ジュンというキャラクターは石森先生の「僕ちゃんの純でナイーヴなガラスのハート」を擬人化したものなんだなあ。
そのナヨっと美化した理想の分身像を、あのモジャモジャ頭の自画像の横に並べて描いてあるのを
何度か見かけたことがあるような気がする人もいることでしょう。
「お父さん、こっ恥ずかしいから、やめてよそんなの」って言いたくなるよなあ。
そんなわけで、いま「ジュン」なんか読んでも「くだらねえ」としか思えないんだよなあ。
むしろ同主人公の「7P」の方がハイブロウな感じがして、結構好きなんだなあ。
もっとも何で、よろめき未亡人みたいなエピソードが「海野十三に捧ぐ」なのかは
さっぱりわからないのではあるが。あの未亡人への想いを、かつてのSFへの憧れ
に重ねてでもいるのだろうか??「もうSFには幻滅したし興味ないなあ」みたいな枯れた心情を
SFマガジンでもって吐露していたのだとしたら「お父さん、疲れていたんだね」とほんの少し
侘しい気持ちにならなくもないような気もするよなあ。