>>822
それがこの問題の面白いところだよね。
設問1で本件協定の本件条項の法的拘束力を否定すると設問2の通知は観念の通知で、行政庁である判断の表明に過ぎないから法効果性を認めることが難しくなる。
逆に設問1で法的拘束力を肯定すると設問2の通知は本件条項の法的拘束力の結果として法効果性を認めることが容易になる。
「つまり、設問1と設問2はリンクして関連性をもっている。」
それがたぶん出題者の意図の一つではないかと思う。
医療法の勧告の判例の勧告の法的性質は行政指導でこれもそれ自体法効果性はないけど、法構造的に医療法の勧告を受けた場合には、健康保険法の指定拒否処分の要件に該当すると当時の通達によって定められて解釈運用されていた。
そして、通達はあくまでも行政機関の事実上の運用に過ぎない。      
それでも上記の法構造と通達という行政機関の従前の運用により後続処分である保険医療機関の指定がされないという重大な不利益処分を受ける相当確実な蓋然性をもって判例は勧告の時点で法効果性を認めた。
そして、予備試験論文の本件通知は設問1で本件条項は法的拘束力は認められないとしたからあくまでも観念の通知で事実上の行為に過ぎない。
しかし、条例の法構造と行政庁の従前の協定や通知をした従前の態度という事実上の行為を合わせて考慮すると後続処分である中止命令や是正命令という重大な不利益処分の相当の蓋然性が認められうるとして原告の立場に立つなら設問1で否定したら医療法の勧告を応用してそのような主張や法的構成をとるのが妥当だと思う。裁判所の判断でなく、あくまでも原告の立場に立ってと問題文は指定されているから原告の立場に立って答えなければならないからね。想定される被告側の反論も問題文では書けと指定されていたけど、それならたくさん書けるしね。