1章の村

この村の北には
精霊の森と呼ばれる深い森があってな
わしは昔、その森の中にある
隠れ里に住んでおった
その村は、
暗黒神ロプトの一族でありながら、
人間に味方して追放された
聖者マイラの子孫が
隠れ住んだと伝えられるところでの
わしがいた頃は
シギュンという名の美しい娘が
唯一ロプト神の血を引くものとして、
村人達に守られて暮らしていた
しかしシギュンは
退屈な森での暮らしにあきて
掟を破って村を出てしまったのじゃ
何年かして、彼女は村に戻ってきた
シギュンは身重じゃった
そして一人の女の子を産み落とすと
そのまま死んでしまったのじゃ
その子は村の占いおばばに
ひきとられたときいたが
今はどうしてるかのぉ
もし生きてれば
17、8才にはなっていると思うが・・・



2章のフィラート卿の台詞

それは・・・
あなたには何もかもお話ししましょう
二十年ほど前の事
王子はヴェルトマー公爵の美しい夫人・・・
つまり人の妻だった方に
恋をされてしまったのです
ヴェルトマー公爵は女グセの悪い方で
何人もの愛人がいました
王子はまじめな方だから
はじめは同情されていたのでしょうが
そのうちに、お二人とも
深く愛し合うようになって・・・
しかし逆上したヴェルトマー公爵は
お二人を呪う手紙を残して自害され
その結果、夫人もいたたまれなくなって
姿を消してしまわれた
名は確か・・・シギュンとか言いましたな


シグルドはアルヴィスがディアドラの兄だって知ってたよね?