「そりゃ悪かった。ま、近くに寄ったところで害があるわけじゃないしね。むしろ俺の方
が静乃さんから風邪を貰わないよう注意しないと」
『その発言には、優しさが足りないわ。風邪は人にうつすと治りが早いって言うじゃない。
いっそ近くに寄ったんならついでに私の風邪菌を全部持って行くくらいの心意気を見せな
さいよ。ホント、男気がないんだから』
「静乃さんが優しく看病してくれるっていうならそれもありだけどね。でも、静乃さんの
看病だと、三日後には総合病院の看護師さんの看病に変わってそうだけど」
『悪化するって言いたいのね。よく分かったわ。仮に貴方が風邪を引いたら、お返しに私
が傍に付き添ってちゃんと看取ってあげるから。総合病院なんかにお世話にならなくても
いいように』
「それはもしかして、呼ぶのは救急車じゃなくて霊柩車……とか?」
『さあ? ご想像にお任せするわ。そうね。冷えピタの代わりに濡れたタオルでも置いて
あげようかしら。間違って鼻と口を塞いじゃうかもしれないけど』
「そりゃ怖いな。やっぱり今後、風邪は引かないよう注意しよう」
『死ねばいいのよ。いっそ。ところで、いつまで病人にペラペラとしゃべらせてるつもり
なのよ。咳が出てないからって喉が腫れてることには変わりないのよ。さっさとドリンク
持ってきなさいよね』
「はいはい。人使いが荒い病人さんだよ。全く」

『……フン。バカ……』


続く
鯖が重くてJaneから書き込めない……