西浦氏は専門家会議を飛び越し、首相官邸に直接影響を与えるようになった。
特に大きな反響を呼んだのは、彼が4月15日に厚労省クラスター対策班として行った記者会見である。
ここでは「85万人が重症化して、その49%が死亡する」と発表した。

これが「42万人死亡説」として大きな反響を呼んだが、
6月23日現在の新型コロナ死者は963人。
400倍以上の違いは「計算違い」としてすまされる問題ではない。
この計算が「8割削減」という専門家会議の提言の根拠になったからだ。
西浦氏も「8割おじさん」と自称している。

これほど大きく計算が狂った原因は単純である。
彼の想定した基本再生産数2.5という感染力の想定が大きすぎたのだ。
この値の根拠は「ドイツの数字だ」とか「武漢の数字だ」とか西浦氏は説明しているが、
それが日本でも同じになる科学的根拠は何もない。