1962年から少年マガジンに連載された
梶原一騎原作の「チャンピオン太」
その実写版テレビドラマ「チャンピオン太」にて
力道山対猪木(役では死神酋長)が実現しています。


その対戦で原作者の梶原一騎が以下のように述べています。
梶原一騎のコメントなので話半分かもしれませんが・・

http://igf123da.blog.jp/archives/171783.html

『しゃくれ顎の顔を毒々しくペイントされ、
派手な羽飾りをかぶせられた猪木と撮影当日に初対面した。
しかし、そんな珍なる装いにも関わらず、
この若者には身辺に漂う「赤と黒」の
主人公ジュリアン・ソレル的な雰囲気があった。
野心にキラつく美しい目をしていた。それと
一抹の危険な匂い……。
「殺陣? そんなもんレスラーにゃ無用!」
 リキさんは殺陣師を拒絶し咆えた。
「本気でガンガンやりゃあええ。
寛至よ、いつも張り倒されている仕返しのチャンスだぜえ。
セメントで来い!」
いともバカ正直(?)に若者は反応した。原作の筋書きどおり、
序盤は反則の嵐に耐えるヒトを演ずる力道山を、
猪木扮する死神酋長は遠慮会釈なくブン殴り蹴りまくり絞め上げた。
肉と骨のきしむ物凄い音響。スタッフはビビリ青ざめ、誰かが呻いた。
「実戦より凄えや、コレ……」
あきらかに私の目にも凡百の実戦を超える瞬間が訪れた。
これも筋書きどおり力道山が
伝家の宝刀・空手チョップで反撃に転じた瞬間、その瞬間である。
若き猪木は筋書きどおりにはカンタンに吹っ飛ばされなかったのだ。
力道山のセメント・チョップを踏みこらえ、
セメント・ナックルで応酬する凝縮された白熱、殺気を見た、
と自分も空手修行に血道あげていた当時の私は思い、慄然とした。
力道山も感応し、狂暴になった。不遜な若者はブッ倒され、
くるおしく踏みにじられ、さらには引き起こされ、
チョップの比でない本当の力道山の殺し道具ヘッドバットまで
ブチかまされた。
悲鳴を発し女性スプリクターが両手で顔をおおい、
男性スタッフ全員は凍りついた。
彼らはドラマどころでない日本プロレス史の劇的瞬間に立ち合った。
すなわち、力道山・猪木のセメントマッチである。』