しかし、3日目にトラブル発生。この日は軍事演習地内を走る「パンツァープラッテ」など、
これまたWRCドイツの名物コースが組み込まれているが、コースイン側の障害物に車が引っ掛かり、
「片輪が2秒くらい浮くほど」というアクシデントに遭遇。
 マシンのダメージはさほど大きくないように見えたが、当たり所が悪く、インタークーラーを破損し、
この日は競技復帰ならずデイリタイアとなってしまった。
 それでも、問題のインタークーラーをその日のうちに修復し、最終日は再び戦線復帰。
    多くのサーキットレースと異なり、一度リタイアしても翌日競技に復帰できる。
もちろん、順位は下位に沈んでしまうが、それも自然を相手に何日もかけて戦うラリーという競技の本質だ。
 競技最終日は、荒れた路面での林道区間を経て、美しい街並みの市街でフィナーレを迎える。
この日は大きなトラブルもなく国沢氏は初の海外WRC競技参戦を無事走り切り完走した。
「ここ10年で1番悔しい」と国沢氏は言うが、それも本場・欧州で行われるラリーの難しさと奥深さの象徴だ。