映画開始5分で映画館から飛び出した話
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初カキコなのでよろしくです。
内容書き溜めてるので、一気に貼ります。 電気関係の仕事をしてる僕は、土曜日のお昼前頃にお客様から電話が入った。
内容は、庭の剪定をしていた庭師が外にある庭園灯(大きな庭とかに立ってる明かり)の線をあやまって切ってしまったという。 切った瞬間に火花は出たかを聞いたところ、よく分からないけれど病院は漏電ブレーカも落ちていないとの事で、お世話になってる病院ということもあり、現場に直ぐにかけつけた。今日は面倒ごとは早く済ませたいって気持ちもあった。 土まみれのそこで、テスターで切断された線に電圧を測定してもどうやら電気はきていないようだった。けれど、その線は外用ケーブルでもなければ、保護用パイプにも通されておらずボロボロ(昔は電気の線の決まりを無視した配線も珍しくなかったようだ)
で銅の部分は錆びてとにかく劣化が激しくて、正しく測れているか自信がもてなかった。 そのまま線はずっと地中にもぐり、少しほじくり返し追って行ったが病院の方へ続くばかりで埒が明かない。
先生に以前からこの照明器具は点いていたか聞いたら、たぶんだけど夜になると点いていた。と言った。
看護師さんたちはよく覚えていないと言う。 分電盤(ブレーカが集まってる所)には時間式のタイマーは無く、自動点滅機(暗くなると点くセンサー)もあちらこちらと病院の外を見回し探したがそのようなものは見当たらない。
担当を前任者から引き継いではいたが、前任者もそこまで昔のことはよくわからないらしい。 病院は18時に閉まるまで電気を切る事は出来ないとのことで、18時にまたくるように伝えて、線に絶縁テープで保護をすると、僕は違う現場の約束もしていたからそっちに行った。
その時に地中に埋まった線をずっと追っていったらまた違っていたのかもしれないのだが、 季節は冬だったので18時に到着するも日も薄暗く、明かりを付けながらの作業は僕のやる気をとても削いだ。 なぜなら、その日の20時にアニメの映画がやっと見れるから早く済ませたかった。
先々週から始まっていたそのマイナーなアニメ映画は上映時間も絞られ、先々週から休みがなかった僕はどうしてもそれを見たかった。 何度測っても電気はきていないようだし、
線は出勤した月曜日にでもまたほじくり返せばいいかと諦めて、
雨が降ったらよくないと切断面を絶縁テープで保護しなおして、その上からバケツを被せておもりを乗せた。その時既に19時。 僕の住まいから映画館までは山1つ越えた感じで40分はかかるので時間的に着替える暇もなくギリギリだった。
会社を早々に退社した僕は、その移動の時は鼻歌でも歌っていたかも知れないが、脳内では一抹の不安を覚えていたのをよく覚えている。 すんなり映画館に入るとまだ番宣。
マイナー映画はとにかく人が少ない。
今日から始まったわけじゃないしまあそんなものだろうと1番後ろの列に腰を据える。
予定通り映画が開始。
いつもは映画館で携帯は切る僕だけど、同じ列に人もいないからソシャゲのスタミナ消費もしたいしいいかと安易にも携帯を取り出す。 そこで火災情報が入ってることに気がつく。
どっかで火災が発生したらしい。
消防団だった僕は、消防団仲間からこのアプリを教えてもらっていた。
といっても、もっぱら使い道は消火活動というよりはあとで世間話に使う程度なのだけれど。 グーグルマップで火事の位置情報の検索。
映画に集中したいけれど、見覚えのある住所が表示してあるから半信半疑で開いたら、
マップはあろうことかその病院を指し示している。 僕は即座に漏電火災が脳裏によぎる。
番宣終わって映画開始から5分のこと。
速攻で映画館を出て、駐車場で車にのりこむ。
病院に向けて車走らせる僕はすでに頭がとち狂っていた。 なんでやって、とか、ふざけんな、とか罵詈雑言をずっと声にしながら爪をかみながら貧乏ゆすりしながら、雄叫び上げながら車で病院に向かう。
きっと顔面蒼白だったと思う。 車を出してから数分して火事は消化したとアプリで情報は入った。
一軒家全焼で1時間前後とはよくいう。
だからぼや程度なのかもしれないけど、僕には現場に行かなければいけない責任があると、そのまま病院に向けて車を走らせる。 現場近くまで行くと夜闇に消防車やパトカーの赤橙が遠くからでも見えると思っていたが、徐々に近づいているはずなのにそれは一向に見えてこない。
おかしいなと現場に着いたが消防車どころか人っ子一人いない。野次馬も、警察も、誰もいない。 病院の庭にまわっても隠したバケツはそのままで何も起きていない。 ポカンと立ち尽くす僕は、100メートルほど離れたところにコンビニがあることを思い出して、そこの店員さんに話を聞くことにする
コンビニに入ったら店員ぼけーっとしてて、ほんとに何も無かったのだろうとすこし安堵しながら、話を聞くと、
店員曰く、よく知らないけど病院の隣の住まいの子供が、コンクリートの壁に火をつけて遊んでいたらしい。
それも壁に火をつけるのは初めてでもなかったらしい。 僕はそうですかと言ってお茶を買って外に出て、満点の星空を眺めながら肩透かしみたいな感じで自宅に帰った。
漏電火災は起きていなかった。 月曜日、スコップと人員を連れて地中に埋まった線を追っていくと、そこから2m程で線は無くなっていた。病院の先生いわく、夜になったら点いていたと思うは思い違いだったことがハッキリとして心の底から安堵した。 すぐに映画館を出たくなったというと、中身を知らずにカルトムービー小屋に入ってしまった?
ブラウニングのフリークス
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デビットリンチのイレイザーヘッド
バスケットケース とかや? ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています