30年俺を振り回し続けている女の話をする
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高1でこっちから告って交際が始まり、その後別れるも縁が切れず、ていうか気になり続けている女の話をさせてくれ 勝手に進めていく
ちなみに衝動的に立てた上にスマホから書き込んでいる
PCなど既にない 相手の名前を仮にマイとする
マイとは小学校は別、中学校から同じ学区だった
同じクラスになったことはない
中学時代のマイは、ごく普通の女子生徒
可愛いとかモテるとかの話題に上がることもなかったと思う と、伝える予定であったが
うんちのキレが悪く
なかなかトイレから出られないヒロシであった
(キートン山田風) 中学時代の俺は、母親と2才下の弟、母方の祖父母の5人家族
祖父母が建てた平屋のボロ屋を無理やり二階建てに建て増しして住んでいた
父親は生きていたが既に他人、所在は不明だった
二十歳で俺を生んだ母親は当時三十代半ばで、今思えば結構若いな
体調を崩すまでは旅館の中居をやっていた 俺の母校は今では1学年60人程に過疎ってしまったが、30年前は40人のクラスが6組まであった
不良もいたし暴力教師もいた
ブラウスのボタンとボタンの隙間からブラジャーがのぞいて見える美人教師もいたし、家庭科室には足踏みミシンがまだ残っていた 当時、地方の中学校で非行に走る者の多くは家庭環境が複雑だったり、裕福でなかったりと、分かりやすい背景を持っていた
俺も該当していたので彼らの気持ちはよく分かったが、母親の受けるダメージを思うと学校で暴れたり万引きしたりは出来なかった
母親は子供の俺から見ても情緒が安定せず、寂しがり屋で酒に弱く、人付き合いが苦手だった
仕事がない日は1人で部屋に閉じこもり、家事のほとんどを祖母がやっていた そんな母親を見て育った俺は、女は脆い、という概念を幼い頃から持っていたように思う
中2で初めて付き合った女の子は、不良グループの中心的存在のマサル(仮)の彼女だった
マサルから今で言うDVを受けているのに気付き、助け出したのがきっかけだった
マサル軍団からの報復はなかった
マサル軍団と俺は元々関係は悪くなく、向こうからすればむしろ俺が仲間に入らないのが不思議なくらいだっただろう
以下、登場人物の名前はすべて(仮)で 初めての彼女リナとは、中学卒業まで続いた
目立ちたがり屋のマサルと校内でも堂々とイチャついていたリナは、処女ではなかった
惚れて付き合った女ではなかったが、セックスには夢中になってしまった
リナは俺の家に入り浸り、それはもうヤリまくった
リナに「帰って来なさい」と電話してくるのは、決まってばあちゃんだった 俺の中学時代は混沌としていた
経済的不安を常に抱えながら、母親に保護者とさしての希望が持てず、不良にもなれず、かと言って平和なクラスメイトとも心からは馴染めず
勉強もスポーツも平均以上の成績を修めたが、その先に大学生活をエンジョイしている自分を夢見ることはなかった
リナとは繋がっていたが、居場所ではなかった
季節は巡り、俺は地元の公立高校に、リナは電車で通う商業高校に進むことになり、明確な別れ話はしていないが離れていった
携帯電話もポケベルもまだなかった頃の時代だ 俺は入試の成績から、普通科の特別編成クラスに入った
進学を目的とするクラスだ
自分で志望したわけではない
マイは普通のクラスで、教室は同じ階にあった
いよいよマイが俺の人生に登場するのだが、もう少しだけ待ってくれ
俺は入学式直後、生まれて初めての一目惚れを経験する
U類と呼ばれる特進クラスのユウコに、一瞬で心を奪われてしまった
膝下10cmというクソ野暮ったいスカート丈が、逆に清楚なお嬢様っぽい雰囲気に仕上がっている
真っ直ぐなセミロングの髪は、サイドの部分だけすくって後頭部できっちりまとめられていた
あの頃の女子がよくしていたスタイルだ
少しニキビがあったが目がぱっちりと大きく、口元が上品だった
他の女子のようにぽかんと口が開いていることはほとんどなく、生真面目そうな、少し困ったような、わずかに口角を上げた唇が好きだった
30年前の特進クラスに、あの美貌はあり得なかった
奇跡だった
俺は手の届かない姫君を想うように、ユウコに憧れた
実際、同じ学校の同じ学年だというのに、隔離された別棟に生息するU類の生徒と気軽に触れ合うような機会はなかった ユウコ熱は、夏までには落ち着いた
じゃがいもやカボチャのように見えていたユウコ以外の女子も、クラスメイトとして親しく接していればそれなりに可愛く思えてくるから不思議だ
一学期の期末試験を適当に済まし、夏休みを前に俺はバイトを始めることにした
先輩に誘われてサッカー部に一旦入部したが、勉強にもスポーツにも好きなだけ打ち込める恵まれた奴らとは、やはり自分は違うと感じた
家計を助けるために部活よりバイトをすると先輩に伝えると、泣かれてしまい困った
なんか色々熱い言葉で励ましてくれたようだが、覚えていない 放課後から22時まで、新しく出来た弁当屋で働くことになった
時給は500円くらいではなかったか
これでも随分足しになったものだ
部活をやめたら、別の先輩からバンドに誘われた
布袋モデルのギターを与えられ、練習しとけと言われた
BOOWYはとっくに解散していたが、バンド少年達には絶大な人気を誇っていたのだ
名曲「CLOUDY HEART」を聴くと、リナとのことが思い出されて切なくなったりもした
断わり切れずに、文化祭のステージで2曲だけどうにかこうにか演奏した
ボーカルはイケメンで名高い先輩だったが、びっくりするくらい歌が下手だった
リハでうすうす気づいてはいたが、ここまで酷いと思っていなかった
恐ろしいのは、下手なくせに無闇にカッコイイところだ
女共はキャーキャー大騒ぎ
俺は呆然としながらとにかくやり遂げた
「NO N.Y.」と、あと何だったかな
そんな日々の中、マイが男同士の話題に上がるようになっていた
マイの他にも何人か、高校生になってから急にキレイになったと言われる女子がいた
マイは小柄で、キレイというより可愛らしいタイプだった
肌が白くて、小さな唇がほんのり色づいて見えるのが色っぽかった
髪は肩に触れるくらいの長さで、少しクセっ毛なのかふわっとしていた 普通に出勤するのでここからぼちぼち更新になる
もし読んでくれてる人がいたらありがとう
マイを意識し始めた頃のことを思い出すと同時に、あれから30年も経ってることに愕然とする
30年だぞ
当時の俺には考えられん年月だ
30年前のマイ
誰でも経験あると思うが、一度可愛いなって思うともう本当に天使か妖精のように見えてくる
ユウコは城の奥で家来達(ブサイクな特進クラスの連中)に守られている姫君、マイは俺の周りで楽しそうに遊ぶ自由な天使だった
俺はマイと時折言葉を交わした
マイのクラスには一緒にバンド活動していたイケダや、幼馴染みのユウキがいた
休み時間に遊びに行っては、こっそりマイを目で追った
接点はほとんどなかったが同じ中学出身なので、共通の知り合いの話なんかも出来た
ある日、バンドの先輩からX(当時はX JAPANではなかった)を聴かされた俺はあっさりハマる
即バイト代でCDを購入
ソニーのCDラジカセも購入
その月は弟に小遣いをやれなかったが、CDラジカセ導入には喜んでいたのでよかった
それまではダビングしてもらったカセットテープしか聞けない環境だったのだ
アルバム「BLUE BLOOD」を聴きまくった
「WEEK END」のイントロ部分を布袋ギターで弾いたりもした
この感動をマイにも伝えたいと思い、何とか話の流れからきっかけを作ってCDを手渡すことが出来た
カラオケで歌うために斉藤由貴の歌を練習しているというマイに、Toshiのハイトーンボイスを聴かせてやったのだ
結果、マイは今でもカラオケボックスで「紅だあーーー!!!!」と叫ぶ女になった ぼちぼち更新とは言ったものの、楽しいので飯食いながら更に書く
マサル軍団と交流あったりバンドやったりで、俺は女友達も多かった
しかしガチのヤンキーでもなく、夢見るバンド少年でもなかった俺は、彼らの周りの女子にはほとんど興味なかった
ガールズバンドで歌ってたミナコ先輩には多少好意はあったが、俺はやっぱり天使や姫君が好きだったのだ
あの頃のマイは、どちらかというと大人しめに見えるタイプだった
静かに本を読んだり手芸をしたり、そういうのが似合ってた
というか、そうであってほしかった
これはある意味その通りなのだが、思ってたのとは少し違った
この件にはいずれ触れることにする
落ちこぼれない程度に勉強し、週5で弁当屋のバイトに入り、音楽をむさぼるように聴き、姫君に憧れつつ天使に恋する日々が続いた
冬休みに入ってすぐ、俺はマイに電話をかけた
正確にはマイの家に電話をかけた
再度言うが携帯電話などない時代だ
マイは両親と三人で公営団地に住んでいた
1棟に4世帯が暮らす、二階建てのコーポのような建物だった
バイトの帰りに通りかかると、マイの自転車が必ずあったのが何だかうれしかったものだ
電話をかけたのは平日の午後
お父さんの車もお母さんのスクーターもなく、マイのオレンジ色の自転車だけがぽつんと残っている
それを確認してからの行動だった
もしもし、○○です、とマイが出た
マイは40過ぎた今でも、この時と同じ声で話す
頼りない、子供のような声だ
間を空けずに俺は名乗った
少し早口になってしまった
「あ、うん」
とマイが言った
俺は緊張で顔面が強ばるのを感じたが、悟られないように精一杯ナチュラルに言葉を発した
「前から思ってたんだけど、付き合わない?俺と」 「…え、あたし?」
「そう」
「ええッ!?」
「ずっと可愛いなって思ってて、たまに俺に喋ってくれる時とかさ、すごいうれしくて、○○さんが俺の彼女だったらいいなあって!!」
「んんん…」
「だから」
「ん」
「付き合って下さい、俺と」
「…」
「俺じゃ、ダメだった?」
「ダメじゃないです!」
「ダメじゃない?」
「うん」
「わかった、じゃあ、またな」
みたいな会話をした
受話器を置いたあとも、電話ボックスの中でしばらく息苦しかった
マイが「ダメじゃない」と言っているので、これはカップル成立ということではなかろうか
何の約束もしていないが
俺は自転車をぶっ飛ばした
向かったのは、イケダがバイトしている喫茶店
イケダはバンド繋がりの友達で、マイと同じクラスだった
商店街の端っこにある、細長い建物の一階
店の横は3坪程の空き地になっていて、時々車が止まっていることもあるが大抵は自転車置き場になっていた
分厚いガラスのドアを開けて中をのぞくと、カウンターで割り箸を1本ずつ袋に入れているイケダと目が合った 高1でやっと170cmに届いた俺よりも少し背が高く、痩せていて、顔が小さいせいか笑った時の大きな口が特徴的だったイケダ
サラサラの前髪と、スっと通った鼻筋のバランスが美しい
いわゆる雰囲気イケメンである
今もオシャレな男だが、当時から自分に似合うものをよく知っていたと言える
これは重要なことなので特筆しとくが、顔が真っ平らだったり団子っ鼻だったり頭蓋骨の形がダサい奴は、前髪を伸ばそうとするな
オマエが思い描くイメージとは程遠い仕上がりになるのがオチだ
イケダは、場末の喫茶店のカウンターに立っていても絵になった
どことなくアンニュイな雰囲気を漂わせ、長い指で割り箸袋を扱うさまは色気さえあった
俺はイケダの正面の席にどかっと腰を下ろした
「あー、喉乾いた!」
「ハイハイハイ」
冷水機から水を汲んでもらった水をぐいっと飲む
奥のキッチンに店主のオッサンの気配があったが、俺は客扱いされてないので顔も出さない 使い込まれた飴色のカウンターに肘をつく
この店で立派なのはこの天然木のカウンターと、オッサンの趣味であるパイオニアのCDコンポだけだ
あとはすべてが雑然としており、誰が持ってくるのか大量の北海道土産が無秩序に飾られていた
またパリの古い街並みのポスターが貼ってあったりもした
カウンターの端にはオッサンが読むのであろう本が積んであった オッサン自慢のコンポは何やら呑気な洋楽を鳴らしていたが、俺は強引に割り込んだ
イケダが何枚か置いているCDの中から、BOOWYの「ホンキー·トンキー·クレイジー」を強要した
唐突に店内に響く、明朗なカタカナの歌詞!
ホンキートンキークレイジーアイラーブュー!!
マイに「ダメじゃないです!」と言われた俺は、日々育ててきた数々の妄想が一気に現実味を帯びてくる幸せを感じていた
頭の中だけで考えていた映画の構想が、主演女優が決まりどんどん形になっていくような、非常にわくわくする気分
その中でも一番お気に入りの妄想が、この曲にあった
いい曲だから是非聴いてほしい 家電量販店の店員とか、10年後には絶滅してるような気がする…
もうオマエらネットで見てネットで買えよ
うちの店舗は展示会場じゃねえ
商品仕入れて販売してんだよ
疲れて死にそうなので今日は愚痴だけで失礼
オッサンだからいいだろ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています