露のウイルス対策ソフト「カスペルスキー」、露政府が悪用リスク

ウイルス対策ソフトを手がけるロシアの情報セキュリティー会社「カスペルスキー」への警戒感が欧米で広がっている。米政府は同社を「安全保障上の脅威がある企業」に指定し、排除の姿勢を強めたほか、ドイツ政府も同社ソフトの利用はリスクが高いと警告し、別の製品に切り替えるように呼びかけた。

 日本では、経済産業省、総務省、警察庁などが連名で3月24日に出したサイバーセキュリティー対策強化を求める文書で、ドイツ政府による注意喚起文書を参考に掲載した。サイバーディフェンス研究所の名和利男・上級分析官は同社製品について「ウイルス検知のレベルは高い」と評価した上で、「カスペルスキーではなくロシアを懸念している。ロシアの影響下にある企業は、いざとなったら国家に従わざるを得ないだろう。カスペルスキーは戦争の被害者と言える」と指摘した。