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ツンデレにこれって間接キスだよなっていったら0.8 [転載禁止]©2ch.net
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0001ほんわか名無しさん
垢版 |
2014/12/31(水) 17:37:27.350
◆このスレは何?
ツンデレの妄想でひたすら萌え続ける場です。どんな形でもいいのでアナタのツンデレ妄想を垂れ流してください。
◆前スレ
ツンデレにこれって間接キスだよなっていったら0.6
http://nozomi.2ch.net/test/read.cgi/honobono/1384561770/
◆過去ログ置き場
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0116・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その17 1/7
垢版 |
2015/03/30(月) 01:27:12.440
「これで、全部終わりか。イルカショー、間に合わなかったな」
 案内板の先に出口の文字を見て、別府君が呟く。
『別にいいわよ。人間に餌付けされて飼いならされたイルカの演技なんて見なくたって』
「まあ、それに関してはそんなに会長も興味引かないかなって、そう思ったから敢えて
声は掛けなかったけど」
 正直、イルカショーよりもオオサンショウウオやらカエルやイモリやトカゲなんかに
興味を示す女子ってどうなのだろうかと、別府君の言葉を聞いて私は省みてしまう。
『……いいでしょ、別に何が好きだろうが』
 わざと、まるで別府君が私をからかって言っているとか、そんな風に聞こえたような
態度で私は文句を言った。
「別にダメとかそんな事言った覚えないけどな。イルカショーに興味示す会長ってのも
何からしくない感じがするし」
『何よ、それ? それはそれでバカにされた気がするわ。私ってば、全く可愛げがない
女みたいな言い方に聞こえるわよ』
「だからそういう意味じゃないってば」
 弁解する彼をジトリと睨み付けてから、私はプイとそっぽを向くかのように向きを変
えて歩き出そうとした。その背後から別府君の声が掛かる。
「あのさ。お土産、買って行かないか?」
 振り向くと別府君が傍にあるお土産コーナーを指差していた。私は一瞬、その意味を
考えて首を傾げた。
『お土産って、誰に買って行くつもりなの? 私は別に、今日のデートの事を誰かに話
すつもりなんて全くないんだけど』
 私の気持ちや、彼との今の関係を置き去りにして噂話だけが先行するような真似は一
切したくなかった。むしろ別府君が自慢げに誰かに今日のことを話すのかと危惧しかけ
たその時、別府君が答えた。
「いや。誰かにってんじゃなくて、自分に。何ていうか、記念みたいな感じでさ」
 そして、土産コーナーの方を指してみせた。
「例えばさ。ああいう、キーホルダーとかストラップ的なものとか……どうかなって」
 私はジッと別府君を見つめて、そして浮かんだ問いをそのまま口に出した。
『別府君は、今日のデートを何かの記念にしたいとか、そう思ってるの?』
0117・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その17 2/7
垢版 |
2015/03/30(月) 01:27:42.400
 すると彼はちょっと慌てふためいたかのように答えを濁した。
「ああ。いやその……記念っていうか……か、会長と二人でこういうトコ来るのって、
そうそうないっていうか、もしかしたらこれっきりかも知れないわけで、そしたら何か
思い出になるようなもの買っとくのもいいかなって…… まあ、会長はそういう気分で
もないかも知れないけどさ」
 不思議とどこか言い訳めいた事を言う別府君を、私はジッと見つめた。彼がそうした
いと言うならもちろん断る理由はないが、個人的にはさほど何かを買いたいとは思って
いなかった。正直に言えば角が立つような気もして、珍しく言葉を選んで私は答える。
『……いいわよ、別に。私は別に、今は欲しい物は特にないけど、見ていれば欲しくな
るものもあるかも知れないし』
 すると別府君は、ホッとしたように笑顔を見せる。
「そっか。まあ、出来る限り早く選ぶからさ。何なら、一緒に見て回る?」
『それは遠慮するわ。私と一緒にいると、貴方の無駄話も増えるし』
 私が傍でつまらなさそうにしていれば彼の楽しみを殺いでしまうだろうし、かといっ
てお付き合いではしゃぐ気にもなれないのでお断りする。すると別府君の表情に、かす
かに残念そうな色が見えた。
「分かったよ。買うか飽きるかしたら、ここで合流ってことで」
 私は頷いて彼と別れた。
――何だろう? もしかして、私と一緒に仲良くお土産を見て回りたかった……とか?
 何となく周りを見て、適当にそれっぽいカップルを物色する。私たちよりやや年上っ
ぽいカップルが仲良くお土産を選びながら楽しそうにしゃべっているのを見つけ、私は
しばし眺めつつ、それを自分と別府君に当てはめようとして、止めた。
――バカバカしい。仮に私たちが恋人同士だったとしても、絶対ああはならないわよ。
別府君だってそれくらい分かってると思うんだけど……
 ため息をついて視線を逸らす。すると自分の傍に、大量のぬいぐるみが無造作に棚に
積み上げられているのに気付いた。
――何か買って行くとしたら……こんな感じかな?
0118・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その17 3/7
垢版 |
2015/03/30(月) 01:28:19.030
 イルカだの、クジラだのの小さなぬいぐるみを手に取っては棚に戻しつつ私は考えた。
自分へのお土産なら食べるものはいらないし、キーホルダーやらストラップ、文具など
もあるけれど、どれも自分には似合わないと思う。
――まあ、ぬいぐるみも似合わないとは思うけど…… でも、これなら部屋に置いとく
だけだし……
 ここで買ったお土産で初デートを思い出すなら、なおさら人前には出せないと私は考
えた。物としては都合がいいのだが、可愛らしいぬいぐるみを取っては戻し、取っては
戻しをしても、どうにも食指が動かない。
――何か、ピンと来ないな…… もうちょっと変わったものがあれば……
 もっとも、オオサンショウウオやアカツノガエルのぬいぐるみなんてあるとは思えな
いが。強いて言えば亀くらいか。しかしそれもどうもお金を出して買うとなると微妙である。
「会長」
 悩んでいると、別府君が横から声を掛けてきた。
『何? 私の事なら別に気にしないでいいわよ。貴方は自分の買い物をすれば――』
 素気無く追い払おうとした私の言葉は、彼が手に持っていたものに視線が吸い込まれ
た瞬間、そのまま途切れた。
「これ、スゴくね? 」
 そう言って片手に掴んでいる物を持ち上げる。それはまさにエビ――の、ぬいぐるみだった。
「やっべよ。超リアルじゃん。これ。見てみ、ちょっと」
 何だか少し興奮気味にしゃべりつつ、別府君は私にエビのぬいぐるみを差し出す。私
は大人しく受け取ると、グルッと回してエビの顔を見た。うん。まさしくエビだ。
「脚とかもさ。何かこう、すっごい本物っぽくね? ぬいぐるみとしては全然可愛くないけど」
 私は無言でひっくり返して腹側を見た。若干デフォルメされてはいるものの、他のぬ
いぐるみのように愛らしさはまるでない。顔つきといい甲羅の形状といい、脚といい、
まさにエビとしか言いようがなかった。返す返す眺める私の傍で、別府君はしばらく無
言で私の様子を見ていたが、一通りの観察が終わったと見たのか、感想を求めてきた。
「どう? 会長さ。こういうの、好きじゃね?」
『私が?』
0119・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その17 4/7
垢版 |
2015/03/30(月) 01:28:55.490
 いや。正直言えばエビやカニみたいなごつくてメカメカしい生き物よりは、カエルや
トカゲやなめくじみたいなヌタッとして訳の分からない生き物の方が好きなのだが、こ
ういうのも興味がないとは言わない。
「あれ? 違ったかな……? 結構興味深く見てたようだったから、こういうのも好き
かと思ったんだけど……」
『まあ、興味ないこともないけど。で、だとしたらどうだって言うの?』
 素っ気無い態度の私に、別府君は拍子抜けしたような顔をしつつも気を取り直して答えた。
「いやあ…… もし好きだったら、こういうのをおみやげにどうかなって…… そう思っ
たんだけど」
 私は首をひねる。正直、こういうおせっかいはどういう意図でやっているのかがさっ
ぱり分からない。
『欲しいものがあれば自分で決めるわよ。別に必ず買わなくちゃいけないものでもない
し。わざわざ別府君に指定されるまでもないと思うんだけど』
 口に出してから、ちょっと物言いがキツ過ぎたかなと思う。すると案の定彼は落ち込
んだ様子を見せた。
「そっか。いや、まあそんなに欲しくないんだったら、別に買う必要もないしな」
『ちょっと待って』
 彼が棚に戻しに行くのを予感して、私は動き出す前に止めた。そんな風に落ち込まれ
たら、私だってサービスしないわけにはいかないじゃないと、内心ちょっと罵りながら。
『言ったでしょ? 興味ないこともないって。私が欲しいかどうかも決める前に勝手に
結論出さないでよね。見せてもらわないとさっぱり分からないし』
「あ…… ああ。ゴメン……」
 手を差し出すと、別府君は謝りつつ私にエビのぬいぐるみを差し出す。それを受け取
ると、表と裏をひっくり返して手で触りながら細かく確認する。
『……確かに、よく出来てるわね。本来ぬいぐるみって可愛いものなのに、脚とか甲羅
とか本物っぽい作りすぎて可愛さのかけらも無くなっているところは逆に評価するわ』
「だろ? そう思ってさ。いっぺん会長に見せたいなって思って」
 別府君の声に元気が戻ってくる。しかしそうなると、今度は逆に反発心が湧いてくる
のが困り物である。
『だけど、おみやげには向いてないわよ。何よりも大きすぎるもの。車で来てるならと
もかく、こんなもの持ってバイクには乗れないわ』
0120・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その17 5/7
垢版 |
2015/03/30(月) 01:29:41.190
 両手で抱え持つくらいの大きさがあるだけに、バッグに入れるのは絶対無理だし、手
提げのビニール袋に入れたりしたら別府君に掴まれなくなってしまう。私がエビを彼に
差し出すと、別府君は苦笑してそれを受け取る。
「そっか。確かにそうだよな。会長の好みばかり考えて、そういうことまで考えなかっ
たわ。ゴメン」
 そのまま棚に返しに行く彼に並んで私も歩き出した。
『ねえ。もう少し小さいのはなかったの? せめてバッグに入るようなの』
 別府君は驚いた顔で私を見た。しかしすぐに表情を変えると、ちょっと考え込みつつ
首をひねる。
「うーん…… ほとんどは可愛いのばかりで、こんなリアルなのはなかったなあ。やっ
ぱり小さいのじゃ再現するの、無理なんじゃね?」
『いいわ。私も一緒に見る』
 結局別府君に乗せられた形になってしまったが、流れ的に見ればそんなに不満はなかっ
た。むしろ別府君がこの展開を望んでいるのなら、それでいいわけだし。
「ここら辺かな? ぬいぐるみコーナーでちょっと変わったのが売ってるのは」
 別府君がエビをもともと置いてあった場所に戻すのを見つつ、私は他のを見てみる。
エビもあるにはあったが、大きいのとは違って可愛らしさが全面に押し出されている。
これは私の好みじゃない。
『変わったのって言っても…… イルカとかクジラとかアザラシじゃないってだけじゃない?』
 人気のぬいぐるみは、大小様々、大きいのになると両腕で抱え込まないと持てないく
らいのものまである。もちろんお値段も相応に高い。そういった物がぬいぐるみコーナ
ーの大部分を占拠している中で、エビだのフグだのイカだのタコだのサメだのといった
マイナーなものがひっそりと押し込められるように置かれていた。
「まあね。だからさっきのエビなんてのは、結構これしかないって感じだったんだけど。
やっぱ気に入るのなんてなかなかないよな」
 棚のぬいぐるみを手に取っては戻す別府君の背中を、私はちょっと面白くない気分で
見つめた。確かにキモいのに心惹かれるとはいえ、可愛いのに全く興味を示さないと思
われるのも何だか女の子らしくないと思われているようで癪に障る。
0121・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その17 6/7
垢版 |
2015/03/30(月) 01:30:07.300
『うーん…… でもこれも……普通っぽ過ぎる……』
 さっき、別府君が声を掛ける前も見ていたけれど、どうにも心揺さぶられるものがな
い。手に取ったタツノオトシゴを棚に戻したとき、視界の端にチラッと触手っぽいもの
が映った。
『ん?』
 視線をそっちに向けてみる。ややピンクがかった白く先の丸い足みたいなのがぬいぐ
るみの中に埋もれているのを見て、私はその足らしきものを掴むと無造作に引っ張り出した。
『……何これ……?』
 足は意外と短くて、でっかくて丸い頭から何本も生えていた。頭だけならただの小さ
いクッションみたいな物なのに、下から何本もの触手が生えているのがちょっと面白い。
「会長。それ、気に入ったの?」
 私がしげしげとぬいぐるみを眺めているのを見て、別府君が聞いてきた。私は彼の方
を向いて、ぬいぐるみを差し出す。
『これ、クラゲだって。そう見える?』
 商品についているタグから確認して、私は別府君にそう聞いてみた。すると彼もちょっ
と首を傾げてみせる。
「頭だけ見ると、丸いクッションだよな? 触手が生えてるから分かるけど」
『何か、そのアンバランスさがちょっといいかもって思って』
 頭には目も何にも付いていなくて、何ともいえない珍妙さが私を捕らえていた。
「そういえば会長。クラゲコーナーでも熱心に見入っていたもんな。これなら大きさも
ちょうどよくね?」
 私はコクリと頷く。
『本当なら、もうちょっとリアルっぽくて変わった形のが良かったけれどね。ウリクラ
ゲの光る置物とかだったら文句なかったんだけど。でもまあ、買うならこれかしら』
 本当はもっとサイズのでかい方が珍妙さが増してて良かったが、エビと同じで持って
帰るのには支障があるので、私は手の平サイズのを選んだ。
「いいの? これに決めるってことで」
0122・ツンデレが男に水族館デートを申し込まれたら その17 7/7
垢版 |
2015/03/30(月) 01:30:44.240
『ええ。大した額でもないしね。仮に失敗しても後悔するほどのものじゃないし』
 言葉で言うよりはもう少し欲しい気持ちはあったが、最初に興味なさそうな素振りを
した手前もあって、私は若干気持ちを抑えてみせた。それでも別府君は嬉しかったよう
で、笑顔を見せて頷く。
「それじゃ、買ってくるからさ。俺はもう、自分のは選んであるし。ちょっと待ってて」
 軽く手を上げると、別府君はいそいそと歩き出し、棚の陰に消えて行った。
『……選んであるって…… 別府君って、何を買ったのかしら?』
 興味はあったが、聞いてそうと悟られるのも癪なので、私は結局別府君が何を買った
のか、その日は知らずじまいで終わったのだった。


続きます
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