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1番好きなパチの萌えキャラ [無断転載禁止]©2ch.net

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0001名無しさん@ドル箱いっぱい (ササクッテロラ Sp71-DEJT)
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2017/06/14(水) 20:39:07.99ID:rkaf8CNxp
パチエル
0135名無しさん@ドル箱いっぱい (ガラプー KK17-hR+r)
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2017/07/31(月) 14:34:56.61ID:Nz3rX6jXK
アリア
0138名無しさん@ドル箱いっぱい (スッップ Sdaf-QBUn)
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2017/08/04(金) 12:22:06.62ID:92MKe26Sd
新人で無名とは言え、なんだかんだで日々多忙なアイドル稼業
そんな中での貴重なオフ
更にその中での、毎月一番初めのその日は、誰の呼び掛けともなく、"私達の日"と呼ばれる、じゃんピンガールズ親交の日となっていた
時に誰かの宅でパーティーに興じたり、時に小旅行に臨んだり、何かと乾燥がちになりがちな芸能活動、その中で淡白になりがちなユニットに対する帰属意識、連帯感を、今一度新鮮な物にする為、その一日はとても需要な意味と価値を持っていた
まぁ ざっくり言えば、たまには気の合う仲間達と羽を伸ばしたいのである



「ここが今、評判のかき氷屋さんなんですぅ!」

流行り物には誰より敏感な妹分、みいなが目を輝かせて小躍りする

「へぇ〜 かき氷屋さんね〜 冬はどうやって稼ぐんだろう…?」

金勘定には誰より敏感な姉御肌、れいなが腕を組んで小首を傾げる

「うふふ 美味しそうですね〜」

しいなはこの二人と何かを食する時、大抵この台詞を口にする
何が美味しいのでは無い
大好きなじゃんピンガールズの仲間と一緒に楽しむこの時間と雰囲気が、何よりのご馳走なのである
0139名無しさん@ドル箱いっぱい (スッップ Sdaf-QBUn)
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2017/08/04(金) 12:24:18.82ID:92MKe26Sd
ここは郊外の巨大ショッピングモール…
様々な店舗が所狭しと居並ぶその一角に、今、老若男女を問わずして話題の氷菓子屋があった
今回の"私達の日"は、このショッピングモールでのお買い物と、この氷菓子屋を始めとした食べ歩きが目的だったのだ

「みぃはオールド・トチオトメ・イン・ザ・サマーデイですぅ!」

海の家を模した店内、みいなはメニューも見ずに、凡そかき氷のそれとは思えぬオーダーを高らかに発した

「んじゃ、アタシは〜… マンゴースペシャル」

れいなは暫しメニュー表を睨んだ後、店長イチオシと言う一品を選んだ

「それじゃ私は〜…」

しいなはメニュー表を彩る、色鮮やかなサンプル写真に視線と心を踊らせる
仲間達よりほんの少し大人で落ち着いた印象の彼女も、一皮向けはただの可愛らしいティーンガールに過ぎないのだ

「……アルティメット・レモン… で!」

シンプルでオーソドックスではあるが、レモンシロップのかき氷は、彼女にとって幼い日の海水浴の思い出とも結びついており、そんなノスタルジーでディアーなあの刻を、大好きな仲間達と共にもう一度… という、彼女の願いも込められたオーダーだった
0141名無しさん@ドル箱いっぱい (スッップ Sdaf-QBUn)
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2017/08/04(金) 12:27:52.64ID:92MKe26Sd
「ちょっとコレ見て! 」

アクセサリーショップのショーケースが、れいなの目を惹き付けた

「ねぇ 可愛くない?」
「可愛いですぅ!」

スワロフスキーの小熊、手にした向日葵がワンポイントのヘアピン
一目惚れのれいなは、みいなの"良く似合うですぅ"の声にも押されて、購入を決めた

「こっちはみいなのイメージにぴったりね」

ピンクのリボンがワンポイント、麦わら帽子のブローチ

「に、似合うですぅ?」

れいなの笑顔の頷きに、みいなも安くは無いそれを購入する

「しいなも何か買っちゃいなさいよ」
「記念ですぅ! 思い出ですぅ!」

当然、そういう流れになる

「そ、そうですか〜…」

良家に生まれたしいなにとっては、スワロフスキーもただのガラス細工に過ぎないが、確かにみんなと共に購入すれば思い出の一品、永遠の友情の証になる事だろう
0142名無しさん@ドル箱いっぱい (スッップ Sdaf-lDl/)
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2017/08/04(金) 13:00:15.50ID:92MKe26Sd
「それじゃあ〜… ……これなんか……」

赤トンボを象ったペンダント
秋の日の透き通った夕焼け空、それを連想させる茜色に心を引かれたのだ

「……どうでしょう? 似合いますかね?」

少しはにかみながら、仲間達へと振り返る
0143名無しさん@ドル箱いっぱい (スッップ Sdaf-lDl/)
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2017/08/04(金) 13:00:46.97ID:92MKe26Sd
「…………えっ…?」
「…………う、うん… ううん?」



たが、仲間達の表情とリアクションは、期待と裏腹に冴えない物であった
0144名無しさん@ドル箱いっぱい (スッップ Sdaf-lDl/)
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2017/08/04(金) 13:01:53.04ID:92MKe26Sd
「……………………」
「……………………」
「……………………」

巨大迷路の様なショッピングモールの散策は、疲労と喧騒のせいか口数が極端に少なくなっていた
三人の間に流れる、少しピリピリと言うか、ちょっぴり不穏な空気も一因だろ
否、寧ろそれが主原因である
つい先刻までの、あんなに和気あいあいとし雰囲気…
それを取り戻したいのはしいなもやまやまであるが、如何に良家のお嬢とは言え人の子、怒りの琴線は細くとも確かに存在し、それを逆撫でされれば心もささくれ立つ…
詰まる所、気まず雰囲気の最大の原因は、しいなの苛立ちを含んだテンション下降にあるのだ

「うわぁ! 凄いですぅ!」
0145名無しさん@ドル箱いっぱい (スッップ Sdaf-lDl/)
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2017/08/04(金) 13:03:35.55ID:92MKe26Sd
そんな湿った空気を吹き飛ばしたのは、やはりみいなの天真爛漫であった
ショッピングモールの中央、幾つかのエリアが連結する開けたスペース
そこは催事場ともなっており、今日この日は間近に迫った七夕祭りをテーマとしたイベントが催されていたのだ
みいなの歓声は、その吹き抜けのスペースに据えられた、巨大な七夕飾りに起因する物だった

「うわぁ〜…」
「素敵です…」

無数の色鮮やかな短冊を纏う、枝ぶりの良い大きな笹竹…
確かにそれは、みいなに限らず、見る物全ての心を震わす圧巻の光景だった

「……しいな」
「……はい」

一瞬にして蟠りは消し飛んだ
先走るみいなの背中を、れいなとしいなは追って行く
0146名無しさん@ドル箱いっぱい (スッップ Sdaf-lDl/)
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2017/08/04(金) 13:04:32.57ID:92MKe26Sd
「みぃも! みぃもお願い書くですぅ!」

七夕飾りの周囲にはテーブルが幾つも設置され、そこに短冊とペンが用意されていた
その一つにみいなは飛び付き、少し遅れて二人も続く

「ねぇ どんなお願いする?」

橙色の一枚を取ったれいなが、両脇の二人に尋ねる

「みぃは、もっと背が高くなりたいですぅ! モデル体型になりたいんですぅ!」

紅色の一枚を抜きながら、みいなはオーバーアクションを交えて宣う

「……そうですね〜… 私は〜…」

素直になって、みんなと仲良くしたい…
短冊を経ずにして、既にそんな願いを叶えて貰えたしいなだったが、今一度その思いを胸に一筆を認める事にした

「みんなと… 皆さんと一緒に… いつまでも…… 」
0147名無しさん@ドル箱いっぱい (スッップ Sdaf-lDl/)
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2017/08/04(金) 13:05:33.58ID:92MKe26Sd
短冊の束に手を伸ばし、永遠の友情とじゃんピンガールズのブレイクを願おうとしたその刹那…

「はいっ」

れいなが素早くしいなの前に、一枚の短冊を滑らす

「……………………」

しいなはピタリと動きを止め、そのとても鮮やかな翡翠色の紙切れを、冷めた瞳で見下ろした
0148名無しさん@ドル箱いっぱい (スッップ Sdaf-lDl/)
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2017/08/04(金) 13:06:15.31ID:92MKe26Sd
「ちょっと待ちなさいよ、しいな!」

大股で先を行くしいなに、小走りに近い格好のれいなが追い縋る

「……しいな!」

漸くその肩を捉えて、れいなは彼女を無理矢理振り向かせる

「いったい何に怒ってるのよ? 朝からずっとおかしいよ、しいな!」
「おかしい? いったい私の何がおかしいんですか?」

珍しく食って掛かるしいな
それ程に腹ただしかったのだ

「おかしいじゃない!? いきなりレモン味注文したり…! さっきも赤トンボのアクセサリーなんて…!」
「そ、それの何がおかしいんですか!? おかしいのはお二人の方です!」

多分、ここまで負の感情を露にするのは初めてであろう
己の声を震えを感じて、それが更に声を震わせた
0149名無しさん@ドル箱いっぱい (スッップ Sdaf-lDl/)
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2017/08/04(金) 13:07:33.54ID:92MKe26Sd
「わ、わ〜い! お待たせですぅ…!」

わさとらしくテンションを上げながら、みいなが二人の元に駆け寄る
しいなは視界の隅で、ただならぬ空気を察して縮こまる、遠方の彼女の姿を大分前から捉えていたが、今は感情の制御が効かず、それに意識を向ける余裕が無かったのだ

「こ、これ…! 今度はアイス… ですぅ」

その手には、有名アイスクリームチェーンのシングルコーンが三つ…
これでしいなを宥め様と、速攻で走ったのかも知れない
だがそれを一瞥したしいなは透かさず宣言する

「チョコレートミントは絶対に頂きませんからっ!!」

「「!!」」

ピシャリと言って退けた
この期に及んでの余りにあざとい手法に、先手を打って意思表示したのだ

「ちょっ!? それじゃチョコミントは誰が食べるのよ!?」

やっぱりそう言う事か!
れいなのリアクションに、しいなの怒りのボルテージは更に上昇する
ベリーストロベリーとオレンジソルベ、そしてチョコレートミント
いい加減にしろ!
0150名無しさん@ドル箱いっぱい (スッップ Sdaf-lDl/)
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2017/08/04(金) 13:09:04.96ID:92MKe26Sd
「好きな物が食べたいんです! 好きな物を身に付けたいんです! 好きに選ばせて下さい!」

「だってしいな、青じゃない!」

「別に青じゃないです! 肌色です! 人間です! 仮に青だとして、どうして全てを青で統一しないといけないんですかっ!?」

「で、でも、昔から黄色い人はカレーが好きって決まってるんですぅ! だから青いしいなちゃんが青い物が好きなのは、頗る当然なんですぅ!」

「当然じゃないです! 青でもありません! たまたまコスチュームが青なだけです! そもそも黄色い人はカレー好きって、誰情報なんですかっ!?」

「アタシはオレンジとかマンゴーとか半熟卵とか好きよ!」
「みぃもイチゴとかリンゴとか鉄火巻きとか好きですぅ!」

「ず、ズルいです! 青、不利じゃないですか! 私もストロベリーが好物なんです! お寿司に至っては、いったい何を食べれば良いんですか!? 」

「今更そんなワガママ…!」

「ワガママって…! だったら私もピンクがやりたかったです! 」

「ピンクはみぃですぅ! みぃはピンクに生まれたんですぅ!」

「私は別に青に生まれてません! たまたま近くにあった衣装に手を伸ばしただけです! ズルいです! 皆さんズルいです!」
0151名無しさん@ドル箱いっぱい (スッップ Sdaf-lDl/)
垢版 |
2017/08/04(金) 13:11:10.08ID:92MKe26Sd
己のイメージカラーを尊重し、それをプライベートも当て嵌め、人生すら染め上げる…
そんなアイドルの矜持を否定するつもりは無いしいなだったが、どうしても賛同する事はできなかった
たまたま近くにあったコスチュームを手にしたせいで、好きでも無いチョコレートミントを舐めねばならぬとは…
爽やかなフレーバーが広がる筈のそのコーンアイスは、何故な微かに塩の味がして、これはこれでなかなかイケると思うしいななのだった
その後三人はスタミナ太郎で鋭気を養い、極楽湯で日々の疲れを流してから、十一時前には就寝したのだった
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