>>100 つづき

(2)大学が推薦入学者数をコントロールしきれない のつづき

ところが、定員厳格化により私立大学の難易度が高まって、
生徒の安全志向が高まったり、自称進学校の生き残り競争が激化したりして、
指定校推薦の応募率が高まり、指定校推薦入学者が急増しているのが、
ここ数年の現象だと捉えている。

ここまで説明したところで、指定校推薦の受験者数(=入学者数)は、
受験生を取り巻く環境とマインド次第の成り行きまかせであって、
大学側がコントロールできる余地がほとんどないことを理解してほしい。

近年の指定校推薦入学者の急増を「やっかいな問題」と捉えるか、
はたまた「タナボタ」と捉えるかは人それぞれの推理の自由だと思うが、
「理科大の意思によるもの」と捉えるのはかなり厳しいのではないか?
意志によって増やせるものなら、定員厳格化の前から増やしている。

さて、
取り巻く環境に左右されて急増するような受験者(=入学者)が果たして
優秀でモチベーションが高いと言えるのだだろうのか?

それを横においても、入学者数の急増をコントロールできないことによって、
公募制推薦や一般入試の受験者が不合格になってしまうことは大きな問題である。

機会不平等な選抜方式が、機会平等を確保した他の入試方式に対して、
不当に優先されてしまう二重の不平等を孕んでいる。