秋田書店のマンガの描き方などでは

  原稿は印刷される大きさより3割ほど
  大きく紙に描いて、それを縮小して製版すれば

綺麗に見える、と書いてあった。これはコピー機で
製造する場合も同様だろう。

何十年も経っている紙の原稿用紙は、かなり劣化が
進んでいるだろうし、台詞の写植を貼り付けたり、ホワイト
が塗られてひび割れてたり、着色原稿なら色調が変化したり、
セロハンテープが黄変してパリパリに割れてたり、ボンドの
のりが紙に染み込んで黄色くなって割れてはげたり、
もうボロボロのはず。

 今のうちに、考えうる最高の技術を使ってデジタルで
紙の原稿の完全模造品を作って各地に分散して保管しな
いと、アナログ原稿から印刷マンガを作る過程を知っている
職人もいなくなり、いずれ紙に描かれた原稿からでは
マンガを製造出来なくなる日も近いと思う。

マンガ家も紙にペンで書く人はだんだんといなくなっている
のじゃないかな。デジタルだと使い回しが出来たり、レイヤー
ごとに書いて重ねたり、やり直しが何度でもできるものね。
着色も簡単だ。ただし、創作性という点ではどうなんだろうか。
何も無い白い紙に、コマを割って、ペンを素早く動かして
書いていく(その前に鉛筆で下書きやあたりをつけるのが
普通だが)、タブレットやマウスなどはなんだか、ワンクッション
おいて、靴の底から足の裏を掻いているような感じがしないか?