「ペンタゴンペーパーズ」みてきた。(以下ネタバレにならぬよう慎重に)

ワクワクする、そしてグッと胸につき刺さる社会派アドベンチャー。
ベトナム戦争を巡る最高機密に記された合衆国政府の闇、「報道の自由」を巡ってたたかうワシントンポストのジャーナリスト達。
株式の公開など経営の事情。当時の権力者ニクソン大統領の圧力。刑事訴追ですべてを失う崖っぷちのリスク。
今の日本の状況とも凄まじくシンクロしたタイムリーな作品。
いや日本に限らず世界的に、知る権利や報道の自由が危険に晒されている。国の事情がこんなに深刻なのに、個人の権利だと?お前は足を引っ張るのか、という流れ。
アメリカが様々に問題のある国だとしても、報道の自由や裁判の中立など、基本に「信頼」と「公正」に基づいた価値観やシステムがあることが、とてもまぶしい。だからこういう映画ができる。
国民には自分が置かれている国の状況を知る権利があり基本的な人権を保証されたいて、国はそれを守るために存在している。それを大多数の人たちが信じていることが前提の映画だ。
それがないことにはこの映画は存在できないし、何の意味も感情もかき立てるものにはならない。
この映画が心に届くとしたら、それは見る方も同じことを信じているからだ。アメリカにはそれがあるということだ。

日本はどうだろうか。自分はどうだろう。これからどうしていくのか。
これはもう自分達のテーマなのだ。

新聞社社主で自身も男女差別の中で様々に揺れるメリル・ストリープが最後にどんな決断をするのか。なにを守るのか。

こういう映画を撮る一方でスピルバーグは「レディー・プレイヤー」の宣伝でも来日。全く油断ならない笑。
まだあんなに撮るエネルギーの源は「映画」がすき、だからだろうか。
インディジョーンズの5作目も控えてるらしい。。
スピルバーグ、あんたってひとは。。。。

今みてやっと分かる映画の基本的な文法というものがあって、オープニングのシーンからあるものが出ていて、それが後のシーンに繋がるテーマになっている。
シンプルだけど力強い映画の基礎文法だ。
めっちゃためになる。。。スピルバーグあんたって人は、
超すげえ。