「大尉、ここを抜ければ連中は市街へ手が届きます」
『その前にこちらから叩けということか』
「はい。ここから2kmの所で外壁が僅かに途切れる。先回りしてそこから敵の進路を遮りましょう」
『『了解』』
2人が速度を上げた。流石に百式とガンダムは速い。中尉はワンテンポ遅れる形でその後を追った。
「…!来ます」
位置を掴んでいるのはこちらだけだ。敵からすれば、姿の見えなくなった我々が突如進路に現れたことになる。敵機がクレーターの影から現れた。思った通り、予期せぬ事態に敵は足を止めざるを得ない。
『一気に叩け!』
大尉の一声で一斉射撃を行う。狼狽えた敵は奇襲をまともに受けた。決定打にはならなかったものの、距離が開くまでの間にかなり手傷を追わせた筈だ。後退する敵を追う。
「少尉!追いつけるか!?」
『この子なら!』
スペックだけ見れば少尉のガンダムは群を抜いて推力がある。いきなりの初陣とはいえ、ガルバルディの先を取るくらいなら訳もないはずだ。
ガンダムが加速をかけると、またたく間に中尉達を、そして敵を出し抜いた。まさしく電光石火である。敵に立ちはだかるようにして、彼女はビームサーベルを抜いた。