もうお祓いに行くレベル…”救世主“常葉大菊川でも勝てず、”最弱“静岡県スポーツ界に降りかかる負の連鎖

”救世主“でも止まらなかった。

 19年以降、春夏初戦敗退が続く静岡県高校野球野球界で、今春、10年ぶり5回目の出場を果たした常葉大菊川は連敗ストップが期待されたが、22日の試合で千葉の専大松戸に0ー3で敗れ、これで18年夏を最後に6季連続初戦敗退。2010年以降、静岡県のスポーツ界は呪われたかのように低空飛行が続く。

 18年夏、前年まで県勢ワーストの4年連続夏初戦敗退だった静岡を救ったのは奈良間大己(現日本ハム)らを擁した常葉大菊川で、同大会は2勝したが、その間のセンバツ自体は18年春まで5大会連続で初戦突破を果たしていた。現在の低迷はもちろん県勢ワースト。ネット上では「静岡高校野球暗黒時代の到来」「菊川でも勝てないじゃ救いようなし」と厳しい声が出ている。地元記者も静岡高校野球界の現状を憂いる。

 「とにかく打てない。3点以上獲ったのも常葉大菊川が18年夏に敗れた近江戦(滋賀:●5ー10)が最後。20年の交流試合で加藤学園(○3ー1:鹿児島城西)が勝った時も3点しか獲れなかった。今回はプロ注目捕手の鈴木叶を中心に打力はそこそこあったし、この試合も相手を上回る7安打を放ったが、ここ一番の1本が出ないという近年の静岡の課題を露呈した」

 対戦した千葉県の記者は「専大松戸も初回がなかったら、どうなっていたか」としながらも、静岡の課題を指摘する。

 「静岡の打者はスイングスピードが弱い。鋭いなと思ったのは4番の鈴木だけ。かつてのようなフルスイングはなく、怖さはなかったし、平野もやりやすかったでしょうね。今は打力優勢の時代で、各都道府県が実践してるのに、静岡だけはやらない。取り残されている。指導者の教え方や県高野連の姿勢にも疑問があります」

 最早、弱り目に祟り目。静岡スポーツの低迷は高校野球だけではない。

 「サッカーも清水エスパルスとジュビロ磐田が昨年J2に降格し『王国・静岡の終焉』を決定付けた。今シーズンはお互いに開幕前から不穏な空気は漂っていて、磐田は所属選手の不祥事で補強禁止、清水は主力選手は残留したが、フロント、監督とサポーターとの確執は絶えず、例年よりもチーム作りに遅れが出ていた。現在、清水は開幕5試合連続ドロー、磐田も僅か1勝、今季から昇格し、開幕連勝を果たした藤枝MYFCも結局、ぼろが出て3連敗中。中山雅史氏を監督に招聘したJ3アスルクラロ沼津も起爆剤にはなっていない。ラグビーもブルーレヴズが全体9位(カンファレンスAは6チーム中、5位)、バスケもベルテックス静岡がここに来て失速と静岡スポーツ界に明るい話題が見えない」(前出・地元記者)

 対策を練りたいが、記者によると県スポーツ協会はおろか、政界も全くやる気が見えないと言い、県民はその姿勢を問題視するなど、厳しい視線が注がれていると言う。

 「静岡では近年、スポーツ界のみならず、川勝平太知事ら政界の体たらくさも問題だが、昨年プリンスリーグ東海に降格した清水ユースの澤登正朗監督がそうであるように、県の指導者が全国で通用する人物がいない。周辺の人からはアップデートが出来ていない県と言われていて、それが原因で県内のシニアやボーイズの子は神奈川や山梨県などに流出している。中には『静岡の高校には行きたくない』『静岡のプロチームには行きたくない』と言う子も増えている」(前出・地元記者)

 救いようのない状態に成り下った静岡。最早、お祓いにでも行っておいた方がいいのでは…