「君のすべては俺の物だ・・・・」
真澄はそう言うと、マヤから視線を外すことなく、ひとつひとつのボタンをゆっくりと外し始めた。
「いやっ!」
マヤはそれを静止させようと手を出しかかっていたが、彼の手によってボタンは次々と外され、はだけたブラウスは無理やり肩から下ろされた。
残されている胸元の下着は、後ろのホックが外されているので情けない状態でぶら下がっている。
マヤの頭の中に、溢れるほどの迷いが渦を巻いていく。
・・・ほんの遊び心でからかわれ、相手にされているだけなのではないか・・・
「誰にも渡さない・・・」
真澄はそう言うと、さっと下着の紐を肩から引き下ろした。
「あっっ・・・!やめて!」
それはマヤが怯(ひる)んで手の力を弱めた瞬間、彼女の腕の辺りで引っかかっていたブラウスと共に床へとはぎ落とされた。
・・・・パサリ・・・
視線を背けたマヤは、自分の露(あらわ)になった胸元を隠すように、真澄に強くしがみつく。
真澄は、自分の背中にあるマヤの腕の力を 彼女の覚悟だと信じ、理性をすべて消し捨てた。
このまま、欲望に支配されたまま彼女をめちゃくちゃにする自分への迷いもすべて・・・・。
そして静かに震えているマヤの背中を大きな手のひらで何度もなぞりあげ、気持ちを高めていった。
「速水・・・さん・・・・」
・・消えてしまいそうなマヤの声が闇に響いていた。