設問4
Xは、Bとは異なり経営者でもなく、退職後の住居の大事な土地を探していたのであり、金銭的に余裕があるわけではなかった。
そうであれば、Bが真正を認めたX名義の預金通帳から推認できる契約日付けで、XがAに宛てて500万を送金した事実は、X自身のために甲土地をAから買ったと捉えるのが自然であり、Bにわざわざ甲土地を勧め、Bのために金銭を立て替えたという弁解は不自然であり信用性が乏しい。
また、甲土地をB所有名義にしたことや、更地にしたままの理由のXの説明も格別不自然不合理ではない。
これに対して、Bは令和元年末から経営難に陥り、回復の見通しが立たないにもかかわらず、甲土地を安いと感じ購入を決めて、なおかつ借金を負っているが、これは通常の経営者の合理的判断とはほど遠く信用性が乏しい。
さらに、Bを名宛人とする固定資産税の納付書が届き所有者であるはずなのに、支払いについては、税金関係は妻に任しており、詳しくは分からないなどと曖昧な返答に終始し、これも所有者であり、合理的な経営者の判断とはほど遠くBのかかる旨の供述の信用性は乏しい。
以上を鑑みるに、Bのかかる弁明は信用出来ず、XがAから甲土地を買った事実は認められる。                以上