ファミコンの驚くべき発想力 -限界を突破する技術に学べ-
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20101129/354646/

任天堂のファミリーコンピュータ(ファミコン)はソニーのウォークマンなどとともに、戦後の歴史に残る商品だ。
海外でも「Nintendo Entertainment System(NES)」として知名度は高い。一時は“日本の顔”と言っても過言ではない存在だった。
この本は「シューティングゲームプログラミング」など、数々のゲームプログラミング書籍を執筆してきた著者2人による
ファミコンの技術解説書だ。ファミコンやファミコンゲームで使われていたテクノロジーに関しては、
これまで断片的には紹介されてきたものの、本書のようにまとまった形になるのは初めてではないだろうか。
「この21世紀にいまさらファミコンなんて…」と思うことなかれ。温故知新の言葉通り、
この本にはプログラミングに役立つアイデア、そして 8ビット〜16ビットパソコン時代に
ゲームなどを作っていた人にとっては懐かしい話題が満載である。
「ドルアーガの塔」の迷路生成アルゴリズム、と言えば「読んでみたい」とあなたも思うだろう。
当時のゲームがなぜ○○だったのか、ということを技術的に説明している点も興味深い。
例えば、RPG(role-playing game)はなぜ4人パーティが多かったのか(水平方向に同時に表示できるスプライト数の制限から)、
「スーパーマリオブラザーズ」の独特なデザイン(使えるパターン数とパレット数の制限から)、なぜ弾の方向が8方向や16方向に
制限されているゲームが多かったのか(整数だけで簡単に計算できるから)などだ。
昨今はスマートフォンの隆盛で、再び省メモリーと最適化が身近な話題になってきた感がある。iOSやAndroidのプログラマにもお薦めしたい。