「55秒、6,7,8」「負けました」「「まで120手でドリーファンク・ジュニア9段の勝ちで
ございます」

「先生、投了図以下の解説をお願いします」「そうですね、ザ・シーク9段はドリー9段の
反撃の凶器攻撃によって、手首に相当なダメージを負っています。得意のキャメル・
クラッチも決まらない。後は、奥の手の『火炎殺法』もありますが、ジョー樋口レフェリー
が至近距離にいて誤爆してしまう可能性も非常に高い。投了もやむなしかな、と思います」
「ありがとうございました。それでは感想戦に移ります」

「43手目のあなたの五寸釘を用いての凶器攻撃。アレは効果的でしたな。お陰で私は
大流血に追い込まれてしまった」
「ワシのほうが中盤戦までは完全にリードしとったんじゃが。勝敗の分かれ目は、75手目。
あそこはキャメル・クラッチで畳みかけるべきじゃった。観客のブーイングに応戦してしまった
のが悪手でアンタに立ち直りのきっかけを与えてしまったな」
「あそこで畳みかけられたら私のほうが苦しかった」
「92手目に五寸釘を奪い取られて手首を滅多打ちされてからは、ワシに勝ち目のない
対局じゃった。まあ、公開対局で観客の99%はアンタのほうを応援していただろうから
観客も大喜びじゃったの」

「ありがとうございました。来週のこの時間はテリー・ファンク9段とアブドーラザ・ブッチャー
9段の対局を放送します。どうぞお楽しみください」