この「チャリンコ(ちゃりんこ)」の語源はいったい何なのか、検証してみよう。

小学館の日本語大辞典によれば、
「子供のスリ、盗人仲間の隠語」とある。
元をただせば江戸時代の「子供のきんちゃく切り」に始まる隠語であり、自転車とはまったく関係ないのだ。

また終戦後の上野アメ横あたりには大勢の戦災孤児がいて、悪い親分が生活費を稼ぐためにスリや盗みをさせていたという。
そうした子供たちを「チャリンコ」と呼んでいたために、年輩の人たちの中にこの「チャリンコ」という言葉に抵抗のある人も多い。

いずれにしてもあまりよい言葉ではないようだ。
俗語、隠語とはいえ自転車用に用いる「チャリンコ」。あなたはこの名称に親しみや愛着を感じられますか?


車やバイクにうるさい所ジョージさんや、自転車大好き人間・なぎら健壱さんも、
自分の番組で「チャリンコというのはやめよう」とたびたび訴えている。

知り合いの自転車屋さんは「チャリンコを修理してください」というお客さんが来ても、
「ウチはチャリンコは扱ってないから」と、断ることにしているという。
自転車という人命に関わる乗り物メンテするプライドがそうさせるのだそうだ。

そもそも町で売られている自転車は、その価格が安すぎるのではないか。
自転車も適正な価格で売られてこそ、大切にしようという気持ちになるのではないだろうか。

そしてチャリンコなどという安易な呼び方が、「二人乗り」や「放置自転車」という形となって
社会問題を引き起こし、いまだに自転車が市民権を得られない理由のひとつになっているのではないだろうか。