矢作 岸本先生の投稿作品(「カラクリ」)が「第132回 2月期ホップ☆ステップ賞」で佳作を獲ったんですけど、連載はちょっと難しい内容だったんですね。
それで別の題材でやれるか打ち合わせを重ねる中で、岸本先生から「NARUTO -ナルト-」のネームが出てきて。
増刊号で読み切りを1回掲載したんですけど、そのときはナルトが人間ではなく化け狐っていう設定だったんです。
妖怪が主人公だと読者が主人公の気持ちに入れないんじゃないかってことで、別のネタでほかの作品を描いてもらったんですけど結果は出ず……。
いまだに覚えてるのがその時期先生からしばらく連絡がなくなって、ある日電話したら
「実は今青年誌向けにマンガを描いてます。ついては矢作さん、『スーパージャンプ』の編集者を紹介してもらえませんか」
って言ってきて。
それを説得して、ナルトを人間にして、妖怪が封印されている設定にすればいいという結論に達して連載が始まったんです。
岸本先生に「スーパージャンプ」を紹介してたら「NARUTO -ナルト-」はなかったんです(笑)。