中学三年でアップルIIを持っているすごい奴がいる。
江戸川区の葛西に住む伊藤健一クンだ。
現在麻布中学の三年生で、マイコンとSFの好きなナイス・ガイだ。
本棚には栗本薫の本がずらっと並んでいる。大ファンなのだそうだ
(特に「僕らの時代」が好き)。他に新井素子の小説も好きとか。
おまけに少女マンガも読むのだからスゴイ。
さてマイコンの方だが、1年ぐらい前に、せっせとバイトして貯めたお金と、
足りない分を家から出してもらって、アップルIIを買った。
なんと、フロッピーディスクも持っているんだ。
今持っているディスクは30枚ぐらい。それでいろいろなゲームを楽しんでいる。
ポーカー、マイクロチェス、ブラックジャックなどだ。
カードゲームのタイトルは伊藤クン自身でプログラミングした。
ちゃんと「BY K・ITO」とクレジットされている。
あとソフトでは、プラネタリウムが好きとか。
好きな日時と方角、それから都市(東京とか札幌とか)を選ぶと、
その都市からその時間、その方角に見える星座が表示されるんだ。
土曜日になると、やっぱり秋葉原通いだ。
よく行く店は、最近大きくなったロケット、九十九、
それから裏の方の小さな店を見るのも楽しいという。
こういうところでディスプレイされているゲームのプログラムをこっそりいただいたり、
知り合いと会ってソフトの交換なんかもする。
マイコン雑誌はI/Oとアスキーを読んでいる。
こういう雑誌に載っているプログラムを自分の愛機に入れたり、
最新情報に目を配ったりしていると、あっという間に4〜5時間たってしまうという。
これから欲しいものは、プリンタができれば欲しいといっている。
それにアップル・ワールドのようなシステムソフトや、
三次元グラフィックのソフトが、今一番欲しいとのことだ。
これは2万円以上するので、なかなか買えないのだ。
キミも伊藤クンのようにコンピュータを自由に操作して、
ゲームを楽しめるようになるといいね。(昭和57年4月5日)