴びて一層悲しそうに見えた
俺「なんで?仲良かったんじゃないの…?」
礼二「俺、ずっと漫画描いてること秘密にしてたんだ。
彼女は俺が進学校で、めっちゃ勉強頑張ってると思ってた」
若林「それで?」
礼二「本当の事、話したんだ。本気で漫画になるのが夢だって。
大学行かずに高校出て漫画家目指すって。」 礼二「最初こそ、彼女も笑って応援してくれてたんだ。
でも、俺が本当に本気だって分かってくるうちに言われたんだ」
若林「なんて?」
礼二「○○高に行ってそんな事言ってるなんて馬鹿みたいって。
そんであっという間にフラれた。」
俺「ああ…」
俺はなんて言ったらいいか分からなかった
礼二「もう、漫画なんて二度と描かねえよ。
やっぱり普通じゃねえんだこんな事。」
若林「なんだって?」 若林の様子が変わったことにすぐ気づいた
若林「お前、女にフラれたくらいで漫画描くのやめるのか?」
礼二「フラれたくらいって!お前に俺の気持ちが分かるのかよ?」
若林「知るかそんなもん!!お前何いってんだよこの野郎!!」
礼二「なんだてめえ!!知ったような口きくんじゃねえ!!」
その場で取っ組み合いのケンカになってしまった
もう日も沈みかけてて、あたりは暗くなっていたので
誰も止めにも来ない
俺は必死になって二人を止めた 若林「そんな事でやめちまうのか!!お前の夢はそんなもんか!!」
礼二「うるせえよ!どうしようが俺の勝手だろうが!!!」
もみくちゃになりながら俺は二人の間に入って必死に止めた
しばらく口論が続いたあと、礼二が言った
礼二「大体夢、夢って、お前には何も夢がねえくせに!!」
これを言われて若林がピタっと言い返すのをやめた
礼二もこれにはしまった、と思ったのか
「あ…」としゃべるのをやめた 若林「そんな事でやめちまうのか!!お前の夢はそんなもんか!!」
礼二「うるせえよ!どうしようが俺の勝手だろうが!!!」
もみくちゃになりながら俺は二人の間に入って必死に止めた
しばらく口論が続いたあと、礼二が言った
礼二「大体夢、夢って、お前には何も夢がねえくせに!!」
これを言われて若林がピタっと言い返すのをやめた
礼二もこれにはしまった、と思ったのか
「あ…」としゃべるのをやめた 若林はすごく小さな声で言った
若林「俺に何もねえから…お前を応援してるんだよ」
俺はこんなに寂しそうにしゃべる若林を初めて見た
いつもひょうひょうとしていてテキトー、そんな若林とは程遠かった
若林「でもやっぱり、大きなお世話だったか。」
若林は「ごめんな」とこぼしてそのまま自転車に乗って行ってしまった
すると礼二も黙って下を向いたまま家の中に入ってしまった 俺は一人、取り残されてしまった
もうだいぶ暗くなっていて、若林も見失ってしまった
俺は礼二の家に向かって「明日絶対学校来いよ!!」と言って
その場を後にした
三人でつるむようになってから、ここまで大きなケンカは初めてだった
何も言えずにただ仲裁していた俺
仲直りできるのか不安な反面、本音でぶつかれる礼二と若林が
少しうらやましいとも思っていた すいません今日はここで落ちます
今日も遅い時間までありがとうございました
続きは明日書きます、早めに来れるといいな
あと少しで終わると思います こんばんは
実は今日、随分と久しぶりにある人と会って来ました
会って…うん
この事もスレの最後に書きますね
とりあえず今日も続きを書いていきます その若林と礼二が盛大にケンカをした次の日
礼二は学校には来たものの、俺ともほとんど喋らなかった
放課後、「5、ごめんな俺先に帰る」
と言って申し訳なさそうに帰ってしまった
俺はその後若林のクラスまで行った
俺「なあ若林、礼二先に帰っちゃったぞ」
若林「そっか。」
若林はなんとなく寂しそうな顔で言った どんな事があろうと大抵三人で一緒にいた俺たち
俺はもしこのままバラバラになったらどうしようと不安だった
若林「そうだな、お前グローブ家にあるか?」
俺「グローブ?まあ一個くらいならあるんじゃねえかな」
若林「よっしゃ、明日それ学校に持ってこいよ」
俺にはこの時若林が何を考えているのか分からなかった 若林は中学時代野球部だった
顔に似合わず野球が好きなスポーツ少年だったらしい
若林「だからさ、面と向かって話すのは少しアレだろ」
俺「まあそうだよな」
若林「笑うなよ?野球すんだよ、礼二と」
俺「は?」 若林「明日なら、ちょうどよさそうだな」
俺「待って待って。それマジで言ってんのか?」
若林「マジだけど。駅前のあの公園、あそこでいいだろ」
俺は唖然とした
たまにわけの分からん事を言い出す奴だけど
この時は本当に驚いた 若林「ちょうどお前らと野球したいと思ってたしな」
とヘラヘラして言う
本当に憎めない奴だよ
俺は次の日、自分の家から引っ張りだしてきたグローブを持って学校へ行った
放課後、そそくさと帰ろうとする礼二を引っ張り止め
強引に一緒に帰ろうと誘った
若林は先に駅前の公園に向かっていた よく晴れている日で、西日がまぶしかった
礼二と二人で自転車に乗って学校を出た
俺「礼二、久々に駅前の公園寄って帰らないか?」
礼二「いいけど。寄って何するんだよ…?」
俺「まあとにかく行ってみよーぜ」
上手いこと礼二をあの公園に誘導することができた ごめん寝落ちしてしまっていた…
続きを書くよ
ほんと申し訳ない 公園に着くと、若林が俺たちを見つけて笑っていた
若林「よ、来たか。」
ニコニコとしてとてもごきげんなように見えた
礼二「なんで、若林が…」
困惑する礼二に向かって
俺は持ってきたグローブをカバンから出して礼二に投げた
礼二「は?なんだよ、これ…」
俺「いいからさ」
俺も若林につられて何だかニヤニヤしてしまった 若林「キャッチボールすんだよ、いいか?」
そう言って若林は持っていたボールを礼二に向かって軽く投げた
礼二も黙って、若林にボールを投げ返す
礼二と若林の間をボールが何往復もするうちに
若林が投げるのと同時に喋り始めた
若林「あのさ」
礼二「どうした?」 若林「お前だって、色々辛いんだよな」
礼二「うん」
若林「なんか、勢いで色々言いすぎちまった。ごめん。」
若林がそう言うと、礼二はボールをキャッチしてから大きく深呼吸した
礼二「今、見せたいもんがあるんだよ」
そう言って礼二はグローブを手から外して、かばんを取りに行った 礼二「若林も、5も来いよ」
礼二は真面目な顔をして俺たちを手招きした
俺「一体なんだ?w」
礼二「これだ」
礼二はカバンのクリアファイルから原稿用紙を一枚取り出した
そこには一人の少年の絵が描かれていた
若林「お前、これ…」
礼二「うん」 礼二「新しく描く漫画の主人公考えたんだ。これ、どう思う?」
俺「お前…もう漫画は描かないって…」
礼二「色々考えたんだ。でもやっぱり、漫画描きたくてしょうがないんだよw」
そう言われて、俺と若林はあからさまに見合ってニヤニヤしてしまった
若林「いいんじゃねーか、俺は好きだけどよ。もう少し個性が欲しくねーか?」
礼二「まじかwよっしゃもっと練ってみるぜw」
不思議と俺たち三人は笑って話していた いつのまにかブランコに三人で座って
久々に三人でずっと漫画談義をしてた
すっかり夕暮れの時間帯で、公園がどんどん夕焼けに染まる中で
俺は三人でいられる事がどんなに楽しいことか痛感した
やっぱり俺は夢を語る礼二が好きで
それを見て楽しそうに話す若林が好きだった
いつまでもこんな時間が続いたらいいのにって
そんなベタな事をこの時本当に思ったんだよ 礼二だって人間だし、失恋して何もやる気が無くなることだってある
それを見て思いっきりキレた若林も同じだ
そしてその二人の間をなんとなく繋ぐ俺…
この一件で俺たち三人はまた今までとは違う
より一層親密な仲になったんだと思う この出来事があったのが秋のこと
それから俺達は修学旅行へ行ったり色々とあったけど
毎日楽しくそれなりに過ごしていた
何もかもが普通だった
授業もけっこうサボるがそれなりに出席はして
成績は相変わらず相当悪いものだったけど
学校には順調に毎日通って楽しくやっていたんだ 冬休みに入った頃
忘れかけていたTから突然メールがあった
「年明けに吹奏楽の演奏会と合同で軽音部のライブがあります。
良かったら見に来てみてくださいね。」
というものだった
そういえば、Tはライブをする時は見に来てくださいって言ってた
俺はこの時忘れかけていたものを突然思い出したような気持ちになった 正直、最初はあまり乗り気ではなかった
音楽はそこまで好きじゃないし
吹奏楽の定演なんて俺がいっても浮くだけだ
でも、せっかくTがメールまでしてくれて誘ってくれたから
どうせ暇でやることないんだし見に行ってみようと思った
Tがどんな風に軽音部でやっているのか見てみたい
そんな好奇心だった
でも、この軽い気持ちが良くなかった 一人で行って友達がいない奴だと思われたくなかったので
俺は嫌がる若林を強引に連れて行った
この時礼二は何故か寝込んでいて来なかったんだと思うw
高校近くの市民ホール的な場所で
吹奏楽と軽音の合同演奏会が行われていた
駐車場も沢山の車でうまっていて
中に入るとホールは思ってたよりも大きくて
人も保護者やら他校の生徒やらで随分とうまっていた 入り口でパンフレットをもらって若林と一緒にしげしげと眺めた
プログラムは吹奏楽→軽音の順番だった
若林「俺こんなん初めてだぞwなんかすごいもんだなw」
俺「思ってたよりかなり本気だよね…なんかすごいわ…」
ホールの中はなんというか厳かな雰囲気に包まれていて
ステージは照明が強く当たっていて凄くまぶしく見えた
とても高校生の演奏会には思えなかった
なんかプロが出てきてもおかしくないような雰囲気に思えた 若林「お前の愛しのTのちゃんはいつだよ?w」
俺「なんだよそれwさーいつだろうな…」
なんて話してるうちに吹奏楽の演奏が始まった
ステージ上に楽器を持った一団が現れると
場内は凄まじい拍手に包まれた
俺は驚いて思わずまわりをキョロキョロ見渡してしまった
若林に「ばか、きょろきょろすんな」って注意されたのがしゃくだったw 吹奏楽の演奏が始まって、俺は唖然とした
正直、高校生ごときの演奏が…となめていたのだけど
初めて生でブラスバンドというものの演奏を聴いて
俺はめっちゃ感動したんだ
音の束が俺の腹に突き刺さってくるような不思議な感じだ
ステージ上で光を浴びて演奏してる人たちが
いつも学校で一緒にいる連中に思えなかった
俺も若林もただ「すげ…」とか「うわ…」とかつぶやくだけだった 吹奏楽の演奏が終わって
軽い休憩時間になっても、俺達はあっけにとられてた
「なにか打ち込むってのは凄いことだわ…」
二人でそんな事を大真面目に話してた
Tも頑張ってるんだろうか
軽音の演奏になってTが出てくるのが
怖いような楽しみなような、なんとも言えない気持ちになった ごめんなさい、ここまでにします
限界なので落ちます
こんな時間まで書いちゃってすいませんでした!
今日続きを書きます
多分、今日終わるんじゃないかと思います こんばんは
続きを書いて行きたいと思います
保守してくれた人ありがとう! 休憩時間にホールの中が明るくなって
俺たちは後ろの席のほうで何もすることなく座っていた
沢山の人が座ったり立ったりを繰り返していて、場内は慌ただしかった
「先輩!」
声のする方を見ると、通路の方でTがピョンピョン跳ねて手を振っていた
T「来てくれたんですか!」
俺「来たよー!」 T「私もうすぐなんです…緊張します」
俺「頑張ってね〜楽しくやればいいよーw」
俺がそう言うとTは笑って頷いて、ホールの外へ駆けていった
Tのその姿がとても微笑ましく思えた
若林「可愛いもんだなw」
俺「そうだね」
若林「…なんでふったの?」
俺は若林のその質問に黙るだけで、答えられなかった 軽音部の仲間に囲まれて楽しそうに話しているTが
なんだか遠くに行ってしまったように感じた
そしてホールが暗転し、軽音部のライブが始まる
どうやら1,2年生のライブから始まるようだ
いくつかのバンドの演奏が終わってから
とうとうその時がきた 照明が照りつけるステージの真ん中にTのバンドが現れた
Tはボーカルのようで、緊張した様子で真ん中のマイクの前に立った
ホールの前の方では友達だろうか、数人の人だかりがTに熱心に手を振ってた
大勢の人が見つめるステージの真ん中にTが立っている
あの小さなTが、いつもの様子とは違う真剣な顔だった Tたちのバンドの演奏が始まる
「車輪の唄」だった
もちろん、俺もよく知っていた歌だ
真ん中に立つ小さなTが歌い出す
「錆びついた車輪…」初めて聴くTの歌声だった
恥ずかしい話、俺はこの時まで「女子の歌声」を聴いた事がなかった
それも今聴いているのはよく知っているTの熱唱だ
Tが歌い出した瞬間、俺は鳥肌が立った この時のTが歌った5分間は、今でも本当によく覚えてる
とても楽しそうに懸命に歌うTの姿が、俺の目に焼き付いて離れない
俺のTのイメージは、真面目で優しくておとなしい、そんな感じの子だ
それが、目の前にいるTはどうだろうか
とても楽しそうに情熱的に、大声を出して歌を歌っている
熱い、本当に熱かった
バンドが凄く好き好きでたまらない、Tのそんな気持ちが伝わってくるようだった このスレッドは1000を超えました。
新しいスレッドを立ててください。
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