■早慶と旧帝国大学、難易度の上ではどちらが難しいのか

旧七帝大と、早慶。双方ともに我が日本を代表する立派な最高学府である。
前者は、東京大学、京都大学という最高試験難度を誇る大学を擁し、北海道大学、東北大学などは研究分野に於いて著しい実績をあげている。対する早慶は、難易度はもちろんの事、その巨大な学閥による圧倒的な存在感を持つ大学と言えるだろう。

さて、それぞれ高い能力を持つ学生を輩出し、我が国の発展に関わる者を多く出身とする両大学群であるが、どちらが『格上』なのか、という事に関し、この記事を見ている方は気になるのではないかと思う。とはいえ、双方の格付けを可能にする様なソース(情報媒体)はあまりにも少ない。
東京大学、京都大学であれば明確に上と言えよう。しかし、『旧帝国大学』と限ってしまえば、話は変わる。
人によっては、旧帝国大学を国立であるという要素から、問答無用で格上とする者も居る。あるいは、大阪大学、東北大学、名古屋大学を上とし、北海道大学、九州大学を下とする者も居る。また一般的でない見方から言えば、それ以外の価値観も、当然の事ながら存在する。

しかしそれはただの見方であり、また漠然とした客観である為、これを有効なひとつの定説と見做す事は不可能と言える。ゆえに、情報、客観ともに不安定なものであり、これらから100%正しい答えが得られる訳ではない。だが、それでも最善の認識を得る事は出来るはずだ。たとえば、その世界のプロフェッショナルに訊く事だ。
従って、我々編集部は最高学府の中の最高位に位置する者、まさにプロフェッショナル、『東大生』の認識を訊く事にした。

「はは、どうも」

開口一番の一言は、乾いた笑いとともに、簡単な挨拶から始まった。
今日インタビューに答えて下さったのは、東京大学経済学部4年生の日村将輝さん。日村さんには申し訳なかったが、さっそく意見を伺う事にした。

「あ、いきなりですか? そうですねえ、僕個人の感想言えばいいんですよね? となると、やはり旧帝の方が上なんじゃないですか」

───というと?

「やっぱり、国立じゃないですか。7科目やるんですよ、国立って。だから勉強量が違う。苦労の量が違うんですね。対して早慶って、何なら暗記だけで行けちゃうんですよ。高認とかなら、数学II、Bを履修しなくても行けちゃうから、入る事自体はラクなんですね」

───それは、経験談から?

「はい、その通りです。僕は慶應義塾大学を経済学部を受けましたが、はっきり言って余裕でした(笑)。やっぱり、限定されてるからですね。旧帝国大学と問題の質は同じだと思うんです。でもね、同じだからこそその前に存在するセンター……あ、今は共通テストになるんでしたっけ?それをクリアする必要がある分、必然的に旧帝の方がムズいと言えると思う訳です」

───なるほど、ありがとうございました。

「まぁ、多分これが記事になる頃には就職うんぬんとか、色々文句はあるんでしょうけどね。慶應も早稲田も上位だけ公開してる上、人数の土台が違うんだから就職で比較する事は頭が悪いと思います。旧帝も就職良いし、単純に率を合わせるならここでも蹂躙出来てしまうかもしれないですし」

……との事だった。
つまるところ、旧帝国大学と早慶では、前者の方に分があると言える訳だ。記者も同じ事を思ってはいたが、やはり東大生ともなるとロジックが違う。隙無く、論理的に主張の穴埋めが出来ていた様に思う。
ネットでは様々な意見があり、それぞれの善し悪しの大小に関しても、今後の社会では変わっていくかもしれない。
しかし、少なくとも今、この時に於いては、学歴社会のプロフェッショナルは、旧帝国大学の方を評価していた事が分かった。