それから2年後位に、彼女から結婚式の招待状が私や他の友人の元に突然届いた
過去に色々言われはしたけど、彼女の結婚が素直に嬉しかったから、
他の友人達と連絡取り合ってみんなで出席した
どんなイケメンハイスペックの新郎が登場するんだろうとワクワクしていたら、
バージンロードを一人で占領してしまうなくらい太ってて背も低くて髪も少ない幸薄そうなおっさんが登場した
新郎のお父さんかな?と隣の友達とひそひそ話してたんだけど、その人が新郎だった
席表に書かれてあるプロフィールを見てみたら、職業はトラック運転手だとあった
以前友人が公言していた理想の結婚相手とは真逆に近い人だったのでびっくりはしたけど
友人がこの人だと選んだ人なんだから素晴らしい人なんだろうと思い
式の途中で高砂にみんなで行って「おめでとう」「2人はすっごくお似合いだよ」と口々にお祝いの言葉を言ったら
「こんなのと本当は結婚したくなかった」「こんなのとしか結婚できない私を内心馬鹿にしてるんでしょ」「みじめすぎる」とさめざめと泣き始めた
「そんなことないよ」「優しそうで素敵な人しじゃん」とか必死にフォローしたんだけど
火に油を注ぐ結果になってしまい、ワンワン泣き出して過呼吸みたいになって運ばれて行った
花嫁不在の中で式は淡々と進行していったんだけど、親族含め他のテーブルからの視線がすごくていたたまれなくて、ごちそうは全く味がしなかった
結婚式が終わった後、彼女とはもう関わりたくないと友人達と意見が一致して、彼女の連絡先を一斉に消し、引き出物も全員ドレスのまま売りに行った
ちなみに新郎は見た目はおっさんだったけど、私達にすごく丁寧で紳士に接してくれた
新婦を泣かせた私達を心から気遣ってくれたし、楽しい話題も振ってくれて本当に素敵な人だった
友人は新郎を「こんなの」と言っていたけど、友人にあの新郎はもったいなさすぎると今でも思っている