A(売主)、B(買主)、C(転得者)とした場合、
Cが545 条1項ただし書の「第三者」となるには対抗要件の具備を要するか。

動産・不動産の売買の場合(転売事例)
必要(判例)
A にはB の債務不履行に備えた自己防衛手段(AがBから代金未受領であれば同履抗弁により
引渡し・登記を拒めばよくBに対抗要件を具備させないことで、Cにも対抗要件を備えさせない。
結果、AはB との契約を解除し、安心して目的物を他に売却できる)が構造的に用意されている。
他方、Cが対抗要件を備えているということは、Aが代金未受領であれ、Bに引渡し・登記をしたこと
を意味し、 担保を放棄したとも言える。AはC との関係で解除を主張できなくてもやむを得まい。


債権譲渡の場合
譲受人が対抗要件を具備するのに債務者の関与は不要であるから、債務者に自己防衛の手段は
用意されていない。文言解釈から離れて あえて判例が債権の譲受人を「第三者」(545条1項ただし書)
としない理由がここにある。