そうこうしているうちに、息つく暇もなく試験前日がやってきた。スーツケースとリュックに書籍やらスーツやらを乱暴に詰め込み、僕はアパートを出た。
 出発の直前、なぜか急に我がおんぼろアパートがいとおしく思われてきたが、それはきっとこの先に待ち構えるものがあまりに嫌だったからに違いない