どこの誰でもいいから少しだけ聞いてください。
飲み屋にいって話せばいいかとも思ったけど、そんな雰囲気じゃなく話しそびれてしまった。でも誰かに話さずには気持ちが晴れないので。。。。

いつものように家に帰ってドアを開けると、座布団の上に昔飼っていた猫がちょこーんと腹ばいになってたんだ。
親父によくなついていた猫で「くー」という名前、親父が仕事から帰ってくる足跡に気づいて「あ、帰ってきた!」っていう顔して玄関までとっとっとって走ってくほど可愛かった。
俺の時はそんなこと全然なくてさじーっと今回のようにちょこーんと待ってる感じ。

でも可愛くてさ、俺は話しかけたんだ「待っててくれたのか?」
そしたらくーがしゃべりだしたんだ。
とーちゃんかーちゃんいなくなった!。
俺は猫がしゃべったということにはなぜか全然驚かず、そうだなぁお前が生まれて半年ぐらいに死んじゃったんだよなぁ。と同情してた。

くーが続けてしゃべる。にぃちゃんねぇちゃんいなくなった!
たしか子猫が生まれて飼えなくなったという理由で里子としてうちに来たんだよなぁお前は。俺は懐かしむ。

続けてくーがしゃべった言葉に俺は言葉を失う。
〇〇ちゃん、○○くんいなくなった!
俺は頭の中?になってたんだけど続けてくーはいう
○○くんも〇〇くんも〇〇ちゃんもみんなみんないなくなっちゃった!
でもまだお前さんいるからここでずっと待ってた!お帰りにゃ!

俺はここで気づいた。。
〇〇ちゃんも○○くんもみんな俺の元から去っていった人たち、俺から関係を切っていった人たちじゃないか。。。くーから見て俺はとても寂しそうに見えたのか?頼りなさそうに見えたのかと。。

お前は猫なんだからそんなこと気にしなくていいんだよ。と思ったけどなんか涙ながしそうになっちゃって、それをごまかそうとありがとうなぁよしよしと頭をなでてやったんだ。