数年前の話だが、検察事務官の研修で不思議な会話があった。
研修に参加する色々な地検の職員が集まる。
そこで初めて一堂に会した時の話。
自分も他の人と同じように他の地検の事務官と「私は●○検察庁の■□です。よろしく」なんて挨拶する。
すると、「あ!あなたは3年前の一斉考試で名前が載っていた人ですか?すごいですね!私も載ってみたいですよ。よろしく」なんて言われた。
「はぁ……こちらこそ…(すごいな…そんなことまで知っているんだ…俺なんか自分と同じ地検の人くらいしか知らないよ。さすが検察事務官には記憶力のすごい人もいる者だ…)」と思った。
しかし、段々とこの会話はおかしいことに気が付いた。

こんなことを考えた。
俺の名前は特に変わっていないから印象には残らない。
そんなに記憶力がいいならば、一斉考試なんて研修教材さえ読んでいれば解けるんだら、あの人なんか読んだらあっという間に成績ナンバーワンだろうに…
でも、成績優秀者の知らない人の名前を一々読んで覚えていたのに、そんなことするくらいならば、研修教材読んだらいいのに…
待てよ?
この人はその年その年の優秀者の名前を一々、暗記しているのだろうか?
変な人だな…?物凄く暇で、意味のないことだよな…
それとも…今回の研修の為に、その参加者の名前を一々、過去の発表された成績優秀者からチェックしているのか?
それはそれで、大きな労力だし、時間がかかるよな…?
それにしてもだ。チェックするのは勝手だけれど、それを口に出すことはないだろうに。
しかし、口に出して本人に向かって言う心理はなんだろうか?
この人は、自分が成績優秀ではないけれど、とてつもない記憶力だということをアピールしたいのだろうか?
そんなことが意味を持つなんて、検察事務官社会にいるとしたくなるという「力の誇示」という奴か?
そんなことしていて、却って虚しくならないか?
……ならないんだろうな…ここではみんな力を誇示したがるから、こんな行動が意味を持つわけだし……
しかし、誰にでもある失敗談とか、ドジをした話とかを口にする奴って、本当にいないよな…
改めて、検察事務官社会は窮屈なところだと感じたこのごろ。