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ツンデレにこれって間接キスだよなっていったら0.8 [転載禁止]©2ch.net
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0001ほんわか名無しさん
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2014/12/31(水) 17:37:27.350
◆このスレは何?
ツンデレの妄想でひたすら萌え続ける場です。どんな形でもいいのでアナタのツンデレ妄想を垂れ流してください。
◆前スレ
ツンデレにこれって間接キスだよなっていったら0.6
http://nozomi.2ch.net/test/read.cgi/honobono/1384561770/
◆過去ログ置き場
http://www.tndr.info/
◆Wiki(過去ログ置き場以前の過去ログ・更新停止中のまとめ等もwiki参照)
http://www45.atwiki.jp/viptndr/pages/1.html
◆ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら 専用掲示板
http://jbbs.livedoor.jp/computer/21510/
◆うpろだ
http://tunder.ktkr.net/up/
http://www.pic.to/ (携帯用)
◆お題作成機
http://masa.s23.xrea.com/
http://maboshi.yh.land.to/tundere/
◆規制中の人向け、レス代行依頼スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/21510/1275069975/
0395ほんわか名無しさん
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2015/12/07(月) 21:39:39.120
GJ

ツンデレスレも人がいなくなったなぁ
0396ほんわか名無しさん
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2015/12/07(月) 22:01:47.360
何か書こうという意思は常にあるんだがネタがねぇんだ
素直ヒートスレも素直クールスレも同じ理由で支援できてねぇんだ

>>394の方もGJです。この微妙な距離感がたまらなく好きですわ!
0397ほんわか名無しさん
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2015/12/16(水) 12:47:03.480
久々に来たけど完全に過疎ってるなぁ
ツンデレさんが寂しがってるぞおまいら
04001/2
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2015/12/19(土) 17:17:55.530
クリスマスでさ

俺はいつもと違ってツンデレと勝負してたの

というのも俺せまい所が好きで押入によくこもっててさ

ツンデレに知られてからは居場所横取りされるようになった訳

それでクリスマスよ

俺は残業で疲れた体を引きずり押入に到着したの

ならツンデレ中でゴソゴソ物音させててさ

街行くカップルの毒気に当てられてた俺は抱きつくつもりで襖開けたの

したら考えが読まれててツンデレの方から抱きついてきてさ

慌てる姿見て優越に浸ろうとしたのに先手を取られたの

これは精神的に上にいった者が勝つ勝負、俺は力を込めて、俺の方が強いぞ、ってしたの

そしたらツンデレ、俺を受けとめたうえで頭まで撫でてきおったの

しかも甘い匂いもただよわせて完全に俺を殺しにかかってる

そうしておいてツンデレ急に抱きつきやめてさ、見たら顔真っ赤にして息もたえだえ

なるほど奴も負ける寸前だったみたいだし、今回は引き分けということにしておいてやるよ、って話
04012/2
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2015/12/19(土) 17:18:56.370
クリスマスでさ

私は例年通りアイツを待ってたの

というのもアイツ暗い所が好きで押入にいると落ち着くんだって

して住みよいように改造された押入に私も夢中になった訳

それでクリスマスよ

アイツは自称彼女の私を置いて残業頑張ってるの

いつものことだから気長に帰ってくるの待っててさ

すればホラ、疲れた足音させながらアイツが帰ってきた

ため息もついて相当おつかれみたいだし押入に入ってきたら抱きついてお迎えしてあげようとしたの

そしたらさ、襖ゆっくり開けたと思ったらアイツの方からぎゅってしてきてさ

何か仕事で嫌なことあったのかもしれない、私はへたに理由を聞かずなぐさめてあげます

ならアイツだっこの力強くして、急に甘えんぼさんになったね

でも力込めすぎでちょっと痛いから一旦離れたの

したらアイツ餌おあずけくらった子犬の目してね、くっそ可愛くて鼻血でそう

その後はわしゃわしゃ頭撫でたいの我慢して二人押入にこもってケーキ食べたよ、って話
04021/2
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2015/12/19(土) 17:20:55.590
クリスマスでさ

俺は例年通りツンデレとお仕事してたの

というのも俺ケーキ屋さんでバイトしててさ

行事があればツンデレを呼んで看板娘してもらう訳

それでクリスマスよ

俺はトナカイの着ぐるみで客引きするのね

ツンデレにはもちろんサンタさんの恰好をお願いするの

最初は嫌がってたけど今じゃ喜々として着てくれて助かるよ

お店の方もかわいいサンタさんが客引きしたとなりゃケーキも売れまくりでさ、ツンデレの営業スマイル天地を貫く

でも顔には出さなくても薄着で外は寒いからさ、休憩の時はストーブの前陣取って丸くなるの

そして休憩明け、からっ風にまかれたツンデレは身を縮めてさ

逆に俺はモコモコで暑いくらいなんで後ろからギュッて抱いてあったかいようにしたの

そしたら運よくツンデレの友達がケーキ買いに来てくれてさ

ツンデレったら友達見た途端、放せー、って大暴れ

今更恥ずかしがっちゃって、せっかくなんで皆にツンデレの可愛い姿記念撮影してもらったの、って話
04032/2
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2015/12/19(土) 17:22:12.780
クリスマスでさ

私は例年通りアイツとお仕事してたの

というのもアイツケーキ屋さんで働いててさ

私もたまに呼び出されてお店手伝わされる訳

それでクリスマスよ

私はいつものサンタさんの服着せられるの

最初は抵抗あったけど慣れるとかわいい服でさ

アイツの方はブサイクなトナカイの恰好、色々とお似合いよね

お店の方も流行っててお客さんひっきりなしでさ、忙しい忙しい

でもこの寒い時期に薄着はきつくて休憩となれば暖房にダッシュ

そうすると休憩終わりが嫌でさ、北風にふかれた時なんか帰りたくなるよね

そしたらアイツとち狂って公衆の面前であすなろ抱き

しかも運悪く友達に現場押さえられてさ

抵抗むなしくアイツにめっちゃ愛でられて友達に写真撮られまくってさ

その時の画像が流出して、トナカイに犯されるサンタさんがテレビで全国放送されちまった、って話
0406ほんわか名無しさん
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2015/12/23(水) 09:56:39.310
ツンデレ幼馴染にお前今年のクリスマスも彼氏いねーのなって言ったら小声でなんかボソボソ呟くわけだけれど俺には聞こえないわけじゃん?
だから聞き返したら赤くなるわけじゃん?
暖房下げようかって聞いてその後思いっきりぶん殴られたいと思います
0407ほんわか名無しさん
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2015/12/28(月) 21:09:36.230
委員長ツンデレが隠れ巨乳なのは譲れない
0408ほんわか名無しさん
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2015/12/30(水) 01:04:22.060
友ちゃんを膝に乗せてすりすりしていたら一日が終わってしまった
04101/3
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2015/12/30(水) 16:18:31.990
・ツンデレのことを雨女だってからかったら〜その12〜

「さてと。もうほとんど降り止んだし。行くか」
『行くって、どこに?』
 ほぼ分かりきったことだけど、あたしは敢えて聞いてみた。
「さすがに器具も濡れてるし地面もグチャグチャだし、このまま続けるのは無理だろ。体
も冷えてるし、戻ってシャワー浴びて、着替えようぜ」
『……うん。そうだよね』
 これで、別府とのデートも終わりか。分かってはいたけれど、こんな形の終わりなんて
残念でならない。あたしは聞こえないように、一つため息をついた。
「着替えたらさ。まだ時間も早いし、フラワーガーデンでも行こうぜ。同じ園内にあるん
だけどさ。まあ、椎水が花に興味があったら、だけど」
『失礼ね。あたしだって女の子だもん。キレイな花だってそりゃ見たいわよ』
 とっさに文句を言ってから、あたしはハッと気付いた。別府もあたしと同じで、まだこ
のデートを終わらせたくないって思ってたことに。
「なら、良かった。そしたら、後は地元に戻ってさ。どっかで甘いものでも食べて、反省
会やろうか。明日、クラスの連中にどう報告するかってのも、打ち合わせ詰めたいし」
『うん。賛成。運動した後だもん。絶対糖分必要になるから』
 嬉しい。その気持ちが素直に表情に出て、あたしは笑顔でうなずく。それでもやっぱり
終わりが見えるのが寂しい。その気持ちに気付いた時、あたしは決めた。寂しいなら、次
に続ければいい。そうすればまた、楽しみが出来る。
「じゃ、行くか。足元、気をつけろよ。ぬかるんでるからな」
 別府が先に立ってあずま屋を出る。それを追って、早歩きの別府に並んで歩きつつ、あ
たしは勇気を出して、決心したことを口にする。
『あのさ、別府。今度は……その……どこにしようか?』
「……は?」
 別府の足が止まる。驚くその顔が恥ずかしくて、あたしはうつむきつつ、頑張って言葉を紡ぐ。
『えっと、その……だってさ。別府には、証明出来てないでしょ? 今日はその、雨が降っ
ちゃったから、みんなには適当にごまかせても、別府はここにいたわけだし…… そうす
るとさ。その……もう一回……必要かなって……』
04112/3
垢版 |
2015/12/30(水) 16:19:42.840
 口に出せばスッキリすると思ったのに、口に出した後の方が恥ずかしいなんて、こんな
のドキドキが過ぎて辛い。別府の顔も見えないまま、あたしはしばらく無言の時間に耐えた。
「……ってことはさ。やっぱ、屋外ってことだよな? 映画やショッピングとかじゃなくて」
 あたしはコクッと大きくうなずく。こういう質問をするってことは、別府も前向きに考
えてくれているのかも。そう思うと、ドキドキは続いていたが、不安は一気に下がった。
「……椎水は、何か考えてないのか? そう提案するってことはさ。行きたいところがあ
るんじゃないのか? それなら俺は、そっちを優先するけど」
 逆質問みたいな形だったが、まさに別府の言うとおりだったので、あたしは勢い込んで答えた。
『あたしは、次行くなら遊園地がいいなって。夏だし、プールメインのところで』
 さっき、追いつくまでの短い時間で妄想してたけど、スライダーで二人で一緒に滑った
りとか、流れるプールで別府の乗ったボートをひっくり返したりとか、楽しすぎるなと思っ
ていたのだ。もっともあたしは、肝心なことを忘れていたのを別府の次の言葉で思い出さ
せられた。
「……ってことは、椎水の水着姿が見れるってことか?」
『はっ!!』
 とっさにあたしは胸を腕で覆い、体を横にくねらせて視線を避けるようなポーズを取っ
てしまう。
『ちょっ……ままま、待ちなさいよ!! エッチな想像するの禁止!!』
 そうだった。プールに行くという事は、お互いかなり素肌を出し合うわけで、となると
別府にそういう目線で見られてしまうことになる。嫌じゃないけど、想像するだけでかな
り恥ずかしい。
「いや。エッチっちゃあエッチだけどさ。人前に見せる姿なんだし、健全なほうだと思う
けどな……」
『そりゃ確かにその通りだけど、でも絶対その妄想は健全じゃないと思う……』
 別府の言い訳を退けるあたしの主張は、徐々にトーンが低くなった。よくよく考えてみ
れば、別府をプールに誘っておきながら水着姿の妄想もされないなんて、そっちの方がよっ
ぽどショックだ。
「いや。そんな普通にどんな水着かなって想像しただけだし。今の一瞬でいくらなんでも
そこまで妄想加速出来ないから」
04123/3
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2015/12/30(水) 16:20:40.340
 あたしは唇を尖らせ、ジトーッと別府をにらみ付けた。あんまり別府を困らせるのもか
わいそうだし、後になってちょっと自意識過剰に思われたりしたらちょっとイヤだったか
ら、あたしは一つ荒く鼻息をつくと注文を付けた。
『分かったわよ。今は納得してあげるけど、実際にその……お尻とか胸とか、ジロジロ見
たらダメだからね』
「しない。しないって。約束するからさ」
 まあ、実際にはさりげなく視線を送ってくるくらいのことはしてもらいたいな、なんて
思ってもいるわけだけど、そんなことおくびにも出すわけにはいかない。
『じゃあ、今度こそ絶対雨の降らない日を選んでスケジュール組むから。もう、絶対別府
に雨女だなんて思われないようにね』
 あたしは、挑戦するかのように別府に向けて拳をぐっと突き出す。
「ああ。俺ももう、夕立とかマジ勘弁だからな。頼むぜ」
 別府が拳を出して、あたしの拳に合わせた。
『よし。それじゃ、行きましょ。汗掻いた後に雨に濡れてるから、体が変にベタついちゃっ
てるのよ。早くシャワー浴びて、着替えてスッキリしたいし』
「だな。まだ、今日だって終わりじゃないんだし。グズグズして時間を無駄にもしたくないしな」
『うんっ♪』
 そうなのだ。今日だって、これからフラワーガーデンで一緒に花を見て、帰りにお茶し
ながら反省会してと、デートはまだまだ続くのだ。雲ももはや随分と切れて、もう一度降
られることもなさそうだし。そして、今日が終わっても、また次がある。その時楽しかっ
たら、また次を作ればいい。そう考えると嬉しくなり、あたしは上機嫌で、別府と並んで
歩き出したのだった。


以上です。
0413ほんわか名無しさん
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2015/12/30(水) 16:27:50.630
乙です!いつも投下お疲れ様です!あなたの書かれるかなみさんが大好きなので来年もよろしくお願いします!
0414ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/01/01(金) 01:49:22.610
明けましておめでとうございます。
0415ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/01/01(金) 13:52:04.010
お題

・振袖をきたメイドさんと初詣

・御神酒で酔ったメイドさんとの帰り道
0416ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/01/03(日) 02:56:45.550
巨乳ツンデレと爆乳ツンデレで鏡もちを再現したい
0417ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/01/05(火) 02:19:23.230
予想外に暑い冬の気温で蒸れたツンデレの腋をクンカクンカペロペロしたい
0421ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/01/05(火) 18:48:06.560
お題:レーシングラクーンツンデレ
タカシとレースして勝ったら好き放題!
ちなみんがヤる気満々のようです。
性的な意味で
0425ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/01/10(日) 22:24:54.480
お題

・ツンデレへのプレゼントが電車の中で取り違えられて、渡すはずだったネックレスが犬用の首輪になってしまったら

・年末年始に働き通しだったせいで、新年早々授業中に寝てしまうも、日頃の素行の良さのおかげで
寝かせたまま時は過ぎるが、次の時限は体育なので、タカシが起こしに行くと寝ぼけているメイドさんは
「あっ…申し訳ありませんタカシ様…、いま朝食の用意を……」と言ったところで意識がハッキリとし
慌てて取り繕うも、友子を始めとした女子からの質問責めにタジタジのメイドさんと、男子からの殺意を一身に受けるタカシ
タカシの家でメイドとして働いてることを言えるわけが無いので、結局年末にタカシと付き合うことになり
年末年始にメイドさんのコスプレでイチャイチャしてたので、つい寝ぼけて学校で『タカシ様』と言ってしまった
との言い訳でなんとかその場を凌いだものの、付き合っていると言ったことが、学校は勿論、街中にまで広がっていき
数日後には、ニッコニコしながら孫を可愛がる練習を始めるタカシの両親に頭を抱えるメイドツンデレ
0427・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その19 1/6
垢版 |
2016/01/11(月) 19:28:07.510
「へ……?」
 キョトンとした顔。鳩が豆鉄砲を食らったとはこんな顔なのだろうかと思うようなポ
カンとした様子の別府君を相手に、私はさらに質問を重ねる。
『私と一緒で楽しかった? 有意義な時間が過ごせたと思う? 初めてのデートってこ
んなので良かったの?』
 立て続けの問いに、別府君はすっかり押されて言葉を失ってしまっていた。しかし私
は視線を逸らさず睨むように真っ直ぐ強く彼を見つめながら要求した。
『答えて』
 そのままジッと、彼の答えを待つ。無意識のうちに体を彼に寄せた。その時、地面に
突いた手が彼の手と重なるが、私は気にしなかった。
「ちょ、ちょっと待って」
 空いたもう片方の手で私を制すると、別府君はややうつむき加減に視線を彷徨わせ、
若干自信のない様子を見せて言った。
「それってさ。えーと……俺から会長に聞くべき事だと思うんだけど。何つーか…… エ
スコートしたのは俺なんだし」
『それ以前に、このデートはカラオケで歌を教えてくれた貴方へのお礼なの。だから、
どういう楽しみ方かはともかく、別府君が楽しんだかどうかっていうのが重要なの』
 別府君がちょっと驚いた顔を見せた。恐らく私がこんなにもムキになって主張するこ
とが珍しいのだろう。私は頑固で自分の意見を易々と曲げる方ではないから主張を強く
通すことは珍しくないが、こんな風に感情を表に出してまで、というのはまずない。大
抵が理屈で通ってしまうからだ。
「……俺は……まあ、会長が楽しめればいいかなって、そう思ってたから」
『それじゃダメなのよ』
 彼の言葉を、私はバッサリと切って捨てた。
『私を楽しませることがデートだなんて、それじゃお礼でも何でもないじゃない。むし
ろ恩を受けた相手にまた恩を貰うような結果だわ。それじゃあ』
 感情がこもるあまり、私は別府君の手に重ねた手を強く握っていた。
「それじゃあ、会長は今日、楽しめたのか? 俺のエスコートで」
 一瞬、別府君の顔が期待の色を見せる。しかし私はそれをあっさりと打ち砕いた。
『そんな訳ないでしょう。バカ』
0428・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その19 2/6
垢版 |
2016/01/11(月) 19:28:57.020
 手厳しい言葉に別府君が呆然とした顔をする。それがみるみるうちに落ち込んだ様子
になり、私の顔を正視出来ずにうつむいてしまった。
「……だよな…… やっぱり……そうだよな…… 何か、俺をイジッてる時以外で楽し
そうな顔、見せてなかったもんな。両生類とか見てる時だって、却って俺が邪魔みたい
だったし……」
 弱音を吐く別府君に、私は苛立ちが募るのを感じた。どうにも私の気持ちが伝わって
いない。これじゃあすれ違うのも当然だと。
『何言ってるのよ。ちゃんと私を見なさい』
 左手で彼の頬に触れ、持ち上げるように私の顔へと強引に向けさせる。
『貴方のエスコートが悪かったって言ってるんじゃないわ。ずっと貴方が私の顔色を伺っ
て一生懸命なのは分かってたわよ。だけど、それが違うって言ってるの』
「えっと…… ゴメン。会長が何を言ってるのか、よく分からない」
 何というか、伝わらないもどかしさに私はつい、別府君の頬を思いっきり指でつまん
でしまった。
「いつっ!! いててててっ!!」
『だから、根本から間違ってたのよ。私は貴方に楽しんでもらわないとお礼にならない
と思っていたのに、貴方が私を楽しませることばかり考えていたらかみ合わないのは当
然よ。大失敗だわこんなの』
「あいたっ!!」
 憤って引っ張るように離すと別府君が悲鳴を上げる。頬をさすりつつ、別府君が目を
しばたかせた。
「いってぇ…… だからってつねることないと思うんだけど……」
『今のは勢いあまってついやっちゃっただけよ。謝れというなら謝るわ』
 別府君の抗議を素っ気無く流すと、彼も気を殺がれたのかそれ以上その件については
言わなかった。
「じゃあ、どうすれば今日のデートは成功だったんだよ? 会長的に言えば」
 私は難しい顔で考えた。
0429・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その19 3/6
垢版 |
2016/01/11(月) 19:29:28.260
『……そうね。そもそも、貴方にエスコートさせること自体が間違いだったのよ。うう
ん。いいとかダメとかじゃなくて、私が別府君を楽しませるために色々とやらなくちゃ
いけなかったんだわ』
「うーん…… でも、男としてはさ。やっぱりデートする時は、女の子の喜ぶところに
連れて行って、楽しんでもらいたいってのが一番にあるわけで……」
『男だとか女だとか、そういうくだらない価値観は捨てなさいよ』
 気持ちは分からなくもないが、私はそういうのは違うと思う。デートに関して言えば、
何も女の子の趣味ばかりを優先させる必要は全くないはずだ。互いが好き同士なら。
「ゴメン。何ていうかさ。もう少しモテる奴だったら、女の子にチヤホヤされてあちこ
ちデートに誘われるのも分かるんだけどさ。俺みたいに女にずっと縁がなかったりする
と、自分から誘うことばかりしか考えてなかったから、どうにもイメージ付かなくて……」
 何故か落ち込む別府君の目の前で私はため息をついた。気持ちは分からなくもないが、
こうにも男子として自信なさげな様子を見せられると、こっちとしても情けない気分に
なって来る。
『別にいいわ。貴方がイメージ出来なくたって関係ないもの。要は私が、キチンとやっ
てみせればいいだけの話だから』
「え?」
 別府君が驚いたように呟いて顔を上げた。もしかしたら幻滅されたとでも思っていた
のだろうか? そんな事はあり得ないのに。むしろ、間違っていたのは私なのに。だか
ら私は、それが伝わるようにと強い口調で彼に訴えかけた。
『だから、お願い。リベンジさせて』
 間近で彼を見つめて、私は返事を待つ。しかし別府君は驚いたような呆然としたよう
なその中間の何とも言えない表情で私を見ていたが、自分から何か言わないことには話
が先に進まないのに気付いたのか、ようやく口を開く。しかしそれは、私の期待とは程
遠いものだった。
「いやその……リベンジって言われても…… 何をするって言うんだよ?」
『ハァーッ……』
 私は思わずうつむいて深くため息をついてしまった。やっぱりどうにも、この件に関
しては私と別府君のデートに対する考えの溝は埋まらないらしい。
0430・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その19 4/6
垢版 |
2016/01/11(月) 19:29:54.360
『だから、デートのやり直しよ。今度は貴方に気を遣わせたりなんて絶対しないわ。別
府君が望む最高のデートを演出してあげる』
「いや。最高のって…… マジで?」
 私はコクリと頷いた。
『当然でしょ。今日のでむしろ、借りは大きくなっただけだもの。私が出来たことは、
辛うじて自分の分を自分で支払っただけでしかないわ。私の興味のある場所に連れて来
てもらって、私が楽しんだだけじゃない。それじゃ納得出来ないわ』
「いや。でも…… いいのかよ? つーか、出来るのか? 恋人同士でもないのに」
 確認する別府君の最後の一言が、私を狼狽させた。
『こっ……!! 恋人同士って…… べ、別府君って、そういうのを望んでいるの? も
しかして……』
 何とかして気持ちを平常心に戻そうと、私は意識して息を吸ったり吐いたりを規則正
しく繰り返す。もちろん、別府君には気付かれないよう静かにだが。
「あああああ、いやその…… そこまではもちろん要求はしないっていうか…… で、
でもさ。えーとやっぱり……男としては、多少のスキンシップは欲しいって言うか……
その、今みたいな感じで……」
『今?』
 私は怪訝に思って聞き返した。今、私が何か別府君とスキンシップなんてしているだ
ろうか? すると別府君は、視線を下に落として答えた。
「えーと…… やっぱり無意識だよな。さっきから俺の手に重ねて来てるのって。つー
か、単にコンクリートより置き心地がいいってだけだよな。多分」
 地面に置いた私の手の下にあるものがわずかに動く。それで私は自分が別府君の手の
上から重ねて軽く握っていることを意識した。
『……こんな程度でも、スキンシップって言うの?』
 私の疑問に、別府君は大いに頷いた。
「そりゃまあ、会長に……女の子に手を握ってもらえるなんて、男からしてみたら幸せ
だしドキドキするぞ。俺もさっきから意識しっぱなしだったし」
 私は重ねた手を見て、それから別府君の顔に視線を戻す。日の光の当たり方のせいか、
別府君の顔が赤くなっているかどうかは分からなかった。しかしまともに私の顔を見て
いないのは、やはり照れてくれているからなのだろうかとも期待してしまう。
0431・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その19 5/6
垢版 |
2016/01/11(月) 19:30:51.340
『……それじゃあ、腕を組んだり肩を抱いたりすればいいのかしら? 私がそうして、
喜んでもらえるだけの価値はあるの?』
 正直な話、秀美ちゃんやら聖花やらクラスの女子とかからモテるだの美人だのと誉め
そやされても私自身は一度も告白されたこともないので、果たして言われているほどの
価値が自分にあるのかはさっぱり実感が持てていなかった。高嶺の花過ぎて近寄れない
だとか、別府君のせいだとか言われても、本気で私を好きになるだけの魅力があるなら、
そんな垣根、乗り越えて来るんじゃないかと思うのだけれど。
「そりゃまあ、会長なら十分だろ。正直、俺が会長とのデート権を売ったら、どれほど
の高値が付くか分からないのに、スキンシップ付きとなったらもう天井知らずだろ」
『冗談じゃないわ。貴方だからそこまで許しているのに、他の男子なんて絶対そんな事
しないわよ』
 咄嗟に言葉が口から突いて出る。そして、別府君が口を半開きにしたまま呆然と私を
見ているのに気付き、自分の言葉を反芻してみて、私は自分がどれだけ危険な言葉を口
にしたのかに気がつき慌てて訂正した。
『も、もちろんその……カラオケを教えてくれたお礼だからっていう意味よ。何もなけ
れば、貴方になんてもっとしないわよ。そんなデート』
「いや。まあ今のは例え話だからさ。会長が自分とのデートに価値があるのか疑問っぽ
かったから。もちろん俺だってそんな権利売る訳ないし」
 どうやら別府君は生真面目に私の補足を真に受けてくれたようだ。今はそれで助かる。
『当たり前よ。私は売り物じゃないんだから。今度は例え話でもそんな事口にしたら許
さないからね』
 キッと睨みつけると、別府君も了解したとばかりに無言で肩をすくめた。
「それにしても、いくら俺へのお礼だからって、本当にそんな恋人同士がするようなデー
ト出来るのか? 会長が」
 私の一言が逆に彼を不安にさせたのだろうか? いや。もしかしたら挑発なのかも知
れないと、私は別府君の問いを色々と勘ぐりつつ強気で答えた。
『当たり前よ。私はやると言ったら絶対にやるわ。貴方にそんな事を心配されなくても
ね。それとも私をバカにしているわけ?』
0432・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その19 6/6
垢版 |
2016/01/11(月) 19:31:48.580
「い、いやその……バカにしてるとかそんなつもりはないけどさ。ただ……何ていうの
かな。俺なんかを相手に……いや。もちろんお礼だからってのは十分分かってるけど、
何かいざとなったら嫌悪感の方が先立つんじゃね、とか……」
 戸惑いの色を隠せない別府君に、私はもう少し自分に自信を持ってもいいんじゃない
かなと、いささか呆れる思いで見つめていた。もっとも、その自信を無くさせているの
は私の普段の言葉なのかも知れないけれど。そもそも嫌だったら、さっき指摘された時
点で重ねた手だって離している。
『だったら、試してみようかしら』


続く
といっても実はあと1回だった件
0438ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/01/22(金) 06:26:56.490
毎年冬は冷えた手を山田に温めてもらってるから、それにすっかり慣れちゃって手が冷たくなったら
「温めなさい!」
て言って手を突き出すようになった友ちゃんかわいい
0440・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その20 1/5
垢版 |
2016/01/23(土) 18:53:37.240
 煮え切らない彼に態度を決めさせようと、私は決意した。
「試してみるって…… 何を?」
 聞き返してはいるものの、別府君の表情を察するにある程度推測はついているらしい。
ただ、半信半疑なだけで。
『決まっているでしょう? 私が、言葉通りのことを本当にやれるかどうか、みせてあげるわ』
「みせてあげるわ……って……今、ここでか?」
 当惑する別府君に、頷いて意思を示す。
『ええ。おあつらえ向きに、付近には誰もいないわ。通りから誰か見かけたとしても、
それこそカップルがいちゃついてるだけだと思って気にもしないわよ』
「いや、それ。俺と恋人同士だって誤解されて、会長は何も思わないのかよ?」
『知らない人が私達の関係をどう思おうが、関係ないもの。ほら。もうちょっと傍に寄って』
 別府君の手に重ねて地面に置いていた手を離すと、私はその手を彼の体に回した。自
分の体を横に傾けてそのまま腰を引き寄せる。このまま別府君が自分から寄って来るの
を待っていたら、また無駄な時間を使ってしまいそうだった。
「こ……このくらいか?」
 私の手に誘われるように彼が体をずらす。しかしその距離では満足せず、私は首を振る。
『まだ寄れるでしょう? このくらいまで』
 今度は私から、体を彼に寄せる。互いの肩や腰、太ももがぴったりと触れ合うくらいまで。
「ちょっ……!? こ……ここまで?」
 驚いた声を上げるので、私は横目で別府君を睨み付けた。
『何? 私と体を触れ合わせるのは嫌なのかしら?』
「いいいいい……いや、その……イヤじゃないっ!! てか……嬉しいです……けど……」
 変な敬語が混じるのが彼の緊張を物語っていて、私は満足した。どうやら、最低限の
緊張とか動揺はしてくれているみたいだ。
『全く…… 私から誘っているんだから、自分からこの程度のことはして欲しいものだ
わ。甲斐性なしさん』
「わ……わりぃ……」
 右腕を腰に回しているので、別府君が体を硬くしているのが良くわかる。リベンジの
日までにはもうちょっとリラックスして貰いたいものだと思う。
『肩……抱いて』
0441・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その20 2/5
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2016/01/23(土) 18:54:19.980
「へっ?」
 私の要求に、すぐ耳元で別府君の驚いた声が聞こえる。すぐ間近に彼の顔がある事を
意識して心臓がドキリとしたが、努めて冷静に、私はもう一度繰り返した。
『聞こえなかったの? 肩を抱いてって言ってるの。それとも、そこまではしたくない
のかしら?』
「いやっ……その…… それじゃあ、失礼して……」
 私の背中に別府君の腕が回る。肩に手が乗り、そっと力がこもる。もう少し強くても
良かったけれど、これ以上望むのは止めにして私は深く吐息をつく。
「えっと……どうかした?」
 私の吐息を訝しんで彼が聞いてくる。
『気にしないで。特に貴方にどうこうって訳じゃないから』
 深く呼吸してみると良く分かる。自分もかなり体に力が入っていたことに。一つ、呼
吸を繰り返すたびに力を抜くよう意識した。そして、ある程度緊張をほぐしたのを確認
して、私は頭を傾けると彼の肩に預けた。
『どう? このくらいの事なら、造作もないわよ』
 これはかなり強がった発言だった。力は抜けたとはいえ、心臓はかなり激しい鼓動を
繰り返しているし、体だってかなり熱を帯びている。別府君に指摘された時は、人と人
が触れ合えば自然とこうなるものだとごまかすつもりだった。
「えっと…… そりゃ、出来ることは出来るんだろうけどさ……無理とかしてない?
内心、結構イヤだったりとか」
『別に。体を触れ合わせることくらい、大したことじゃないわよ。特別何かを失うわけ
でもないのに』
 別府君が心配しているのは嫌悪感なのだろうけど、私はむしろ高揚感が気付かれない
かどうか、そっちの方が心配だった。
「うーん…… 何とも思われないってのも……それはそれで微妙な気分だよな」
 私の顔を見ながら、彼が苦笑する。上目遣いに彼の顔を見つめると、あまりの近さに
吸い込まれそうになる。もっと近づけたら、別府君はどんな表情をするのだろう。いっ
そ、このままくっつくまで顔を近づけたい。唇と唇が触れ合うまで。
0442・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その20 3/5
垢版 |
2016/01/23(土) 18:54:45.330
 そこまで考えて、私は慌てて目線を逸らした。自分達はまだ恋人同士ですらないのに、
何を考えているのだろう。それはある意味、強奪に等しい。別府君にはまだ他の女の子
を選ぶ権利はいくらでもあるのに。もっとも選択肢は少ないと思うけれど。
「会長?」
 考え事に没頭しているのを訝しんで、別府君が様子を伺うように呼んで来た。その声
で私は我に返る。そして自分の欲望を振り払おうと、あえて暴言を吐いた。
『ごめんなさい。悪いけど、離す時はこっちを見ないでくれる? この距離だと、直接
鼻に臭い息が当たるのよ』
「うぐっ!?」
 ばつの悪そうなうめき声を上げて、別府君が顔を逸らした。そして、肩を抱く手に力
を込めつつ、前を向いたまま横目で私を睨むように見る。
「……あのさ。せっかく体張って俺を満足させようとしてくれてるのに悪いけどさ。そ
ういう言葉は百年の恋も冷めさせるぞ」
『あら? むしろ付き合いが深ければ深いほど、お互いの欠点は率直に言い合うもので
しょう? もっとも、これでも私は遠慮しようと悩んだのよ』
「黙ってたのってそれかよ!! つーか、耐え切れないほど臭かったのか? そんな事
ないと思うけどな。朝はしっかり歯磨きして来たし」
『半日も経てば効果なんてなくなるわよ。最低限、お昼の後くらい口臭予防しなさい。
私はちゃんとしているわよ』
 文句を言いつつ、私は腰の肉を手でつかみうにうにと弄ぶ。意外と皮下脂肪が少ない
のは好印象だ。
「分かった。悪かったから肉体攻撃は止めてくれ。地味に痛いし」
 諦めて降参したので、私も掴むのは止めることにした。
『別府君の次のデートまでの課題はそれね。私にこうさせることへの罪悪感を感じるの
なら、もっと男を磨きなさい。最低限、口臭予防くらいは』
 そう言いつつも、私は内心ひそかに言葉を付け足す。それでも、キスが嫌になるほど
じゃないけれどね、と。
「分かったよ。ただ、会長と釣り合うまで磨き上げることは絶対無理だからな。過度に
期待するなよ」
0443・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その20 4/5
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2016/01/23(土) 18:55:13.210
『しないわよ。もともとがもともとだもの。それに、釣り合う釣り合わないって第三者
が決めることだから、それは知ったことではないわ』
 私は実は褒め言葉のつもりで言ったのだが、予想通り別府君は悪く取ったようで、わ
ずかに顔をしかめたのが横顔から見て取れた。こういう言葉遊びが楽しくて、私はわず
かに口を綻ばせる。
「……分かった。会長の主観の方がむしろ厳しそうだけど、頑張るわ……」
『安心して。まるで期待してないから』
 既に十分なのだから、とこれも口には出さない。別府君はそれには答えず、ただため
息だけが返ってきた。
「……でさ。今日はいつまでこのままでいていいんだ? 会長が出来るってのは十分証
明出来たとは思うんだけど」
 別府君が自分から離れたがるようなことを言い出したので、私は驚いて彼を見つめた。
横顔だからはっきりとは窺えないけれど、その様子から私から切り出されるのを恐れて
の発言だと感じて少しホッとする。恐らく、手厳しく突っぱねられることを警戒したのだろう。
『……そうね。もう少し、休んでいたいかも』
 あえて、そっと目を閉じて彼に体を委ねるようにする。
『帰らなくちゃいけない時間になったら教えて。何気に貴方、枕としては優秀だわ。電
車なんかで横に置いときたい感じ』
「チェッ。枕かよ」
 舌打ちして文句を言うが、彼の口調から不満そうな感じはなかった。むしろ楽しんで
いる風にすら思える。
『ええ。風も気持ちいいし…… しばらく黙ってて。声はうっとうしいから』
「はいはい。じゃあ俺も大人しく、恋人気分を楽しませてもらうとするよ」
『この程度で満足しないでよね。これはまだお試しなんだから』
 うっかり言った言葉がどれほど大胆だったか、彼の体が驚きで跳ねるのを感じて気付
く。そして私は、慌てて付け足した。
『あ、あくまで時間的な意味で、だからね。本気の恋人みたいなことまでするわけじゃ
ないんだから』
0444・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その20 5/5
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2016/01/23(土) 18:58:13.150
「わ、分かってるよ。ただその……言葉だけで興奮したっつーか…… と、とにかく、
誤解はしてないから」
『フン。言葉だけでとか、やっぱり貴方って変態だわ』
 罵り言葉とは裏腹に、私はよりいっそう別府君に体を預けると、つかの間の恋人気分
を満喫したのだった。


以上でデート編終了です。
だらだらと4年以上も掛けてしまい、失礼しました。
04501/6
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2016/01/31(日) 11:28:54.250
・ツンデレににわか知識を披露してみたら

「あけましておめでとう!! カナタ君っ!!」
『……年明けた瞬間にこれかよ。年越しくらい静かに過ごさせてくれっての』
「もう。年明け早々からこんな可愛い女の子に訪問される男子なんてそんなにいないんだ
からね。そんな迷惑そうな顔してたらバチがあたるよ。自分の幸運に感謝しないと」
『自分のことを自分で可愛いとか、新年よりおめでたい頭だな。とにかく、寒いからドア
閉めろ。出来れば、お前は入ってこずに』
「何で締め出そうとするの? せっかくお正月の挨拶に来たのに」
『迷惑だから』
「そんなあっ!! お正月早々ひどいよ!! で、でも私は知ってるもん。カナタ君って
ば、それが本当は照れ隠しだっていうことを」
『お前な。いつも言ってるけど、そうやって何でも自分の都合のいいように解釈するの、
やめろよな。あとうるさいから静かにしろ。親父、もう寝てるんだから』
「ううううう…… だってだって、カナタ君の私に対する扱いがひど過ぎて、そうやって
考えでもしないと生きていけない……」
『いっそ俺離れするっていう手段もあるけどな。どうだ。大学入ってそろそろ一年にもな
るんだし、男の一人や二人作っても。それなりに見てくれは悪くないんだし、お前でもい
いから付き合うっていう奇特な男も中にはいるだろ』
「私にはカナタ君がいるから、他の男の子はいりません。ノーサンキューです」
『全く…… 今年で成人だってのに、全然変わんないよな。もう少し大人の女性になろう
とか、そういう努力はなしかよ』
「それなりに努力してるってば。お料理だとか、オシャレだとか」
『それは大学でやらされてたり、友達の影響受けてやってることだろ。自分なりのこう……
なんていうか、精神的に変わろうとかないのかよ。こんな深夜に無防備に男の部屋に入ら
ないようにしようとかさ』
「カナタ君なら大丈夫だもん。私はカナタ君に身も心も捧げてるからね」
『しれっとそういうこというの止めろ!! 体が痒くなる』
「あー。ダメだよ、カナタ君。深夜にそんな大声出しちゃ、近所迷惑だよ。カナタ君も今
年はお酒飲める年になるんだし、もうちょっと精神的に大人にならなきゃね」
04512/6
垢版 |
2016/01/31(日) 11:29:35.420
『テメー…… 人にわざと大声出させるようなこと言っておきながら、得意げにそういう
態度取るか。なら分かった。そう言われたからには、俺も大人な対応取るわ』
「あれ? どうしたの? スマホなんて取り出して。それと大人な対応ってどんな関係が
あるの?」
『いや。ちょっと警察に電話な。変な女にずっとつきまとわれて困ってるんですって相談
しようかなと』
「ひどい!! まさかのストーカー扱いだよ!! いくらカナタ君でもそれはないよ!!」
『だったらもう少し自重しろ。少なくとも、こんな真夜中に男の部屋に押しかけるのはや
めろ。ハッキリ言えば迷惑だ』
「お、押しかけたんじゃないもん!! ここに来たのはちゃんとした健全な目的があって
ですね。別にカナタ君の寝込みを襲ってあーだこーだとしようとしたわけじゃなくて……」
『いや。勝手に俺の部屋来てる段階で押しかけてることになるんだが。まずお前は日本語
がそもそも弱いんだから、そこを何とかしろ』
「カナタ君のお母さんにはちゃんと招き入れてもらったし…… でね、でね。それはいい
の。それよりも、そう。ここに来たのはね、カナタ君を初詣に誘おうと思って」
『へえ。珍しいな。お前からそんなこと言い出すなんて』
「へ? 何で? お正月なんだよ。初詣行くのって、自然なことじゃない?」
『だって、高校の時は夜中の初詣なんて寒いし起きてられないから無理って言ってなかっ
たっけ? ほら。クラスの連中で行こうかって話になったじゃん』
「だって今年は暖冬だし、それにカナタ君と二人っきりなら気合の入り方も違うもん。み
んなが一緒だと、カナタ君全然私の相手してくれないからつまらないし」
『じゃあ今回は俺が言ってやるよ。眠いし孝美の相手するの大変だからヤダ』
「ひど過ぎる!! でも行くんだよね? ね? だって高校の時だってみんなから年頭の
行事を何だと思ってるんだって散々文句言われて結局私も参加させられたもん。だからカ
ナタ君も行くの」
『ちっ…… しょうがねえな。別にお前の言葉に乗せられたわけじゃないけど、行くか』
「え? ホントに? うそ。やったあ!!」
『何だよ? その、うそって。もしかして俺が行くとか思わずに誘ってたのか?』
04523/6
垢版 |
2016/01/31(日) 11:30:13.810
「や、やだなぁ。そんなことないけどさ。カナタ君のことだし、私と行くのだともうちょっ
とゴネるかなーって……」
『だってどうせ、俺が行くって言い出すまでこの部屋から出ない気なんだろ? お前に居
座られるのも困るし、それにまあ、どのみち地元の神様にお参りくらいしといた方がいい
かなって』
「何かちょっと理由が微妙だけど、とりあえずカナタ君と初詣っていう最初のイベントは
叶った。うん。今年は何かいいことがありそう」
『願わくば、これがお前と絡む今年最初で最後のイベントにしたいけどな』
「そうは行かないもん。今年はカナタ君といーっぱいデートして、いっぱい遊んで、そし
てちょっと大人の階段を登れますようにって神様にお願いするんだもん」
『神様。この強欲な奴に天罰が当たりますように……』


「ううう…… やっと着いた……」
『何でそんな疲れたような顔してんだよ。まだお参りはこれからだろが。別に大した距離
歩いたわけでもないし、確かに普段よりは人が出てるけど、混雑ってほどでもないだろ』
「カナタ君はなんともなかったの? この甘い誘惑の匂い。焼きそば、たこ焼き、ケバブ
にクレープ。肉まんにじゃがバター。どうしてカナタ君が平気な顔していられるのかわか
らないよ」
『そういや、お前全然騒がなかったな。前にクラスの連中と来た時は、あれ食べよ、これ
食べよってうるさかったのに』
「……さすがに私も夜12時過ぎてからの高カロリーなフードは危険だという事を認識した
のです……」
『太ったか。そういえば高校の時はもっとシュッとしてたかもな』
「失礼な。見た目はまだ大丈夫だもん。服のサイズだって変わってないもん。ただちょっ
と体重計のメモリが二つばかり右にずれただけだもん」
『メモリとか、どんだけ古い体重計使ってんだよ。今時、どんな安いのだってデジタルの
体脂肪計つきとかじゃねーのか?』
「イ、イメージで言ってるだけで、ホントにそんなの使ってるわけじゃないから。ていう
か、あんまりしつこく追求しないで。いくらカナタ君でも、ホントの体重とか知られたら
泣くから」
04534/6
垢版 |
2016/01/31(日) 11:30:38.130
『その話題振ったのお前だろ。さすがに孝美相手だからってそんなところまで具体的に聞
こうなんて思わないから安心しろ』
「よかったー。カナタ君、優しいから好き!!」
 ギュムッ!!
『バカよせ。抱きつくなっての。こんな人前で誰かに見られたらどうすんだよ。地元だし、
知り合いとかいるかもしんないだろ』
「私は平気だよ。むしろ自慢しちゃうもんね。カナタ君とこんなに仲良くなれたんだよーって」
『やめろ。つか、まだ鳥居はくぐってないとはいえ、ここら辺もう神域だろ。いちゃいちゃ
し過ぎてると神様が怒るぞ』
「う。それは困るかも。カナタ君と親密になるはずが怒って天罰なんて与えられたら困っ
ちゃうし」
『だろ? ならいい加減離れろ。いくら冬だからってコート着たままの格好でベタベタさ
れたら暑っ苦しいんだよ』
「むー…… じゃあ、また後で」
『後はねえっ!! 全く、くだらねえこと言ってないでさっさと行くぞ。一通りやること
やったらさっさと帰るからな』
「えー。せっかくなんだし、このままカナタ君と二人で朝までどっかで過ごしたいなーな
んて思ってたのに」
『そこまで付き合ってられるか。大体、この辺りじゃどっかでなんて言ったって、コンビ
ニか牛丼屋しかねーだろ。そんなんだったら大人しく帰ったほうがマシだ』
「あ、待って、カナタ君」
『何だよ。いつまでも門前でだべってるほど暇じゃねーぞ。こっちは』
「そうじゃなくてね。鳥居をくぐる時は、ちゃんと一礼してからくぐるんだよ」
『は? そうなのか。何か、初めて聞いたけど』
「神社をお参りするときはそうするんだよ。結構常識なんだけどな。カナタ君、知らないんだ」
『別に周りの人見たって、みんなお辞儀なんかしてないじゃん。そんな気にするようなも
のでもないんじゃないのか?』
「なに言ってんの? 神様って怖いんだよ。ちゃんと礼を持って接しないと天罰が下るか
もしれないんだって」
『得意そうな顔しやがって。どうせネットかなんかで見たにわか知識だろ』
04545/6
垢版 |
2016/01/31(日) 11:31:07.760
「にわかじゃないもん。ちゃんと調べたんだから。あとね。鳥居をくぐるときは、真ん中
は歩いちゃダメなんだって」
『これだよ。バカがちょっと知識つけると、得意がって披露したがるんだよな。うっとう
しくでしょうがねーよ』
「むー。知らないカナタ君にバカって言われたくないもん。他にもいろんな作法があるか
らね。何でもこの孝美先生に聞いてもらっていいんだよ?」
『なにが孝美先生だ。くだらねえ。いーよ。別に教えてもらわなくたって。別に他の人だっ
て大して気にもしてないみたいだし、天罰なんて当たらないだろ』
「ノンノン。こういう時だからこそ、作法をしっかりと守ると神様だって、お? あの子
ちゃんと作法を守ってるな。よしよし。いい子だから願いを叶えてやろう、ってなるわけ
よ。そしたらもう、カナタ君とハッピーラブラブライフを送れるのよ。ヒャッホーウ!!」
『こんな場所で踊るな。アホ。つか、そしたら俺の願い叶わないじゃん。俺の願いは出来
る限り孝美と接触せずに、落ち着いた大学生活を送れますように、なのに』
「またそんなヒドいこと言っちゃって。でもね、知ってるよ。男の子って、好きな女の子
に言い寄られると、恥ずかしくて素直な気持ちになれないんだって。カナタ君も照れ隠し?
ねえ、照れ隠し? かーわいいいいたたたたたた!! 指折れる指折れる!!」
『人のことを無作法に指差してツンツン突くからだ。今度くだらねえこと言ったら本当に
指折るぞ』
「もう。女の子に暴力はダメだよ。カナタ君てば、すぐ痛いことするんだから。しかも、
ダメージの残らない痛めつけかたするところが心憎すぎる」
『お前がくだらないこと言わなきゃ、そんなことしねーよ。ただ、放置すると調子に乗る
からな。これはダメって言うのは、ちゃんと体に刻み込ませないと』
「私はペットか何かの扱いですか…… でもそれだったら、言う事聞いたときにはちゃん
とご褒美もくれないと!! ハグとか、キスとか。スキンシップも痛いことばかりじゃな
くて、たまにはそっちも欲しいよ!!」
『お前、今日何かご褒美に値することしたか?』
「したよ。カナタ君にちゃんとお参りの作法教えたじゃん。いいことなんだから、ちゃん
とご褒美ちょうだいよ」
04556/6
垢版 |
2016/01/31(日) 11:32:00.750
『そんなもん別に俺が頼んだわけじゃないし、ご褒美やる理由が分からない』
「ふぐっ…… でもでも、とっても重要なことなんだよ。他にもまだあるし、いろいろ教
えてあげるから、前借りも含めて。せめて手を繋ぐだけでもいいからお願い」
『……しょうがねーな。手を出せ』
「え? ウソ? ホントに? やたっ!! 神様。言ってみるもんですよ!!」
『まだ誰も手を繋ぐとは言ってないけどな』
「ちょっと待って…… もしかして、喜び勇んで手を出した瞬間、腕をひね上げられると
かじゃないよね……?」
『さあ? どっちを信じるかはお前次第だがな。別にいいぞ。俺はこのまま先に言っても』
「待ってカナタ君!! ううううう……」
『分かった。あと10秒な。じゅー、きゅう、はち、なな、」
「お願いします!!」
『へえ。賭けに出る方を選んだか』
「だって、カナタ君から手を繋いでもらえるかもしれないんだよ。だとしたら、こんなチャ
ンス、滅多にないのに。もし仮に痛いことされたとしても、それはいつものことだから大
丈夫だもん」
『人聞き悪いこと言うな。俺がそういうことするのは、お前が調子に乗り過ぎたときだけ
だ。ほっとくと、図に乗りすぎるからな』
「反省します。そして、謙虚な気持ちでお願いします」
『全く…… しょーがねえな……』


ちょっとだけ続くのです。
0459ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/02/09(火) 01:15:29.500
中学生の時からこのスレ見てるけど




やっぱり かつみんは俺の嫁だわ
0461ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/02/15(月) 23:43:20.150
457「ちなみんに俺の恵方巻き食べてもらいたい!」
ち「カッパ巻きの間違いではなく……?」
457「なんでだよ。めっちゃ太いし青臭くもないわ」
ち「……君は」
457「はい」
ち「私に……君自身のその恵方巻きとやらを、食べさせたいという……」
457「そりゃもうとっても」
ち「私の喉奥にそれを捻り込み……嗚咽し、むせぶ私を……愉悦の表情で睥睨したいという……」
457「へ、へーげー……?」
ち「うう……なんとおぞましい……。でも、私が拒否すれば……きっと君は、他の女性を毒牙にかけんとする……はず」
457「あの、、もしもーし?」
ち「仕方ない……。世の女性を守るためにも……ここは私が、君の恵方巻きを窒息寸前になるまで、頬張らなきゃいけないんだ……」
457「ちなみさん? ちなみさーん!?」
ち「そして……挙句の果てに……胃の腑に君の熱い情念を注ぎ込まれ……私は大地に倒れ伏すんだ……」
457「ちょっと失礼……。うわっ! すっげえ熱!! 今氷まくらと熱さまし持ってくるからな!?」
ち「そしてそして……ブツブツ……ぶつぶつ……」
 今年もインフルの季節だ! 皆も気をつけるんだぞ!(投げっぱなし)
04641/6
垢版 |
2016/02/20(土) 19:30:31.980
・ツンデレににわか知識を披露してみたら〜その2〜

 ギュッ……
「えっ!? ウソやった!! ホントに? カナタ君」
『別にご褒美でもねーし、繋ぎたいからでもねえよ。ただ、迷子対策……つーか、お前気
が散りやすいからすぐ道外れてどっか行きそうだし、はぐれたらはぐれたで、カナタ君ど
こーっ!!ってうるさそうだからな。恥かかないように、予防策ってだけだ』
「もう。ホントは気を遣ってくれてるんでしょ? 恥ずかしいからそう言ってごまかして
るけど、カナタ君ってば優しいんだから。だーいすき!!」
 ギューッ!!
『おい。誰が腕に抱きついていいっつったよ。調子に乗るんじゃねーっての。うざったい
な。離れろ』
「やだ。カナタ君がこんな優しさ見せてくれるなんて久しぶりだもん。甘えられる時にと
ことん甘えておかないともったいないよ」
『別に優しくした覚えなんてないっつってんだろ。迷子にならないためだけだからこんな
にくっつく必要ねーだろ。いい加減離れないと、このまま手を握り潰すぞ』
「平気だもん。カナタ君の温もりの前には痛みだってどっか行っちゃうのだ」
『よし分かった。どこまで耐えられるかやってみろ』
[よう。カナタと別府。相変わらずお熱いな。ヒュウ]
『んなあああああ!! や、友哉? どっから現れたテメー』
[さっきからいたんだけどな。面白いから声掛けずにずっと見てた]
『人が苦労してんの面白がって見てんじゃねーよ。このバカ!!』
【うふふっ。カナタ君。孝美ちゃんも久しぶり。あけましておめでとう】
「あーっ。真希ちゃん久しぶりー。うちの学祭来てくれて以来だよね?」
『何だ。山田も一緒かよ。友哉だって人のこと言えないだろが』
[バッカ。お前らとは違うよ。その、これは事の成り行きっつーか]
【あのね。友哉君に晴れ着の写真、撮ってもらったの。せっかくの晴れ着姿だから写真に
残しておきたいって思ってね。お父さんは写真館で撮ってもらおうかって言ってたんだけ
ど、それじゃお金かかるし、その……私は、友哉君に撮って欲しいなーって思ってたから】
04652/6
垢版 |
2016/02/20(土) 19:30:56.290
[いや。絶対写真館で撮った方が安上がりだったろ。お前のお母さんから、お年玉だって3
万も貰っちまって…… 何かむしろ悪いことした気分でさ]
【それでね。せっかくだから、初詣にも行こうかっていうことになってね。私は夜に来た
ことはなかったんだけど、友哉君がちゃんと案内してくれるって言うから】
[俺は毎年来てるから、別に山田がどうとかじゃなくて最初から行くつもりだったし。お
ばさんに勧められたら、お礼も貰ってる手前、断れないじゃん。なあ]
『俺に振るな。俺に』
【そういえば、友哉君と大晦日に初詣って初めてだよね? なんかちょっとドキドキするかも】
[ばっ…… バカ。変なこと言ってんなよな。別にこんなの、知り合い同士なら普通だよ
な? カナタ]
『そうか? 俺はめんどくさいし、出来れば人ごみだって分かってるところに単なる知り
合いと出かけたくないけど』
[ほお? じゃあ、なんでカナタは別府と初詣なんて来てんだ? これはもしかしてお前
ら、俺がちょっと目を離した隙に仲を進展させてたとかじゃねーよな?]
「え? 友哉君分かる? だってほら。手だってカナタ君から繋いでモガモガモガ……」
『こいつがいきなり押しかけてきて、初詣に行かないと朝まで居座りそうな勢いだったか
ら仕方なく出てきただけだ。手を繋いでんのは、単なる迷子対策。孝美はすぐチョロチョ
ロとどっか行くからな。分かったか友哉』
[え? 何だって? 夜中に押しかけて来れるほど、お前ら仲が良いって? なるほどな
あ。これはもう、男女の仲も相当進んでるって考えちゃってもいいのか?]
『お前…… いい加減にしないと殴るぞ』
[おっと。ムキになっちゃって。これはもしかして図星って奴か――って!!]
『言ったろが。殴るぞと』
[あいってえ…… ゲンコツで殴るかよ。しかも頭頂部めがけて、容赦ねーな……]
【友哉君。からかい過ぎるの、よくないよ。カナタ君はそういうの、昔から好きじゃないっ
て知ってるのに】
『山田って、正直よく気が回るし、いい子だよな。孝美に爪の垢煎じて飲ましてやりたい
くらいだよ』
【え? 孝美ちゃんは孝美ちゃんで頑張ってると思うけどなあ。ちょっと空回りしてるけど】
04663/6
垢版 |
2016/02/20(土) 19:31:36.850
『ちょっとどころじゃないから困ってんだよ。空回りっつーか、もはや軸から外れてとん
でもない方向転がってるっつった方がいいようなくらいだ』
「真希ちゃんって、やっぱり分かってくれてるよね。それに引きかえカナタ君ってば、全
然私の頑張りを見ようともしてくれないんだもん。ほら。ねえ。こんなに誘惑してるのに」
『だからそれが迷惑だっつってんだろが。空回り以上の何者でもねーだろ』
【えーと…… そういう事は確かに、女子から積極的に行くとちょっと引かれるかもしれ
ないから、自重したほうがいいかもね……】
「おう…… 真希ちゃんにもダメだしされたよ…… でも諦めないもん。カナタ君の心が
私になびくその日まで」
『墓に入るその日までかよ。冗談言うな。こっちが付き合ってられねーよ……』
[さてと。山田。そろそろ行こうぜ。お二人の邪魔しちゃ悪いし、お前もあんまり遅くま
でいるわけにも行かないしな]
『友哉。お前とは一度、とことんまで話し合わないといけないらしいな。場合によっては
拳も交えて』
[おっと。暴力反対。んじゃま、お二人さん。また今度ゆっくり会おうぜ]
【それじゃ、カナタ君。孝美ちゃん。またね】
「うん。バイバーイ」


『ちくしょう…… 相変わらずマイペースな野郎だな。あれじゃ、山田も苦労させられてるだろ』
「真希ちゃんのフォロー力は半端ないから。でもいーなー。晴れ着。私も着たいなー」
『山田はよく似合ってたな。でも、お前はダメだろ』
「えー!! そんなことないってば!! 私もちゃんと女の子なんだよ? 絶対似合うも
ん。それで、カナタ君を惚れ直させるんだもん」
『いや。惚れ直すって、そもそも一度も惚れたことがないし』
「またバッサリだよ、この人!!」
『あと、似合う似合わんはともかく、お前はすぐに着崩しそう。動きがムダに大きいし、
すぐちょろちょろ走ったりするからな』
04674/6
垢版 |
2016/02/20(土) 19:32:01.470
「ううう…… お母さんと全く同じこと言われた…… 成人式までにそのガチャガチャし
た性格直さないと、母娘の縁を切るって……」
『そういや、成人式って今年だろ? そりゃお前、120%母娘の縁切られるわ。ま、大人し
くちょっとオシャレな普段着程度にしとけ。振袖は100%無理だから』
「そんなぁ。100%とか言わないでよ。何とか頑張ってお母さんに認めてもらうもん。それ
でカナタ君に、馬子にも衣装だなって言われたいもん」
『それ、褒め言葉じゃねーだろ。つか、ようやくお前も少しは分をわきまえた発言するよ
うになったな』
「今の言葉も何気にひどいよ…… でもまあ、カナタ君からの暴言は裏っかわにびっしり
と愛が詰まってるからね。全然大丈夫だよ」
『前向きに考えるのはいいけどな。お前が愛っつってるのは、単なる毒だから。致死率100%の』
「ぐっ…… ま、負けないもん。これからいっぱいお祈りして、毒も愛に変えてもらうんだから」
『ちょっと待て』
「やん。なに、カナタ君。手なんて引っ張っちゃって。まさか人気の無いところに誘おうっ
ていうの? ダメだってば。ちゃんとお参りしてからじゃないと」
 グキッ!!
「あいたっ。指!! 指つぶれるよ!!」
『おっと悪い。あまりにむかっ腹の立つこと言われたから、つい力が入っちまった。すまねえな』
「謝罪に心が全くこもってないよ。あの……もしかしたら、人目があるから腕をひねり上
げるとか自重したの……?』
『ほう。自分がくだらないことを言ったっつー、自覚はあるんだな?』
「く、くだらなくはないよ? 心の中の欲望が直接口に出ただけで。だってほら。カナタ
君ってば恥ずかしがり屋さんだからさ。ちゃんとオーケーサイン出しておかないと、誘い
たくても誘えないかなー、なんて」
『まあ、今更お前に女の子らしく少しは恥じらいを持てとか期待はしないけどな。そうい
う発言すると痛い思いをするってことくらい学習しとけ。俺だってしたくてしてるわけじゃ
ないし』
04685/6
垢版 |
2016/02/20(土) 19:33:00.310
「そうなの? てっきりカナタ君ってば、好きな女の子を痛めつけるのが好きなサディス
トなのかと思ってたけど、違うんだ。良かったあ。結婚してもずっとこういうプレイしな
きゃならないのかなって、覚悟してたんだけど」
『お前な。俺と知り合って何年経つと思ってるんだ。人のことを好き好き言うなら、性格
くらい把握しとけ』
「うん。知ってるよ。カナタ君って、口は悪いしすぐ痛いことするけど、本当は優しいん
だって。だって、いつもなんだかんだ言って、私のこと心配してくれてるんだもんね」
『心配っつーか、目の届くところで危なっかしいことするから、暴走止めてるだけだ。勘
違いすんな』
「あ。出た。ツンデレのテンプレワードでしょ? 今の。か……勘違いしないでよねって。
で、お前のことなんて全然好きなんかじゃないんだからなって続くんだよね? ね?」
『殴るぞ』
「わっ!! カナタ君目がマジだよ。怖い怖い。ごめんなさいごめんなさい。もう言いません」
『全く…… お前と付き合ってるとお参りする前に夜が明けちまうじゃねーか』
「はっ!! そうだった。でも、私が先に行こうとするのをカナタ君が引き止めたんだよ? 
むしろ妨害したのはカナタ君じゃん」
『アホ。お前は清めもせずにお参りするつもりなのかよ』
「そんなことないよ。ちゃんと手水舎で手を清めないと、無作法に当たることくらい知っ
てるもん」
『ほれ。あそこ』
「ああっ!! あんなところにあった。もう。神社ってば時々分かりにくいところに手水
舎あるんだもん。危うく素通りして行っちゃうところだったよ」
『あんだけ人が集まってて分かりにくいもクソもあるか。お前が不注意なだけだ。どーせ
周りに気を配らずに、本堂の場所しか見てなかったんだろ』
「もうちょっと向こうかなーって思ってたんだもん。だって、ここ来るの久しぶりだし……」
『地元の神様なんだし、初詣だけじゃなくて普段から参詣して神様に顔出しとけよ。鳥居
をくぐる時どーのって、ネットで見たような知識披露するだけじゃなくてさ』
04696/6
垢版 |
2016/02/20(土) 19:33:45.720
「さ、作法だって重要だもん。知ってる? お清めする時の順番。最初に左手洗って、次
に右手洗って、その後は左手に溜めた水で口を清めて、もう一回その手を清めて、最後は
柄杓の柄に水が伝うように立ててから置くんだよ」
『最後のは知らないけどな。でも、他のはあそこに書いてあるし、お前の教えとか別にい
らないから』
「それだけじゃないんだよ。お水はね。最初に汲んだ一回だけで、全部のお清めをやらな
くちゃいけないの。足りなくなったからって継ぎ足しちゃいけないんだよ」
『へえ。そうなんだ。そりゃ、知らなかったな』
「えっへん。すごいでしょ。あとね、あそこのおばさんみたいに直接柄杓に口をつけると
か、論外だから。あんなことするとバチ当たるよ」
『ア、アホ。人を指差すなっての。気付かれたら怒られるだろが。つか、それも無作法だ。
神様関係なく』
「やっぱ、あーいうのってちゃんと注意した方がいいのかなあ? だってみんなが使うも
のだし、汚いよねえ」
『まあ、よくないのは確かだけどな。けど、神前でもめるってのもあんまりしたくねーしな』
「とにかく、私たちもやろっか。左手、右手、口、左手、柄杓の順番だよ。分かった?」
『わかってるよ。何度も言うな。調子乗りが』
「いや。私自身も確認ってゆーか…… ちょっとずつ使わないとすぐなくなっちゃうんだ
よね。んっ……クチュクチュ……ペッ。で、左手洗って……あれ。もう水ほとんどないや。
まあ、気持ちだけ立てて、と。はい。おしまい」
『何だよ。自慢げに言った割には適当だな』
「作法はちゃんと守ったもん。それに、作法を正確に守るのは大事だけど、それ以上に大
事なのは、神様に対する尊敬の念だから、それをちゃんと持っていれば多少失礼があって
も大丈夫だって」
『やっぱ、適当だ』
「ちゃんとした神社のホームページに書いてあったんだもん。だから大丈夫。さ、いこ」
『待った。口元。水、ついてるぞ』


続くのです
04721/3
垢版 |
2016/02/21(日) 12:53:42.520
・誰にもチョコをもらう予定のない男にツンデレがチョコをあげたら

『ねー、お兄ちゃん。お兄ちゃんってさ。今まで女子からチョコってもらった事あるの?』
「は? 何だよ唐突に」
『いーじゃん。明日バレンタインデーだし、何となく自分の兄貴のチョコ事情ってどうな
のかなーって気になっただけだから』
「そんなもん、好奇心丸出しで聞くことでもないだろ。兄妹とはいえ、ちっとは気を遣えよな」
『てことは、貰ったことないんだ。ダサッ』
「ダサッてなんだよ。大体、貰ったことないわけじゃないぞ。小百合ちゃんだろ。静菜ちゃ
んだろ。あと……」
『小百合さんって小学校の頃隣に住んでた四つ上のお姉さんじゃん。静菜さんは小学校の
クラスメートで、確かクラスの発表会の打ち合わせでうちに集まった日がたまたまバレン
タインデーで、みんなに配ったとかじゃなかった? はい。どっちも義理チョコ決定』
「何で俺のチョコレート事情をよく覚えてやがるんだよ。いやらしい奴だな」
『別にお兄ちゃん気にしてたわけじゃないもん。なんか、年上の女の人って憧れてついつ
い見ちゃうんだよねー。何でもキレイで大人っぽく見えてさ。良かった。二人ともお兄ちゃ
んなんかに引っ掛からなくて』
「グッ…… 言いたい放題いいやがって。そういうお前はどうなんだよ。憧れの男子にチョ
コ贈って告白とかしたことあるのかよ?」
『女の子のプライバシーに口、突っ込まないでよ。失礼だからね。そういうの。ドスケベ。
変態』
「男のプライバシーに口突っ込んどいて、聞き返されるとそれかよ。そういうのって、卑
怯だと思うぞ。男の方は聞くこと自体悪、みたいな言い方気に食わないんだけど」
『んー…… 男の人が、じゃなくてお兄ちゃんが? みたいな。なんかいやらしいんだよ
ね。聞き方がベタッとした感じでさ。鼻息荒くしてがっつかれてるみたいで』
「そんな聞き方してねーだろ。どのみちそんなお前のチョコ事情なんて興味ねーよ。お前
が俺のチョコ貰えないのダサいとか言うから、売り言葉に買い言葉で聞いただけだって。
つか、聞かれて嫌なこと人に聞くな」
『だってダサいじゃん。今年、じゃなくて人生一度も本命チョコ貰ったことないなんて。
こんなのがあたしのお兄ちゃんだなんて、世間に言えないわ』
04732/3
垢版 |
2016/02/21(日) 12:54:20.320
「うるせーな。人の傷口えぐり回しやがって。別にいちいち公表する必要もねーだろ。一
緒に出歩くこともないのに」
『そうじゃなくてさ。外でお兄ちゃんが友達とかと話ししててさ。俺、チョコゼロだった
わとか、そういう話してるんだなって考えるだけでもう妹として恥ずいなーって。なんか
こう、ゾワゾワするんだよね』
「悪かったな。みっともない兄貴で。だからっつったって、今更チョコくれる女子が出て
来るわけでもないし、仕方ねーだろが。変なこと気にすんなよ。むしろ俺だって気にしな
いようにしてたのに、却って気になってきたじゃねーか」
『……あのさ。あたしが……コ……げよ……っか……』
「は? 何だよ。何言ってんだよ。口の中でモゴモゴなっててよく聞こえないって」
『だ、だからさ。その…… あ、あたしが、チョコ、あ……あげよっかって、いってんの!!』
「え……? お前が? 何で?」
『なんでって…… い、妹が兄貴にチョコ上げるのって、へ、変じゃないと思うけど……』
「いや。だって、お前が中学生になってから、一度もくれたことないじゃん。この年になっ
て兄妹でチョコってのも変だよね、とか言ってさ」
『それはまあ……中学の時って、変な粋がりとかあったから…… そ、そもそも別に、好
きだからとか、兄妹だから、とか、そんな理由じゃないし』
「じゃあ何だよ? よくある、余ったから、って奴か?」
『そ、それもあるけど…… い、一応さ。あたしからでも貰えれば、お兄ちゃんチョコゼ
ロにはならないわけじゃん。そうすれば、ほら。義理でも貰えたって、言えるわけで』
「まあ、そうだけど。でも、それとお前に何の関係があるんだよ?」
『だからっ!! さっきも言ったでしょ? 自分の兄が義理チョコ一つもらえないだっさ
い男だって外の人から見られるの、想像するだけでも恥ずかしいって。だから、あたしが
渡しとけば、一応そういう目では見られなくなるわけで……』
「でも実際、お前以外からは貰えないんだし、ダサい兄貴なのは変わんないだろ? お前
に意味あんのかよ」
04743/3
垢版 |
2016/02/21(日) 12:55:50.520
『ほ、他の人からどう見られるのかってのが重要なの!! い、言っとくけど、妹からだ
なんて言っちゃダメだからね!! それじゃ何の意味も無くなっちゃうから!! ちゃん
と女の子からもらえたって顔するのよ。じゃあこれ。はい!!』
「何だよ。きっちり持ってきてたのかよ。いや。くれるっつーんなら、ありがたく受け取っ
とくけどさ……」
『とっ…… とにかくこれは、あたしのプライドの問題であって、それ以上の意味は何に
もないんだからね!! それじゃっ!!』
 バタバタバタ……バタンッ!!
「……変な奴だな。理由はともかく、なんであんなテンパってんだよ」


『はーっ……はー……はあ……』
『やっと、渡せたあ…… ここまで言わないと渡せないなんて、あたしってホント、ヘタ
レだあ……』
『あたしのチョコ事情……ホントはお兄ちゃん以外渡す人いない……っていうか、渡した
い人いないなんていったら……ドン引きするかな……するよなあ……ハハッ……ハァ……』


終わり
やはりバレンタインデーネタなしで2月を終えるわけには行かなかった
0475ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/02/22(月) 01:18:27.800
GJ

お題

・幼少期からタカシの面倒を見てきた隣にすんでるお姉ちゃんツンデレVS最近親の再婚により義姉となった姉ツンデレ

・幼少期からタカシに面倒を見てもらっていた妹分ツンデレVS最近親の再婚により義妹となった妹ツンデレ
0477ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/02/23(火) 12:48:18.210
義理には義理の、実には実の良さがあるのです
俺も妹ツンデレ欲しいなぁちょっと親に頼んでくる
0478ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/02/24(水) 01:08:31.080
・幼少期からタカシの面倒を見てきた隣にすんでるお姉ちゃんツンデレ
VS最近親の再婚により姉となった義姉ツンデレ
VS離婚により離れ離れになっていたが高校で再開した実姉ツンデレ
VS幼少期からタカシに面倒を見てもらっていた妹分ツンデレ
VS最近親の再婚により義妹となった妹ツンデレ
VS離婚により離れ離れになっていたが姉経由で再会した実妹ツンデレ

こういう事か、なるほど
04801/6
垢版 |
2016/02/28(日) 11:50:48.490
・ツンデレににわか知識を披露してみたら〜その3〜

「え? あ、ホントだ」
『待った』
「なに? どうしたのカナタ君」
『お前、どうせ袖でぬぐおうとしただろ。ほれ。ハンカチ』
「ありがとー。カナタ君って、ホント気が利くよね」
『だってお前、昔っから今に至るまで、物食ったり飲んだりした時、大抵口元に何かつけ
てるからな。で、クセですぐに袖口で拭こうとするし。いい加減それ直せ。女なんだからさ』
「でも、カナタ君ってホントよく私のこと見ててくれるよねー。それとも、なんかちょっ
とエロいとか思ってた? お水ついてる私の口元見て」
『思わねーよ。俺にそういうフェチはないし、あっても孝美じゃ興奮しない』
「またまた。じゃあ今度、カルピス飲んだ後の自撮り写真送って――あっ。ごめんなさい。
ウソです。今すっごく目が真面目になってて怖い」
『良かったよ。途中で気付いてくれて。また無駄な時間使って参拝が遅れるところだったからな』
「んーと……今の殺気はちょっとシャレにならないかなーと…… カナタ君のことだから、
傷を負わせるようなことはしないと思うけど、ダメージ残さずに痛み与える方法いっぱい
知ってるんだもん。怖いよ」
『お前がふざけたこと言わなきゃ、そんなことしないっつの。ほれ』
「え? また手を握ってくれるの? 握り潰すとかじゃないよね?」
『迷子対策だって言っただろ。まだ、人いっぱいいるし』
「エヘヘ。ありがとう、カナタ君。やっぱり優しいよね。口ではひどいこと言うけど、ちゃ
んと私のこと気にかけてくれて、心配してくれるし」
『ふざけんなよな? 何で俺がお前に優しくしなくちゃなんないんだよ。お前さえ誘いに
来なきゃ、今頃はあったかい布団の中でぐっすり眠れてたってのによ。恨みこそあれ親切
にする義理なんてねーよ』
「あん。もうヤダなあ。そんな地獄の鬼すら怖がって逃げ出すような目つきでにらみ付け
たってダメだよ。カナタ君のこの手から感じるぬくもりで、ちゃんと本当の気持ちが伝わっ
てるもん」
04812/6
垢版 |
2016/02/28(日) 11:51:37.040
『なに、勝手に人の気持ちを自分の良いように解釈してニヤついてるんだよ。気持ち悪い
な。どーせ俺が何言おうが聞く耳持たないんだろ。ったく、これだからバカってのは性質
が悪いんだよな』
「バカで結構です。カナタ君が気にかけてくれるなら、むしろバカでありたいです。んふふっ!!」
『全く…… 何で俺がこんな奴の面倒を見なくちゃいけないんだが……やなこった。ハア……』


「さあ。ついに来たよカナタ君!! 見て。あれが本堂よ」
『ゲームでラスボスの居城に辿り着いたみたくゆーな。高野山や熊野本宮大社みたいに参
拝に行くだけで一苦労な場所にあるならともかく、単に石段登っただけじゃねーか』
「でも人混みの中ここまで来るのって、結構大変だったじゃん。それにいよいよ、初詣の
メインイベントだからね。さあ、いざ行かん。神々の御霊の御許へ」
『これが中二病って奴だよな。ゲームやり過ぎて頭いかれたのかよ。いや。そもそもいか
れてるか』
「ほらほら。グチグチ言ってないで行こうよ。まだ結構並んでるし、早くしないと夜が明
けちゃうよ?」
『分かってるから手ぇ引っ張んなって。そもそもお前があちこち寄り道したり、くだらな
い話をたくさんしなきゃ、もうとっくに終わってたっての』
「あ。またそうやって人のせいにする。あのね。自分の悪い行いを人のせいにする人には、
神様は願いを聞いてくれないんだよ?」
『誰が悪い行いをしてるって? お前こそ、自分の行いを棚に上げてよくも言えたもんだよな?』
「あっ!! ほら。また手に力こもってるし。女子に暴力振るうの良くないよ」
『ぐっ…… この、都合のいい時だけ性別振りかざしやがって。さっきからチョロチョロ
と知ったかぶったような知識披露してるけど、そんなの本当にあんのかよ?』
「え? ううん。さっきまでのはちゃんとした作法だけど、今のは私の思いつき。多分そ
うかなー、なんて」
『何だ。じゃあ聞く耳持つ必要はないな』
「あいったい!! その、指の付け根まとめて握り潰すのやめて。骨が軋んでイタイイタイ!!」
『こんなことやってるから参拝が遅れるんだろが。ほら。さっさと並ぶぞ』
「そういえば、知識といえばカナタ君。ちゃんとしたお参りの作法、知ってる?」
04823/6
垢版 |
2016/02/28(日) 11:52:27.680
『また知ったかか。神社は確か、手を二回叩くんだろ。お寺が手を合わせるだけで』
「ノンノン。二拝二拍手一拝って言ってね。まずしっかり二回お辞儀をして、それから二
回パンパンって拍手をしてからお願い事をするの。で、最後に一回お辞儀をして終了。っ
ていうのは、一般的な知識ね」
『……なんかその言い方、ムカつくな。俺に一般常識すらないと言いてーか?』
「むっふふふ〜 安心して。この孝美先生にかかれば、たちまちカナタ君も神社通になれるから」
『くっそ〜 むちゃくちゃ頭来るけど、ここで手を出したらひどく負けな気がする……』
「今言ったことはね。ちょっと大きな神社なら、お賽銭箱のところにも案内が出てるんだ
けど、実は正式な作法だとね。拝礼をする前と後に軽くお辞儀をするの。それが神様に対
しての挨拶なんだって。これからお願い事をするのでよろしくお願いします、とありがと
うございましたっていう」
『なんかお辞儀してばっかりだな。つーか、誰から聞いたんだよそんなの。お前、勉強と
かしないだろ』
「失礼な。さすがに家政大学じゃカナタ君に頼るわけにいかないからちゃんと勉強してる
もん。栄養学とか。でもこれは大学のお友達で巫女さんやってる子がいるから聞いてみた
の。カナタ君に自慢できるように。アルバイトとかじゃなくて、ちゃんとした巫女さんな
んだよ。実家が神社なんだって。そんなに大きくないけど、ここくらいみたいな感じだって」
『へえ。本物の巫女さんか。なんかちょっと一度会ってみたい気もするな。今度ぜひ紹介
してくれよ』
「ダ、ダメーッ!! カナタ君。浮気なんて絶対ダメ!! カナタ君は私だけのものなんだから」
『勝手に俺をお前のものにするな。そもそもお前とは夫婦でもなければ恋人でもないし、
仮に俺が他の子を好きになってもなんにも関係ないだろ。浮気とか言われるほうが心外だ』
「ぐっ…… そういえば委員長もカナタ君と同じ大学のはずだし、ライバルいっぱいだよ。
こうなったら、神様にお願い追加しないと。カナタ君が孝美だけ見てくれますようにって」
『そういえばさ。俺もにわか知識でしかないんだけど、神社って願い事をする場所じゃな
いんだってな。本当は』
04834/6
垢版 |
2016/02/28(日) 11:53:06.900
「……は? なに、それ?」
『お? まさか神社通の孝美が知らないとか言うなよ? 本当は神社ってのは、神様にお
参りして近況報告をしたり、誓い言をしたりする場所なんだって(※諸説あります)』
「まったまた〜 カナタ君ってば、適当なことばかり言って。神様にお願い事しなきゃ、
お参りする意味なんてないじゃん。どこで聞いたか知らないけど、そんなのウソだよ」
『いや。たまたま朝のワイドショーつけたらやってた。願い事をしちゃいけないわけじゃ
ないけど、そういう時も願いを叶えるためにこうこう、こういう努力をしますのでお力添
えをお願いします、とか。都合のいい願い事ばかり言ってると、却ってバチが当たること
もあるんだって』
「そ、そんなあ!! 今年はカナタ君といっぱいデートが出来ますように。いつもずっと
一緒にいられて、そんでもって可愛いねって言ってもらえて、いっぱい優しくされたいで
すってお願いしようと思ってたのに」
『あー、そうかよ。ウザってーな。むしろ俺が神様に代わって願い事聞いてやるよ』
 パキポキ
「なんで指の関節鳴らすの? 絶対神罰与えるつもりだよね。神に代わってお仕置きよ、
とかいらないから」
『そりゃ、月に代わって、だろ。つか、ネタ自体が古すぎる』
「うう…… でも、言われてみれば確かに納得できるかも…… 朱里ちゃんも、神様って
怒りっぽいから失礼なことすると逆に祟られるかもって言ってたし。お賽銭投げてよこすとか」
『別の人からも聞いたけど、今はみんなお願い事ばっかしてるから、去年の報告とか一年
の誓いとか神様への感謝の気持ちを言うと、神様もこいつはちゃんとした奴だなって感心
して、ちょっと見てくれるかもっていう話もあったな』
「じゃあ、カナタ君が乱暴して困ります。照れ隠しにしても、もうちょっと素直になって
優しくなってくれればいいのに、女の子の手を握り潰そうとしたり関節ひねり上げたりす
るのってどう思いますかって聞いたら、同情したりしてくれるのかな?」
『そりゃ全部お前に原因があるからだろうが!! つか、神様によってはガチで俺に天罰
与えかねないからやめろ』
「そっか。カナタ君がひどい目に遭っちゃうのは、それは困るね。私の目的はカナタ君が
もうちょっと優しくしてくれたらなってそれだけだから」
04845/6
垢版 |
2016/02/28(日) 11:53:45.990
『俺はこれでも精一杯我慢してるほうだと思うけどな。つか、捏造すんな。照れ隠しとか、
お前の勝手な思い込みだろ。事実みたいに語るな』
「ほら。だからそれが照れ隠しなんでしょ? 恥ずかしいからって、可愛いなあいった!!」
『わりい。あまりにイラッと来たから、つい手に力込めちまった』
「絶対ウソだよ。カナタ君、感情で自分をコントロールできないような人じゃないもん。
痛みで私を調教しようとしてるよ」
『調教とか穏やかじゃない言葉使うな。周りがこっち見るだろ』
「私は調教されるのはイヤじゃないよ。ただ、痛いのよりも気持ちいいのがいいかな? あ
と恥ずかしいの」
『ここが家だったら、今の言葉一つで十回はタップさせてるんだがな』
「最近、前にもましてカナタ君の関節技が切れ味増してるよ。つかまれたって思った瞬間、
もうタップするしかないんだもん」
『下手に掛けると却って怪我させるから、ちゃんと気をつけてる。つか、そんなところに
気を遣わさせるな。そもそもお前が勝手な妄想とかエロっちいこと言わなきゃそんなこと
する必要もないんだよ。神様の前で土下座して反省しろ』
「私の妄想を神様の前で披露するなんて……不敬すぎてちょっと……」
『どんだけ頭ん中ピンクなんだよ!! ったく、処置に終えないなお前は』
「あ。カナタ君。そうこうしてるうちに、次が私たちの番だよ」
『ちゃんと分かってるよ。お賽銭は、まあ百円でいいか』
「私は十五円にするの。十分ご縁がありますようにって」
『語呂合わせかよ。遊んでる風でかえって気を悪くさせそうだけどな。金額もしょぼいし』
「お賽銭は金額じゃないよ。気持ちが大切なの。あ、あと500円は縁起が悪いんだって。
これ以上の効果(硬貨)はありませんってことで」
『やっぱ遊んでるじゃん。気持ちが大事とか言いながら、全然気持ちがこもってないよう
に思えるけどな』
「そんなことないよ。そういう語呂合わせを信じる人の方が、それだけ願う気持ちが強いっ
てことだもん。あ、ほら。私たちの番だよ。カナタ君。一緒に拝礼しよ」
『いちいち一緒に、とか言う必要ないだろ。横に並んでるんだから、一緒にしない方がお
かしいっての。わざわざズラす方が後ろの人に迷惑だし』
04856/6
垢版 |
2016/02/28(日) 11:54:27.680
「いーの。これも気分だもん。最初に軽くお辞儀して、と。拝礼の時のお辞儀は、深く腰
を突き出すイメージでやるんだって。もし良かったら、私の見て真似していいからね」
『しねーよ。お前はお前で勝手にやれっての。こっちはこっちでやるから。その程度、別
に見て真似る必要もないし』
「もー。カナタ君ってば、照れ屋さんなんだから。っと、じゃあ、お賽銭を入れて、と」
 チャリチャリーン
「じゃあ……二回お辞儀して…… よし」
 パン、パン!!


続く
気が付けばもう3月だ
04871/2
垢版 |
2016/02/29(月) 11:50:58.470
バレンタインでさ

俺は例年通りツンデレに告白されたの

というのもツンデレ早口でさ

たぶん俺の事好きって言ってると思うけど普通に悪口も言ってくるし自信持てない感じ

それでバレンタインよ

雪が降りしきる帰り道、寒さにちぢこまりながら肩並べて歩いててね

家まで我慢しようともしたけど、積雪に足取られるししんどいし休憩していくことにしたの

そんで近くの喫茶店入ったんだけど同じような休憩のお客様でいっぱいでさ

せっかくテーブル席で清く正しくイチャつけると思ったのにカウンター席に通されます

して一杯のコーヒーで一息ついた時、ツンデレかばんからチョコ取り出してさ

いつもの早口で何かしゃべって渡してくれたの

なら俺はチョコとツンデレの手首捕まえてさっき何て言ったか問いただすの

最初は振りほどこうと力入れてたツンデレも観念してさ

息がかかるくらい耳元で、好、き、だ、よ、ってめっちゃ丁寧に教えてくれたの

これまでの点と点がつながった今、はれて両想いになった俺たちは将来について語り合った、って話
04882/2
垢版 |
2016/02/29(月) 11:51:39.980
バレンタインでさ

私は例年通りアイツに告白したの

というのもアイツ耳遠くてさ

おまけに鈍感で私が好き好きオーラ出してんのに片思いと思ってるくさい訳

それでバレンタインよ

雪が降りしきる帰り道、例の奴を渡す機会を今か今かとうかがってたの

そしたら寒いし疲れたしでお茶でも飲んでこうとアイツからのお誘い

そんでホイホイついていったら甘い恋人の匂い漂わせたお客さんばっかりでさ

どうも私たち場違いな人間が入ってきてすみません思いながらカウンター席に通されます

して温かいコーヒーで一服した後、誰も見てないだろうし渡したれと例のアレを取り出して

いつもの、好きだよ、を添えて渡したったの

ならアイツは私の手首つかんで、何て?っておなじみの台詞

これまでは二度も言うのは流石に恥ずかしくて無視してダッシュで逃げてたの

でもアイツ実は力強くて全然放してくれなくてさ、諦めて二度目の告白させられてね

その後は結婚するのは確定として、三人くらいは子供ほしいよねってアイツに相談した、って話
0490ほんわか名無しさん
垢版 |
2016/02/29(月) 19:20:05.680
四年に一度しか会えないツンデレ
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