エレキギター「フェルナンデス」は、多数のトップギタリストが愛用
(株)大阪フェルナンデス(資本金1000万円、大阪市北区、代表木川洋氏)は、1月10日に事業を停止し、事後処理を坂本望弁護士(大阪市北区、弁護士法人サン総合法律事務所)ほか1名に一任、自己破産申請の準備に入った。

当社は、1977年(昭和52年)8月に、楽器販売を手がける(株)フェルナンデス(TDB企業コード:982219599、法人番号:3011101018547)の大阪営業所を分離する形で設立。
西日本における同社製品の総販売代理店として、エレキギターおよび同付帯品の卸売りを行っていた。

小売単価2万円程度の低価格品から50万円程度の中・高級品まで幅広く取り扱い、北陸・愛知県以西の西日本全域を営業エリアとして楽器小売業者に販売。
著名ミュージシャンとの契約などで同ブランドの人気が高まるなど、ギター市場において相応の知名度を獲得しバンドブームを追い風に業容を拡大、94年7月期には年売上高約14億6300万円を計上していた。

若者のギター離れ
しかし、若年購買層の趣味の多様化や提携ミュージシャンの人気の沈静化、他社製品との競合などもあり売り上げは漸減。
さらに、ギター職人の不足など業界環境も厳しく、業容は縮小を余儀なくされ、2019年7月期の年売上高は約2億2400万円にまで落ち込んでいた。
その間、収益も低調ななか、取引先への支払い遅延が発生するなど厳しい資金繰りが表面化。金融機関へ借入金の返済リスケジュールを要請していた。

コロナ禍で軽音楽部やバンドサークルなどの活動が制限
さらに、2020年以降は新型コロナウイルス感染拡大により、学校の部活動などにおけるバンド活動が制約され、得意先である楽器店の業況が悪化したことで2022年7月期の年売上高は約1億1200万円にまでダウン。
7期連続で営業段階から欠損を強いられ、債務超過に陥っていたなか、先行きの見通しが立たなくなり今回の事態となった。
負債は2022年7月期末時点で約9500万円。

なお、エレキギターで著名な「フェルナンデス」ブランドを有する(株)フェルナンデスとの間で資本関係はなく、同社は営業継続中。