「強行採決」「反対」。

 8日の参院法務委員会。野党の怒号が飛び交う中、入管難民法改正案は、与党などの賛成多数で可決された。


 午前10時すぎに始まった委員会は、野党議員が続々と詰め掛け、冒頭から物々しい雰囲気に。立憲民主党の石川大我氏は反対討論で「審議を続行すべきだ。現段階での採決はあり得ない」などと声を張り上げた。

 採決直前には、野党議員が杉久武委員長の席に詰め寄って「反対」などと口々に抗議した。与党議員らの挙手で可決された後も、しばらく杉委員長を取り囲んで無効を訴えた。

 改正案を巡り、立民は杉委員長の解任決議案や斎藤健法相の問責決議案を連発。採決引き延ばしを図ったが、最後は与党に押し切られた。

 採決後、野党筆頭理事を務める立民の牧山弘恵氏は記者団に「強行採決すると本当に国会の意味がなくなる」と述べ、与党の対応を批判した。

 名古屋市の入管施設で亡くなったウィシュマ・サンダマリさんの妹2人も委員会を傍聴した。このうち、ワヨミさんは「採決に参加して抗議したかった」と記者団に強調。ポールニマさんも「強行採決は本当に残念だ」と述べた。