記憶だけで書いてみる1984年12月31日の紅白

背景としてキャンディーズの二番煎じで都はるみが「普通のおばさんに戻りたい」
とマジにしてもジョークしてもどっちの意味でも寒い引退宣言があり、この紅白が現役最後の舞台となった
当時の彼女におかれては、美空ひばりや北島三郎といったいわゆる大御所には一歩及ばないものの、
さりとて決して小物でもなく、だからと言って石川さゆりのようなニューウェーブ系のような若さや美貌もなく、
何ともいえない絶妙なポジションだったが、引退という大義名分があったのでこの年の大トリを飾ることに

予定されていた「夫婦坂」を歌い終わり、会場からは異例のアンコール
当時NHKで人気のあった白組司会者の鈴木健二が仕切る
「わたくに一分間だけ時間をください。今交渉してみます」
「都さん、アンコールの声が聞こえてますでしょう」
「練習もキー合わせもしてないぶっつけ本番になってしまいますが、もう一曲お願いします、お願いします」
異様なムードの中、代表曲「好きになった人」が急遽アンコールで追加
水前寺清子や大勢の仲間が寄り添って大合唱

これ以上はないという感動のムードの中で総合司会者が言う
「美空、、、都さんにもっともっと拍手をお送りしたいところですが、集計に移ります」

最大瞬間視聴率70%とも80%とも言われたこの数分間に、色んな要素がぎっしりと詰まってた