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ああ播磨灘 連載中
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0001粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/11/01(水) 17:15:48.50ID:???
88年コミックモーニングにて連載された「ああ播磨灘」
この漫画について色々語りましょう
なおこの作品は天下無双の粗筋書きが執筆することで1日1話のペースで連載されるようです
たまに変な時期に休載したり合併号になったりしたら、即引退!
…とはなりませんのでご安心下さい

※注意※
連載中スレとは連載終了した漫画作品を第1話〜最終話まで順々に、
『現在連載されているもの』つまり現在進行形で語り合うスレです。

●ただし、あらすじは単行本基準で進行していきますが、
●まれにページが多く、やむを得ず同シナリオでも複数に分ける場合があります。
●(「第1話・A」とか「第2話・前」等)
●スレ住人から教えられた場合は別ですが、この場合、
●区切りのいい所や一定のページで一旦切り上げる場合があります。ご了承下さい。

ネタバレ発言はご法度。現在明かされてる情報のみで語り合いましょう。
連載中スレにそぐわない話は楽屋裏スレで行いましょう。
次スレが立ったら or 連載終了して合図があったら楽屋裏! 現代に戻って好き放題に語り合え!

関連スレ等

連載中スレの楽屋裏 第34幕
http://tamae.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1358072497/
連載中スレまとめ
http://rensaimatome.blog.fc2.com/
連載中スレ過去ログ倉庫(更新停止中)
http://rensai.nobody.jp/
0111粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/11/23(木) 17:51:23.50ID:???
この展開は播磨が太刀風に負ける際のパターンだとする雷光親方
播磨が前半に攻めてても後半には巻き返され最期には土俵を割られてしまう…

そして播磨が太刀風の上手を掴みにいった瞬間!
捻りを加えた太刀風の動きが、切れ味鋭い上手投げを放つ!!
その投げに播磨もその身体が浮き上がってしまうが

播磨は仁王の如き強靭な足でしっかりと土俵を踏みしめ、太刀風の投げを残してみせる…!
そして踏ん張った体勢のまま太刀風を投げんとする播磨 
さらに太刀風も投げに出る!上手と下手の打ち合いだ!!
共に強引ながらも、互いの金剛力を振り絞り 両者その足を浮かせながらこの技で決めにかからんとする…!!

<第二十三話 大転回/おわり>
0112粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/11/24(金) 17:32:10.83ID:odnAckwI
 <第二十四話 大怪力>

互いにその身を傾けさせながら、相手を投げんとする横綱両者
だが両者苦悶の表情で汗をあふれ出させながらも、その身は土俵に落ちない…!
両者、全身真っ赤になりながら満身の力を一点に絞り投げを打ち合う!!

……だが二人とも次第にその身体が浮き上がり始め、上がっていた足も土俵に降ろす
体勢を戻し、仕切りなおす両者 太刀風が播磨の廻しに手を伸ばそうとするが
播磨の太い腕が太刀風の左差しを阻む どうにか左を差したい太刀風だが播磨もそれを許さない

「こせこせしくさって これがおんどれの限界やの」

厳しい形相で言い放つ播磨に太刀風も表情を歪める
そして播磨が太刀風の左腕を掴むと
「死にさらせ―――」
そのまま太刀風の腕を引き降ろしその手を土俵につけんとする!
…どうにか残すが、こともあろうにこの大勝負にお手つき狙いの播磨に観客も大ブーイング
しかしその大顰蹙も意に介さず、またもお手つきを狙う播磨
播磨灘の相撲には恥も見得も外聞もなく、ただ勝つのみである
その播磨の手を振り切らんと円相撲を仕掛けんとする太刀風だが
播磨の怪力に押さえつけられ、円を描くことが出来ない太刀風
0113粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/11/24(金) 17:32:31.40ID:???
そして三度、太刀風の腕を引き降ろす それを苦悶の表情で耐える太刀風
その腕力は先ほどの投げ合いでも十分に証明済み、太刀風とて力では負けてはいないが…
互いに渾身の力を振り絞りその腕を押し合う両者だが
……ついに力尽き、太刀風の手が土俵についた
その決着にどよめく館内 たしかに手つきは相撲の四十八手にもない恥知らずな手だが
両者の全力を一点に集中させた、素晴らしい勝負だったと実況も語る

息を切らせながら膝をつく太刀風だが…
突然播磨がその廻しを掴み、膝をつく太刀風を投げ飛ばす!?
ごろごろ転がされて、睨みつける太刀風に 播磨は敗者を見下ろして言い放つ

「円がどうのこうのいうとったら わしは倒せんで」

その光景に観客も大騒然となり、国技館に座布団と観客の怒号が飛び交うのであった

<第二十四話 大怪力/おわり>
0114粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/11/25(土) 17:02:32.60ID:iMUHUobz
 <第二十五話 大パレード>

「ヒョー
 ショー
 ジョー」

千秋楽の名物、バーナードさんからの表彰状授与式
しかし播磨の優勝とあり観客もいまいち湧きが悪い様子ではある
咳払いをしつつ、バーナードさんがアドリブ混じりで表彰状を読み上げる

「播磨灘勲殿 オンどれは鬼のような相撲で15日間群がる力士を倒しよった
 ただただ強いオンどれをここに表彰します PN空港日本支配人 J・バーナード」
『おなじみアドリブたっぷりの表彰 しかも実に的を射た表現
 まさに播磨は土俵を蹂躙する鬼です』

バーナードさんがよたよたとしながら播磨にトロフィーを授与しようとすると
播磨がバーナードさんをひょいと抱え上げると
トロフィーだけとってバーナードさんの身体をぽいっと投げ捨てるのだった

播磨の優勝パレードは、凄まじい人だかりを生み出すほどであった
その様子をテレビで見てた記者たちも目を丸くし
記者の一人がその様子にニューヒーローの誕生だと叫び、播磨灘の時代が来たと言うが
その言葉に老記者、北条が真っ向から反論し、播磨はただの破壊者に過ぎないと言う
だがおっさん記者も播磨のパフォーマンスばかりで肝心の相撲を見ていないとする
今までに見たことのない圧倒的な力で相手をねじ伏せる播磨のその力相撲が、これだけの人を集めたのだと主張するが
それでも北条は自分の主張を曲げず、二人は取っ組み合いの言い争いになるのでした
0115粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/11/25(土) 17:03:18.18ID:???
相撲協会のほうでも、太刀風を持ってしても播磨の暴挙を止められなかった現実に頭を悩ませていた
播磨を廃業させるのは簡単だが、ここまで世間が騒いでいる現状それもできない
…今にして思えば、初日のあの仮面入場のときに廃業させるべきであった
もはや状況は愛宕山理事長が辞任するだけではすむ問題ではなく、どう責任を取るのか問うが

「わしは逃げも隠れもせん 播磨は300年の歴史ある大相撲に汚点を残した
 それを見過ごしたのもわしなら 決着をつけるのもこのわしだ
 次の九州場所 この命に変えても 刺し違えても 播磨を止める!!」

また別の場所の千秋楽打ち上げ会場では、北道山の姿があった
会場に出席した人たちは大関に落ちる北道山に
今からでも格下げを考え直すよう説得しようとするが、北道山の意志は硬く… 
北道が酒樽の蓋をぶち割ると、その1斗樽を抱え込み一息にその酒樽を飲み干すのだった
その光景に皆も、北道こそ天下に一人の横綱だ!と声を上げる

「九州場所 播磨を地獄に落として真の横綱 北道山の誕生だ」
打ち上げ会場に並ぶ人たちの言葉と共に、北道はその目を見開く…!

また場面は変わり、大学病院の待合室では大江川の姿があった
その周囲には記者達もおり、大江川に引退か否かを問うが
するとそこに、分娩室から赤ん坊の泣き声が聞こえ、その泣き声に大江川が立ち上がる
「おめでとうございます 横綱に似たジャンボな男の子です」
どうやら奥さんの子供が無事生まれたようだ 大江川がその子を抱きかかえ…

「わしは泥をかぶります そしりを受けようと 罵声をあびようと
 わしは 土俵に上がります」
新たに生まれたわが子を抱きしめながら、大江川はそう決意を抱くのだった
0116粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/11/25(土) 17:03:44.14ID:???
…さらに別の場所では、太刀風がどこにもいないと言う
親方も行方を捜していたが部屋にもいないし、めぼしいところは全てさがしたのだが…
はたして、その行方を消した太刀風の真意とは…

雷光部屋に帰ってきた播磨灘とそれを追いかける人たち
播磨がパレードの車から降りると…群衆の中へ播磨は魚屋、と声をかけると
雑踏が避けてくれて、以前播磨の部屋に鯛を上げた魚屋が優勝祝いにでっかい鯛をもって現れた
しかし播磨はその鯛を見て「2匹たらん」とする
実は同じ雷光部屋の紀州灘、日向灘の両名も無事優勝を勝ち取ったそうで
特に日向灘は幕下優勝、来場所は十両間違い無しと言われ、ちょっと照れる両名
まさに破竹の雷光部屋に、ギャラリーも皆で万歳するのでした

「何もなかったら……万々歳やけどな」
「いや 万々歳や」
少しばかり表情が曇るおかみさんとは対照的に、雷光親方は満面の笑みを浮かべていた

部屋の中で巨大な盃に日本酒の一升瓶を15本分もなみなみと注ぎ込む
その1斗半のサイズにもなろう大量の酒が注がれた盃を播磨が抱え込み
一気に飲み干すその姿に、外で見ていたギャラリーも歓声をあげるのであった

<第二十五話 大パレード/おわり>
0117粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/11/26(日) 17:47:32.26ID:0jUzZXOY
 <第二十六話 ごめん下さい>

夜も更けた雷光部屋の前、のらいぬの遠吠えが響き渡るその通りに
ひたひたと足音を立てる、着物を着た女性の姿があった
のらいぬもその姿に気づき威嚇するように唸り声を上げるが
その女性の異様さにのらいぬも怯み、物影に隠れてしまった

するとその女性は、「ごめん下さいませ」と雷光部屋の入り口を叩く
力士の一人が起きて、尋ねてきた女性に対応しようとする
なんでも尋ねてきた女性は、横綱にお願いがあると言うが…
明日から巡業だし横綱もぐっすり寝ているのだが…ひとまず入り口を開けて追い返そうとするが
入り口を開けて現れた、能面を被ったその女性の姿に力士も飛び上がって驚いてしまう
あわてて親方とおかみさんを起こして、二人にもその女性の対応を願う

能面の女性は横綱、播磨に会いたいとの言葉に…おかみさんが何か察した
播磨が女性になにかしたのではと問うが、そういうわけでもないそうだが
しかし能面の女性は、用件は横綱に直接でないと申し上げる事はできないとする
そこで女性は、横綱が起きるまでここで待たせて欲しいと頼むのだった

しょうが無いのでとりあえず女性を居間に入れることに
話が出来ないなら、せめて仮面だけでもとってほしいとするが…
能面の女性は深々と頭を下げるのみであった
…しょうがないので最初に対応した力士に播磨を起こすようにいう親方
親方のその言葉に、頼まれた力士も心臓が飛び上がってしまう
0118粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/11/26(日) 17:47:48.29ID:???
…こんな因果に巻き込まれて、ため息をつきながらも
寝ている播磨に声をかけようとするが
…なんだか二階がどたばた騒がしくなり、播磨に追い出された力士は階段を滑り落ちてしまうのだった

「寝入った播磨を起こすいうのはこういうことなんですわ」
「申しわけありません」

仕方ないのでおかみさんが立ち上がり、改めておかみさんが寝ている播磨に声をかける
いびきを立てる播磨に起きてくださいませ、と声をかけるおかみさん
二回ほどそう言うと、播磨のいびきが止まり……

二階からどすどすと降りてくる足音が聞こえ
居間に寝起きで不機嫌そうな播磨灘が入ってきた
おかみさんが能面の女性に用件があることを伝え、播磨がその女性を一瞥する
「フン 女播磨か 用はなんや」と、どかっとその場に胡坐をかくと
能面の女性が三つ指を突いて答える

「横綱…… 私をどうか 横綱の妻にお娶り下さいませ」

その爆弾発言におかみさんも親方も驚愕 メチャクチャ言い出す能面の女性に呆れながら
第一嫁にしてもらおうと頼む側が、面で顔を隠すのはどういう事だともっともな事を告げるが
0119粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/11/26(日) 17:48:01.15ID:???
「ごもっともです でもこんな話女の私には 素顔ではとても話せません
 今では面の下は火のように赤くなっております」
俯きながらも能面の女性もそう言って…播磨に返答を求める
…播磨はただ一言、能面の女性の気持ちが本心であるかを問う 

女性もその問いに頷く と言うことで播磨の嫁さんに選ばれた能面の女性だが
当然雷光親方も猛反発 事が事だけに、酒が残っていたといってすむような話ではない
が、親方の怒声を播磨は意に介さず能面の女性を側に寄せると
播磨は女性の能面の、その顎を掴みあげる!
しかし仮面の顎を掴んだまま、播磨はその能面の奥にある素顔を無理矢理に覗こうとはせず
震える女性から、播磨がその手を離すと
播磨はさっそく、祝い酒を求めるのであった

<第二十六話 ごめん下さい/おわり>
0120粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/11/27(月) 17:18:09.57ID:0K77/+u2
 <第二十七話 鬼が出るか蛇が出るか>

朝日が昇り、すずめがちゅんちゅんなきはじめた頃
播磨は婚約祝いにいいだけ酒をかっくらい
また大いびきをかいて寝ている播磨を力士たちが総出で寝室に運んでいた
居間の方はさながら台風が過ぎ去った後の光景が広がっていた 
今日から巡業なのだが…おかみさんもため息まじりにそう洩らす
能面の女性も片づけを手伝うが、そんな彼女におかみさんが先ほどの播磨の言葉に関しては
酒が残ってた上での言葉だとするが

「いえ 横綱は酒が入っていたからといって いいかげんな事をいう人ではありません
 私を嫁にするといわれた横綱の言葉を信じています」

…そういいながらも、能面の女性は僅かに俯き震えた姿を見せる
「ごめんなさい 私……うれしくて」
「そらまあ……ほんまやったらうれしいやろけど」
「そやけど面のままやと泣きにくいやろ とって泣いたらどうや」

二人の言葉に、能面の女性は庭を借りるとその面を外してその顔を両手で覆う
と、お隣さんのおじいちゃんも目覚め朝の準備運動
……だが、隣の雷光部屋のほうからしくしくと泣く声が聞こえる 
何かと思い壁の隙間から隣をのぞくと、顔を覆い泣き声を上げる女性の姿があった 

(若い女が夜明けに泣いている…… 播磨のいる雷光部屋の庭先で……)
「! やったな播磨!」
その姿におじいちゃんも、至極当然の結論に至った
0121粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/11/27(月) 17:19:01.75ID:0K77/+u2
巡業の準備中の雷光部屋の力士達 
しかしそこに突如記者団が押しかけてきた
なんでも播磨が若い女を暴行したと聞き、我々の目は誤魔化せないと言い放つ記者団達
…勿論部屋の力士は誰も喋っていないのだが
しかししらばっくれてもネタは上がっていると食い下がる
その様子に、能面の女性がでたら向こうの思うつぼ、とおかみさんは二人物影で様子を伺う

「土俵の上でも極悪非道なら私生活も極悪非道
 今日こそ播磨は天のさばきを受ける日だ」
指を差してそう宣言するリポーターだが、そこに播磨がぬうっと姿を現し
記者団は慌てて玄関から逃げ出した 玄関の外で何とか言えとする記者たちだが
播磨はくいくいと外に出た記者たちに指を向けてこっちに来るよう目配せする
…身を強張らせながらも播磨の下へ近づく記者たちに、播磨が告げる

「おいええ事教えたろ わしゃこれから婚約発表する 他の連中にも知らせ!」
播磨の言葉に親方も記者団も仰天 
物陰に隠れていた能面の女性も、播磨の言葉にその場にへたり込んでしまうのだった

そしてその婚約会場、おしよせる記者たちも半信半疑だが 
その会場内にて播磨の隣に座る、能面を被った女性の姿があった 横で雷光親方も少々苦い顔
テレビで見ていた理事長も、播磨のその宣言に怒りを露わにするかのように机を叩く

とあるおばさんも播磨の花嫁になるとのことに、物好きな子もいる者と呟くが
記者団がまずは花嫁の紹介を播磨に求める が
0122粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/11/27(月) 17:19:24.71ID:0K77/+u2
播磨は能面の女性に「誰や?」と問う その言葉に記者も首をかしげ
これには事情があるとする雷光親方だが、能面の女性が変わりに名乗る
「前田 亜希子でございます」
その自己紹介に、テレビを見ていたおばさんもぴくりと反応を示す
…会場の方は名前も知らない婚約相手にざわめきの声がでてくる 仮面をとって顔を見せて欲しいとするが
「ごかんべん下さいませ 横綱にもまだお見せしておりません
 横綱は面のまま私を受け入れてくれました どうかこのままお続け下さい」
と語る能面の女性、前田亜希子さん だがとうぜん記者たちもそれで済ませはせず矢継ぎ早に質問が飛ぶ
…すると播磨はおもむろに彼女の能面を掴みあげる!
面を掴む指に力を込めると、能面に縦真っ二つに亀裂が走り

真っ二つに割れた面から、美しい女性の素顔が現れた

やはり彼女はおばさんが知る人物のようで、テレビに写るその姿にみかんを落としながら驚愕してしまう
そして素顔の亜希子と、播磨灘が初めてその顔を合わせ…
「日の下開山 横綱 播磨灘の嫁は お前だ」

播磨の言葉に…亜希子はその瞳から大粒の涙を溢れ出させながら、笑顔を浮かべるのだった

「心して嫁いでこい」
「はい」

<第二十七話 鬼が出るか蛇が出るか/おわり>
0123マロン名無しさん
垢版 |
2017/11/27(月) 18:19:13.13ID:???
対戦相手の家庭環境が人情モノのノリだったのになんだこれ…
どこまでも播磨は共感「できない」キャラとして描くつもりか
0124マロン名無しさん
垢版 |
2017/11/27(月) 19:39:59.61ID:???
これはさすがに播磨が「豪快」では片付けられない問題ではあるわなあ
というか女性読者に(いればの話だが)割と叩かれそうな話でもありそうw
0125粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/11/28(火) 18:09:40.02ID:plne3Pzc
 <第二十八話 わっしょい>

婚約発表も終わり、雷光部屋に戻ってきた播磨は
さっそく激しいぶつかり稽古に汗を流していた
しかし巡業を一日すっぽかされ協会はおかんむりだが、それは今に始まったことでもないので
そして婚約し妻となった亜希子は居間で一人、荒稽古中の播磨の帰りを待つ
と、そこへ買出しから帰ってきた力士が居間の亜希子を見かけ
ぺこりと一礼すると、亜希子も会釈し返す
台所で今日のちゃんこ作りを始めようとする力士達に、亜希子も何か手伝おうと台所に入る
べっぴんさんな亜希子の姿に、力士たちもちょっと照れ気味

さっそく亜希子は魚の鱗とりの下ごしらえを手際よく行い、上手に三枚におろす
その手際の良さに力士たちも感心したように声を上げていた …が
そこにおかみさんが亜希子に声をかける
「亜希子はん あんさんはまだ雷光部屋の人になったんやおまへん
 お勝手はご遠慮してもらえまへんか」
その言葉に亜希子はおかみさんに謝罪しつつその場を下がるのだった
……おかみさんの厳しい言葉に、ちゃんこの用意をしていた力士たちも困惑

「どういうこっちゃ おカミさん注意すんならハナからしたらええのに
 魚さばいた頃注意しはったで」
「あほ 姐さんがなんぼのものか値踏みしてんのやがな ……女の戦いやがな」
0126粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/11/28(火) 18:10:20.25ID:???
ぶつかり稽古を終わり一汗流してきた播磨に、おかみさんがその場に座って
横綱は明日から正真正銘巡業に行かなければ行けない
なので明日、おかみさんが亜希子の両親に挨拶に伺おうと言うが
播磨もこれから自分が行ってくるとして、亜希子に住所を確認
まずは亜希子が電話で両親にその旨を報告しようとするが、両親も婚約の件は初耳だったそうで
怒鳴りつける父親に、亜希子はこれから横綱を連れてくると一方的に言って電話切った

亜希子の家のほうでも、横綱がこれから家にくるときいて家中騒然
よりによって極悪非道の歩く火薬庫の如き播磨と婚約するなんて
机を叩いて憤慨する亜希子の父だが、母親の方もこれからご近所にどんな顔をすればいいかと頭を抱える
そこに町内会長を務めるおじいちゃんも押しかけてきた
これから来ると言う播磨に祝い酒を用意しに来たと言う 
冗談じゃないと抗議の声を上げようとする亜希子の父を制止し、ここはわしに任せろとして
あれよあれよと横綱歓迎ムードになってくる さらに今度はこの辺の地域を取り仕切る後藤のおじさんまでやってきて
言い争いになる町内会長の田村のおじさんと後藤のおじさんだが、何かさらにもう一人増えた

そんなこんなで播磨が亜希子の家を訪れる頃には、通りがお祭り騒ぎになっておりました
人だかりでいっぱいの中、子供も播磨を一目みたいと言うので父親がその身を抱き上げると
間近で播磨の眼光ににらまれ、子供がひきつけ起こした 
近所の子供もブイサインで「やったね亜希子ねえちゃん」と笑顔で声をかけるが
亜希子ねえちゃん、涼しい顔でげんこつぶちこんだ
0127粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/11/28(火) 18:10:36.04ID:???
家の前で播磨を出迎える、この歓迎を取り仕切るおっちゃん三人が揃って名刺を取り出すが
そろって無視された 慌てて追いかけるおっちゃん三人は無視して、播磨は亜希子の父にその顔を合わせ
気が気でなさそうな両親二人だが…娘の亜希子は笑顔でウインクをするのであった
仕切りの三人が播磨にさっそく祝い酒を振る舞うが
今日は亜希子の父も、下戸ながら今日は頂かせていただきますと
どんぶりに酒を注ぎ、それを一気にぐーっと飲み干さんとして
どうにか飲み干しながらも、亜希子の父は涙を浮かべるのであった…

外でのお祭り騒ぎはさらに白熱化し、今度はみこしまでやってきたようでした

<第二十八話 わっしょい/おわり>
0129粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/11/29(水) 17:08:24.51ID:jHhYMVO+
 <第二十九話 はりつける>

亜希子のお家の前では、播磨灘との婚約祝いに街の人にお酒をふるまっていた
家の中では、亜希子の父が涙を出しながら酔いつぶれてしまっていた
これがほんとの泣き寝入り、であった 
母親も娘、亜希子を睨むがちょっと冷や汗混じりに目そらしする亜希子
…ここでは色々手狭なので新たな宴会場所へ案内しようとするおっちゃん三人
また言い争いになる三人は無視して先に行く播磨

すると播磨は、かなり立派なたたずまいの料亭[吉の]の前で止まる
おっちゃん三人はここは板前もおかみも生意気でぼった来るからダメだと言うが
播磨は構わず吉のに上がる 受付のお姉さんも入ってきた播磨の姿に慌てて逃げ出しておかみを呼ぶ
…播磨灘の迫力を前にしても、おかみは一歩も怯まず平然としながら席案内

厨房でも播磨灘が店に上がったと聞き、板前はおかみもヤキが回ったと鼻を鳴らすが
…播磨灘が直々に板前を呼んでいると聞き、厨房にわずかに緊張が走る…

播磨を上げた部屋に、板前の山野がその姿を見せると
腕を組んだ播磨の姿に、山野の顔に一気に汗が噴き出す…
「料理は任す」との播磨の言葉に頭を下げ、部屋を後にするが 
一人残った山野の表情には緊張が浮かぶ…
山野が厨房に戻ると、ちょうどお通しが出来上がった頃だが
これじゃダメだとお通しを改める山野が選んだのは明日の上客用に用意したものだが
相手は大横綱、下手な物は出せないと鬼気迫る様子で命ずる
真剣な形相で播磨に出す食材を吟味する山野だが、客は播磨だけではない 他の注文も残っているが
すると山野は今日はもう店を閉めてこれ以上客を入れないよう従業員に命ずる
しかしおかみもまだ予約の客も招待しなくてはいけないと異を唱えようとするが

「今日は横綱播磨灘の 貸し切りです」

包丁を持ちそう叫ぶ山野の姿に、おかみも何も言えず
そして今宵、板前山野の真剣勝負が始まる…!
0130粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/11/29(水) 17:08:51.54ID:???
そして部屋に運ばれた豪勢な料理に皆も声をあげ、播磨もどこかにんまりとした笑みが浮かぶ
播磨は盛り付けられた刺身を一箸で5、6枚はすくい上げ、一口で食べてしまう

厨房ではまさに戦場の如き忙しさで播磨一人に持てる全力を尽くす
…予約の客が訪れたものの、今日はもう店じまいと聞いて怒りを露わにするが 
それはそれとして厨房に視点が戻り、食べ終わった食器を下げに来た人にどうだったかを問うと
きれいに平らげていたお皿が全てを物語っていた 厨房の皆も喜びの声が上がる

どうにか嵐のような忙しさも落ち着き、一息つく厨房のご一行
すると播磨が板前を呼んでいると聞き、山野は気合を入れて横綱の前に赴く
…播磨と対峙し、その鋭い眼光に山野も臆することなく堂々とした面持ちで…
そんな山野に播磨はただ一言 「ごっつぁん」と賛辞の言葉を述べるのだった

美味しいお食事も終わり…問題は会計 100万くらいはふっかけてくるであろうと見るが
そこで三人のおっちゃんは、3人折半という結論で落ち着くが
おかみさんは、横綱におあがりいただいたのだから、と播磨に直接領収書を手渡す

【播磨灘 殿   金[   ]也  料亭 吉の】

しかしその領収書は金額の部分が白紙になっていた …これはおかみが横綱を試しているのだ
安く払えば物笑いにし高く払えばベロをだす魂胆だが…その白紙に対し、播磨の出した答えは
その領収書を札から取り、ぽいっと宙に投げると
柱に横綱の強烈な張り手をぶち込む!! 柱には横綱の張り手の跡に、その領収書が貼り付けられていた

「こいつはすげえ おカミさん こんなすげえ約束手形
 古今東西見たことござんせえぜ」
「ほ……ほんとうに…… こ……この手形は『吉の』の家宝とさせていただきましょう」

文字通りの豪快な約束「手形」に、二人もそう声を上げる
こうして播磨灘は美味しい料理に大満足なのでありました

<第二十九話 はりつめる/おわり>
0131粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/11/30(木) 17:04:58.83ID:x0U8JJ3v
 <第三十話 ぶったてる>

とあるお寺の広い本堂にて、一人布団を敷いて寝息を立てる播磨灘の姿と
そんな寝ている播磨の様子を伺う子供たちの姿があった
よせばいいのに子供たちは寝てる播磨にそーっと近づこうとするが
寝てる播磨が僅かに目を開けて、子供たちは慌てて逃げ出した

どうも播磨、稽古相手がいなくその身体を持て余しているようであった
しかし相撲界に弓を引く播磨灘、横綱とはいえなかなか他所の協力を得るのは難しいようで…
雷光部屋の稽古相手は一番上でも十両の日向灘程度、横綱相手には力不足は否めず
もうここはプロレスラーあたりに協力を頼むしかない、と言おうとする親方だが
播磨の鋭い眼光にそれ以上言えず、結局冗談で済ませるものの
実際問題、稽古相手がいないと言う問題をどう解決すべきか…
親方もやけくそ気味になんとかせえと言うと…播磨はその首を鳴らすと
外の竹林から太い竹を一本、それとシーツとでかい筆を用意するように言って
播磨が広げたシーツの前に立ち、しばしその白紙のシーツを睨み…
くわっとその目を見開き、おもむろにバケツに溜めた墨に筆を突っ込み
そのシーツに荒々しく文字を描いていく 
気合の込めて字を書く播磨が、渾身の手応えを感じたかのように笑みを浮かべていた
0132粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/11/30(木) 17:05:33.91ID:x0U8JJ3v
 無 天
 双 下
  播
  磨
  灘

播磨灘一行はそう書かれた旗を高々と掲げ
その姿に町の人たちも興味しんしんでその後をついていく

出羽ヶ岳部屋にて、播磨が出稽古に来たときいてその部屋の親方と思わしきおじさんが追い返せと命ずるが
困惑した様子を浮かべるばかりの弟子力士
怒鳴り声を上げながら親方は塩でもまいてやれと門前に現れるが
外に出た親方が目にしたのは、播磨灘と門前を覆いつくすほどの大勢のギャラリーたちの姿であった
親方が姿を荒らした瞬間、播磨灘も声高に叫び声を上げる

「この部屋に己は強いと思う力士はおるか―――」

<第三十話 ぶったてる/おわり>
0133粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/12/01(金) 17:40:57.11ID:NI1KsCjL
 <第三十一話 はじきとばす>

「この部屋に力士と呼べる者はおるか―――っ」
出羽ヶ岳部屋の門前でそう声高に叫ぶ播磨灘 
その姿に親方も歯?みしながらも、安っぽい挑発には乗らないと返すのだが
その後ろから部屋の力士達がぞろぞろとその姿を現す 
彼らの姿に播磨も気合を込めるかのようにその場で着物を脱ぎ捨て廻し一丁になる
そして播磨が門前の階段に足を踏み入れる それでも親方は止めようとするが
そんな親方を邪魔だとばかりにギャラリーたちが押しのけてしまう
それでも食い下がる親方だが、そんな様子を鼻で慣らしながら
土俵に座り込みその相手を待とうとする播磨……
……そこに一人の力士、幕内の安芸ノ国(あきのくに)が播磨の挑戦を受けて立とうとする
「フン 力士のはしくれがおったのう」 その挑戦に鼻を鳴らし不敵な笑みを浮かべる播磨

……そして安芸ノ国が仕掛け、張り手をぶちこまんとその腕を振り上げるが
播磨も張り手を返し、仕掛けた安芸ノ国が逆に吹き飛ばされてしまう
さらにもう一人、獅子王の勝ち上げをぶちかましで跳ね返すなど
並み居る力士達を次々に下す播磨、幕内が束になってもまるでかなわない播磨の強さにギャラリーも感嘆の声を上げる
……するとその後ろにあるテントの方でも激しくぶつかる音が響く
後ろの方はどんな感じが、ギャラリーのひとりがテントの隙間から覗こうとすると

そこで目にしたのは、相手力士の頭を後頭部まで鷲づかみにしようとする巨大な手だった
0134粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/12/01(金) 17:41:16.93ID:NI1KsCjL
次の瞬間、頭を捕まれた相手力士はテントの外までごろごろ転がって投げ飛ばされる
…まるでグローブの如き巨大な手に、それを目にしたギャラリーの一人も目を丸くする
(試しに自分の手を顔に当ててみるが、顔面を覆う程度
……そして、テントの中からその姿を現したのは、ウマ面の巨漢 怪物と称された男、天山である
彼は初土俵から連続全勝、十両に上がっても負け知らずという凄まじい代物

・・・・・・播磨と天山、二人の怪物が鋭い眼光で対峙する……
播磨灘が名乗ると、天山は天下無双の旗を横目で見やりつつ天山も名乗る
…横綱、播磨灘をも見下ろすその凄まじい巨漢の天山にギャラリーも目を丸くし
その対決が始まるかとわくわくするギャラリーだが
「横綱 本場所の土俵で会う日を楽しみにしております」
ここでは勝負しないかのような天山の言葉にギャラリーも少々ガッカリ
だが天山は幕じり、全勝でもしなければ播磨に当たらないが…
……つまり天山は次の場所でも全勝すると宣言しているのだ…!

「お前 親は?」
「残っていた母も 去年亡くなりました」
「ほうか 死んでも嘆く者はおらんな」「はい」

笑みを浮かべた鋭い眼光を宿す播磨に向け、天山も物怖じせず堂々と睨み返すのだった…

<第三十一話 はじきとばす/おわり>
0135マロン名無しさん
垢版 |
2017/12/01(金) 20:52:33.92ID:???
ライバル登場かな なかなか強そうな出で立ちだが
初土俵から全勝街道というのは、ちょっとアレだ 場所が始まってしばらくして

あの怪物天山が負けた!?一体相手は…!?

的なかませ展開もありそうでちょっと心配だ
0136粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/12/02(土) 17:54:55.61ID:DxNIIqjf
 <第三十二話 ぎっしり>

「天山 1番で十分だ」
にらみ合う播磨と天山、播磨が「来い」と座り込み天山を待ち構える
その言葉に天山も動き、ギャラリーも一気に沸き立つ!
怪物と鬼神の対決が、今幕を開けようとする…
……互いににらみ合い、仕切りの構えを取る両者
二人のその一挙動、ひとつひとつが放つ凄まじい圧力にギャラリーたちも息を飲み……

「待ってくれ――っ」 だが突如一人の男がその対決に割って入る
二人の対決を止めたのは天山の師匠、元横綱の三輪山(みつわやま)の山藤親方
しかし天山も山藤親方の言葉に、横綱に胸を借りるだけだとするが
胸を借りるのにそんな殺気を放つ奴があるかと叫ぶ山藤親方
命を張った勝負を認めるわけにはいかないと、播磨にも天山の無礼を詫び、引いてもらうよう頼むが
播磨も天山も動こうとしない… さらに二人の対決を楽しみにしていたギャラリーからも大顰蹙
しかしその罵声に…山藤親方の目がちょっと赤く滲んできた

「横綱 勝負は本場所の土俵でお願いします 大観衆のもとで死のうが大ケガしようが
 それはそれで力士の本懐!名が残ります
 しかし稽古場で 本場所を十分勤められない身体になるとなると
 "泣きの三輪山"というような情けない名しか残りません」

そう叫び涙ぐむ山藤親方の姿に、ギャラリーも何もいえなかった…
(そうだ この山藤親方は力を持ちながらケガで泣いた
 弱い横綱じゃない 不運の横綱という人もいる)
0137粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/12/02(土) 17:55:55.91ID:DxNIIqjf
しかしそれでも、両者は動かず……
仕方なく山藤親方は、回りの力士にも天山を引っ立てるように指示を出す
だが力士二人がかりでも天山の身体はビクともせず、さらに大挙する力士達
…その光景に、播磨のほうの弟子たちも帰りましょうと播磨に言うが
播磨はそんな力士達を軽く払いのけてしまう それでもめげずに播磨をとめようとし
…そうこうしているうちに、気付けば播磨と天山の間にはその勝負を止める力士達でごった返しになるが

「ええい道を開けい」
播磨の怒声が響き、播磨の眼前の力士達がばっと二つに分かれその道を開ける
「親方と二人三脚の 天下取りか」
そう吐き捨てながらも、ここは播磨のほうが折れ
次の稽古に向かう播磨灘一行なのであった

<第三十二話 ぎっしり/おわり>
0138粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/12/03(日) 21:13:35.73ID:vTEcymyn
 <第三十三話 かちわる>

ずんずんと胸を張って進むごとにその目を吊り上げる播磨灘
さながら道場破りのようだと、播磨の雰囲気に声を上げるギャラリー
…そして播磨が足を止めたのは 愛宕山部屋、現理事長の指導する場所であった

稽古の真っ最中の愛宕山部屋に乗り込んでくる播磨灘
両者暫しにらみ合い、なにしに来たと問う愛宕山理事長に、自らの着物を脱ぎ捨てて答える播磨
「稽古の仕上げは 愛宕山部屋やで」
…その答えに、愛宕山理事長も不敵な笑みを浮かべる

「よかろう ただしいっとくが
 この部屋には お前を殺す鬼しか棲んでおらんぞ」

竹刀を振るい、自らが育てた鬼を播磨にぶつけんとする愛宕山
一人がやられても次々に播磨の相手をするよう、竹刀を振るいながら指示を出す
…播磨もそれらを次々に返り討ちにするその光景に外の窓から覗いていたギャラリーも声を上げる
さながら愛宕山部屋を潰しにきたかのような荒々しさである

「相撲は立ち合いで80%決まるというが播磨のこの踏みこみはどうじゃ
 まるで押し相撲のようじゃ しかも四つ(*組む相撲)になりゃあの磐石の足腰
 こんな強か力士は見た事なか 正真正銘天下無双たい」

その播磨の強さに触発されたか、気合を入れて柱に張り手を打ち込む一人の力士がいた
今場所からの新入幕、大朝日である その張りの強さは天山に匹敵するとされるほど
そして理事長が大朝日、改め大仏にも参戦するよう命ずる
その声に振り向いた顔は、額の部分に大きなほくろが浮かぶ、まさに大仏のような姿であった
0139粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/12/03(日) 21:14:16.44ID:???
播磨灘対大朝日、鬼神と大仏の戦いが始まる
両者仕切りの構えを取り、大朝日が雄叫びを上げながらその強烈な張り手を浴びせんとするが
次の瞬間、播磨の強烈な頭突きが大朝日の胸に突き刺さる!
そのぶちかましにふっ飛ばされる大朝日 自慢の突っ張りも播磨の踏み込みにはまるで通じない
「大仏 頭からいけ!」
もう一戦、構えを取る両者 互いの頭がぶつかるが
大朝日の方は当たり所が悪かったか、自慢の大仏ほくろが播磨の頭突きに潰れてしまう
息を切らす大朝日に、播磨がその頭に手を掛けて

「大仏 頭からのぶちかましはの ここで当てるんじゃ」

大朝日の額と、頭頂部の間にある部分を思い切り土俵に押し当てる!!
「ホクロもとれて仏面におさらばや
 地獄めぐりでもして来いや」
そう言い放つ播磨に、大朝日も息を切らしながら
「ご……ごっつあんです」そう返すしか出来ないのだった

<第三十三話 かちわる/おわり>
0140マロン名無しさん
垢版 |
2017/12/04(月) 11:30:35.04ID:???
力士としての矜持を貫き、もはや角界の伝説となった
平成の大横綱・貴乃花親方が>>8get!!

         ,r'^⌒⌒ヽ,r''⌒`ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;ゝ
      /;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノノ~~~~`ヽ;;;;;;;;;;;;i
      !;;;;;;;;;;;;イ::. /~~~\ ヽ;;;ノ
      ゝ;;;;;;;|:::: (●) ,(●) |シ
      从从/: \  、_!  / ノ       
       从从  i 'ー三-' i l    
        ノ从ヽ._!___!_/

>>1 非常にすがすがしいスレであります。
>>3 >>2getには心の底から納得しております。
>>4 >>2getに不惜身命を貫く所存でございます。
>>5 集英社は昔、ジャンプで連載されていて若花田、貴花田の半生を描いたまさに幻かつ伝説の作品で
小畑健大先生が作画を担当し、あの和月伸宏先生もアシスタント時代に手掛けていた
『力人伝説』を今こそアニメ化、そして完全版で出すべきであります!!
>6 ・・・・・・・・・(マスゴミ共め俺の事を色々嗅ぎ回りやがって・・・!
うぜーんだよマスゴミ共の分際で!!俺様の謎の圧力をかけてぶっ潰すぞテメーら!!)
>7 この一連の日馬富士暴行事件は元はといえば白鵬が一番悪いのであります!!
0141粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/12/04(月) 17:12:11.63ID:qwOgv5lm
 <第三十四話 食いたおす>

愛宕山部屋前の通りに、出稽古からのっしのっし帰ってきた部屋頭の竜雲(りゅううん)
その姿にギャラリーも道を開けつつ…入り口の前に立ってある播磨灘の旗に竜雲は首をかしげる
稽古部屋に入ると、幾多の力士達が何者かにのされて倒れてしまっていた
愛宕山理事長に何があったのかを問うが、理事長は怒りに震えながら何も答えない…

播磨の旗が立ててあったことから、播磨が殴りこみをかけてきた事は容易に想像できるが
関取が5人もいて全員のされるとはだらしねえと吐き捨てる竜雲
そんな苦言に竜雲の付き人も流石に失礼だし
だいいちその5人は竜雲の兄弟子だしいろいろまずいとその言葉を諌めるが
相撲界は番付が下がれば兄弟子もただの関取、と叫びながら竜雲が部屋に入ると
愛宕山部屋の力士達が、丁度風呂上りの播磨の身体を拭いておりました 
その光景に竜雲とその付き人も目を丸くしつつ、播磨の身体を拭く力士を怒りの形相で張り倒す

「てめえ俺の付き人のくせして 天下無双大横綱の身体をふこうなんてふてえ野郎だ」

改めて竜雲が申し訳ありませんと頭を下げるが
そんな彼に播磨も腹にも無い事をと、じと目で吐き捨てつつ竜雲には何枚目まで上がったかを問う
「西の 小結です」
「小結か わしと当たるのは初日か2日目やの」
「楽しみで 夜も寝られません」
そう答えながら、竜雲は不敵な笑みを浮かべていた
0142粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/12/04(月) 17:12:41.20ID:qwOgv5lm
風呂上りで汗を流した身体を拭かれた播磨もずんずん勇ましく部屋を出る 前隠してください
そしてどっかり座ると、メシまで要求するずうずうしさを発揮する横綱
そんな播磨に台所の力士達も呆れ顔だが、
丁度差し入れの牛ヒレ肉があったのでそれに決めるちゃんこ番

「ええっ 正気ですか淡田さん 相手は播磨ですよ横綱の敵ですよ
 なんでそんな上等な肉を親方の許しもなしに」
「相手が誰でもどの部屋の者であっても横綱が一番いいものを食う
 それが300年続いたこの大相撲の鉄則だ」
ちゃんこ番の淡田もそう返し、魚ももう一度改めると指示を出す

……丁度ご飯食べてる播磨の姿に竜雲達も気がつく その姿に…
御相伴させて下さい、と横綱の前に座る竜雲 播磨も無言で頷き
二人の前に鯛の一匹丸ごと刺身、野菜のてんぷら、肉じゃがに大きなちゃんこ鍋と
豪勢な食事が床に並ぶ 一口食し、播磨もうんと満足げに頷く
そして播磨と竜雲、二人は凄まじい食欲を見せる 
無言でどんどんかっ込んでいく両者に、周りの力士たちも目を丸くしてその様子を見ていた
…しかし、不意に竜雲が顔をしかめる どうやら魚の骨が口に刺さったようだ
怒りの竜雲がちゃんこ番の淡田に当たり散らすが、そんな様子を播磨が見やりながら
口から魚の骨を軽く吐き出した 勢いよく骨が床に刺さる
0143粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/12/04(月) 17:13:09.19ID:???
淡田も申し訳ありませんと土下座で謝罪するが
「お前の料理はこいつらにゃもったいない 明日からわしんとこへ来い」
ちゃんこ番の淡田にそう告げる播磨灘 その言葉に竜雲も苦笑交じりの表情を浮かべていたが

「竜雲 お前を土俵中央でカエルのようにつぶしてやる
 その時はこのチャンコ番は俺のもんや ええな」
播磨は眼光を鋭くさせてそう言い放つ、その言葉に私の一存でそんな賭けは、という竜雲だが
「でも俺はつぶれませんぜ 死んでもね」
そう返しながら、竜雲も不敵な笑みを返してみせる…

そして両者食事再開、二人はちゃんこをまだまだかっこむ
……夜も大分更けてきたが、まだ食っているそうで愛宕山理事長も呆れ顔
二人とも箸を置かないもんで、周りの力士たちも止めるに止められない様であった

<第三十四話 食いたおす/おわり>
0144粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/12/05(火) 17:00:09.60ID:7DYVo4lI
 <第三十五話 ふきまくる>

朝の雷光部屋に宅急便が届きました なんでも横綱に来た荷物のようだが
しかし聞き覚えの無い差出人 山形勲(やまがたいさお)の名に受け取った力士も首をかしげる
播磨灘の本名のことだが、忘れ物でも頼んだのだろうか…?
するとそこに雷光親方もその場に顔を見せ、その荷物はわしの部屋に運ぶよう言う

…ワレモノ注意の札を貼られた荷物を前に、雷光親方も少々難しい顔
暫しにらみ合うと、意を決してその荷物を開け…現れた中身に、雷光親方の顔色が青ざめる…

その頃播磨灘の方は手形色紙の作成中 
色紙に手形を貼り付けてると、手伝いの力士がこれにもお願いしますと板を取り出した
「いつもの八百屋のおばさんに頼まれまして
 へへ なんで色紙じゃなく板やと思います これ玄関に吊って魔よけにしたいそうですわ」
笑っちゃいますよね、なんて笑顔で言うけど播磨灘はその言葉にじと目で睨んでました スイマセン;
そこに親方が顔を見せ、一旦皆には席をはずしてほしいと、横綱と二人向き合う親方
……どう切り出すか少々迷いつつ、たばこに火をつけて一服すると雷光親方が本題に入る

「播磨……お前 今場所も仮面被るつもりか それも目を覆いとうなる仮面を」
その言葉に播磨の眉が僅かにつりあがるが親方も慌てて謝り、話を続ける
「前にも言うたけど お前が1敗して引退 廃業する時はわしも辞める
 こんな話をするんもわし個人の説得やない 相撲関係者 いや 相撲を愛する人間の意志や
 ええか播磨 大相撲はな 日本人が日本人の心で300年育て築き上げた格式と様式美や
 これは日本の文化や! 先人たちの血と汗で作った大いなる遺産や
 それだけやない お前の相撲は仮面なんか被らんでも客を興奮させる相撲や
 これこそ大相撲 これが大相撲 まさに今のお前の力は横綱も横綱 大横綱や」
そう語りながら親方はその拳を握り締めるが、播磨はその言葉に表情ひとつかえない…
そして雷光親方は、床に手を突き涙を浮かべて横綱に懇願する…

「播磨 雷光一生の頼みや この通りや 仮面だけはやめてくれ」
0145粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/12/05(火) 17:01:03.47ID:7DYVo4lI
そして11月の九州場所が幕を開ける 初日から場内は既に超満員
場内も11月とは思えぬ、汗ばむ熱気がつつみこんでいた まずは理事長の挨拶から
理事長が土俵に上がり、その背後には播磨灘、太刀風、大江川の三横綱と
紫電海、玉嵐、若不動は名を改め不動王、富嶽、そして自ら格下げとなった北道山の五大関
その堂々たる威容が並び立つ中、理事長が挨拶を読み上げる

「本日はかくもにぎにぎしきご来場 厚く御礼申し上げます
 さて今場所はキップ入手も困難な程の大人気で 九州の皆様にはご迷惑をおかけしております
 力士たちも 自ら大関格下げとなった北道山をはじめ どの力士もこの場所は決死の覚悟でのぞんでおります
 この私も今場所は日本300年の伝統と格式を誇る大相撲を 進退をかけて守り抜く所存です」
挨拶の文を握り締め、理事長はそう宣言するのであった

播磨がその腰に綱を巻き、入場準備も整うと 近くの力士になにやら目配せする播磨
そしてそこに現れた何かに、控え室に同席していた回りの力士たちはなにやら驚愕の表情を浮かべていた

丁度太刀風の土俵入りが終わったところで、次は播磨の入場になるが…
するとなにやら3階のほうから、南国チックな男たちが小気味良い音を奏でて木を叩いていた
まるで南国のポリネシアンショーのような光景に…雷光親方、猛烈に嫌な予感……

そして東の花道にスポットライトが当たり、やはり仮面を身につけた播磨灘がその姿を現す
まるで南国の祭りに出てくるどこかの部族のような文様を刻んだ縦長の仮面の姿に
観客たちも罵声を浴びせ、雷光親方も思わずよろっと立ちくらみしちゃう
そんな罵声もどこ吹く風で播磨は土俵に上がり仮面を取ると
初日に当たり横綱から挨拶を申し上げると言う

「天下に横綱はこの播磨灘ひとり
 来場所は1横綱 7大関じゃ!」

その拳を握り締め、播磨灘はそう叫ぶのだった

<第三十五話 ふきまくる/おわり>>
0146粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/12/06(水) 17:13:31.81ID:???
「もう一度言う 天下に横綱は播磨灘ひとりや」
高々とそう叫ぶ播磨灘の姿に歯噛みする理事長
雷光親方はもう悲鳴を上げながらその場にへたり込むしかないのでした

 <第三十六話 いい放つ>

また今回もとんでも無い事を言い出したと実況も驚愕を露わにしていた
太刀風、大江川の二人は横綱にあらずと、大観衆の前で宣言してみせる播磨に観客からも大ひんしゅく
そして播磨の前にはその爆弾発言の真意を問うべく記者団が殺到
記者の一人は、つまりは興行のみ考えて横綱を作りすぎだと
また別の一人は、ボクシングのように統一チャンピオンを作るべきだと
播磨の言葉をそう解釈するが、播磨は記者の問いに答えず…
ようするに9勝、10勝しかできない看板だけの横綱に腹を立ててるのだろうと問うが
……もろにその言に該当する大江川がすぐ側にいた 記者団もさすがに冷や汗気味
そして播磨はごろ寝のお時間 だがそんな播磨に向け、老記者北条が嫌味気味に声をかける

「2ヶ月ぶりに聞く大ボラ いよいよ播磨灘場所が始まったって感じですなあ
 天に唾する最強力士 横綱播磨灘の代名詞です せいぜいふいて下さいよ」
それよりも今日の相手、竜雲の件に関して問う北条 その言葉に播磨ものっそり頬杖つき
「聞くところによれば 竜雲と食べくらべしたあげく
 言語道断にも本場所の勝負にチャンコ番の力士を賭けたそうですね
 竜雲を土俵中央でカエルのようにつぶしてチャンコ番をもらうと
 その自信…… 当然どの技でしとめるか決めてますよね 一体どんな技ですか」

…北条の問いに、播磨は頬杖をつきながら答えた
「ふん 食うしか能の無い奴は 二枚蹴りで腹から落としてくれるわ」
0147粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/12/06(水) 17:14:12.83ID:???
太刀風のほうにも播磨の言にコメントを求める記者団だが、太刀風も黙して答えず…
するとテレビでまた播磨が飛んでもない事を言い出した、という記者が映されていた
今日の対戦相手、竜雲を二枚蹴りで腹から落すと宣言した件である
…しかし二枚蹴りは背中から落す技 それを腹から落とすとはどういう意味であろうかと解説席も困惑
それを聞いていた竜雲は、僅かにその身が武者震いをするかのように震えていた

「いやあやっぱり自ら天下無双を豪語するだけあって すごいですね横綱
 思わずブルっちゃいましたよ
 でも二枚蹴りで腹から落とす……ってのはどうでしょうか
 愛宕山部屋では腹から落ちる稽古はしてませんからねえ
 
 万一私が腹から落ちたら その時は横綱に脱帽して土下座しますよ
 反対に予告が外れたら 横綱に土下座してもらいましょうか」
不敵な笑みを浮かべてそうコメントを残す竜雲であった

客席でも、竜雲のそのコメントには観客も播磨に逆王手をかけたと沸き立つ
そして土俵上の、次々に巻き起こる迫力の取り組み内容に観客の歓声が上がる 

関脇白鳳の見事なやぐら投げに始まり
250キロの富嶽の豪快なぶちかましが相手を吹き飛ばし
紫電海の切れ味鋭い出し投げが決まる
名誉大関、北道山は強烈なもろ手突きの一撃で相手を土俵外まで弾き飛ばす
大江川も危なげなく、寄り切りで安定した勝利を掴み
そして太刀風が荒技、呼び戻しを見事に決めるのだった
0148粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/12/06(水) 17:14:55.03ID:???
「ひが〜〜〜し〜〜 播磨灘 播磨灘〜〜
 に〜〜〜し〜〜〜 竜〜〜雲 竜〜〜雲」
そして大一番、播磨灘と竜雲の対決が幕を開ける
播磨灘に不敵にも豪胆な挑戦状を叩き付けた竜雲 播磨を前にその眼つきが鋭くなり…
塩を握りながら気合が入ったようにその顔を紅潮させる

「見れば見る程 カエルに見えてくるで」

両者仕切りの構えを取り…そう呟き笑みを浮かべる播磨灘
その言葉に竜雲も僅かに反応を示し… それに気付いたか愛宕山理事長も僅かに目端が吊りあがる

…そして竜雲は一回目の仕切りで立ち上がり、播磨も合わせ両者の身体が激しくぶつかる!
これには実況も驚き、会場の観客も声をあげる 互いに右四つの体勢となり
先手は竜雲が仕掛けるが、播磨は竜雲の上手投げにビクともしない
今度は播磨が出し投げで竜雲を崩しにかかるが
竜雲もその足腰の強靭さは播磨に引けをとらない、彼もまた動かず堪えてみせる…!

<第三十六話 いい放つ/おわり>
0149粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/12/07(木) 17:05:18.91ID:K7P/3w6l
 <第三十七話 ふるえあがる>

横綱、播磨灘の出し投げを見事に残してみせる竜雲
すると播磨は竜雲の頭をつかみ上から押さえつけ押しつぶさんとするが
竜雲これも強靭な足腰で踏ん張るが、播磨はそこからさらに追撃に竜雲を引きずり回す
これもなんとか残しながら竜雲は頭を抑えつける播磨の手を振り外し
播磨の猛攻を凌ぎ、両者がっぷり四つで廻しを掴む 
その猛攻に晒され竜雲の身体からは、滝のような汗が溢れ出ていた

「ふん これくらいで大汗かきおって 家賃が高かったのう竜雲」
大汗をかく竜雲とは対照的に、播磨はまだまだ涼しい顔であった
(* 家賃:相撲用語で自分の入る番付の位置の事。 竜雲の場合は小結)
…その言葉に竜雲はその顔を紅潮させて気合を込めると、播磨の上手を切ろうと抵抗するが
しかし播磨の腕は竜雲の廻しにがっちり食い込み、その指を切ることができない

そして播磨は再度仕掛け、上手投げ、下手投げ、上手投げと竜雲を揺さぶる
竜雲も必死で残すが、息を切らせその身体から湯気を立たせながら
くわっと声を上げると、播磨の胸に頭をつけその身体を潜らせ
勝機と見た竜雲は一気に播磨の身体を土俵際まで押し込む!!

(そうだ 愛宕山部屋には引き技はない 前に出るだけだ)
竜雲のその勇姿に理事長も僅かに笑みを浮かべるが…
そして土俵際まで押し込む竜雲 しかし追い詰められながら播磨灘の表情にはまだ余裕がある

「食うのは横綱級でも 身体の力は小結以下やのう」
軽いため息混じりにそう呟きながら、播磨がぬんと力を込めると
押し込む竜雲を容易く土俵際まで押し戻してみせる
…もはや息切れしバテバテの顔が上がる竜雲 その姿に理事長も僅かに額に青筋が浮かぶ
0150粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/12/07(木) 17:06:10.37ID:K7P/3w6l
そしてもはや力尽きるかのように、竜雲の身体が次第にずり落ちていく…
もはや竜雲の足腰の粘りも、その心も折れかけようとしていた
(そうだ竜雲…… お前はよくがんばった
 ここまでやりゃ十分だ 播磨は来場所倒しゃいい
 それにここでヒザをつきゃ播磨の予告は外れる そうだ 俺はがんばったんだ)
がくんと竜雲のヒザが折れ、土俵に突こうとするが
…播磨はそんな竜雲の身体を、廻しを掴んで無理矢理に持ち上げる!?

「ふぬけがっ」
播磨の形相は、竜雲のその醜態に仁王の如き怒りの形相を浮かべていた
その姿に、竜雲は悲鳴のごとき叫び声を上げながら播磨の喉を両手で掴む
……愛宕山理事長も、もはや竜雲の醜態には言葉もなく、苦々しい表情で目をそむけてしまう

そして播磨、思い切り竜雲の身体を吊り上げ!
「己からまわしはなしおって」予告の二枚蹴りを竜雲にぶち込む!!
強烈な二枚蹴りに宙に浮く竜雲の身体を、播磨はその廻しを思い切りひっぱり
無理矢理にその腹を、下を向かせ
「それでも力士か!」
竜雲を腹から土俵に押しつぶした!!

その壮絶な決着に観客たちも歓声を上げる
まさにカエルのように潰された竜雲 足腰は震え立つことができない竜雲は
両手を突いて播磨を見上げる さながら竜雲が言った土下座の予告どおりの光景に
まさにこれからおこる今場所の戦慄を予感させる、九州場所の幕開けと実況も語るのであった

<第三十七話 ふるえあがる/おわり>
0151粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/12/08(金) 18:07:25.41ID:FTGgfmjF
 <第三十八話 怒りまくる>

今日の取り組みも終わり、迫力ある大相撲に観客たちも満足げに声を上げていた
播磨の明日の相手は、前場所と同じ富嶽との大関決戦だと言う
前場所では播磨のあの爆弾発言で、急きょ取り組みを変えられ富嶽を当てられていたが
今場所では始めから富嶽に当たるように取り組みが決められている

富嶽は前場所、播磨に吊り落とされて負けた際にケガをしてしまい途中休場
前場所の無念を晴らさんと富嶽の闘志は燃えているであろう、と語る観客達
理事長の思惑もわかると言うものとするが……その会話に老記者、北条も混ざる

「理事長が気にしているのは明日の事じゃない 今日の土俵だ
 愛宕山のホープ 愛弟子と言われる竜雲があのざまだ あの激しい理事長がただでおさまるはずがない」

北条の懸念どおり、竜雲は理事長の前で土下座の体勢で謝罪していたが
理事長はなぜ途中で自分からヒザを折り、自ら負けるような醜態を晒したかを、表情を変えずに問う
その問いに竜雲の顔から緊張の汗が浮かぶが…竜雲はあれが自らの限界だと答えた
その言葉で理事長の怒りが頂点に達したか怒声を上げる 
竜雲も何度も頭を下げ、来場所こそは必ず、親方の仇を弟子の私が、と何度も頭を下げて言うが…

「竜雲 2つの道をやる 心して答えろ
 その脂ののった舌を切るか この愛宕山部屋を出るか 2つに1つだ」

怒りに振るわせる身を押さえて、激昂した形相でそう告げる愛宕山理事長
もはや竜雲が何を言おうと、理事長の怒りの炎に油を注ぐものでしかなかった…
0152粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/12/08(金) 18:08:01.68ID:FTGgfmjF
場面は変わり雷光部屋にて、親方と顔を合わせる播磨
……あれだけ仮面はやめてくれと言ったのに、それを平然と破られしょぼくれる親方
「お お前はこの雷光の一生の頼みもきけんのか
 おっ お前は わ わしは一体お前のなんや 言うてみい」
その言葉に播磨灘は僅かに目端を鋭くさせ…播磨はただ一言「親方や」と答えるのみ
するとそこに、愛宕山部屋から人が来ていると言う 竜雲の賭けの件で頂いたチャンコ番である
流石に勝手に力士を移籍できるわけないと声を上げる親方だが
チャンコ番の淡田も廃業届けを出してきたとの事で…(横綱の肩もみしつつ

「そや 肩こりやったり親方や 何せ親方業ちゅうのは気苦労もたえんさかいな」

播磨の言葉に、淡田もちょっと困惑しながらも親方の肩もみ
親方の方ももう何も言えないのでした

さらに場面は、富嶽の所属する真砂(まさご)部屋に変わる 
そこに愛宕山理事長からの電話がかかってくる 親方もその電話に対応し
富嶽の方は自分の部屋で、家族が写っていると思われる写真と
真砂親方の「人間至るところ 青山あり」との言葉を残した色紙を見てかすかに笑顔を浮かべていた

(* 人間至るところ青山あり:郷里にこわららず、広く世の中に出て大いに活躍すべきだ、の意)
0153粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/12/08(金) 18:08:49.07ID:???
そこへ真砂親方が富嶽の部屋に入ってくる 先ほどの理事長からかかって来た電話の件だ
明日の試合には理事長の全てがかかっているといっても過言ではない、というのが理事長自信の言葉である

「わしはお前をハワイから見つけ出し この日本に骨を埋めるよう教えて来た
 相撲も突き押しのプッシュ戦法だけを教えて来た
 その身体 そのパワーからしてそれが最善だと思ったからだ
 しかし明日は ひきつけろ」
「えっ でも親方それは……」
「そうだ お前の引きつけてのさば折りはわしが唯一お前に命じた禁じ手だ
 お前の怪力でさば折りをすれば相手力士は背骨を痛める 再起不能どころかへたすりゃ死ぬ事すらありうる
 外人力士のお前が日本人力士の背骨を折る
 もしそういう事があればお前はただの悪役力士だ 横綱への道も閉ざされこの日本では永久に花が咲かぬ
 だからわしはお前にプッシュしか教えなかった
 だが……明日の一番は違う 播磨はもはや日本人ではない 300年の伝統を破りに現れた異邦人だ
 播磨の背骨を砕いてもなげき悲しむ日本人はひとりもおらん
 それどころかお前は日本国技を救った英雄になるのだ」

真砂親方の言葉に、富嶽はその眼を見開き
立ち上がって自らの着物をまくると猛々しく吠えるのだった

「理事長自らの GOサインだ
 富嶽 お前の本当の力を播磨に見せつけてやれ」

<第三十八話 怒りまくる/おわり>
0154粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/12/09(土) 18:02:01.75ID:YWSwZyy0
 <第三十九話 ひきつける>

会場前に姿を現した、山の如き堂々たる威容の富嶽の姿に観客たちも声が上がる
観客たちも伝統をなんとも思わない播磨よりも富嶽を応援するぞとエールを送る プッシュだ富嶽

で、今日の播磨の入場は今回もまた凄まじいものが出てきた
三角ポールのようなものを被り、正面には舌を出した悪い笑みを浮かべるヒヒを模したような仮面
そして今回も中南米チックな木太鼓のリズムに合わせて、ステップを踏みながら歩く播磨
もはや観客たちも何も言えず、涙ぐむ老人の姿も見える
…しかしその中南米な木太鼓のリズムには、富嶽もついついリズムを合わせておりました

その光景には雷光親方もその場にへたり込んでしまい…
するとそこに協会の職員が、理事長が呼んでいると声をかけるが…
…部屋に入ると、丁度テレビで播磨灘の入場が終わったところ 雷光親方凄く気まずいが…
愛宕山理事長は、雷光親方に今の力士で一番の怪力は誰だと思うかと問う
怪力なら北道山か播磨灘あたりではないかと雷光親方も答えるが

「フム…… お前富嶽が入門したての頃
 稽古中に先輩の幕下力士をさば折りで腰の骨を折って廃業させたのを覚えているか」
その言とともに、腕力でいえば間違いなく富岳がトップだとする理事長
同じ部屋に居合わせた真砂親方も、本人のためを思いさば折りを禁じ手としたが
今日だけはその封印をとかせてもらう、と雷光親方に告げる
その言葉には雷光親方の脳裏に、その強烈なさば折に悶え苦しむ播磨の姿が浮かび、その表情が曇る…

「この一番だけは お前と一緒に見たくてな」
0155粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/12/09(土) 18:02:46.29ID:YWSwZyy0
そして土俵に播磨灘と富嶽があがり、観客から大歓声と富嶽へのプッシュコールが巻き起こる

『さあ注目の大一番です
 現在31連勝 自ら天下に横綱はおのれ一人と豪語する播磨灘
 かたや角界ナンバー1の体重とパワーの富嶽
 先場所は富嶽の巨体をもろ差しか 吊り上げ投げ落とした播磨 今場所はどうか
 富嶽もあの屈辱は忘れてないでしょう おびただしい懸賞が回ります』

両者仕切りの構えを取り睨み合う
「フン あいかわらずしんどそうに仕切りよるのう
 その骨組みにその肉は多すぎるで」
吐き捨てるかのような播磨の言葉に、富嶽はその眼を見開いて睨みつける

早くも時間いっぱい 気合十分の富嶽がまさに赤鬼の如き形相を浮かべていた
それを青白い眼光で睨み返す鬼神播磨灘 はたしてどちらの鬼が勝負を制するか…

両者立ち上がり、富嶽は身体全体で体当たりをぶち込む!
播磨も頭から突っ込むが富嶽のプッシュを止められず、一気に土俵際まで追い込まれる
どうにか播磨も富嶽のプッシュを止めて廻しを掴まんとする
雷光親方もテレビに映るその光景に、二本差しはやめろと叫ぶが既に播磨は富嶽の廻しを掴んでしまっていた
廻しを掴まれ、そのプッシュを止められてしまった事で観客たちも落胆の声が上がるが…
…それを受け、富嶽も播磨の両上手を掴みあげる 
がっぷり胸が合い、肉の重圧をかける富岳 播磨もこれには投げにいきにくい
0156粗筋部屋の親方
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2017/12/09(土) 18:03:37.72ID:YWSwZyy0
…両者組み合い、不意に富嶽が播磨にむけて告げる
「俺は横綱になる あんたをつぶしてナンバー1になる
 綱をしめてハワイで土俵入りだ」
そして富嶽がその腰を沈め…!

「 死 ね 播 磨 !」

播磨に向けて、その殺人サバ折を極めにかかる!!
富嶽の強烈な腕力で締め上げられ、播磨の腰が鈍い音を立てる…!

<第三十九話 ひきつける/おわり>
0157粗筋部屋の親方
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2017/12/10(日) 21:20:02.27ID:ut9z8SXU
 <第四十話 転げ落とす>

富嶽の強烈な締め上げに、館内に骨が折れるような激しい音が響く…!
しかし両者4つで組み合うまま崩れない 
今の音から播磨か富嶽か、どちらかがその背骨を痛めているのは確実だが…
二人とも苦悶の表情を浮かべて息を切らせながらも、播磨が富岳に問う

「おんどりゃこんだけの力もっとって 何で今まで使わんかった」
「廃人は作りたくない これは神が俺に課した 禁じ手だ」

……組み合ったまま両者微動だにしない
上から富嶽が、下から播磨が、両者渾身の力を込める
まさに両者必死の形相で、しかもどちらかはその背骨を痛めたままで死力の勝負を繰り広げる…

「き 禁じ手やと ぼけが さば折りは相撲の決まり手の1つじゃ
 ちょっとばかり腕力があると思うて う ぬ ぼ れ る な 」

憤怒の形相でその目を見開く播磨 
するとそれと同時に富嶽が苦悶の表情となり、富嶽の身体がずるずると落ち始める
どうやら傷めていたのは富嶽のようだ 
が、富嶽はその状態で右腕を播磨の首に巻き捨て身の首投げを仕掛ける!
播磨も残すが、富嶽はそのまま250キロの巨体をのしかからせる!
だがそれでも播磨は落ちない そして富嶽は首から手を離して廻しを掴みにいくが
播磨も左下手を離し右四つで富嶽の廻しを掴む 
その瞬間富嶽の顔から脂汗が浮き上がり驚愕の表情を浮かべていた
0158粗筋部屋の親方
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2017/12/10(日) 21:20:21.63ID:ut9z8SXU
その折れた腰であの首投げ 富嶽 ひとかどの大関やで」
そして播磨がそのまま開いた左手を富嶽の首に巻きつけ
「横綱の情けや 転がって土俵から消えい!」

播磨の放つ首投げが、富嶽の巨体を浮き上がらせ思いきり投げ飛ばす!!
そしてその巨体が土俵を転がり、土俵下まで転がり落ちた
その凄まじい決着に、会場1万の観衆も言葉もない 行司ですら呆気にとられるように硬直してしまい…

「行司 勝ち名乗りや」

そんな行司に播磨が叫び、あわてて我に返る行司であった

<第四十話 転げ落とす/おわり>
0159粗筋部屋の親方
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2017/12/11(月) 17:50:31.68ID:N73thYjC
 <第四十一話 歩く歩く>
壮絶な敗北に、立つこともできない富嶽が若い力士達に抱えられて土俵を下がる
一方播磨の方はなんともふてぶてしい態度で…
その様子を見ていた親方二人も愛宕山理事長の前を後にし…
一人残された理事長が難しい顔で腕を組んでいた

富嶽の元へ駆けつけた真砂親方 とりあえず富嶽は入院させる事に
……敗北した富嶽だがその胸中には無念も悔しさも無く、ただただ「……強え」と驚嘆の声しかでなかった
どうすれば播磨のようにあんなに強くなれるのか…その問いに親方も答える事ができなかった
するともう一つ、富嶽が親方に何かを伝えていた様子だが・・・?

会場の裏道と思わしき通りを歩く雷光親方に、真砂親方が声をかける
雷光親方が富嶽の様子を問うが、真砂親方は黙って首を横に振るのみであった
最悪の場合の事も考えないといけないと言う 最悪、との言葉に…雷光親方の脳裏には引退の文字が浮かぶ
これには雷光親方も申し訳なさげに謝罪するものの
その辺りは播磨を潰すつもりで禁じ手を解いたこちらもお互い様、と返してくれた

「さっき富嶽にどうすりゃ播磨のように 強くなれるかって聞かれてな
 返答に詰まったよ 雷光さん あんたよくあんな凄い横綱を育てたね

 しかし雷光さん さっき富嶽がぽつっともらしたんだが
 富嶽も播磨の骨が鳴るのを聞いたそうだ」

真砂親方の言葉に、雷光親方もその眼を見開き青ざめたような表情を浮かべる…!
血相を変えて播磨の元へ駆けつける雷光親方だが、播磨は自分で歩いて帰ったそうで
なんでも夜風に当たりたいと風呂にも入らず帰ったとの言葉に、雷光親方もほっとため息をつき
「あのバカが心配ばっかりかけよって」 急に怒りがこみ上げてきた雷光親方でした
0160粗筋部屋の親方
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2017/12/11(月) 17:50:46.58ID:N73thYjC
そのころ播磨は弟子たちを引き連れ、浴衣一枚を肩に引っ掛けただけの姿で大通りを歩く
そんな姿に興味を引かれた人たちもその後をついていく
…不意に、播磨が足を止め夜空を見上げていた と、今度は川のほうに目を向けた
何を考えてるのかよくわからない播磨の姿に、ついてく人達も少々困惑

すると通り道のベンチに座ってお団子食べてるおばあちゃんが
播磨にどうね、とお団子を1つ差し出してあげた 
そんなおばあさんに播磨は「ごっつあん」とありがたく頂くことに
…全部もってかれておばあちゃんもちょっと唖然としてしまう
さらにそんな人だかりに、祭りと勘違いした人達も集まってきて…

雷光親方が部屋に戻る頃には、門前は播磨についてきた人たちでごった返していた
親方も少々目を丸くする 播磨の方は今は稽古場にて、ゆっくり、静かに四股を踏んでいた
まるで太極拳の如きゆったりした四股踏みにギャラリーたちも声を上げる
しかし帰ってくるなりその四股踏みを、既に1時間はやっているそうで
いつもは屋根に響くほどの力強い四股を踏む播磨なのだが、弟子も首をかしげると

―播磨の骨が鳴るのを聞いたそうだ―

真砂親方の言葉がその脳裏によぎり、雷光親方は血相を変えた様子で・・・
0161粗筋部屋の親方
垢版 |
2017/12/11(月) 17:50:56.02ID:N73thYjC
それからしばらくして、部屋で播磨を横にさせると一度整体の先生に見てもらう事に

「あいかわらず気苦労がたえまへんな」
「あほっ 強がりもええかげんにせえ 何ものうて骨が鳴るか」

その言葉に播磨は寝ながらギロッと雷光親方をにらみつけた
とりあえず先生が播磨の背中に乗りその具合を見る事にするが…
先生の診断に寄れば、背骨が軽い炎症を起こしているようだ
骨が鳴った、ということは一度外れたのだろうと言う先生 
その言葉に雷光親方も少々怪訝そうな表情を浮かべるがしっかり骨は戻っているそうで

「1時間歩いてその後ゆっくりした四股を踏んだそうですね
 おそらくずれた骨をその四股が強引に元に戻したんでしょう 炎症もそのせいですよ」
その言葉に雷光親方たちも一安心 しかしこんな無茶な治しかたをする播磨に先生も少々呆れた声をあげる
まるで自分の傷口をなめて治すクマのようだ、との言葉に…
気付けば播磨グマはすっかり寝息を立てて冬眠に入るのでした

<第四十一話 歩く歩く/おわり>>
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