BTRON

通商問題
CECの選定取り消しについては、大下英治の『孫正義 起業の若き獅子』(ISBN 4-06-208718-9)pp. 285-294によれば、
かねてより自社の事業であるソフト流通業が儲かるような業界態勢作りに腐心していた孫正義により、
TRONによって日本の産業がグローバルスタンダードから外れ世界に取り残されると煽って
盛田昭夫から紹介された棚橋祐治(当時機械情報産業局長)、林良造(当時情報処理振興課長)らと
「TRON壊滅へのレールが敷かれはじめ」ていたところだったが、
この機会に301条を楯にプロジェクトを潰してしまえ、という孫によるアドバイスにより、
通産省は学校へのTRON導入を中止したという。
同書の見出しには「TRON蔓延を水際で阻止」とある。

この件に関して、TRONプロジェクト側では異例の意見表示があった。
パーソナルメディア社が編集・刊行しているTRONWARE誌の60号(1999年12月発行)p. 71において、
編集部の署名で「TRONプロジェクトを阻んだ人」と題した記事で、
前述の伝記を、(TRONを妨害した)「成果を誇る」本を出した人がいる、と紹介した。

同記事では、孫がMSXに反対したこと、Unixを一旦は支持したようだったことなどを紹介し、
また伝記中で紹介されている、孫、西、坂村が一同に会したカンファレンスについて、
坂村による、それはUnixの技術者のカンファレンスだったはずで自分も西も技術の話をしたが
孫氏は商売の話をして場違いな感じだったと記憶している、
といった証言を載せたりもしているが、全体としては、独自技術の芽を潰すことが正しいことか? とまとめている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/BTRON#.E9.80.9A.E5.95.86.E5.95.8F.E9.A1.8C