日本では、法科大学院制度はなぜ失敗したのか。
経済的みれば、次の理由により失敗した。

 1.法科大学院は、従前の法曹養成制度との違いを明確にするために、教員1人あたりの学生数を1学年につき5名以下にするという、極めて贅沢な教育機関として設計された。
 2.年間授業料を300万円から400万円程度に設定し、すべての学生から所定の授業料を徴収することが出来れば、法科大学院制度は、経済的に存続し得た。
 3.しかし、弁護士業がそれだけの授業料を徴収できるほどの職業であり得たかと言えば、Noである。年間法曹養成人口を大幅に増加させた結果、弁護士の所得が低下し、高額な授業料に見合う所得を得る見込みが大幅に低下した。
 4.その結果、法曹を目指す優秀な若者が減少し、また、法曹を目指す優秀層は、予備試験を経由するようになった。

上記の内で、3が決定的な理由であろう。
この点は、法科大学院制度をどのようにいじくっても、解決できることではない。