この2頭は昨年の皐月賞で初めて対決し、ソールオリエンスが先着しました。しかし、その後の日本ダービー、菊花賞、有馬記念はいずれもタスティエーラが先着しています。タスティエーラが先着した日本ダービーは2400m、菊花賞は3000m、有馬記念は2500mでした。一方、ソールオリエンスが先着した皐月賞は2000mです。今回は2000m戦ですので、ソールオリエンスのほうが有利と言えます。

さらにソールオリエンスは近走が2000mより長い距離でのレースが続いたことから、大阪杯での距離短縮を見据えて、さらに短い1800m戦の中山記念に出走したのではないか、と筆者は見ています。対するタスティエーラはレースを使わず、調教のみで2000m戦に対応しようとしています。

休養明けで菊花賞に挑み、2着に入ったタスティエーラですから、休養明けでの調整に陣営は自信を持っているのかもしれません。しかし、より長い距離を走ることが求められる菊花賞より、これまでより短い距離でのレースとなる大阪杯のほうが難しい対応となるように思えます。流れが前走までより速くなるのですから、実戦を使わずに果たして対応できるものなのでしょうか?

有馬記念から直行で大阪杯を制したケースとしては、G1に昇格となった2017年に勝利したキタサンブラックが挙げられます。だから不安はない、という見方もあるのかもしれませんが、キタサンブラックは逃げ・先行の形で自らレースの主導権を握ることができる馬でした。タスティエーラの近2走は主導権を握る形でのレースとは言えず、自ら流れを作ることができない馬だけに、キタサンブラックと同様の結果を残すことができるのか? という疑問が残ります。

今回、再度コンビを組む松山弘平騎手がどう考えてレースを進めるのか、その手腕に期待が集まりそうですが、同騎手も難しいレースを余儀なくされるのは……と筆者は懸念しています。結果は果たして……。