今ここにある互先定石があったとしてその定石は勢力と実利にワカレるスタイルだとする
いい加減のワカレなのであるからこの定石で得られる実利が10目だとすると相手側は10目相当の勢力を得ているはずだ
つまり、実利10目:10目相当の勢力
これは5級同士、初段同士、5段同士、高段同士でも変わらない

ここで仮に5段と初段が互先で対局しこの定石を打ったとしよう
どちらが地を取る側でも実利10目には変化がない
ところで勢力もやはり10目相当の勢力なのだろうか?
初段が勢力側になればその勢力は相手が初段ならば10目相当の勢力だが相手が5段なら10目相当の勢力として働かせてもらえないだろう
初段が地を取れば相手の勢力は相手が初段ならば10目相当の勢力だが相手が5段なら10目以上の勢力として働かされてしまうだろう
つまりどちらが地でどちらが勢力かによって
 下位側の地10目 < 上位側の10目を超える勢力
 下位側の10目を下回る勢力 < 上位側の地10目
のいずれかになる

いま全ての対局の作り碁の黒地と白地の合計が平均で100目であると仮定しよう
そうするといい加減のワカレで地と勢力を作って来たのだから終局までの双方の勢力の合計も100目とみなすことが出来る
平均で合計100目の地、コミ6目半で換算すると
 黒地(53.5目): 白地(46.5目)
これを棋力差がある者が置き石無しで対局した場合、1子につき15目変動すると仮定する
定先の手合いが歪んでいるがこれを無視すると上手側が黒番で打った場合
1子差  黒地(61.0目): 白地(39.0目)
2子差  黒地(68.5目): 白地(31.5目)
3子差  黒地(76.0目): 白地(24.0目)
4子差  黒地(83.5目): 白地(16.5目)
つまり4子差ある者同士が上手が黒番で互先コミ6.5目で打つと
黒地(83.5目):白地(16.5目)コミ6.5目で黒60目半勝ちになることが予想される

つづく