民法の勉強法■24
東大の民法や民訴の学者たちが
何でも要件事実に結びつけて重箱の隅をつつく実務家に
辟易してるからな くだらないメモを書く。
表意者が売買契約を96条1項で詐欺取消すると、
「取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。(121条)」によって、
取消しの効果が遡及して、売買契約は初めからなかったことになる。
ここまでは納得。
ところが、取消し前の第三者を保護するために、
96条3項でこの取消しは第三者に対抗できないので、
結局、取消しは遡及しない。121条の出番なし。
さらに、取消し後に第三者が登場したら、
取消しによって復帰的物権変動があったと同じだから、
表意者と第三者の優劣は、177条で決める。
取消しの遡及効は法的な擬制すぎない、
121条という立派な条文があっても使いません。
ここでも取消しは遡及しない。121条の出番なし。
なんだ、結局、121条の出番がないんだね。
「表意者が売買契約を取消したら、売買契約は初めからなかったことになる。」
これはウソじゃねえか。
取消しの遡及効(121条)は、どこへ行ったのか。 >>0122
学者だけではない。実務家でも辟易してる。 >>124
第三者がいない場面は・・・表意者(売主A)と買主Bだけ。
表意者Aが96条1項でAB売買契約を取消すと、
取消しがさかのぼり(121条)、
AB売買契約は初めからなかったことになる。
買主Bは所有権を最初から取得できなかったことになる。
困るのは、買主Bだけ。 売主Aは、土地の登記を買主Bに移転済み。
買主Bは、土地の代金3000万円を売主Aに支払い済み。
ここで、売主AがAB売買契約を96条1項で取り消すと、
121条でAB売買契約は、はじめからなかったことになる。
買主Bが土地の登記を得たのは、不当利得。
買主Bは、土地の登記を売主Aに返す義務を負う。
売主Aが土地の代金3000万円を得たのも、不当利得。
売主Aは、土地の代金3000万円を買主Bに返す義務を負う。
※96条1項には、「取消すことができる」と書いてあるだけで、
「その後の処理は703条にお任せします」とは書いていないんだよね。
でも、教科書では、なんとなく703条で説明している。 >>128
ちょっと待った
債権法改正で121条の2により原状回復義務が明文化された
んでその規定内容はいわゆる不当利得の類型論を採ることを匂わせる内容となっている
そして、双方的給付利得においては、703条、704条の規定を適用することは妥当でないと解されている 121条の2は703、704条の特則というべきだったか。 あらためて考えてみたら、
・詐欺取消し 96条1項
・取消しの効果 取消しが遡及して、売買契約ははじめから無効でした 121条
・不当利得を返還する義務 703条 ※現在は121条の2?
↑ 上記の3つの条文は全部、表意者Aに土地を戻すための条文でしたね。
民法の先生が授業で
「表意者Aが96条1項で売買契約を取消すと、121条で取消しが遡及して、
売買契約は初めからなかったことになる。ここはしっかり覚えるんだぞ!」
と叫ぶので、しっかり覚えたのです。 > 不当利得を返還する義務 703条 ※現在は121条の2?
この点、現在は121条の2が適用されるわけだが、債権法改正前も
いわゆる不当利得類型論からは、給付不当利得については703条の適用はない
と解されていた(ちなみに、公平説からは703条が適用されることになる) ところが、次の授業で民法の先生が、民法96条3項を説明しているときにも
ボクの頭の中では
「売買契約は初めからなかったことになる」という説明が鮮明に残っていて、
「取消しの遡及効の話はどこへ行ったのか?」という疑問が湧いてくるのです。
頭の中で2つの場面が混ざっていました。
・表意者Aに土地を戻す。
・第三者Cが土地の所有権を取得できるようにする。 >>133
当事者間ではなかったことにする。
ただ第三者を害することはできないので
その限りにおいてなかったことにする効果は生じない
つまり、売買契約の効果は残る。 >>134
>当事者間ではなかったことにする。
>ただ第三者を害することはできないので
>その限りにおいてなかったことにする効果は生じない
>つまり、売買契約の効果は残る。
96条1項の無効は、相対効なのかな。
・96条1項でAB売買契約はなかったことになる。
・96条3項でAB売買契約は存続。
この2つが同時に併存しているということ?
売主Aが96条1項でAB売買契約を取消すと、
当事者(売主Aと買主B)では、AB売買契約はなかったことになる。
96条3項を適用すると、第三者Cとの関係では、AB売買契約は存続する。
AB売買契約が存続すると、BC売買契約も存続するので、
第三者Cは、土地の所有権を取得する。
これでOK?
96条3項を適用して、第三者Cが無事に土地の所有権を取得している場面であっても、
依然として、96条1項でAB売買契約は無効のまま。
売主Aは代金3000万円を買主Bに返す義務がある?
売主Aに土地の所有権は戻ってこないけど、代金3000万円を買主Bに変換するのは
う〜ん、なんだかおかしくなってきた。 >>135
難しく考えすぎだな。
「その限りにおいて」だから第三者保護規定の適用に関しては遡及効は生じない、
と考えればいいんじゃないかな。自分はそう習ったような気がする。
幾代・民法総則2版(415頁)は、無効の効力として
「効力がないということを、ある範囲の人に対しては主張しうるが、ある範囲の人に対しては主張しえない場合(たとえば、94条2項・96条3項)。」と説明している。 「取消による遡及的無効という効果は、取消された行為における直接の当事者間においてのみならず、第三者に対しても当然にこれを主張しうる(いわゆる絶対的取消)野を原則とする。
しかし、右のことは取引の安全を害するので、左のように、立法上または解釈上、取消の効果をもって一定の第三者に対抗しえないものとされる場合がある。」幾代・上掲書435頁 >>136
頭がパンクしそうです。
一昨日からたくさん教えていただき、ありがとうございました。
手元には、民法総則(呉明植 伊藤塾)があるので、
もう一度読んでみます。
ありがとうございました。 >>137
幾代先生の説明は分かりやすいですね。
明日、地元の書店に行ってきます。 令和5年11月の判例、物上代位と相殺予約のやつ、事案がさっぱり理解できない。
なんで建物賃借人と、賃貸人との間で金銭消費貸借なんてするの? その判例見てないから事案よくわからないけど、建築協力金でググれ。 要件事実のやり過ぎに注意しましょうね。
我田引水、さておき答案のもと。 要件事実の学習も、あくまで法の趣旨を記憶に定着させるための一助にとどめるべきで、要件事実そのものを自己目的化させるべきではないということ、これである。 予備試験の民法(論文)の問題って、要件事実の問題じゃないって知ってた? 本当だな。予備試験では、要件事実は実務系で聞かれている。
民法の問題はそうではないね。
棲み分けがされているということだろう。 全くそのとおりと言う他はないな。
しかし、関係のないところで、「要件事実」を振り回す人が
後を絶たないね。ほとんど宗教の域。 お布施はしたい人がすれば良いさ。
確かなことは、要件事実の問題じゃないのに要件事実のこととか
要件事実的に書くとか言ってるのはアホってことだ。
何聞かれてるのか分かってない。