蛇足ですが。
西行法師が出家したのは失恋とか友人の死と言われている。
陽大が俗世を捨てるあたりも西行に重ねているように見える。
そして西行は、願わくば桜の花の満開の下で死にたいという歌を残している。
陽大の生き方を西行と重ねるならば、人生の最後は花乃と迎えたいということと私は受け止める。
「願わくは 花の下にて 春死なむ その如月の 望月のころ」
この短歌は物語の中には書かれていないので西行と陽大を重ねた私の勝手な解釈となる。