続き

※大泉解体が嫉妬でもなく、根拠のない盗作追及でもなく、
同居による類似のためと説明されています。

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才能のあるなしの悩みは、作品を描きつづけていき、
作品のなかで問いつづけ、証明していくことができます。
自分の求めるもの は何かという悩みは、自分自身の感性への
追求のなかで発見していくこともできます。でも「持ち味を変えろ」
という要求に対する悩みは、解決を見ることはありませんでした。
自分の感性を曲げることは、どうしてもできな かったからです。

竹宮は、一つの結論をだした。 少女漫画が、このまま方向に
流れていくとは思わないわ。いつか、この流行にあき、 
少年漫画ふうのダイナミックな画面を求めるファンが出てくる。
それまで、描き手として生きのび、待つしかないんだわ。
こうして彼女は自分をまげ、画風を変えさえすれば、
のりこえられたこの低迷期を、あえてひきうける形となる。
流行というバスから飛び降りたのである。
萩尾望都と同居すれば、どうしてもその絵柄や内容に類似点がでてくる。
竹宮は萩尾望都と離れた。必然的に大泉サロンも解体。
彼女は流れに追われなが ら、自分の持ち味を再点検することになる。