肝心の主人公、播磨灘の内面がちょっとブレてるのが問題だな。

序盤の、「土俵で寝るな!」辺りはよかった。あれは仮面の入場とかと
相まって、相撲界の軟弱ぶりを叱ってる、皮肉ってる、嘲笑ってる、
ということで良かった。

しかし話が進むにつれ、殆どずっと不機嫌で、たまに不定期・根拠不明に
笑うというキャラになってしまった。例えば、ナマコ相撲の八幡を褒める
ぐらいなら、黄金の型で播磨を苦しめた玉嵐をどうして褒めない?
紫電は土俵で女の名を出した、北道は二枚舌、三ツ岩は親の件、
白鳳は無礼、ということでわかるが、玉嵐があそこまで叱られる
(塩ぶちまけられる)理由は全然わからん。

とはいえ、のたり松太郎とこれとが相撲漫画の双璧であり、
このたった二作品のおかげで、ボクシングや柔道には及ばずとも、
ムエタイやテコンドーや日本拳法・少林寺拳法に比べれば、相撲は漫画界で
軽んじられてない、と言えると思う。それぐらいの作品だとは思う。